| 【発明の名称】 |
燃焼器 |
| 【発明者】 |
【氏名】佐々木 正史
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| 【要約】 |
【課題】1本の燃料噴射弁で拡散燃焼と予蒸発予混合希薄燃焼の運転切換を行うことができ、構造が簡単な燃焼器を提供する。
【解決手段】燃焼空気の通る空気流路12を遮るように配置され、燃焼空気が通過する通過孔を多数透設されたスラスト板23と、スラスト板23を燃焼空気の空気流の上流方向に向けて付勢するバネ26と、スラスト板23の移動に連動して空気孔を開閉させるシャッタ25とを備えた燃焼器である。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 燃焼空気の通る空気流路を遮るように配置され、燃焼空気が通過する通過孔を多数透設されたスラスト板と、前記スラスト板を燃焼空気の空気流の上流方向に向けて付勢する付勢手段と、前記スラスト板の移動に連動して空気孔を開閉させる開閉手段とを備えたことを特徴とする燃焼器。 【請求項2】 前記スラスト板に対して燃焼空気の空気流路の下流側に前記空気孔が設けられていることを特徴とする請求項1記載の燃焼器。 【請求項3】 前記スラスト板に対して燃焼空気の空気流路の上流側に前記空気孔が設けられていることを特徴とする請求項1記載の燃焼器。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は燃焼器に関し、特に予蒸発予混合式とした逆流缶形の燃焼器に関する。 【0002】 【従来の技術】従来この種の燃焼器としては図4に示すような装置が知られている。この燃焼器では、熱交換器を通過した高温高圧空気を空気流路1に導入し、スワーラ2で旋回流となった空気に主燃料噴射弁3から燃料を噴射して、予混合室4内で予混合を行い、連通路5から燃焼室6へと混合気を導入して、予蒸発予混合希薄燃焼を行うようにしている。そして着火時や加速時などには補助燃料噴射弁7から燃料を噴射して拡散燃焼を行わせるようにしていた。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ところが、上述の従来の燃焼器では、通常運転時の予蒸発予混合希薄燃焼と着火時や加速時の拡散燃焼とを切換えるために、主燃料噴射弁3と補助燃料噴射弁7との2本の燃料噴射弁を必要とするとともに、このための燃料供給系統も2系統必要になるなど、構造が複雑であり、燃焼器が大型化するとともにコストが上昇していた。 【0004】本発明は上記問題点に鑑みてなされたもので、1本の燃料噴射弁で拡散燃焼と予蒸発予混合希薄燃焼の運転切換を行うことができ、構造が簡単な燃焼器を提供することを目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために請求項1記載の燃焼器は、燃焼空気の通る空気流路を遮るように配置され、燃焼空気が通過する通過孔を多数透設されたスラスト板と、前記スラスト板を燃焼空気の空気流の上流方向に向けて付勢する付勢手段と、前記スラスト板の移動に連動して空気孔を開閉させる開閉手段とを備えたことを特徴とする。 【0006】この請求項1記載の燃焼器では、スラスト板に透設された通過孔を燃焼空気が通過する際に圧力損失が生じる。そしてこの反作用としてスラスト板には空気流の下流方向に向けた力が働く。これによりスラスト板は付勢手段の付勢力に抗して下流側に移動する。スラスト板が移動すると、これに連動して空気孔が開閉し、燃焼の空燃比を変更する。 【0007】すなわち、この請求項1記載の燃焼器では、燃焼空気の体積流量の変化に応じてスラスト板で発生する圧力損失の大きさが変化し、それに応じてスラスト板が移動し空気孔の開閉状態が変化して、拡散燃焼と予蒸発予混合希薄燃焼とが切換えられる。 【0008】請求項1記載の燃焼器において、空気孔の開設位置は特に限定されないが、請求項2記載の燃焼器では、前記スラスト板に対して燃焼空気の空気流路の下流側に前記空気孔が設けられていることを特徴とする。 【0009】この請求項2記載の燃焼器では、空気孔から流入した空気はスワーラ又は蒸発室に導入され、蒸発室内の空燃比を低くするように作用する。空燃比が希薄になると、拡散燃焼状態から火炎が吹飛んで予蒸発予混合希薄燃焼に切換えられる。 【0010】また請求項3記載の燃焼器は、前記スラスト板に対して燃焼空気の空気流路の上流側に前記空気孔が設けられていることを特徴とする。 【0011】この請求項3記載の燃焼器では、空気孔から流入した空気は燃焼室の希釈空気孔に導入される。希釈空気孔に空気が導入されている状態では、蒸発室に導入される空気量が相対的に減少し、拡散燃焼が行われる。希釈空気孔を閉塞すると蒸発室に導入される空気量が増えて予蒸発予混合希薄燃焼に切換えられる。 【0012】 【発明の効果】請求項1乃至3記載の燃焼器によれば、燃焼空気の体積流量の変化に応じてスラスト板を移動させて空気孔を開閉し、空燃比を変更することで、拡散燃焼と予蒸発予混合希薄燃焼を切換える。従って従来の燃焼器のように複数の燃料噴射弁や複数の燃料供給系統を必要とせずに、単一の燃料噴射弁と燃料供給系統のみで拡散燃焼と予蒸発予混合希薄燃焼を切換えることができる。これにより燃焼器の構造を単純化し、燃焼器を小型化することができるとともにコストを低減することができる。 【0013】また、空気孔の開閉状態は燃焼空気の体積流量の変化に応じて、つまりスラスト板に作用する圧力損失の大小にしたがって自動的に切換えることができる。これにより暖機が行われると燃焼状態を自動的に予混合燃焼に切換えられるとともに、そのために外部駆動源を使用する必要がなくなる。従ってエネルギー効率を向上させることができるとともに、燃焼器の構造も単純化することができ、安価である。 【0014】 【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明に係る燃焼器の実施形態を説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。 【0015】(実施形態1) 【0016】図1は燃焼器を示す正面断面図である。 