| 【発明の名称】 |
可動型空調設備及びこれを含む間取り可変型建築構造 |
| 【発明者】 |
【氏名】矢野 啓二
【氏名】鈴木 秀夫
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| 【要約】 |
【課題】空調吹出口を簡易かつ自在に移動することができる空調設備を提供し、また居室内における空調の吹出口や空調機の配置に左右されず、住戸内を自在に分割してレイアウト変更が可能な可変型住戸構造を提供すること。
【解決手段】天井19にスリット18を形成し、このスリットの両側に空調用レール17を設け、空調用レールには、これに沿って移動する複数の空調吹出口10a〜10dを配置し、スリットにおける複数の空調吹出口の間には着脱自在の蓋16を配設し、さらに、空調吹出口のそれぞれと空調機20とを連通する可撓性ダクト15a〜15dを天井の裏側に配設して可動型空調設備は成る。また天井に壁用軌道44を設け、この壁用軌道には、これに沿って移動可能な複数の間仕切壁45を配置し、可動型空調設備を設ければ、間取り可変型住戸構造が成る。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 空調吹出口を可動させるための空調用軌道を天井に設け、該空調用軌道には、これに沿って移動可能な複数の空調吹出口を設け、前記天井の裏側には可撓性を備えたダクトが、該空調吹出口のそれぞれと空調機とを連通するように配設されたことを特徴とする可動型空調設備。 【請求項2】 前記天井にスリットを形成し、該スリットの両側に前記空調用軌道を設け、該空調用軌道に配置された前記複数の空調吹出口の間におけるスリットには、着脱自在の蓋を配設したことを特徴とする請求項1記載の可動型空調設備。 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載の可動型空調設備を備え、前記天井に間仕切壁を可動させるための壁用軌道を設け、該壁用軌道の所定箇所には、これに沿って移動可能な複数の間仕切壁を設けたことを特徴とする間取り可変型建築構造。 【請求項4】 建築物の室内の所定領域において、柱、梁、壁、天井及び床の各部位を室内に突出しないように形成したことを特徴とする請求項3記載の間取り可変型建築構造。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は可動型空調設備と、これを備えて間取りを自在に変更可能な建築物の構造に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、建築物の間仕切壁、特に、集合住宅又はオフィスビルの間仕切壁は構造躯体に固定した状態で形成されており、この間仕切壁で仕切られた各部屋の空調は、個別式あるいは中央式によって行われている。この個別式では、各室内に空調機を直接設置して空調を行っており、一方、中央式では、一箇所に配置した空調機からダクトを延ばし、各室内にそれぞれ固定した吹出口に接続して空調を行っている。上記集合住宅等の間仕切壁に対し、オフィスビルにおける会議室では、可動式間仕切壁が設けられることもあり、これによって会議室は複数のパターンで分割することが可能となる。そして、ここでも、空調は個別式あるいは中央式によって行われており、中央式空調の吹出口あるいは個別式空調の空調機は、壁面や天井に直接配置されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】上記集合住宅においては、年月の経過にしたがい居住者の家族構成やライフスタイルに変化が生じ、間取りの変更や模様替えの要求が生じることがある。しかしながら、固定式間仕切壁は居住者自らが容易にレイアウトを変更できないばかりか、固定式間仕切壁や構造躯体には、中央式空調の吹出口あるいは個別式空調の空調機が直接固定されているため、これらを居住者自らが移設するのは困難であり、またリフォームの際の施工コストも高くなるという欠点があった。また可動式間仕切壁を備えたオフィスビル等の居室においては、居室空間を分割した場合にも、各居室に偏り無く空調が行えるように空調機器を配置しなければならないため、設備が過剰になるという問題があった。なお、上述した欠点や問題は他の建築物においても同様である。 【0004】本発明は上記従来技術の欠点に着目し、これを解決せんとしたものであり、その課題は、空調の吹出口を簡易かつ自在に移動することができる空調設備を提供することにある。 【0005】本発明の別の課題は、空調の吹出口や空調機の配置に左右されず、建築物の内部を自在に分割してレイアウト変更が可能な可変型建築構造を提供することにある。 