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【発明の名称】 熱交換式換気扇及び換気方法
【発明者】 【氏名】刀根川 浩巳

【要約】 【課題】居室全体の温度を余り下げることなく、居室内の気圧を周辺の気圧より高くすることを課題とする。

【解決手段】熱交換式換気扇10で屋外空気32と室内空気34を同時に給排し、給気と排気とを熱交換する。そして、給気量を排気量より大きくすることで、居室36内の気圧が周辺(屋外やサニタリーゾーン40等)の気圧に比べて高くなる。これによって、周辺から居室36内に汚れた空気や隙間風が入り込み難くなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 屋外空気と室内空気を同時に給排し、給気と排気とを熱交換する熱交換式換気扇において、給気量を排気量より大きくしたことを特徴とする熱交換式換気扇。
【請求項2】 屋外空気を給気する給気ファンの能力が、室内空気を排気する排気ファンの能力より大とされたことを特徴とする請求項1に記載の熱交換式換気扇。
【請求項3】 室内空気を排気する排気通路の空気抵抗を、屋外空気を給気する給気通路の空気抵抗より大きくしたことを特徴とする請求項1に記載の熱交換式換気扇。
【請求項4】 給気量が排気量より大きな熱交換式換気扇を居室に取付け、衛生設備が配置された部屋に排気用換気扇を取付け、前記熱交換式換気扇及び前記排気用換気扇を駆動して、居室を正圧に、衛生設備が配置された部屋を負圧にすることを特徴とする換気方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱交換式換気扇及び換気方法に関する。
【0002】
【従来の技術】室内の換気方法として、台所やトイレ等のサニタリーゾーンに排気用の換気扇を設けて負圧とし、各居室に設けた吸気口から換気扇に向かう空気の流れを強制的につくり、建物全体の換気を行う換気システムが考えられている(特開平7−55215号公報参照)。
【0003】しかし、上記の方法では、換気性能が換気扇の能力に左右されるため、効率的な換気方法とは言えない。また、暖房時においては、居室内の温かい空気が排気されるので、熱効率がよくない。
【0004】そこで、図5及び図6に示すように、居室36に熱交換型換気扇44を設け、給気ファン46で給気された屋外空気が熱交換器30を通過するときに、排気ファン48で排気された室内空気と熱交換し、居室36の温度を下げないようにしたものがある。
【0005】しかし、従来型の熱交換型換気扇44は、給気量より排気量が多くなるように設定されている。これは、熱交換型換気扇44の使用地域として、寒冷地を想定しているため、不快感を感じない温度まで外気を上昇させ、居室36内に取り込む必要があるからである。
【0006】ところが、給気量より排気量が多いと、居室36内の気圧が周辺(廊下50やサニタリーゾーン52)に比べて低くなり、サニタリーゾーン52等の汚れた空気や、玄関の隙間から外気が居室36に流れてくる。また、居室36内のサッシ54の隙間から外気が隙間風として入り易くなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は係る事実を考慮して、居室全体の温度を余り下げることなく、居室内の気圧を周辺の気圧より高くすることを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明では、屋外空気と室内空気を同時に給排し、給気と排気とを熱交換するようになっている。そして、給気量が排気量より大きくされているため、居室内の気圧が周辺(屋外やサニタリーゾーン等)の気圧に比べて高くなる。これによって、周辺から居室内に汚れた空気や隙間風が入り込み難くなる。
【0009】なお、本発明は、単に給気量を排気量より大きくしたというものではなく、寒冷地仕様の熱交換式換気扇の基本的な考えを一部変更することにより、創作されたものである。
【0010】すなわち、従来の熱交換式換気扇は、給気量を排気量より小さくして、熱交換器で室外空気を所定の温度まで温めて、不快な冷気を居室内へ導入しないようにしている。しかし、室内全体の熱容量を考えると、温かい室内空気を多量に排気することが、室内の温度を下げないことになるとは限らない。むしろ、給気量を大きくし、排気量を小さくした方が、所定の条件下では、エネルギー効率が適切な場合もあるからである。本発明は、このような逆転の発想から生まれたものである。