【0017】図において、10はエンジンケーシング、11はエンジンケーシング10に固定された燃焼器ケーシングであって、燃焼器ケーシング11の内周に沿って熱交換器を通過した高温空気が導かれる高温空気流路12が形成されている。 【0018】13は燃焼器ケーシング11の頂部中心に取付けられた燃料噴射弁であって、不図示の燃料供給系に接続されている。14は燃焼器ケーシング11の側面より内部に向けて突出するように取付けられた点火栓であって、着火時に使用するものである。 【0019】15は燃焼器ケーシング11の内面上部に固定された環状の流路ガイドであって、その下面には蒸発室16が固定され、さらにこの蒸発室16の下側には環状ノズル17が固定されている。環状ノズル17の中央にはストラット18を介して保炎器19が固定されるとともに、環状ノズル17の下面には燃焼室20が固定されている。 【0020】燃焼室20の下流側には燃焼ガスを希釈する空気導入のための希釈空気孔21が開口しており、燃焼室20の下流側は不図示のタービンスクロールに挿入されている。 【0021】燃焼空気は高温空気流路12を通り、スワーラ22を経て、蒸発室16に導かれる。残りの空気は希釈用として希釈空気孔21から燃焼室20下流に導入される。 【0022】高温空気流路12には多数の孔を穿設された環状のスラスト板23が流路を上下流に区画するように配置され、スラスト板23の内周には開口部24を有する円筒状のシャッタ25が固着され、燃焼空気の入口を摺動開閉自在に覆っている。スラスト板23は燃焼器ケーシング11に一端が固定されたバネ26で燃焼空気流の上流に向けて付勢され、ストッパ27に当接することで可動範囲が制限されている。 【0023】次に上記構成からなる本実施形態の燃焼器の動作を説明する。 【0024】スラスト板23は燃焼空気が多数の孔を通過する際に発生する圧力損失によって空気の流れ方向に力を受ける。この力は空気の体積流量が少ない時にはバネ26の付勢力に打ち勝てないため、スラスト板23はストッパ27に当接した位置にあり、シャッタ25はその流路断面積を減少させた状態になる(図中右半分を参照)。 【0025】一方、暖機後には、空気温度が上昇して空気の体積流量が増加するので、スラスト板23に働く圧力損失による力も大きくなって、スラスト板23はバネ26の付勢力に抗して空気流の下流方向に移動し、シャッタ25がその流路断面積を相対的に増大させた状態になる(図中左半分を参照)。この結果、燃焼空気の量が増加して、蒸発室16内の空燃比は希薄になる。 【0026】着火直後、拡散火炎はスワーラ22の効果によって形成される第1の循環領域28に安定化されるが、暖機後、燃焼空気の割合が増加して希薄になると、もはや火炎は第1の循環領域28では安定化されず、吹飛んで、下流に設置されている保炎器19とスワールの相乗効果で形成される大規模な第2の循環領域29で安定化されることとなる。燃料噴霧はこの第2の循環領域29に到達するまでの間に蒸発して、燃焼空気と予混合されて予混合燃焼が実現される。 【0027】本実施形態では燃焼空気の温度上昇に伴ってスラスト板23が移動すると、燃焼空気割合が増し、スラスト力も増加し、作動が極めて安定である。またスラスト板の受圧面積を比較的小さく設定することができる。 【0028】(実施形態2) 【0029】次に、本発明の別例を図2について説明すると、この実施形態のシャッタ30は蒸発室16の側壁に穿設された第2の空気孔31を覆うように配置した点が前記実施形態と異なっている。本実施形態でも実施形態1と同様に、燃焼空気の通過に伴って発生する圧力損失の力によって、スラスト板23は空気流の下流方向に移動し、これとともにシャッタ30は第2の空気孔31を開口させ、第2の燃焼空気32が蒸発室16に導入される。 【0030】第2の空気孔から導入された第2の燃焼空気32は暖機中の拡散火炎を安定化している第1の循環領域28に直接噴流として導入されるため、第1の循環領域28が選択的に希釈される。また、この噴流によって第1の循環領域28が破壊される効果もあり、第1の循環領域に安定化していた拡散火炎は確実に消炎し、第2の循環領域29で安定化する予混合火炎に自動的に切り替わる。 【0031】本実施形態では第2の空気孔31を任意に穿設可能なため、燃焼器全体の圧力損失を低レベルに維持することができる。 【0032】(実施形態3) 【0033】次に、本発明のさらなる別例を図3について説明すると、この実施形態のシャッタ33は燃焼室20の最下流に穿設された希釈空気孔21を覆うように配置されており、スラスト板23とは連接棒34によって連結されている。本実施形態でも実施形態1と同様に、燃焼空気の通過に伴って発生する圧力損失の力によって、スラスト板23は空気流の下流方向に移動するが、本実施形態では、これによりシャッタ33は希釈空気孔21を閉塞させる。すると希釈空気孔21に流れていた分の燃焼空気が蒸発室16側に導入されるようになり、結果として蒸発室16内の混合比が希薄となる。このため第1の循環領域28に安定化していた火炎は吹飛び、自動的に第2の循環領域29に火炎が安定化することになる。 【0034】なお、スラスト板はいわゆるパンチング板,ハニカム板など空気の通過によって圧力損失を生ずるものであれば任意の態様のものを用いることができる。 【0035】すなわち、以上説明した実施の形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施の形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003997 【氏名又は名称】日産自動車株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)6月25日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】前田 均 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−14054 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)1月22日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−184470 |
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