| 【発明の名称】 |
換気扇の自動運転装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】宮原 正芳
【氏名】西口 昌志
|
| 【要約】 |
【課題】検知対象ガスがガスセンサー素子部分に設けられたフィルターにより長時間にわたり感知素子に再放出される場合においても必要以上長時間換気扇が運転されないようにすることを目的とする。
【解決手段】ガスセンサー素子1の出力信号を受け抵抗値を演算する演算手段6と、ガスセンサ−素子1の基準抵抗値と現在の抵抗値とを比較して換気扇8の運転を制御する制御手段9と、基準抵抗値を一定の更新率に基づいて更新し、基準抵抗値と現在抵抗値を一定の時間割合いで近づけて比較し判断するように補正する基準抵抗値補正手段10を設けることにより、必要以上長時間換気扇8が運転されるのを防止できる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 室内の空気の汚れに応じて抵抗値が変化するガスセンサー素子と、このガスセンサー素子の出力信号を受けてガスセンサー素子の抵抗値を演算する演算手段と、前記ガスセンサー素子の基準となる抵抗値変動前の基準抵抗値と前記演算手段により演算された現在抵抗値とを比較して換気扇の運転を制御する制御手段とを備え、前記ガスセンサー素子の抵抗値変動後、前記基準抵抗値を一定の更新率に基づいて更新し、前記基準抵抗値と現在抵抗値を一定の時間割合いで近づけて比較し判断するように補正する基準抵抗値補正手段を設けた換気扇の自動運転装置。 【請求項2】 基準値補正手段を空気中の検知対象ガスが換気により清浄化するまでの時間の間は基準抵抗値の更新率を小さくする構成とした請求項1記載の換気扇の自動運転装置。 【請求項3】 基準値補正手段を空気中の検知対象ガスが換気により清浄化するまでの時間の間は基準抵抗値の更新率を小さくし、時間関数化する構成とした請求項1記載の換気扇の自動運転装置。 【請求項4】 室内の空気の汚れに応じて抵抗値が変化するガスセンサー素子と、このガスセンサー素子の出力信号を受けてガスセンサー素子の抵抗値を演算する演算手段と、前記ガスセンサー素子の基準となる抵抗値変動前の基準抵抗値と前記演算手段により演算された現在抵抗値とを比較して換気扇の運転を制御する制御手段と、この制御手段の判断で停止と判断された後、前記基準抵抗値に対するガスセンサー素子の現在抵抗値を高感度化抵抗値分補正する現在抵抗値補正手段とを備え、前記換気扇の運転が停止した直後は高感度検知を行う構成とした換気扇の自動運転装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、室内で発生するタバコの煙などに応じて換気扇を自動的に運転させる換気扇の自動運転装置に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、室内の換気を目的とした換気扇は、室内の環境の変化に対応し、たとえば、室内で発生するタバコの煙などに応じて自動運転される換気扇が主流になりつつある。 【0003】従来、この種の換気扇の自動運転装置は一般に図9および図10に示されるものが知られていた。以下、その構成について図9および図10を参照しながら説明する。 【0004】図に示すように、ガスセンサー素子101は感知素子102とヒータ103を設け、感知素子102はヒータ103で加熱し、一定の温度に保持せて検知感度を高めるように形成してセンサーケース104内に設け、センサーケース104には検知対象ガスに対する選択性を改善するために非対象ガスを吸着し分解するフィルター105を設け、検知対象ガスを検知する前のガスセンサー素子101の抵抗値に対して検知後のガスセンサー素子101の抵抗値の時間的変化から検知対象ガスの濃度変化を判断する濃度判断手段106と、この濃度判断手段106が判断した検知対象ガスの濃度があらかじめ設定された換気濃度値以上に変化したときに換気扇107を運転し、また、あらかじめ設定された停止濃度値以下に変化したときに換気扇107を停止する制御手段108を設け、換気扇107を自動的に運転していた。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】このような従来の換気扇の自動運転装置では、センサーケース104内に設けたフィルター105に特定の非検知対象ガスが吸着され、フィルター105の分解作用により検知対象ガスがフィルター105より長時間にわたり再放出されセンサーケース104内に充満すると、ガスセンサー素子101の抵抗値はフィルター104から検知対象ガスの再放出分変化することとなり、空気中の検知対象ガスの濃度変化に対するガスセンサー素子101の抵抗値は、フィルター105より再放出されたセンサーケース104内に充満した検知対象ガスによる抵抗値の変化に加算された状態となるために、濃度判定手段106が判断する検知対象ガスの濃度は、実際の空気中の検知対象ガス濃度に対して高濃度と誤判断するために、必要以上の長時間換気扇107が運転されるという課題があった。 