| 【発明の名称】 |
電気カーペット |
| 【発明者】 |
【氏名】下妻 清秋
【氏名】服部 健治
【氏名】吉野 利一
【氏名】実川 茂
【氏名】菊池 厳夫
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| 【要約】 |
【課題】断熱性に優れ、座り心地の良いカーペット本体構造によつて省エネルギー化をはかる。
【解決手段】床面に接する裏面材6にヒーター8を取付け、そのヒーター8を表面材5で覆って電気カーペット本体2を構成する電気カーペットにおいて、前記裏面材6を繊維材9で構成し、その繊維材9の一面にシート部材11を設け、前記シート部材11にシート部材12を被覆して気密性のある空気層13を形成し、前記シート部材12により形成する空気層13の厚みcを前記繊維材9と前記シート部材11との厚みdよりも小さくする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 床面に接する裏面材(6)にヒーター(8)を取付け、そのヒーター(8)を表面材(5)で覆って電気カーペット本体(2)を構成する電気カーペットにおいて、前記裏面材(6)を繊維材(9)で構成し、その繊維材(9)の一面にシート部材(11)を設け、前記シート部材(11)に他のシート部材(12)を被覆して気密性のある空気層(13)を形成する事を特徴とする電気カーペット。 【請求項2】 前記繊維材(9)と気密性のある空気層(13)を形成するシート部材(12)他のシート部材(11)とを張り合わせて一体化する事を特徴とする請求項1記載の電気カーペット。 【請求項3】 前記繊維材(9)の一面をヒーター(8)側に、他方をシート部材(11)(12)の床面に接する側に配置する事を特徴とする請求項1記載の電気カーペット。 【請求項4】 前記シート部材(11)(12)に有する空気層(13)の断面は床面に接する部位を頂点にその鉛直方向に対して対称な形状とする事を特徴とする請求項1記載の電気カーペット。 【請求項5】 前記シート部材(12)により形成する空気層(13)の厚み(c)を前記繊維材(9)と前記シート部材(11)との厚み(d)よりも小さくする事を特徴とする請求項1記載の電気カーペット。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ヒーターを内蔵させたカーペット本体を床に敷いて採暖に用いる電気カーペットに関し、特に床面に接する裏面材に空気断熱層を設けた電気カーペットに関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、床面に接する裏面材に空気断熱層を形成して構成する電気カーペットは、例えば、面状発熱体素子(ヒーター)の外側を絶縁体で構成して採暖に用いる面状発熱体等の電気カーペットにおいて、その絶縁体に凹凸表面を形成したものとして、実開昭51ー54841号公報(以下、従来例Aという)、特開昭53ー49345号公報(以下、従来例Bという)、実開昭53ー102147号公報(以下、従来例Cという)、実開昭56ー45387号公報(以下、従来例Dという)等が一般に知られている。 【0003】いわゆる、従来例Aは、面状発熱体素子(ヒーター)を被覆した絶縁材料と、その絶縁材料に一体的に被覆された外装材料の少なくとも片面にエンボス模様状を形成し、同発熱体とのラミネーシヨン加工時にボンドやエアーギャップが発生するのを防止し、同発熱体の局部加熱の原因を除去していた。 【0004】また、従来例Bは、気密性を有し、ある程度の弾性を有するシート材料を対向させたエアマット内に面状発熱体素子を封入し、熱風源を用いない暖房用エアマツトの構成で騒音の低減を図っていた。 【0005】また、従来例Cは、面状発熱体素子(ヒーター)を一体的に被覆した絶縁体の外面を、凹凸形状で防水性・絶縁性のある被覆材で覆い、絶縁体と被覆材との間の空間部を減圧または真空に近い状態にして、同発熱体の漏れ電流の改善を図っていた。 【0006】また、従来例Dは、カーペットカバーのパイル反対面に多くの密閉独立した空気層を設けた多気泡フイルムを重ね合わせて、カーペットカバーの防音効果と保温効果を図っていた。この場合、ヒーターとの関係についての言及はない。 