トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F24 加熱;レンジ;換気




【発明の名称】 保温機能付き電子レンジ
【発明者】 【氏名】清川 晋

【要約】 【課題】店舗等で食品を加熱・解凍する電子レンジにおいて、加熱された食品を保温する際に、独立したスペースを必要とせず、かつ食品に焼きたてのような暖い視感を与えうる保温手段を提供する。

【解決手段】電子レンジのケースを縦長に形成し、このケース内を水平な電波遮蔽性の仕切板で下部加熱室と上部保温室に分割し、下部加熱室にマイクロ波加熱装置を配するとともに、上部保温室に温度調節器付きの食品保温用ヒーターを配し、かつ該2室それぞれの前面に食品を出し入れする開閉自在の扉を設ける。また、食品保温用ヒーターに赤外線加熱ランプを用いる。さらに、上部保温室内に赤色の照明ランプを配する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 電子レンジのケースを縦長に形成し、このケース内を水平な電波遮蔽性の仕切板で下部加熱室と上部保温室に分割し、下部加熱室にマイクロ波加熱装置を配するとともに、上部保温室に温度調節器付きの食品保温用ヒーターを配し、かつ該2室それぞれの前面に食品を出し入れする開閉自在の扉を設けてなる保温機能付き電子レンジ。
【請求項2】 前記の食品保温用ヒーターが赤外線加熱ランプである請求項1記載の保温機能付き電子レンジ。
【請求項3】 前記上部保温室内に赤色の照明ランプを配してなる請求項1又は請求項2記載の保温機能付き電子レンジ。
【請求項4】 少くとも前記上部保温室の扉に、室内の食品の大部分を視認するに十分な大きさの透明な覗窓を設けてなる請求項1〜請求項3のいずれかに記載の保温機能付き電子レンジ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子レンジのケース内に食品の保温室を有する保温機能付き電子レンジに関する。
【0002】
【従来の技術】電子レンジは、マイクロ波誘電加熱により食品や水自体を発熱させ、その100℃迄の加熱や冷凍食品の解凍を行う目的で汎用されている。
【0003】また、食品の加熱調理の目的に応じて、電子レンジに種々の機能を付与したものも、近年多数提案されている。例えば、電子レンジに電熱ヒーターを併設したいわゆるオーブンレンジや、電子レンジに専用の容器を入れ、この容器内で食品を加熱調理する電子レンジ用蒸し器や炊飯器などがある。
【0004】しかし、電子レンジにより加熱・解凍した食品を、比較的長時間保温する手段を付設したものは従来提案されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一般の家庭では、電子レンジで加熱・解凍した食品を直ちに食卓に供することができるから、とくに保温機能を必要としない。しかし、利用客の多い商店、例えばファーストフード店やコンビニエンスストア等においては、客の注文を受けた後食品の加熱・解凍を行ったのでは、待ち時間が長くなり好ましくない場合が少くない。
【0006】そのため、蒸しまんじゅう等では専用の保温・保湿容器が汎用されているが、これは他の食品には適用できない。また、かかる保温容器は接客カウンターの近くに置く必要があるから、なるべく独立してスペースを占有しないものであることが望ましい。
【0007】一方、店舗に陳列した食品は、その視感が売上げにかかわることが少くない。上記の蒸しまんじゅうの例のみならず、やきいも、やきとり、各種ランチ等の場合においても、焼きたて、蒸したて等の暖い視感を与えることが客の購買意欲を喚起することになる。
【0008】そこで本発明は、店舗等で食品を加熱・解凍する電子レンジにおいて、加熱された食品を保温する際に、独立したスペースを必要とせず、かつ食品に暖い視感を与えうる保温手段を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するための本発明の要旨は、(1)電子レンジのケースを縦長に形成し、このケース内を水平な電波遮蔽性の仕切板で下部加熱室と上部保温室に分割し、下部加熱室にマイクロ波加熱装置を配するとともに、上部保温室に温度調節器付きの食品保温用ヒーターを配し、かつ該2室それぞれの前面に食品を出し入れする開閉自在の扉を設けてなる保温機能付き電子レンジである。
【0010】また、(2)前記の食品保温用ヒーターが赤外線加熱ランプである前項(1)記載の保温機能付き電子レンジである。
