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【発明の名称】 ガス加熱装置並びに火力調節法
【発明者】 【氏名】黒田 圭助

【要約】 【課題】被加熱体を加熱するに当たり、その火力を所望に調節でき、特に、弱火又はトロ火で加熱する場合に、不均一な燃焼状態や立ち消えの危険などのない安定良好で且つ均一な燃焼状態で加熱処理を行えるガス加熱装置を提供する。

【解決手段】ガスバーナー2を昇降装置3に連結し、昇降装置によりガスバーナー2を昇降自在に設けた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ガスバーナーを昇降装置と連結したことを特徴とするガス加熱装置。
【請求項2】 該昇降装置により該ガスバーナーを昇降させ被加熱体との距離を所望に設定することにより該被加熱体に対する火力を調節するようにしたことを特徴とする火力調節法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガス加熱装置並びに火力調節法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来公知のガス加熱器は、ガスバーナーの上方に一定の距離を存して被加熱体を設置したもので、被加熱体に対する火力を調節するにはバーナーコックの開閉を所望に調節していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし乍ら、上記従来の固定式のガス加熱器では、調理用のガス加熱器に例をとれば、食品加工の製造工場や中華料理店などで用いられる大型の例えば大径のブンゼンバーナーで大量の食材を加熱調理する場合、強い火力で加熱する場合は問題ないが、特に、バーナーコックを絞って弱火やトロ火で加熱する場合には、そのバーナーコックから遠いほどガスの供給力が弱くなる傾向があるので、その遠い側の火力は、近い側の火力に比し火力が落ちる。従って、被加熱体全体に均一な火力で加熱することができず、その結果、均一な加熱調理ができない不都合をもたらすことがしばしば見られた。また、特に、トロ火に調節する場合には、バーナーコックより最も遠い側の炎は立ち消えして生ガスが発生する危険がしばしば見られた。この現象は、家庭用の小型のものでもしばしば見られる。このように、従来の固定式のガス加熱器ではバーナーコックを絞ることによる火力のコントロールはうまく行かず、危険を伴う欠点があった。従って、上記従来のガス加熱器の不都合を解消し、安定した炎口からの火炎により、被加熱体に対する火力を所望に調節し得られるガス加熱装置の開発が望まれる。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記従来の技術の不都合を解消すると共に、上記の要望を満足したガス加熱装置を提供するもので、ガスバーナーを昇降装置と連結したことを特徴とする。更に本発明は、上記のガス加熱装置を用いた火力調節法を提供するもので、該昇降装置により該ガスバーナーを昇降させ被加熱体との距離を所望に設定することにより該被加熱体に対する火力を調節するようにしたことを特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明のガス加熱装置は、ガスバーナーとしては、ブンゼンバーナーなどが一般であり、そのガスバーナーの下面に連結部材を介し又は介することなく、直接昇降装置を溶接、ボルトナットなどにより連結したものであり、昇降装置としては、市販の電動式又は手動式のジャッキを一般に用いることが一般であり、好ましい。ジャッキとしては、油圧ジャッキ、ねじジャッキ、ラック・オニオンジャッキなどいずれでもよい。また、空気圧によるピストンシリンダ装置でもよい。該ガス加熱装置により加熱される被加熱体は、各種の食品原料の加熱処理、焙焼、蒸煮などを行うに当たり、鋼鉄製の鍋又は容器にその加熱処理すべき食品原料を収容したもの、例えば、化学工業における金属又は合金などの加熱、熔融処理すべきもの、各種の混合物又は溶液の加熱処理すべきものなどである。