【0007】また、別の分野で類似技術を見ると、マツトおよびその製造方法として特開平5ー111422号公報(以下、従来例Eという)があり、このものは、裏張り材(裏面材)に発泡材を用い、その裏張り材(裏面材)に間欠的に突起部を設け、ソフトで軽量にも係わらず滑り止め効果のあるマツト及びその製法に関する改善が知られている。 【0008】前記従来例Aから従来例Eまでの技術内容を整理すると、次のようになる。 【0009】(1)面状発熱体である電気カーペット裏面材の床面に接する側にエンボス模様の凹凸を形成するのは、その目的に関係なく公知となつている。 【0010】(2)その凹凸部に気密性のある空気層を形成して、クツシヨン性を持たせて座り心地を良くする、あるいは滑り止めにするという技術も公知となつている。 【0011】(3)また、その凹凸部を減圧状態にして、漏れ電流の低減を図ることも公知技術となつている。 【0012】(4)さらに、その凹凸部や空気層を発泡シートを用いて構成する事も公知技術となつている。 【0013】 【発明が解決しようとする課題】この種の電気カーペットにあっては、顧客ニーズとして断熱効果に優れているのはもちろんのこと、省エネルギー効果があり、しかも敷物としての歩行性に優れたものであるが必要である。 【0014】ところが、従来例Aから従来例Eまでにおいては、ヒーターが発生する放射熱を裏面材あるいは気密性のある中空糸の空気層等では床面へ逃げる放射熱を遮断できない等の省エネルギーを克服するという言及がない。 【0015】また、歩行性は、滑り止めやクツション性等にも関連する電気カーペットの性能であるが、前記従来例は、これらを歩行性として一元的に捉えた提案ではなく、単なる滑り止めやクツション性として捉え、その改善が残されているという課題があった。 【0016】 【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解決するものであり、床面に接する裏面材にヒーターを取付け、そのヒーターを表面材で覆って電気カーペット本体を構成する電気カーペットにおいて、前記裏面材を繊維材で構成し、その繊維材の一面にシート部材を設け、前記シート部材にシート部材を被覆して気密性のある空気層を形成するものとした。 【0017】また、前記繊維材と気密性のある空気層を形成するシート部材・他のシート部材とを張り合わせて一体化するものとした。 【0018】また、前記繊維材の一面をヒーター側に、他方をシート部材の床面に接する側に配置するものとした。 【0019】また、前記シート部材に有する空気層の断面は床面に接する部位を頂点にその鉛直方向に対して対称な形状とするものとした。 【0020】また、前記シート部材により形成する空気層の厚みを前記繊維材と前記シート部材との厚みよりも小さくするものとした。 【0021】 【発明の実施の形態】本発明は、床面に接する裏面材にヒーターを取付け、そのヒーターを表面材で覆って電気カーペット本体を構成する電気カーペットにおいて、前記裏面材を繊維材で構成し、その繊維材の一面にシート部材を設け、前記シート部材に他のシート部材を被覆して気密性のある空気層を形成する構成とするか、または、前記繊維材と気密性のある空気層を形成するシート部材・他のシート部材とを張り合わせて一体化するものとし、または、前記繊維材の一面をヒーター側に、他方をシート部材の床面に接する側に配置するものとし、または、前記シート部材に有する空気層の断面は床面に接する部位を頂点にその鉛直方向に対して対称な形状とするものとし、または前記シート部材により形成する空気層の厚みを前記繊維材と前記シート部材との厚みよりも小さくする構成とすることにより、ヒーターから床面へ放射する放射熱を遮断する。 【0022】また、気密性のある空気層を有するシート部材で、ヒーターの伝導熱を断熱する。 さらに、前記気密性のある空気層を有するシート部材との相乗効果で床面に逃げるカーペツト本体の熱を断熱し、省エネルギーを図る。 【0023】その繊維材はヒーター側に、シート部材は床面側にそれぞれ配置し、しかもその空気層の厚みを繊維材の厚みよりも小さくして歩行性が良くなる。 【0024】その結果として、付帯的に座り心地や滑り止めの性能が向上する。 