【0011】また、(3)前記上部保温室内に赤色の照明ランプを配してなる前項(1)又は(2)記載の保温機能付き電子レンジである。
【0012】さらに、(4)少くとも前記上部保温室の扉に、室内の食品の大部分を視認するに十分な大きさの透明な覗窓を設けてなる前項(1)〜(3)のいずれかに記載の保温機能付き電子レンジである。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施例である保温機能付き電子レンジの内部構造を示す断面概念図、図2はその斜視概要図である。電子レンジのケース1を縦長に形成し、その内部は電波遮蔽性の仕切板2により、下部加熱室3と上部保温室4に二分割されている。本例では仕切板2は金属製の2重板からなっている。
【0014】下部加熱室3には、マイクロ波加熱装置が配されている。すなわちマイクロ波は、マグネトロン5から導波管6を経て、マイクロ波照射口7から放射され、トレイ8上の被加熱食品を誘電加熱する。本例ではマイクロ波照射口7は下部加熱室3の底面に設けられているが、その位置は上面や側面であってもよく、これらを組み合せてもよい。
【0015】また、上部保温室4には保温用ヒーターとして、赤外線加熱ランプ10が天井部に配され、食品載置台11の上の被加熱食品9を弱加熱して保温する。赤外線加熱ランプ10は室内に設けられたサーモスタット12により、オンオフして室内の温度を調節する。赤外線加熱ランプ10の取付け位置は、天井部のほか側壁部であってもよく、これらを組み合わせてもよい。
【0016】赤外線加熱ランプ10の放射光は可視光を含み、被加熱食品に赤色の視感を与えるものであることが好ましい。また、サーモスタット12は設定温度を任意に調節できるものであることが好ましく、さらに、上部保温室4内には室内の温度を均一にするためファン13を配設することが好ましい。
【0017】また図2に示すように、加熱室3と保温室4のそれぞれの前面には、食品を出し入れするための開閉自在の扉14及び15が設けられている。少くとも保温室の扉15には、室内の食品の大部分を視認するに十分な大きさの透明な覗窓17を設けておくことが望ましい。
【0018】これは、前述したように食品の視感が購買意欲にかかわり、とくにやきいも、やきとり等においては、赤色の視感が焼きたてという好ましい視感を与えるためである。なお、加熱室の扉14には必ずしも覗窓を設けることを要しないが。扉をあけずに内部の食品を確認するため、加熱室に電波非透過性の覗窓16を設けた方が好ましいことは、通常の電子レンジの場合と同じである。
【0019】保温用ヒーターは、必ずしも赤外線加熱ランプでなく、例えば通常の電熱ヒーター等であってよい。しかし、その場合は保温室内に照明がないので、別に照明用ランプを配する必要があり、上記と同じ理由から赤色の照明ランプを用いることが望ましい。また、赤外線加熱ランプでも、これがオンオフする場合には、オフの時に赤色の照明ランプが自動点灯する構成にすることが好ましい。
【0020】食品の保温において、最も留意すべき点はその保湿であるから、保温室内の湿度を適切に調節する必要がある。また適切な湿度は食品の種類によって異なり、例えばやきいも、やきとり等では比較的低い湿度で、蒸しまんじゅう等では高い湿度で保温する必要がある。
【0021】本発明は、保温室内の湿度の調整手段を限定するものではないが、例えば保温室内に蒸発皿を置いて加湿してもよい。保温室の雰囲気温度での飽和水分まではこの方法で加湿でき、食品の種類によっては、これで十分である。
【0022】また、上記の方法で加湿が不十分な場合は、仕切板2に電波の漏洩があまり大きくならない程度の(例えば径10mm以下の)通気孔を多数設け、下部加熱室で発生した水蒸気を上記の通気孔からから上部保温室に流通せしめて、その加湿を行うような手段をとることもできる。
【0023】
【発明の効果】本発明により、店舗等で食品を加熱・解凍する電子レンジにおいて、加熱された食品を簡便に保温することが可能になり、保温に際して独立したスペースを必要とせず、かつ保温中の食品に焼きたてのような暖い視感を与えることが可能になった。
【出願人】 【識別番号】592132981
【氏名又は名称】清川 晋
【出願日】 平成10年(1998)4月21日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】石川 英毅
【公開番号】 特開平11−304160
【公開日】 平成11年(1999)11月5日
【出願番号】 特願平10−110484