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【発明の名称】 上敷式木質床暖房パネル
【発明者】 【氏名】粕川 信幸

【要約】 【課題】室床の基調を損なうことなく、既築住宅のフローリング等の床上に敷設して使用でき、施工性に優れるばかりでなく、巻回可能に連結された長尺状木質片の幅方向の凸反りや割れの発生を防止できる上敷式木質床暖房パネルを提供する。

【解決手段】並設された複数の長尺状木質片2、2を可撓性の裏面材3によって巻回可能に連結するとともに、長尺状木質片2の裏面略中央に形成された埋設用凹溝5に加熱流体用導管6又は発熱電線を埋設してなる上敷式木質床暖房パネルである。そして、各長尺状木質片2、2の幅方向の左右両端面部には、それの一方にオス側凹凸部Xを、かつ、他方にメス側凹凸部Yをそれぞれ設け、これらオス・メス側凹凸部X、Yによって、互いに隣接する長尺状木質片2、2同士が間隙を存して凹凸嵌合される構成とし、さらに、この凹凸嵌合されるオス側凹凸部Xとメス側凹凸部Yの間隙T1、T2は、中央部が上下部よりも大きく設定されて構成である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 並設された複数の長尺状木質片を可撓性の裏面材によって巻回可能に連結するとともに、長尺状木質片の裏面略中央に形成された埋設用凹溝に加熱流体用導管又は発熱電線を埋設してなる上敷式木質床暖房パネルであって、前記各長尺状木質片の幅方向の左右両端面部には、それの一方にオス側凹凸部を、かつ、他方にメス側凹凸部をそれぞれ設け、これらオス・メス側凹凸部によって、互いに隣接する長尺状木質片同士が間隙を存して凹凸嵌合される構成とし、さらに、この凹凸嵌合されるオス側凹凸部とメス側凹凸部の間隙は、中央部が上下部よりも大きく設定されていることを特徴とする上敷式木質床暖房パネル。
【請求項2】 並設された複数の長尺状木質片を可撓性の裏面材によって巻回可能に連結するとともに、長尺状木質片の裏面略中央に形成された埋設用凹溝に加熱流体用導管又は発熱電線を埋設してなる上敷式木質床暖房パネルであって、前記各長尺状木質片の幅方向の左右両端面部には、それの一方にオス側凹凸部を、かつ、他方にメス側凹凸部をそれぞれ設け、これらオス・メス側凹凸部によって、互いに隣接する長尺状木質片同士が間隙を存して凹凸嵌合される構成とし、さらに、この凹凸嵌合されるオス側凹凸部とメス側凹凸部のうちの少なくともどちらか一方にクッション材を貼着してなることを特徴とする上敷式木質床暖房パネル。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱源機などからの温水が供給されて床暖房を行う巻回可能な上敷式木質床暖房パネルに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、室内を床面から暖房する暖房装置として、一戸建て住宅にあっては、大引とフローリング等の床板との間に、或るいは、大引の上に敷いた下地合板の上などに床暖房放熱器としての床暖房パネルを組み込み、一方、マンション等の集合住宅にあっては、コンクリートスラブ床面の上に直接、或るいは、コンクリートスラブ床面の上に敷いた下地合板の上などに床暖房放熱器としての床暖房パネルを組み込み、この床暖房パネルに熱源機より暖房用温水を循環供給して床面を暖め、室内を暖房する床暖房装置が知られている。
【0003】また、上記した床暖房装置の放熱器としては、例えば、特開平7−158871号公報に開示されているように、基体となる木質板状体の上表面に溝を設け、この溝を含む木質板状体の表面側をアルミ箔等の均熱シートで覆うとともに、溝内に温水パイプを収容してそれらの表面をフローリング等の表面材で覆う構造のものが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記した構造の床暖房装置は、施工のための床工事が大がかりとなるため、一般的に一戸建て住宅や集合住宅の新築工事の際に施工されるものであり、既築住宅の床に新たに設置するには大改造になって費用も高額となった。
【0005】本発明は上述の実情に鑑みてなされたものであり、室床の基調を損なうことなく、既築住宅のフローリング等の床上に敷設して使用でき、施工性に優れるばかりでなく、巻回可能に連結された長尺状木質片の幅方向の凸反りや割れの発生を防止できる上敷式木質床暖房パネルを提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明では、並設された複数の長尺状木質片を可撓性の裏面材によって巻回可能に連結するとともに、長尺状木質片の裏面略中央に形成された埋設用凹溝に加熱流体用導管又は発熱電線を埋設してなる上敷式木質床暖房パネルであって、前記各長尺状木質片の幅方向の左右両端面部には、それの一方にオス側凹凸部を、かつ、他方にメス側凹凸部をそれぞれ設け、これらオス・メス側凹凸部によって、互いに隣接する長尺状木質片同士が間隙を存して凹凸嵌合される構成とし、さらに、この凹凸嵌合されるオス側凹凸部とメス側凹凸部の間隙は、中央部が上下部よりも大きく設定されている構成である。