【0025】 【実施例】以下、本発明の一実施例を示す電気カーペットを図に従って説明する。 【0026】図1において、1はカーペットカバーであり、2はカーペット本体であり、3はコントローラーである。 【0027】図2において、4はカーペットカバー1のパイルである。 【0028】5はカーペット本体2の表面材であり、6は裏面材であり、7は熱溶着シートであり、8はヒーターである。 【0029】ヒーター8は、表面材5と裏面材6の間に熱溶着シート7によって3者が一体的に溶着されている。 【0030】図3において、9は裏面材6を構成する繊維材であり、10は同じくシート材である。 【0031】11・12はそのシート材10を構成するシート部材であり、13はシート部材11と他のシート部材12とで囲われる空気層である。 【0032】前記シート部材12により形成する空気層13の厚みcを前記繊維材9と前記シート部材11との厚みdよりも小さくしてある。 【0033】14はシート部材11及び他のシート部材12との熱溶着部である。 【0034】13は空気層であり、シート部材11と他のシート部材12とで気密性を有するように形成するものであり、前記熱溶着部14で気密性が保たれる。 【0035】繊維材9は、10デニールのポリエステル中実繊維(比重約1.6)を用いている。 【0036】又、シート部材11及び12には厚さ500μmのポリエチレンシートを用い、両者を熱溶着するプロセスでブロワーにより空気を送込み両者間に空気層13を形成している。熱溶着温度は約130℃で空気は常温のものを用いている。 【0037】シート材10の構成は、シート部材11を平坦面として繊維材6に接着する。空気層13はシート部材12側にを設け、シート部材11を繊維材6に接着する構成とする。 【0038】空気層13の断面形状は、床に接する部位を頂点とする略半円球状で、各部の寸法はそれぞれ約a=5mm、b=3mm、c=2mmとしている。 【0039】繊維材9は目付量が約400g/m×mのフェルトを用い、厚みは約d=4mmとしている。 【0040】次に、前記構成における作用を説明する。 【0041】まず、断熱について説明すると次のごとくである。 【0042】図4において、カーペット本体2から床面に逃げる熱量Qは次式で与えられる。 【0043】Q=λ(θ1ーθ2)/Lここで、λ :カーペット裏面材の熱伝導率(W/m・K) θ1:ヒーター部温度(℃) θ2:裏面材の床面温度(℃) L :ヒーター部から床面までの距離(m) したがって、カーペット本体2から床面に逃げる熱を少なくするには、、ヒーター部から床面までの距離Lを大きくするか、裏面材6の熱伝導率λを小さくするかのいずれかである。 【0044】本実施例では、L=c+d=6(mm)としている。 【0045】又、熱伝導率λは、繊維材9と空気層13との合成の熱伝導率のなるが、空気層13の熱伝導率が繊維材9のそれに比べて小さいことから、合成の熱伝導率は空気層9のない場合、すなわち繊維材9だけの裏面材6の構成に比べて小さくなる。 【0046】図5は、2畳タイプの定格消費電力600wのカーペット本体を用い、室温20℃・フローリング床温15℃において、標準目盛(5目盛中の3目盛)の測定条件で通電し、安定した状態における1時間当りの平均消費電力(w)を測定したものである。 【0047】図中において、特性Aは裏面材6を繊維材9だけで裏面材6を構成した場合の特性を示す。 【0048】この時、繊維材の目付量は単位厚み当り等しくしている。 【0049】又、e、f、g、の各点はそれぞれの特性を代表する動作点である。 【0050】e点は、従来の電気カーペットの動作点を示し、繊維材9で厚み4mmの裏面材を構成したときの平均消費電力である。この時の平均消費電力は300wである。 【0051】f点は繊維材の厚みを増すことでe点の平均消費電力を10%低減させる動作点である。 【0052】この時には、裏面材6の厚みを約7mmにしなければならない。 【0053】g点は本発明の実施例の動作点である。繊維材4mm、空気層2mm、合計6mmの裏面材6の厚みで約275wとなり、e点に対し約9%の平均消費電力の低減効果が得られた。これは、e点に対して裏面材6の厚みが増えたことと、熱伝導率が小さくなったこととの断熱効果の総合効果である。 