| 【発明の名称】 |
セラミックヒータ |
| 【発明者】 |
【氏名】立松 一穂
【氏名】小西 雅弘
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| 【要約】 |
【課題】曲げ又は締め付けによる機械的応力及び通電により発生する熱応力に対して高い強度を有するセラミックヒータを提供しようとする。
【解決手段】絶縁性セラミック基体(3)中に埋設される抵抗発熱体(4)及び電極取り出し用リード(5)とが一体に結合する嵌合部(6)において、上記絶縁性セラミック基体(3)の直径に対する電極取り出し用リード(5)から絶縁性セラミック基体(3)の表面(7)までの距離の割合を25%以上とする。これにより、この絶縁性セラミック基体中の嵌合部での絶縁性セラミック基体の厚みが厚くなるので強度が向上し、応力がこの嵌合部に集中しても割れ等の不具合を防止することができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 金属ハウジングに固持され、直径2〜5mmの略円筒形状である絶縁性セラミック基体中に、嵌合部に一体に結合された金属又は非金属の抵抗発熱体及び電極取り出し用リードを埋設するセラミックヒータにおいて、上記嵌合部での電極取り出し用リードと絶縁性セラミック基体表面との距離を、上記嵌合部における絶縁性セラミック基体の直径の25%以上とするセラミックヒータ。 【請求項2】 上記金属ハウジングに固持される絶縁性セラミック基体中に埋設される抵抗発熱体及び電極取り出し用リードが一体に結合する嵌合部での電極取り出し用リードの端縁部の周縁を、電極取り出し用リードの直径×0.2以上の曲率半径とするか又はテーパー状とする請求項1記載のセラミックヒータ。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、例えばディーゼルエンジンに装着されるセラミックグロープラグ等に使用されるセラミックヒータに関する。 【0002】 【従来の技術】従来、ディーゼルエンジンに装着されるセラミックグロープラグ等に使用されるセラミックヒータは、金属ハウジングにロウ付けにより固持される絶縁性セラミック基体と、この絶縁性セラミック基体中に埋設され、互いに一体に結合する金属又は非金属の抵抗発熱体及び電極取り出し用リードから構成される。そのセラミックヒータの製造工程は以下のとおりである。即ち、アルミナ、窒化珪素、ジルコニア等の絶縁性のセラミックを主原料として成形される上下二分割される予備成形体に対して、例えば導電性のセラミックである炭化タングステンや珪化モリブデン等からなる導電性セラミック粉末成形部と電極取り出し用リードとが一体に結合する一体射出成形体を挟持する。これを金型を使用してプレス成形を施すことにより複合成型体とした後に、仮焼、更にカーボン型内で加圧しつつ所定温度で焼成するホットプレス焼成する。そして、金属ハウジングにロウ付けにより固持され、その内部に嵌合部をもって互いに一体に結合する金属又は非金属の抵抗発熱体及び電極取り出し用リードを埋設する絶縁性セラミック基体とする。更にこの絶縁性セラミック基体を研磨した後、金属ハウジング内にロウ付け、固持することでセラミックヒータとしてなるものである。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来のセラミックヒータの製造工程においては次のような問題がある。即ち、絶縁性セラミック基体を焼成し、研磨し、さらに金属ハウジング内にロウ付けによって固持しようとすると、この絶縁性セラミック基体中に曲げ、又は研磨やロウ付け用の治具に取り付ける際の締め付けによる応力が発生する。そして、この絶縁性セラミック基体のうち、特に絶縁性セラミック基体中の抵抗発熱体と電極取り出し用リードとの嵌合部では比較的強度が低いものであるため、この機械的応力に起因する折れ等が発生する原因となる。 【0004】この絶縁性セラミック基体での折れの大半は、絶縁性セラミック基体中に埋設される金属又は非金属の抵抗発熱体及び電極取り出し用リードとが互いに一体に結合する嵌合部において、発生しているものである。その上、通電によって絶縁性セラミック基体中に埋設される抵抗発熱体に対しての加熱、冷却を繰り返すことにより、この絶縁性セラミック基体と、この絶縁性セラミック基体をロウ付けにより固持する金属ハウジングとの間で大きな熱応力が発生する。これによって、絶縁性セラミック基体中に埋設されることとなる金属又は非金属の抵抗発熱体及び電極取り出し用リードとが互いに一体に結合する嵌合部において折損し、断線が発生する問題もある。 【0005】そこでこの発明は、上記従来の問題点を改善するものであり、曲げ又は締め付け応力、更には熱応力に対して強度の高い絶縁性セラミック基体を有するセラミックヒータを提供しようとするものである。 【0006】 【課題を解決するための手段】そのために、金属ハウジングに固持され、直径2〜5mmの略円筒形状である絶縁性セラミック基体中に、嵌合部において一体に結合された金属又は非金属の抵抗発熱体及び電極取り出し用リードを埋設してセラミックヒータを形成する。そのセラミックヒータにおいて、上記嵌合部での電極取り出し用リードと絶縁性セラミック基体表面との距離を、嵌合部における絶縁性セラミック基体の直径の25%以上とするものである。 