【0006】次に、添付図面に示す実施の1例につき詳述する。図面で1はガス加熱装置を示す。該ガス加熱装置1は、ガス燃焼器本体であるガスバーナー2、例えば、都市ガス用の大型のブンゼンガスバーナー2とこのガスバーナー2に連結部材4を介して連結された該ガスバーナー2の下位に存せしめた昇降装置3とから成る。かくして、該ガスバーナー2は、昇降装置3の伸縮により昇降自在で且つその所望位置に止めることができるようにした。図示の例では、該ガスバーナー2は、径を異にする3個の環状のガスバーナー2a,2a,2aをその下面に等間隔に配設した複数本の金属製支持桟2b,2b,…を溶接し一体に構成したもので、該ガスバーナー2の各環状のガスバーナー2aの下面とその下方の昇降装置3の上面とは、垂直方向に延びる複数本の金属製連結部材4,4,…を介して溶接により互いに連結されている。各環状のガスパーナー2aは、円環状の鋼管の上面に一定の等間隔で配設した夫々の炎口の螺孔に炎口管2a1を螺挿結着したもので、大量の加熱調理に適した大型のブンゼンバーナーである。このように配置した三重の環状のガスバーナー2a,2a,2aは、共通1本の都市ガス供給管2a2に、夫々の空気を流入する混合管2a3,2a3,2a3を介して接続されている。該供給管2a2には、その外端部にフレキシブルチューブ5が連結されて居り、該フレキシブルチューブ5の外端は、図示しないが、元栓を介してガス本管に接続されている。各混合管2a3には、バーナーコック6及びエア流入調節口7が介在している。かくして、該フレキシブルチューブ5により、該昇降装置3の伸縮による該ガスバーナー2、即ち、該バーナー2a,2a,2aが夫々の混合管2a3,2a3,2a3及び一本の共通のガス供給管2a2と共に昇降自在となることを許容されるようにした。
【0007】昇降装置3としては、市販のジャッキを用いることができ便利である。図示の例では、ジャッキ3を床面A上に載置し、該ジャッキ3の伸縮自在に伴い、該バーナー2を昇降自在とした。ジャッキ3としては、油圧ジャッキ、ねじジャッキ、ラック・オニオンジャッキなどのいずれでもよいが、図示の例では、パンタグラフ式の油圧ジャッキを用いた。尚、油圧に代え、空気圧による昇降装置とすることは任意である。
【0008】図示の油圧ジャッキ3自体は周知の市販のもので容易に入手し得る。該ジャッキ3は、所要の大きさのベース3aとテーブル3bと、中心を横断するセンターピン3cにより連結された左右一対のX状の腕から成る平行リンク3d,3eと、これら左右一対から成るX状の平行リンク3d,3e間を連結する横軸3fに上端を連結され、下端を摺動ローラ3gに摺動自在に連結された油圧ピストン・シリンダ3hとから成る。図面で3iは各平行リンク3d,3eのX状腕の後端を軸支する固定ピン、3j,3jは各平行リンクのX状腕の前端に夫々連結し、ベース3a及びテーブル3b間を摺動溝内を前後方向に摺動する摺動ローラー、3kは油圧ピストン・シリンダ3hを駆動する油圧ユニットを示す。該油圧ジャッキ3の構成は周知であるから、これ以上の説明を省略する。かくして、該油圧ジャッキ3は、油圧ユニット3hによりその左右一対のX状の平行リンク3d,3eを伸長、収縮せしめられ、これに伴い、パンタグラフ式に実線示及び仮想線示のように、該テーブル3bを昇降自在に作動せしめる。8は、該油圧ユニット3hの正逆可動モータを駆動するための操作用スイッチは、図示のように、該ガス加熱装置1の外周に設けた支持機枠9の複数本の支柱9a,9a,…の所望の支柱9aの適当な高さに設けて置くことが便利である。操作用スイッチ8は、上動用ボタン8a、下動用ボタン8bを具備している。尚、図示しないが、操作用スイッチ8として、リミットスイッチを具備した足踏み式のものを床面に置き、作業者の足で操作するようにしても良い。
【0009】図示のガス加熱装置1は、加工すべき食品原料を加熱処理するために、そのガスバーナー2の上方に鉄鍋などの容器10を設け、これに加熱処理すべき食品原料(図示しない)を大量に収容して成る被加熱体を加熱調理するために用いられる例を示す。該容器10は、該支持機枠9の左右に配設した各3本の支柱にうち、その中間の支柱9a,9aにベアリング12,12を介して回転自在に支持された支持軸11,11の内端を該容器10の外周の左右側面に溶接して容器10を回動傾動自在に支持するようにし、その1側の支持軸11は、図示しない駆動用モータ、ピストン・シリンダなどの駆動装置に連結されて居り、加熱調理終了後、該駆動装置により該支持軸11を回動させて、該容器10を回転傾動させ、外部の受容器にその内容物を開けることができるようにした。尚、図示の実施例では、ガスバーナー2の外周には、1側面でガス供給側において大きい開口部13aを有する断熱材などから成る保護筐13で保護するようにした。該保護筐13は、その周囲の基板13bで支持機枠9の左右の支柱9a,9aに支持された棚14上にボルトナットにより結着せしめられている。
