| 【発明の名称】 |
燃焼装置および燃焼方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】三谷 和久
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| 【要約】 |
【課題】有害物質、たとえばダイオキシン、の生成、再生成を防止できる燃焼装置および燃焼方法の提供。
【解決手段】800℃以上に昇温される燃焼空間1と、蓄熱体30と、燃焼空間1を燃焼可能な温度にまで昇温させる加熱装置20と、を備えた燃焼装置。さらにマテリアルガス導入口3を有する燃焼装置。燃焼装置が再燃焼炉であるもの。800℃以上の温度で燃焼を実行する工程と、排ガスを蓄熱体30を通すことにより1秒以下で有害物質の再生成を伴なうことなく、200℃以下に温度低下させる燃焼方法。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 800℃以上に昇温される燃焼空間と、前記燃焼空間に接続された、給気排気が切り替えられる蓄熱体と、少なくとも燃焼開始時に前記燃焼空間を燃焼可能な温度にまで昇温させる加熱装置と、を備えた燃焼装置。 【請求項2】 燃焼装置が燃焼炉である請求項1記載の燃焼装置。 【請求項3】 さらに、燃焼すべき可燃性ガスであるマテリアルガスを前記燃焼空間へ導入するためのマテリアルガス導入口、を備えた請求項1記載の燃焼装置。 【請求項4】 蓄熱燃焼バーナを備えており、該蓄熱燃焼バーナは蓄熱体と該蓄熱体に接続された給気排気の切替機構を有しており、前記給気排気が切り替えられる蓄熱体は前記蓄熱燃焼バーナの前記蓄熱体からなる請求項3記載の燃焼装置。 【請求項5】 前記マテリアルガス導入口が前記蓄熱燃焼バーナと別に設けられている請求項4記載の燃焼装置。 【請求項6】 前記蓄熱燃焼バーナが燃料供給機構を有しており、前記マテリアルガス導入口が前記蓄熱燃焼バーナの前記供給機構に接続している請求項4記載の燃焼装置。 【請求項7】 前記燃焼空間の形状と、前記蓄熱燃焼バーナおよびマテリアル導入口の配置および向きとが、前記燃焼空間の炉壁の接線方向に向かう火炎を形成できる形状および配置、向きとされている請求項4記載の燃焼装置。 【請求項8】 前記蓄熱燃焼バーナの前記蓄熱体と前記切替機構との間に前記燃焼空間の酸素濃度フィードバック制御の実行に用いる酸素センサーが設置されている請求項4記載の燃焼装置。 【請求項9】 前記燃焼装置が再燃焼炉である請求項3記載の燃焼装置。 【請求項10】 前記マテリアルガスが前記燃焼装置に併設された廃プラスチックの乾留炉からの可燃性ガスである請求項3記載の燃焼装置。 【請求項11】 前記マテリアルガスが前記燃焼装置に併設された一般ごみ焼却炉からの可燃性ガスである請求項3記載の燃焼装置。 【請求項12】 給気排気が切り替えられる蓄熱体を通すことにより空気を予熱して燃焼空間に送り込み、前記燃焼空間で800℃以上の温度で、燃焼中に生成される有害物質を完全に熱分解しつつ、燃焼を実行する工程と、前記燃焼空間からの800℃以上の排気ガスを、前記蓄熱体を通すことにより、蓄熱体を通過する短時間での温度降下により有害物質を再生成させることなく、200℃以下の温度に下げて排気する工程と、からなる燃焼方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、燃焼装置および燃焼方法に関する。 【0002】 【従来の技術】従来の燃焼炉の一例として、一般的な再燃焼炉のシステムを図10に示す。