【0006】本発明は上記課題を解決するもので、検知対象ガスがガスセンサー素子部分に設けられたフィルターにより長時間にわたり感知素子に再放出される場合においても必要以上長時間換気扇が運転されないようにすることができ、また、換気対象ガスがフィルターより再放出されない場合において、検知対象ガスの検知および換気扇の運転を適切に行えるようにすることができ、また、換気扇停止後における検知対象ガスの検知をより確実に行うことができる換気扇の自動運転装置を提供することを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明の換気扇の自動運転装置においては、室内の汚れに応じて抵抗値が変化するガスセンサー素子と、このガスセンサー素子の出力信号を受けてガスセンサー素子の抵抗値を演算する演算手段と、前記ガスセンサー素子の基準となる抵抗値変動前の基準抵抗値と前記演算手段により演算された現在抵抗値とを比較して換気扇の運転を制御する制御手段とを備え、前記ガスセンサー素子の抵抗値変動後、前記基準抵抗値を一定の更新率に基づいて更新し、前記基準抵抗値と現在抵抗値を一定の時間割合いで近づけて比較し判断するように補正する基準抵抗値補正手段を設けたものである。 【0008】この本発明によれば、検知対象ガスがガスセンサー素子部分に設けられたフィルターにより長時間にわたり感知素子に再放出される場合においても必要以上長時間換気扇が運転されない換気扇の自動運転装置を提供することができる。 【0009】 【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明は、室内の空気の汚れに応じて抵抗値が変化するガスセンサー素子と、このガスセンサー素子の出力信号を受けてガスセンサー素子の抵抗値を演算する演算手段と、前記ガスセンサー素子の基準となる抵抗値変動前の基準抵抗値と前記演算手段により演算された現在抵抗値とを比較して換気扇の運転を制御する制御手段とを備え、前記ガスセンサー素子の抵抗値変動後、前記基準抵抗値を一定の更新率に基づいて更新し、前記基準抵抗値と現在抵抗値を一定の時間割合いで近づけて比較し判断するように補正する基準抵抗値補正手段を設けた換気扇の自動運転装置の構成としたものであり、ガスセンサー素子部分に設けられたフィルターにより検知対象ガスが長時間にわたり感知素子に再放出されても、ガスセンサー素子の抵抗値変動後において、基準抵抗値補正手段により基準抵抗値を一定の更新率に基づいて現在抵抗値に近づけるように更新し、現在抵抗値と比較し換気扇の運転を制御するので換気扇は必要以上長時間にわたり運転されることが防止されるという作用を有する。 【0010】以下、本発明の実施の形態について、図1〜図8を参照しながら説明する。 (実施の形態1)図1〜図3に示すように、ガスセンサー素子1は感知素子2とヒータ3を設け、感知素子2はヒータ3で加熱し、一定の温度に保持させ検知感度を高めるように形成してセンサーケース4内に設け、センサーケース4内には検知対象ガスに対する選択性を改善するために非対象ガスを吸着し分解するシリカゲルなどのフィルター5を設け、室内空気の汚れに応じて抵抗値の変化するガスセンサー素子1部分を構成する。 【0011】そして、ガスセンサー素子1の出力信号を受けてガスセンサー素子1の抵抗値を演算する演算手段6と、ガスセンサー素子1の基準となる抵抗変動前の基準抵抗値と演算手段6により演算された現在抵抗値とを比較する第1の比較手段7を設け、第一の比較手段7により比較された結果、基準抵抗値より現在抵抗値が一定以上大きい場合には換気扇8を運転する運転信号を送り、基準抵抗値と現在抵抗値との差が小さいときには換気扇8の運転を停止する停止信号を送る制御手段9を設ける。 【0012】また、ガスセンサー素子1に汚染ガスが検知され、ガスセンサー素子1の抵抗値が変動後において、基準抵抗値を一定の時間の間に一定の変化をするように設定された更新率に基づいて更新し、基準抵抗値を現在抵抗値に一定の時間割合いで近づくように基準抵抗値を補正する基準抵抗値補正手段10を設け、基準抵抗値補正手段10により基準抵抗値の補正された補正抵抗値と現在抵抗値とを比較して、比較結果を制御手段9に送る第2の比較手段11を設け構成する。 【0013】なお、演算手段6、第1の比較手段7、制御手段9、基準抵抗補正手段10、第2の比較手段11をマイクロコンピュ−タ12で実現させる。 【0014】上記構成において、換気扇8の運転が制御される状態を図3のフローチャートを用いて説明する。 