【0007】請求項2に記載の本発明では、並設された複数の長尺状木質片を可撓性の裏面材によって巻回可能に連結するとともに、長尺状木質片の裏面略中央に形成された埋設用凹溝に加熱流体用導管又は発熱電線を埋設してなる上敷式木質床暖房パネルであって、前記各長尺状木質片の幅方向の左右両端面部には、それの一方にオス側凹凸部を、かつ、他方にメス側凹凸部をそれぞれ設け、これらオス・メス側凹凸部によって、互いに隣接する長尺状木質片同士が間隙を存して凹凸嵌合される構成とし、さらに、この凹凸嵌合されるオス側凹凸部とメス側凹凸部のうちの少なくともどちらか一方にクッション材を貼着してなる構成である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の上敷式木質床暖房パネルの一実施形態例について、図1ないし図4に基づいて説明する。上敷式木質床暖房パネル(以下、木質床暖房パネルという)Aは、例えば、厚さ12mm、幅75mm、長さ2400mmの長尺状木質片2、2・・・ を、可撓性の裏部材3によって横方向に複数枚(実施形態例では24枚)連結して巻回可能(図4参照)に構成した連結床材1を備え、前記長尺状木質片2と同方向の連結床材1の左右両端部には、外側に向けてテーパ加工した縦縁材4、4が取り付けられている。
【0009】前記長尺状木質片2は、広葉樹のアルダー材や針葉樹の杉材などを板目方向にそって縦長平板状に製材した天然木の無垢板で作られており、これら長尺状木質片2のそれぞれには、裏面側が開放された埋設用凹溝5、5が略中央に形成され、これら各埋設用凹溝5には加熱流体用導管としての架橋ポリエチレン製の温水パイプ6が埋設され、この温水パイプ6には、図示しない熱源機からの温水が供給されて木質床暖房パネルAの略全体に循環される。
【0010】前記各長尺状木質片2の幅方向の左右両端面部には、図2及び図3に示すように、一方に波状のオス側凹凸部Xが、かつ、他方には同じく波状のメス側凹凸部Yがそれぞれ設けられ、そして、前記一方の縦縁材4の幅方向の一端面部には、メス側凹凸部Yが設けられ、これらオス・メス側凹凸部X、Yによって、各長尺状木質片2同士及び長尺状木質片2と縦縁材4が互いに凹凸嵌合されている。そして、この凹凸嵌合されるオス側凹凸部Xとメス側凹凸部Yとの間の間隙は、図3に示すように、中央部の間隙T1、T1が、上下両端部の間隙T2、T2よりも大きく設定されている。即ち、中央部の間隙T1を約1mmに設定した場合、上下両端部の間隙T2は約0.5mmに設定するのが望ましい。
【0011】また、前記連結床材1の裏面側の略全域には裏部材3が接着され、この裏部材3によって各長尺状木質片2及び各縦縁材4が巻回可能に連結されている。前記裏部材3は、前記温水パイプ6に一部を接触させたアルミニウム箔製の均熱シート9と、この均熱シート9の外側に接着した不織布10とで構成されている。
【0012】前記長尺状木質片2と直交方向の連結床材1の上下両端部には、やはり外側に向けてテーパ加工した横縁材12、12が取り付けられている。これら横縁材12は前記連結床材1を平板状に広げた状態で取り付けられるものであり、前記縦縁材4と同様に長尺状木質片2との凹凸嵌合によってさね継ぎされる構造であって、四隅に配置されるテーパ付きコーナ材13、13とともに、木質床暖房パネルAの施工時に、図4に示す固定金具14、14を用いて縦縁材4にネジ止めされる。
【0013】15は前記横縁材12の一方に取り付けられた接続部カバーであり、この接続部カバー15は、前記温水パイプ6とこれに接続される往き・戻り温水配管16、16との接続部を覆っている。そして、前記温水配管16の他端は室内の壁等に付設された温水コンセント(図示せず)を介して屋外の熱源機に配管接続される。
【0014】図4は、木質床暖房パネルAの梱包時或るいは収容時における連結床材1の巻回状態を説明する説明図であり、前記縦縁材4を含む連結床材1は、図4に示すように、巻き畳まれて、前記横縁材12、コーナ材13及び固定金具14は、連結床材1から分離されて、梱包箱内に収められる。
【0015】次に、木質床暖房パネルAの設置の仕方について説明する。まず、図4に示すような巻回状態の連結床材1を、裏部材3を下にしてフローリング等の床上に広げた後、連結床材1に横縁材12、12を取り付ける。しかる後、横縁材12と縦縁材4との間の四隅にコーナ材13、13を配置し、横縁材12とコーナ材13を固定金具14、14を用いて縦縁材4にネジ止め固定する。そして、温水配管16の先端に設けられたプラグ(図示せず)を温水コンセントに接続すれば良い。