【0054】次に、歩行性について説明する。 【0055】歩行性の定性的概念は図6で説明する。 【0056】図において、15は人間の足を想定した荷重であり、その大きさがWである。 【0057】Rはカーペット本体2にWの荷重を受けたときに、カーペット本体2が変形する曲率半径を示している。 【0058】(1)はR〓∞、すなわちカーペット本体2に全くたわみが生じない状態を示している。 【0059】(2)はR:小、すなわち大きくたわむ場合、(3)はR:大、すなわち小さくたわむ場合をそれぞれ示している。 【0060】(1)の場合は、荷重Wの床面からの反発力が全て跳ね返って来るので、蹴りが大きくなるが膝にはやさしくない。 【0061】(2)の場合は、(1)とは逆に荷重Wの反発力が少ないので、膝にはやさしいが蹴りが小さくなる。 【0062】カーペット本体2が滑らないことを前提とすると、歩行性の良さ、すなわち歩き易さは、 (3)>(1)>(2) の順となる。 【0063】本実施例において、前記のことを踏まえて、空気層13を床面に接する面に配置し、しかもその空気層13を厚み2mmとして、裏面材9を構成する繊維材9の厚み4mmよりも少なくしている。 【0064】このことで、荷重Wを受けたときのたわみ依存性が繊維材9が支配的となり、空気層13によって歩行性を阻害されることがなくなる。 【0065】次に、図3及び図7を用いて本実施例における空気層13の作用について説明する。 【0066】図3において、空気層13は、a=5mm、c=2mmの略半円球状に形成している。 【0067】すなわち、空気層13の中央部を頂点にすそに行くほど広がる形状で、かつその中央部鉛直な軸に対して前後左右他が対称な形状になっている。このことの作用効果は以下の通りである。 【0068】図7において、カーペットに荷重が加わるとその反発力Fは空気層13の中央部に図中に示すように加わる。その荷重は空気層内で分散し、分散力F1〜F4が熱溶着部14に加わることになる。その分散力はそれぞれF1=F3、F2=F4である。カーペットの荷重が取り除かれると、この分散力の反発で空気層13は元状態に復元する。その復元力は均等であり、カーペット本体2を移動させる力が生じない。 【0069】したがって、繰返し荷重を受けてもカーペットの位置がずれることはない。 【0070】さらに、熱溶着部14には全周均にわたり均等な力が加わるので、局部的に集中して荷重を受けることがなく、耐久性にすぐれたものとなる。 【0071】これらの作用は、空気層13を略半円球状にするだけではなく、図8に示すような形状においても得られる。 【0072】すなわち、中央部を頂点としてすそが広がる形状で、その頂点に鉛直な軸に対称形状にすることで、同等の効果を得る。 【0073】 【発明の効果】本発明は、前述した構成とすることにより次の効果を得る。すなわち、(1)裏面材を繊維材及びシート材で構成し、シート材に気密性のある空気層を形成して、その繊維材及び空気層でヒーターから床面へ逃げる伝導熱を遮断する効果がある。 【0074】(2)その繊維材は、ヒーター側に、シート材は床面側にそれぞれ配置し、しかも空気層の厚み繊維材の厚みよりも小さくして歩行性を良くする効果がある。 【0075】以上によつて、省エネルギー性と歩行性に優れた電気カーペットを提供出来た。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005131 【氏名又は名称】株式会社日立ホームテック
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)12月9日 |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開平11−173585 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)6月29日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−337564 |
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