【0006】また本発明の別の課題は、建築物内のレイアウトを変更する際、間仕切壁を所望の箇所に配置することが容易な可変型住戸構造を提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明では、空調吹出口を可動させるための空調用軌道を天井に設け、該空調用軌道には、これに沿って移動可能な複数の空調吹出口を設け、前記天井の裏側には可撓性を備えたダクトが、該空調吹出口のそれぞれと空調機とを連通するように配設されたことを特徴とする可動型空調設備が提供される。本発明の可動型空調設備では、空調吹出口が空調用軌道に沿って移動可能で、ダクトは屈曲して空調吹出口の移動に追従することができるので、空調吹出口の移動が簡易かつ自在に行える。ここで、前記天井にはスリットを形成し、該スリットの両側に前記空調用軌道を設け、該空調用軌道に配置された前記複数の空調吹出口の間におけるスリットには、着脱自在の蓋を配設しても良い。かような空調用軌道において、所定の蓋を外すことにより空調吹出口は空調用軌道に沿う移動が可能になり、移動後は、蓋をもどすだけで空調吹出口の間のスリットを塞ぐことができるので、空調吹出口の移動は簡易かつ自在に行える。 【0008】本発明では、請求項1又は請求項2記載の可動型空調設備を備え、前記天井に間仕切壁を可動させるための壁用軌道を設け、該壁用軌道の所定箇所には、これに沿って移動可能な複数の間仕切壁を設けたことを特徴とする間取り可変型建築構造が提供される。この間取り可変型建築構造では、上述したように、壁用軌道と、この壁用軌道に沿って移動可能な複数の間仕切壁を備え、さらに、住戸内における移動が簡易かつ自在に行える空調吹出口を備えるので、住戸内のレイアウトの変更は、間仕切壁、空調吹出口及び空調機の配置により制約を受けること無く自在に行うことができる。ここで、建築物の室内の所定領域においては、柱、梁、壁、天井及び床の各部位を室内に突出しないように形成することが好ましい。例えば、集合住宅等においては、台所、洗面所、トイレ及び浴室等のいわゆる水廻り部分を一ヵ所に集中配置し、この水廻り部分以外の領域を上記所定領域として、この領域における柱、梁、壁、天井及び床の各部位を室内に突出しないように形成する。すなわち、柱と、これに連設されてベランダや外廊下に面する壁及び梁とは、その室内側の面が同一面に位置するように、それぞれを形成し、また戸境壁はこれに連設される梁が壁面から突出しないように、梁を内包する厚さに形成し、さらに床や天井の仕上げ面は前記所定領域の全域にわたって段差無しで平坦に形成する。以上のように、建築物室内の所定領域を形成すれば、間仕切壁および空調吹出口の移動や、住戸内のレイアウトの変更は、各部位の突出部によって制約を受けること無く自在に行うことができる。 【0009】 【実施例】以下、添付図面に基づいて実施例を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。図1は可動間仕切壁を備えた住戸の斜視図であって、本発明の可動型空調設備は省略して示されており、図2は図1の住戸に本発明の可動型空調設備を適用した際の平面図であり、図3は図1及び図2とは異なる間取りの住戸に本発明の可動型空調設備を適用した際の平面図である。また、図4は本発明の可動型空調設備の吹出口を拡大して示した斜視図であり、図5は本発明の可動型空調設備の吹出口の断面図であり、図6は蓋によって塞がれたスリットを示す断面図である。 【0010】図1に示した住戸では、台所、洗面所、トイレ及び浴室等のいわゆる水廻り部分を一ヵ所に集中配置しており、この水廻り部分以外の領域における柱、梁、壁、天井及び床の各部位を室内に突出しないように形成している。すなわち、柱41,,41と、ベランダ40や外廊下48に面する壁46及び梁(図示せず)とは、その室内側の面が同一面に位置するように形成し、また戸境壁42,42は梁(図示せず)を内包する厚さに形成し、さらに床や天井の仕上げ面は水廻り部分以外の領域の全域にわたって段差無しで平坦に形成する。 【0011】また、図1の住戸では、天井43の裏側に壁用軌道44を設置し、複数の可動間仕切壁45を壁用軌道44に沿って移動可能に設け、さらに、二つの居室30,32の間には可動家具31,31を設置する。そして、この可動間仕切壁45や可動家具31を所定位置まで移動して、該所定位置に設置することにより、住戸内は適宜間仕切りがなされ、居室30,32及びリビングルーム33は形成される。なお、前記可動間仕切壁45としては、上辺につり車(図示せず)を備え、下辺にフランス落し(図示せず)を備えた従来型の可動間仕切壁を用いるか、あるいは、この従来型可動間仕切壁に、電力系の強電線およびテレビや電話等の信号系の弱電線等の配線や、これら配線に接続したコネクターが内装された可動間仕切壁を用いることができる。