【0010】次に、上記の本発明のガス加熱装置1の作動を説明する。先ず、作業者は、手で該操作用スイッチ8の上動用ボタン8aを押せば、該油圧ジャッキ3は駆動され、平行リンク3d,3eは伸長し始め、これに伴い、そのテーブル3bの上面に連結されているガスバーナー2は上昇し始める。かくして、上動ボタン8aの押圧を止めれば、その時点で該ガスバーナー2,2,2の上昇は停止し、その位置で止まる。下動用ボタン8bを押せば、平行リンク3d,3eは収縮し始め、これに伴い、ガスバーナー2は下降する。かくして、下動用ボタン8aの押圧を止めれば、その時点で該ガスバーナーの下降は停止し、その位置で止まる。このように本発明によれば、該ジャッキ3の伸縮により、該ガスバーナー2を昇降自在にその所望位置に止めて、該ガスバーナーを、その上方の該容器10の底からの距離間隔を所望に設定し、その距離に応じ、安定した火炎で強火、中火、弱火、トロ火などの所望の火力に調節して被加熱体を加熱することができる。図示の状態は、実線示の該ガスバーナー2は、該油圧ジャッキ3が最も伸長した、従って、該容器10に最も接近した最上位に位置した状態を示し、その仮想線示は、該ジャッキ3が最も収縮した、従って、該調理容器3から最も遠く離れた最下位に位置した状態を示す。
【0011】従来の固定式のガス加熱器では、被加熱体を弱火やトロ火で加熱するには、バーナーコックを絞りガスバーナーの火炎を小さくする必要があるため、バーナーコックから遠くなるほど火力が落ちてしまい、被加熱体に対し均一な火力で加熱することができないので、加熱調理の場合には、製品の上がりも上手く行かない不都合を生じ、更には、火炎の立ち消えを生じ生ガスが発生する危険を伴った。上記の本発明のガス加熱装置1によれば、例えばガスバーナー2を最上位の位置で強火により加熱調理した後、弱火或いはトロ火で加熱する必要があるときは、該バーナーコック7,7,7を絞ることなく、夫々の環状のガスバーナー2a,2a,2aは、バーナーコック7,7,7に近い側の火炎も、遠い側の火炎も同じ大きさであり且つ立ち消えのない安定した火炎を保持したまゝで、該ジャッキ3を収縮させて、ガスバーナー2を被加熱体に対する弱火或いはトロ火が得られる位置まで下降させる。かくして、その安定した燃焼状態のガスバーナー2a,2a,2aの火炎で該調理容器3の底面全体を均一に所望時間弱火又はトロ火で加熱できるので、上記の従来のように、バーナーコックを絞って弱火やトロ火として長時間加熱する場合にもたらされる不均一な加熱の不都合や炎の立ち消えの危険なく長時間に亘り均一な加熱により容器10内の食材を加熱調理ができる。
【0012】ガスバーナー2の容器10の底部からの距離(間隔)は、最上位を、その火炎が容器10の底面に接触する位置とするとき、最下位は、容器10の底面から約100〜150mm程度離れる位置あれば、強火からトロ火までを適当に調節できる。尚、該容器10の底面から該ガスバーナー2の上面までの距離が読めるように、図示しないが、該支持機枠9に、垂直方向に目盛を付したスケールを取り付けるようにして置くことが好ましい。
【0013】また、図示しないが、該容器10に温度センサーを取り付けておき、所定の温度に上昇したとき、これに接続されたコンピューター制御装置により油圧ユニット3hを駆動させ、その温度に応じ、該ジャッキ3を収縮又は伸張させ、該ガスバーナー2を所定の位置まで下降又は上動させて所定の弱火、トロ火、強火などの所望の火力で加熱するように自動制御する制御装置を具備するようにしてもよい。
【0014】図示の実施例では、昇降装置3としてパンタグラフ式ジャッキを使用したが、車の修理などに用いるホイスト型のジャッキ、荷台上下式台車のジャッキなどを転用でき、その昇降は電動式に代え、ジャッキから突出せしめたハンドルを操作し昇降を操作し得る手動式としてもよいことは勿論である。
【0015】尚、フレキシブルチューブに代えて、自在継手を介してガスバーナー側とガスの元栓側を連結しても、昇降装置の作動によるガスバーナーを昇降自在にすることができる。
【0016】
【発明の効果】このように本発明によれば、ガスバーナーをジャッキなどの昇降装置により昇降自在としたので、そのガスバーナーの上方に配される被加熱体との間隔を所望の位置に調節でき、所定の均一且つ安定良好な火炎で被加熱体に対する火力を適当に調節して加熱することができる。特に、弱火又はトロ火で加熱する必要があるときは、ガスコックを絞ることなくガスバーナーを適した位置まで下降させるだけで、安全良好な燃焼状態が被加熱体に対し弱火又はトロ火で均一な加熱処理をもたらし、従来のガスコックを絞ることによる前記した不都合を解消することができる。
【出願人】 【識別番号】593078833
【氏名又は名称】ポタール食品株式会社
【出願日】 平成9年(1997)6月24日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】北村 和男
【公開番号】 特開平11−14059
【公開日】 平成11年(1999)1月22日
【出願番号】 特願平9−182975