【0016】上記した一実施形態例によれば、並設された複数の長尺状木質片2、2を、アルミニウム箔製の均熱シート9とそれの外側に重ねて接着した不織布10とで構成した可撓性の裏部材3によって巻回可能に連結して連結床材1を構成し、各長尺状木質片2の裏面略中央に形成された埋設用凹溝5に温水パイプ6を埋設してなるので、長尺状木質片2自体が表面材となり、既築住宅のフローリング等の床上に敷設して使用でき、施工性に優れているばかりでなく、梱包時には各長尺状木質片2を巻き畳んでコンパクトに梱包できる。
【0017】また、前記各長尺状木質片2の幅方向の左右両端面部には、それの一方にオス側凹凸部Xを、かつ、他方にメス側凹凸部Yをそれぞれ設け、これらオス・メス側凹凸部X、Yによって、互いに隣接する長尺状木質片2、2同士が間隙を存して凹凸嵌合される構成とし、さらに、この凹凸嵌合されるオス側凹凸部Xとメス側凹凸部Yの間隙は、中央部の間隙T1、T1が、上下両端部の間隙T2、T2よりも大きく設定されている構成であるから、隣接する長尺状木質片2、2同士はオス・メス側凹凸部X、Yの凹凸嵌合によって互いにオーバラップするため、敷設時において、長尺状木質片2を横ぎる温水パイプ6部分を、互いに隣接する長尺状木質片2、2間から露出させないようにでき、器物の侵入が原因での温水パイプの破損が防止されるばかりでなく、温水パイプ6からの熱や湿気の影響で長尺状木質片2が幅方向へ膨張した場合、各長尺状木質片2の端部は、オス・メス側凹凸部X、Yの上下両端部が接触しても中央部の間隙T2は確保されるため、この中央部の間隙T2によって、各長尺状木質片2の幅方向への大きな膨張をも吸収することが可能となり、長尺状木質片2が幅方向においてそれの中央が上方に向かうように円弧状に反る(凸反り)現象や、割れの発生を防止できる。
【0018】図5は、本発明の上敷式木質床暖房パネルの他の実施形態例を示すものであり、上記した一実施形態例と同一部分は同じ符号を付与して説明を省略する。この他の実施形態例に示すものでは、各長尺状木質片2の幅方向の左右両端面部には、一方にオス側凹凸部Xが他方にメス側凹凸部Yがそれぞれ設けられ、これらオス・メス側凹凸部X、Yによって各長尺状木質片2同士が間隙を介して互いに凹凸嵌合され、さらに、この凹凸嵌合される各長尺状木質片2のメス側凹凸部Yには、長尺状木質片2の長手方向の略全長に亙って帯状のクッション材18が貼着されているが、この帯状のクッション材18は前記オス側凹凸部Xに貼着しても良く、また、オス側凹凸部Xとメス側凹凸部Yの双方に貼着しても良い。
【0019】この他の実施形態例によれば、前記長尺状木質片2の幅方向の両端部には、一方にオス側凹凸部Xが、かつ、他方にメス側凹凸部Yがそれぞれ設けられ、これらオス・メス側凹凸部X、Yによって互いに隣接する長尺状木質片2、2同士が間隙を介して互いに凹凸嵌合される構成とし、さらに、この凹凸嵌合される各長尺状木質片2のメス側凹凸部Yには、長尺状木質片2の長手方向の略全長に亙って帯状のクッション材18が貼着されている構成であるから、オス・メス側凹凸部X、Y間の間隙によって各長尺状木質片2の幅方向への膨張を吸収しながら、木質床暖房パネルAの上で使用者が歩行した場合のキシミ音の発生を、クッション材18によって防止することができる。
【0020】なお、上述の各実施形態例では、埋設用凹溝5に加熱流体用導管としての架橋ポリエチレン製の温水パイプ6を埋設しているが、温水パイプ6の代わりに発熱電線を埋設しても良い。
【0021】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されているので、室床の基調を損なうことなく、既築住宅のフローリング等の床上に敷設して使用でき、施工性に優れるばかりでなく、梱包時には連結床材を巻き畳んでコンパクトな梱包が可能であり、しかも、巻回可能に連結された長尺状木質片の幅方向の凸反りや割れの発生を防止でき、天然木の無垢板を使用した場合でも、長期間にわたって良好な付設状態を実現できる。
【0022】請求項2に記載された本発明では、オス・メス側凹凸部の間隙によって各長尺状木質片の幅方向への膨張を吸収しながら、木質床暖房パネル上を歩行した際のキシミ音の発生をクッション材によって防止することができる。
【出願人】 【識別番号】000001889
【氏名又は名称】三洋電機株式会社
【出願日】 平成10年(1998)1月7日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】安富 耕二 (外1名)
【公開番号】 特開平11−201479
【公開日】 平成11年(1999)7月30日
【出願番号】 特願平10−1559