【0011】請求項2に記載の発明では、屋外空気を給気する給気ファンの能力が、室内空気を排気する排気ファンの能力より大とされている。これによって、給気量が排気量より大きくなる。なお、能力に差をつける手段としては、ファンの大きさ、回転数に差をつける等、様々な方法が考えられる。
【0012】請求項3に記載の発明では、室内空気を排気する排気通路の空気抵抗を、屋外空気を給気する給気通路の空気抵抗より大きくしている。これによって、給気量が排気量より大きくなる。なお、通路に空気抵抗差をつける手段としては、通路の長さ、管径、曲がり数、及び通路面の粗度等、様々な方法が考えられる。
【0013】請求項4に記載の発明では、給気量が排気量より大きな熱交換式換気扇が居室に取付けられており、また、衛生設備が配置された部屋には、排気用換気扇が取付けられている。この熱交換式換気扇と排気用換気扇を駆動することにより、居室が正圧に、衛生設備が配置された部屋が負圧となる。
【0014】このため、居室から衛生設備が配置された部屋へ向かう空気の流れが生じ、風向き等の外的要因に影響されずに、居室に新鮮な屋外空気が取り込まれ、汚れた空気が衛生設備が配置された部屋から排出される。
【0015】
【発明の実施の形態】図1及び図2に示すように、本形態に係る熱交換式換気扇10は、建物12の外壁14に開口された換気口16に嵌め込まれるグリル18を備えている。このグリル18は、仕切り板20で上下に仕切られ、この仕切り板20で排気通路22と給気通路24が構成されている。
【0016】排気通路22には排気ファン26が、また、給気通路24には給気ファン28が配置されており、図示しないモーターで同時に給排運転を行うようになっている。なお、排気ファン26は、給気ファン28より小径とされており、給気量が排気量より大きくなるように設定されている。
【0017】また、グリル18の奥方には、熱交換器30が配置されており、給気された屋外空気32と、排気された室内空気34が、熱交換器30で熱交換されるようになっている。
【0018】次に、本形態に係る熱交換式換気扇の作用を説明する。図2に示すように、熱交換式換気扇10を作動させると、屋外空気32が室内空気34と熱交換器30で熱交換され、居室36へ導入される。ここで、給気量が排気量より大きくされているため、居室36の気圧が周辺の廊下38やサニタリーゾーン40の気圧に比べて高くなる。これによって、周辺から居室36に汚れた空気や隙間風が入り込み難くなる。
【0019】また、図3及び図4に示すように、サニタリーゾーン40に排気用換気扇42を設け、サニタリーゾーン40を負圧としてもよい。これによって、居室36が正圧に、サニタリーゾーン40が負圧となり、居室36からサニタリーゾーン40へ向かう空気の流れが生じ、風向き等の外的要因に影響されずに、居室36に新鮮な屋外空気32が取り込まれ、汚れた空気、臭気、湿気等がサニタリーゾーン40から排出される。
【0020】なお、本形態では、給気量を排気量より大きくする手段として、ファンの大きさに差を設けたが、回転数に差をつける等、様々な方法が考えられる。また、給気通路24と排気通路22の空気抵抗に差を持たせても、給気量を排気量より大きくすることができる。さらに、本発明の熱交換式換気扇は、暖房時だけでなく、冷房時に使用できるのは無論である。
【0021】
【発明の効果】本発明は以上構成としたので、居室全体の温度を余り変化させることなく、居室内の気圧を周辺の気圧より高することによって、居室内に新鮮な空気を取り入れると共に、汚れた空気や臭気等を屋外へ排出することができる。
【出願人】 【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
【出願日】 平成9年(1997)10月7日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳 (外4名)
【公開番号】 特開平11−108411
【公開日】 平成11年(1999)4月23日
【出願番号】 特願平9−274730