【0015】まず、ステップ21でガスセンサー素子1の基準抵抗値を設定、ステップ22で一定時間経過後のガスセンサー素子1の出力信号を受けてガスセンサー素子1の現在抵抗値を演算、ステップ23で演算された現在抵抗値とステップ21で設定された基準抵抗値を比較、ステップ23で比較した結果現在抵抗値の値が一定以上大きいときにはステップ24で換気扇を運転、ステップ23で比較した結果現在抵抗値の値が一定以上大きくなっていないと判断されている間はステッップ25で換気扇の運転を停止する。そして、ステップ24で換気扇が運転された一定時間後にステップ26で基準抵抗値を一定の更新率に基づいて更新し、補正された基準抵抗値の値となる補正抵抗値を現在抵抗値に近づけ、ステップ27で補正された補正抵抗値と現在抵抗値を比較し、ステップ27で比較された結果、現在抵抗値の値が補正抵抗値の値より一定以上大きくないときにはステップ28で換気扇の運転を停止し、ステップ27で比較された結果、現在抵抗値の値が補正抵抗値の値より一定以上まだ大きいときには換気扇の運転をステップ29で続行させ、換気扇を運転または停止後はステップ22に戻り再度同様のステップで換気扇が自動運転されることとなる。 【0016】このように本発明の実施の形態1の換気扇の自動運転装置によれば、ガスセンサー素子1の基準抵抗値を換気扇8が一定時間運転後において、基準値を一定の更新率に基づいて更新し、基準抵抗値の値を現在抵抗値に近づけるように補正して換気扇8の運転を早い目に停止させるようにしているので、換気扇8が一定時間運転後ガスセンサー素子1に設けたフィルター5により検知対象ガスが長時間にわたり再放出されていても、換気扇が必要以上運転されることがなくなる。 【0017】(実施の形態2)図4および図5に示すように、基準抵抗値補正手段10Aを室内の空気中の検知対象ガスが換気により清浄化するまでの所定時間の間は基準抵抗値の更新率を小さくする構成とする。 【0018】上記構成において、換気扇の運転が制御される状態を図5のフローチャートを用いて説明する。 【0019】なお、換気扇が基準抵抗値補正手段10Aで補正されていない状態の運転制御は実施の形態1と同一であるのでその部分は省略して説明する。 【0020】まず、ステップ31で室内の空気中の検知対象ガスが換気により清浄化するまでの所定時間の間、基準抵抗値の更新率を小さくして補正した初期補正基準値を設定し、ステップ32で初期補正基準値と現在抵抗値を比較し、ステップ32で比較された結果、現在抵抗値の値が初期補正基準値の値より一定以上大きくないときにはステップ33で換気扇の運転を停止し、ステップ32で比較された結果、現在抵抗値の値が初期補正基準値の値より一定以上大きいときには換気扇の運転をステップ34で続行させる。 【0021】そして、換気扇の運転が所定時間経過後は、ステップ35で基準抵抗値を一定の更新率に基づいて更新し、補正された基準抵抗値の値となる補正抵抗値を現在抵抗値に近づけ、ステップ36で補正された補正抵抗値を現在抵抗値を比較し、ステップ36で比較された結果、現在抵抗値の値が補正抵抗値より一定以上大きくないときにはステップ37で換気扇の運転を停止し、ステップ36で比較された結果、現在抵抗値の値が補正抵抗値の値より一定以上大きいときには換気扇の運転をステップ38で続行させることとなる。 【0022】このように本発明の実施の形態2の換気扇の自動運転装置によれば、室内の空気中の検知対象ガスの換気により清浄化するまでの所定時間の間は基準抵抗値の更新率を小さくするように基準抵抗値補正手段10Aで補正しているので、室内の空気の清浄化するまでの間は基準値がほとんど補正されない状態の初期補正基準値と現在抵抗値とが比較され、ガスセンサー素子部分に設けたフィルターからの検知対象ガスによる影響を受けることがなくなり、換気扇の運転を適切に行うことができる。 【0023】(実施の形態3)図6に示すように、基準抵抗値補正手段10Bを空気中の検知対象ガスが換気により清浄化するまでの所定時間の間は基準抵抗値の更新率を小さくし、時間関数化する構成とする。 【0024】上記構成において、換気扇の運転が制御される状態は実施の形態2において図5のフローチャートを用いて説明した通りに制御されることとなる。 【0025】このように本発明の実施の形態3の換気扇の自動運転装置によれば、室内の空気中の検知対象ガスの換気により清浄化するまでの所定時間の間は基準抵抗値の更新率を小さくし、時間関数化した基準抵抗値補正手段10Bで補正しているので、室内の空気の清浄化するまでの間は基準値がほとんど補正されない状態の初期補正基準値と現在抵抗値とが比較され、ガスセンサー素子部分に設けたフィルターからの検知対象ガスによる影響を受けることがなくなり、換気扇の運転を適切に行うことができる。 