【0007】更に、上記金属ハウジングに固持される絶縁性セラミック基体中に埋設される抵抗発熱体及び電極取り出し用リードが一体に結合する嵌合部での電極取り出し用リードの端縁部の周縁を、電極取り出し用リードの直径×0.2以上の曲率半径とするか又はテーパー状とするものである。 【0008】 【発明の実施の形態】この発明を実施するにあたって、金属ハウジング内の絶縁性セラミック基体中に埋設される抵抗発熱体及び電極取り出し用リードが一体に結合する嵌合部での電極取り出し用リードと絶縁性セラミック基体表面との距離を、絶縁性セラミック基体の直径の25%以下とする。これは、上記電極取り出し用リード又は、この電極取り出し用リードと抵抗発熱体との嵌合部での界面に対して、セラミックヒータを構成する金属ハウジング内への固持に際しての研磨、ロウ付けに起因する曲げ又は締め付けにより大きな応力が加わることとなる。そして、絶縁性セラミック基体中の電極取り出し用リード又は、この電極取り出し用リードと抵抗発熱体との嵌合部での界面における割れ等の不具合を発生する。しかし、絶縁性セラミック基体中の抵抗発熱体及び電極取り出し用リードが一体に結合する嵌合部での電極取り出し用リードと絶縁性セラミック基体表面との距離を、絶縁性セラミック基体の直径の25%以上とすることにより、次のように応力を緩和できる。即ち、上記電極取り出し用リード又は、この電極取り出し用リードと抵抗発熱体との嵌合部での界面に対して、研磨、ロウ付けに起因する曲げ又は締め付けによる大きな応力が加わっても、上記リードと絶縁性セラミック基体表面との距離を長くしてその強度を向上させて応力を緩和できる。したがって、絶縁性セラミック基体中の電極取り出し用リード又は、この電極取り出し用リードと抵抗発熱体との嵌合部での界面における割れ等の不具合を防止できる。 【0009】更に、絶縁性セラミック基体中に埋設される抵抗発熱体及び電極取り出し用リードが一体に結合する嵌合部での電極取り出し用リードの端縁部の周縁を、電極取り出し用リードの直径×0.2以上の曲率半径とするか又はテーパー状とする。これにより、上記絶縁性セラミック基体中の嵌合部での電極取り出し用リードの端縁部に加わる研磨、ロウ付けに起因する曲げ又は治具に取り付ける際の締め付けによる応力が分散する結果強度が向上する。そこで、この電極取り出し用リードの端縁部から生じている割れ等の不具合を防止することもできるものとなる。その上、通電を繰り返すことで金属ハウジングと絶縁性セラミック基体との間で大きな熱応力が発生することとなっても、上記リードの端縁部の周縁がそのリードの直径×0.2以上の曲率半径とするか又はテーパー状とすることでその熱応力は緩和される。そこで、折損による抵抗発熱体との断線等の不具合を確実に抑制できるものとなる。 【0010】 【実施例】この発明を図に示す実施例により更に説明する。(1)は、この発明の実施例であるセラミックヒータであり、このセラミックヒータ(1)は、金属ハウジング(2)と、この金属ハウジング(2)に固持され、その内部において金属又は非金属の抵抗発熱体(4)及び電極取り出し用リード(5)を埋設してなる絶縁性セラミック基体(3)から構成される。 【0011】そして、上記抵抗発熱体(4)及び電極取り出し用リード(5)が一体に結合する嵌合部(6)での電極取り出し用リード(5)と絶縁性セラミック基体表面(7)との距離(L)を、絶縁性セラミック基体(3)の直径の25%以上としてなるものである。 【0012】この発明の実施例であるセラミックヒータ(1)は以上の構成を具えるので、セラミックヒータ(1)を構成する金属ハウジング(2)内にロウ付けによって固持される絶縁性セラミック基体(3)の中に埋設される抵抗発熱体(4)及び電極取り出し用リード(5)は嵌合部(6)において一体に結合される。その電極取り出し用リード(5)と絶縁性セラミック基体(3)の表面(7)との距離を、絶縁性セラミック基体(3)の直径の25%以上とする。これにより、セラミックヒータ(1)を構成する金属ハウジング(2)内への固持のための研磨、ロウ付けによる曲げ又は治具に取り付ける際の締め付けによる大きな応力が、上記電極取り出し用リード(5)又は、この電極取り出し用リード(5)と抵抗発熱体(4)との嵌合部(6)での界面(8)に対して加わる。しかし、上記嵌合部(6)での電極取り出し用リード(5)と絶縁性セラミック基体(3)の表面(7)との距離(L)を長くしてその強度を向上させて応力を緩和できるものとなる。そこで、絶縁性セラミック基体(3)中の電極取り出し用リード(5)又は、この電極取り出し用リード(5)と抵抗発熱体(4)との嵌合部(6)での界面(8)における割れ等の不具合を防止できる。 【0013】更に、図4において示すのは、この発明のその他の実施例であるセラミックヒータ(1’)である。上記金属ハウジング(2)に固持される絶縁性セラミック基体(3)中に埋設される抵抗発熱体(4)及び電極取り出し用リード(5’)が一体に結合する嵌合部(6)での電極取り出し用リード(5’)の端縁部(9)の周縁(10)を次の形状とする。即ち、電極取り出し用リード(5’)の直径をMとすると、その直径×0.2以上の曲率半径とするか(図4参照)又はテーパー状(図5参照)とするものである。