また図1において、壁用軌道44は戸境壁42に平行な方向にのみ示されているものの、必要に応じて壁用軌道はこれ以外の箇所にも配設可能であり、例えば、図3に示した壁体45aのように壁用軌道44に直交する方向の天井裏に設けても良く、かように壁用軌道を設ければ、壁体45aも可動間仕切壁45によって設置・取外し可能な壁体として形成できる。 【0012】上述した住戸において、本発明の可動型空調設備は、図2に示したような配置で天井裏に設けられる。すなわち、水廻り部分以外の居室30,32とリビングルーム33との天井19にはそれぞれスリット18が各別に形成され、各スリット18の両側には吹出口ガイド17が延設され、この吹出口ガイド17には、これに沿って移動可能な複数の吹出口10,10a〜10dが設けられ、スリット18において吹出口10,10a〜10dが配置されていない箇所には着脱自在の蓋16が設けられ、天井19の裏側には吹出口10と空調機20とを連通するように可撓性ダクト15が延設される。 【0013】前記吹出口10,10a〜10dは、間取りの変更や模様替えにより部屋数が増加した場合にも、各部屋に少なくとも1つは配置されるように、設置個数を適宜定める必要が在り、ここでは居室30,32の天井のスリットに3個の吹出口10a〜10cが配置され、リビングルーム33の天井のスリットには1個の吹出口10dが配置されている。また前記吹出口10は、図4及び図5に示したように、固定部12と回転部11とからなり、固定部12は板体12dの中央に開口12aが形成され、この開口12aから筒状の立上り部12cが延長し、その上端に接続部12bが形成されている。一方、回転部11は、固定部12の接続部12bに接続する開口11aと、可撓性ダクト15に接続する接続口11bとを備えた筒状に形成されている。ここで、回転部11の開口11aは、固定部12の接続部12bに回転可能かつ接続可能に形成されており、また固定部12の板体12dはその両側が吹出口ガイド17の凹部に緩やかに嵌まるように形成されており、これにより、固定部12は吹出口ガイド17に嵌まった状態でスライドすることが可能となる。 【0014】前記空調機20は、その平面位置が住戸のほぼ中央になるように天井裏に配置し、ベランダ40等の室外に設置した室外機21と配管22で接続する。そして、この空調機20には、前記可撓性ダクト15a〜15dのそれぞれ一端を接続し、また可撓性ダクト15a〜15dの他端はそれぞれ吹出口10a〜10dの接続口11bに接続する。ここで、可撓性ダクト15a〜15dの長さは、各吹出口10a〜10dがそれぞれ符号a,b,c,dで示された範囲を移動した場合にも、吹出口10a〜10dと空調機20との連通状態を維持することができるように適宜定める。 【0015】前記吹出口ガイド17では、図5及び図6に示したように、ガイド上端17aを天井の端部19aよりも内側に配置して凹部を形成する。かように凹部を形成すれば、吹出口10の板体12dや蓋16を、天井裏から吹出口ガイド17に落とし込んで容易に嵌めることができると共に、スリット18から室内への落下を防止できる。 【0016】次に、図1及び図2に示した間取りから変更したものについて、図3を参照して説明する。図3では上述したように、図1及び図2の構成に加えて、壁体45aが可動間仕切壁によって形成されており、この壁体45aの上方の天井裏には壁用軌道44から分岐した壁用軌道(図示せず)が配置されている。そして、壁体45aにより収納36を介して居室35と37とが仕切られ、また可動家具38により居室37と39とが仕切られる。この時、3つの吹出口10a〜10cは各居室35,37,39の天井にそれぞれ配置される。したがって、この場合にも空調の吹出口や空調機の配置に左右されず、図1及び図2に示した住戸に壁体45aを予め設けておけば、ここに可動間仕切壁を設けるだけで居室を増設することができて、住戸内を自在に分割してレイアウト変更が可能となる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000140982 【氏名又は名称】株式会社間組
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)9月18日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】酒井 一
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| 【公開番号】 |
特開平11−94343 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)4月9日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−253116 |
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