【0026】(実施の形態4)図7および図8に示すように、ガスセンサー素子1の出力信号を受けて、ガスセンサー素子1の抵抗値を演算する演算手段6と、ガスセンサー素子1の基準となる抵抗変動前の基準抵抗値と演算手段6により演算された現在抵抗値とを比較する第1の比較手段7を設け、第1の比較手段7により比較された結果、基準抵抗値より現在抵抗値が一定以上大きい場合には換気扇8を運転する運転信号を送り、基準抵抗値と現在抵抗値との差が小さいときには換気扇8の運転を停止する停止信号を送る制御手段9Aを設ける。 【0027】そして、制御手段9Aで停止と判断された後、基準抵抗値に対するガスセンサー素子1の現在抵抗値を高感度化抵抗値分補正する現在抵抗値補正手段40を設け、現在抵抗値補正手段40で補正された現在抵抗値をもって待機する待機手段41を設ける。 【0028】なお、演算手段6、第1の比較手段7、制御手段9A、現在抵抗値補正手段40、待機手段41をマイクロコンピュ−ター12Aで実現させる。 【0029】上記構成において、換気扇8の運転が制御される状態を図8のフローチャートを用いて説明する。 【0030】まず、ステップ41でガスセンサー素子の基準抵抗値を設定、ステップ42で一定時間経過後のガスセンサー素子の出力信号を受けてガスセンサー素子の現在抵抗値を演算、ステップ43で演算された現在抵抗値とステップ41で設定された基準抵抗値を比較、ステップ43で比較した結果現在抵抗値の値が一定以上大きいときにはステップ44で換気扇を運転、ステップ43で比較した結果現在抵抗値の値が一定以上大きくなっていないと判断されている間はステップ45で換気扇の運転を停止する。 【0031】そして、ステップ45で換気扇の運転が停止された後、ステップ46で基準抵抗値に対するガスセンサー素子の現在抵抗値を高感度化抵抗値分補正し、ステップ47で補正された現在抵抗値をもって待機し、次のガスセンサー素子の出力信号を受けやすくする。 【0032】このように本発明の実施の形態4の換気扇の自動運転装置によれば、換気扇8が停止と判断された後は、ガスセンサー素子1の現在抵抗値を現在抵抗値補正手段40により高感度化抵抗値分補正した状態で待機しているので、検知対象ガスが換気扇8により一旦排出された後、次に発生した検知対象ガスを敏感に捕らえることができ、換気扇8の停止後の検知対象ガスの検知を確実にに行うことができる。 【0033】 【発明の効果】以上の実施の形態から明らかなように、本発明によれば室内の空気の汚れに応じて抵抗値が変化するガスセンサー素子と、このガスセンサー素子の出力信号を受けてガスセンサー素子の抵抗値を演算する演算手段と、前記ガスセンサー素子の基準となる抵抗値変動前の基準抵抗値と前記演算手段により演算された現在抵抗値とを比較して換気扇の運転を制御する制御手段とを備え、前記ガスセンサー素子の抵抗値変動後、前記現在抵抗値を一定の時間割合いで近づけて比較し判断するように補正する基準抵抗値補正手段を設けたので、検知対象ガスがガスセンサー素子部分に設けられたフィルターにより長時間にわたり感知素子に再放出される場合においても、必要以上長時間換気扇が運転されないようにすることができる換気扇の自動運転装置が提供できる。 【0034】また、基準値補正手段を空気中の検知対象ガスが換気扇により浄化するまでの時間の間は基準抵抗値の更新率を小さくするので、検知対象ガスがフィルターより再放出されない場合の正常な空気中の検知対象ガスの検知および換気扇の運転が適切に行える。 【0035】また、基準値補正手段を空気中の検知対象ガスが換気扇により浄化するまでの時間の間は基準抵抗値の更新率を小さくし、時間関数化するので、検知対象ガスがフィルターより再放出されない場合の正常な空気中の検知対象ガスの検知および換気扇の運転が適切に行える。 【0036】また、制御手段の判断で停止と判断された後、基準抵抗値に対するガスセンサー素子の現在抵抗値を高感度抵抗値分補正する現在抵抗値補正手段を設け、換気扇の運転が停止した直後は高感度検知を行うので、換気扇停止後に検知対象ガスの検知をより確実に行うことができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000006242 【氏名又は名称】松下精工株式会社
|
| 【出願日】 |
平成9年(1997)6月23日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】滝本 智之 (外1名)
|
| 【公開番号】 |
特開平11−14109 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)1月22日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−165495 |
|