図5においては、例えば端縁部の電極取り出し用リード(5’)の直径を直径(M)の40%とし、テーパーの角度を直径(M)の長さを端部より取る位置から端縁まで連結する線のなす角(θ)とするものである。 【0014】この発明のその他の実施例であるセラミックヒータ(1’)は以上の構成を具えるので、まず上記金属ハウジング(2)にロウ付けによって固持される絶縁性セラミック基体(3)中に埋設される抵抗発熱体(4)及び電極取り出し用リード(5’)を嵌合部(6)において一体に結合する。つぎに、電極取り出し用リード(5’)の端縁部(9)の周縁(10)を、電極取り出し用リード(5’)の直径×0.2以上の曲率半径とするか又は前記のテーパー状とする。このようにすると、上記絶縁性セラミック基体(3)中の嵌合部(6)での電極取り出し用リード(5’)の端縁部(9)に加わることとなる、セラミックヒータ(1’)を構成する金属ハウジング(2)内への固持のための研磨、ロウ付けに起因する曲げ又は締め付けによる応力を分散できる。その上、強度を向上させることとなるので、この電極取り出し用リード(5)の端縁部(9)から生じている上記応力に起因する割れ等の不具合も防止することができる。 【0015】また、通電を繰り返すと上記金属ハウジング(2)と絶縁性セラミック基体(3)との間で大きな熱応力が発生する。この熱応力は、絶縁性セラミック基体(3)中に埋設される抵抗発熱体(4)及び電極取り出し用リード(5’)が一体に結合する嵌合部(6)、特にこの嵌合部(6)での電極取り出し用リード(5’)の端縁部(9)の周縁(10)に大きく作用する。しかしながら、この電極取り出し用リード(5’)の端縁部(9)の周縁(10)が、電極取り出し用リード(5’)の直径×0.2以上の曲率半径とするか又はテーパー状となっているので、その熱応力は十分に緩和されるものとなる。これにより、熱応力に起因する絶縁性セラミック基体(3)に発生する割れによる抵抗発熱体(4)との断線等の不具合をも確実に抑制することができる。 【0016】そこで、この発明の効果を確認するために、金属ハウジング(2)に固持される直径3.5mmの絶縁性セラミック基体(3)からなるセラミックヒータ(1)を用いる。このセラミックヒータ(1)の絶縁性セラミック基体(3)の直径に対する、抵抗発熱体(4)及び電極取り出し用リード(5)が一体に結合する嵌合部(6)での電極取り出し用リード(5)と絶縁性セラミック基体(3)の表面(7)との距離(L)の割合に対する嵌合部(6)の抗折強度を求める。この嵌合部(6)での電極取り出し用リード(5)の端縁部(9)の周縁(10)の曲率半径を、電極取り出し用リード(5)の直径×0.2以上又は未満として測定した。この時に、電極取り出し用リード(5)の端縁部(9)の周縁(10)の曲率半径を、電極取り出し用リード(5)の直径×0.2以上とした場合、嵌合部(6)の抗折強度が著しく向上することが確認された(図6参照)。 【0017】更に、金属ハウジング(2)に固持される直径2.0〜5.0mmの絶縁性セラミック基体(3)のセラミックヒータ(1)において、絶縁性セラミック基体(3)の直径に対する、上記嵌合部(6)での電極取り出し用リード(5)と絶縁性セラミック基体(3)の表面(7)との距離(L)の割合を求める。そして上記割合と嵌合部での電極取り出し用リードの端縁部の周縁における曲率半径を変化させた場合及び図5に示すテーパーを設けた場合について、研磨合格率、金属ハウジングに対するロウ付け合格率、及び通電耐久試験について検討したところ、この発明の実施例であるセラミックヒータにおいてその効果が顕著に認められるものとなった(図7参照)。なお、テーパーの大きさθは15°〜60°とすることが好ましい。 【0018】 【発明の効果】以上のとおりこの発明は構成されるから、このセラミックヒータを構成する絶縁性セラミック基体、特に上記嵌合部での強度が著しく向上する。そして、金属ハウジングに固持する際に研磨、締め付けにより発生する機械的応力や、通電を繰り返すことによって、特に電極取り出し用リードの端縁部の周縁に発生する熱応力を緩和できる。したがって、上記嵌合部における割れ等の不具合を確実に防止して耐久性を著しく向上させると共に、製造工程での製品の歩留まりをも向上させてコストの削減を十分に図ることができる優れた効果を有するものである。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004547 【氏名又は名称】日本特殊陶業株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)5月21日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】藤木 三幸
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| 【公開番号】 |
特開平11−337064 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)12月10日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−155399 |
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