本来、燃焼すべき可燃性ガス(以下、マテリアルガス101という)は、炉102内温度が高いほど、また、排ガス滞留時間が長いほど完全燃焼しやすいが、通常の再燃焼炉は炉内温度700〜800℃、排ガス滞留時間が1〜2秒になるように炉体設計を行う(103はバーナーを示す)。その理由は、以下の3点からなる。第1に、炉内温度を800℃より高くできない理由として、排気系の耐熱性確保が困難であるということがある。集塵機105を併設する場合は集塵機保護のため集塵機の入口側排ガス温度を200〜250℃を上限とし、150℃程度で管理することが望ましい。また、集塵機の前工程で熱交換器104(クーラー)を併設して排ガス温度を下げた場合は、熱交換器に鉄系の材料を用いることが多く、熱交換器入口側排ガス温度上限は700℃程度が望ましい。したがって、炉内温度をより高温化させるためには、高温排ガスにエアを希釈させて排ガスを冷却する必要があるが、それには限界がある。第2に、炉内温度を低くできない理由は、再燃焼炉前工程で発生するマテリアルガスは燃焼しきれていない煙、すす、高分子状のHCなどの、可燃性ではあるが難燃性のガスであり、それらを熱分解して完全燃焼させるには、700℃以上必要といわれているからである。第3に、上記のように炉内温度は高過ぎても低過ぎても問題であり、炉内温度管理幅は非常に狭くなっていることから、炉内滞留時間という新たな制約が出てくる。導入されるマテリアルガスの濃度、成分にもよるが、燃えやすいもので、1秒以上、燃えにくいもので、2秒以上かかる。したがって、炉体を大きくしたり、煙突の断熱を強化するなどして滞留時間をかせいでいるが、これもコスト、スペースの問題とからみ限界がある。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の燃焼炉(再燃焼炉を含む)において、たとえば廃プラスチックの乾留炉からでてくるマテリアルガスを再燃焼させると、再燃焼炉の炉内での燃え残り成分の中から、人体に非常に有害なダイオキシンが検出されたり、また、たとえ炉内でのダイオキシン量を極少量化できても、煙突を通過するときに200〜500℃の煙道内または集塵機内で排ガスにダイオキシンが再生成されることが知られている。本発明の目的は、炉内での有害物質(たとえば、ダイオキシン)の生成を極少量化させることができ、かつ排ガス中の300〜500℃領域での有害物質の再生成を実質的に防止できる燃焼装置および燃焼方法に関する。 【0004】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発明はつぎの通りである。 (1) 800℃以上に昇温される燃焼空間と、前記燃焼空間に接続された、給気排気が切り替えられる蓄熱体と、少なくとも燃焼開始時に前記燃焼空間を燃焼可能な温度にまで昇温させる加熱装置と、を備えた燃焼装置。 (2) 燃焼装置が燃焼炉である(1)記載の燃焼装置。 (3) さらに、燃焼すべき可燃性ガスであるマテリアルガスを前記燃焼空間へ導入するためのマテリアルガス導入口、を備えた(1)記載の燃焼装置。 (4) 蓄熱燃焼バーナを備えており、該蓄熱燃焼バーナは蓄熱体と該蓄熱体に接続された給気排気の切替機構を有しており、前記給気排気が切り替えられる蓄熱体は前記蓄熱燃焼バーナの前記蓄熱体からなる(3)記載の燃焼装置。 (5) 前記マテリアルガス導入口が、前記蓄熱燃焼バーナと別に設けられている(4)記載の燃焼装置。 (6) 前記蓄熱燃焼バーナが燃料供給機構を有しており、前記マテリアルガス導入口が前記蓄熱燃焼バーナの前記燃料供給機構に接続している(4)記載の燃焼装置。 (7) 前記燃焼空間の形状と、前記蓄熱燃焼バーナおよびマテリアル導入口の配置および向きとが、前記燃焼空間の炉壁の接線方向に向かう火炎を形成できる形状および配置、向きとされている(4)記載の燃焼装置。 (8) 前記蓄熱燃焼バーナの前記蓄熱体と前記切替機構との間に前記燃焼空間の酸素濃度フィードバック制御の実行に用いる酸素センサーが設置されている(4)記載の燃焼装置。 (9) 前記燃焼装置が再燃焼炉である(3)記載の燃焼装置。 (10) 前記マテリアルガスが前記燃焼装置に併設された廃プラスチックの乾留炉からの可燃性ガスである(3)記載の燃焼装置。 (11) 前記マテリアルガスが前記燃焼装置に併設された一般ごみ焼却炉からの可燃性ガスである(3)記載の燃焼装置。 (12) 給気排気が切り替えられる蓄熱体を通すことにより空気を予熱して燃焼空間に送り込み、前記燃焼空間で800℃以上の温度で、燃焼中に生成される有害物質を完全に熱分解しつつ、燃焼を実行する工程と、前記燃焼空間からの800℃以上の排気ガスを、前記蓄熱体を通すことにより、蓄熱体を通過する短時間での温度降下により有害物質を再生成させることなく、200℃以下の温度に下げて排気する工程と、からなる燃焼方法。 【0005】上記(1)の燃焼装置では、給気排気が切り替えられる蓄熱体(蓄熱燃焼バーナの蓄熱体であっても、なくてもよい)を燃焼空間に接続したので、燃焼空間を800℃以上(たとえば、900〜1100℃)に高温化しても、高温排ガスが蓄熱体を通過するときに排ガス温度を200℃以下に低下でき、集塵機などに問題が生じない。これによって、燃焼空間を800℃以上に高温化でき、炉内で有害物質(たとえば、ダイオキシン)を完全に熱分解することができる。また、排ガスが蓄熱体を通過するに要する時間は1秒以下(通常は、0.1秒以下)という短時間であり、排ガス中にダイオキシンが再生成するに要する時間(1秒よりははるかに大)より短く、ダイオキシンの再生成を防止することができる。上記(2)は、燃焼装置が、たとえばごみ焼き炉などの、燃焼炉自体からなる場合である。上記(3)は、燃焼装置が、マテリアルガス導入口を備えた場合であり、通常は、他の炉からのマテリアルガスを導入して再燃焼する再燃焼炉からなる。上記(4)は、燃焼装置の蓄熱体を蓄熱燃焼バーナの蓄熱体とした場合である。また、蓄熱燃焼バーナは、給気排気の切替機構をバーナ装置内に有するシングル型蓄熱燃焼バーナの場合と、2つの蓄熱燃焼バーナを炉に設けバーナ装置に設けた切替機構で給気排気を切り替える場合との、何れであってもよい。蓄熱燃焼バーナを既設の炉にとりつけて、炉内を800℃以上で運転し排ガスを蓄熱燃焼バーナを通して排出することにより、本発明の燃焼装置が成立する。上記(5)は、マテリアルガス導入口が、蓄熱燃焼バーナと別に設けられている場合である。上記(6)は、マテリアルガス導入口が、蓄熱燃焼バーナの燃料供給機構に開口していて、蓄熱燃焼バーナの燃料供給機構を通して導入される場合である。上記(7)では、火炎が燃焼空間(の炉壁)の接線方向に向かうので、炉内滞留時間が長くなり、難燃成分が炉内温度高温化との相乗効果により完全燃焼しやすくなる。上記(8)では、酸素センサを用いた燃焼用空気の流量のフィードバック制御を行うことにより、マテリアルガスとバーナ燃焼用ガス(加熱装置のガス)の総発熱量に見合った空気の供給が可能になり、燃料効率の向上、低NOx化、完全燃焼の促進が可能になる。上記(9)は、燃焼装置が再燃焼炉の場合である。上記(10)は、燃焼装置が廃プラスチックの乾留炉に付設された再燃焼炉の場合であり、マテリアルガスが乾留炉からの可燃性ガスである場合である。上記(11)は、燃焼装置が一般ごみ焼却炉に付設された再燃焼炉の場合であり、マテリアルガスが一般ごみ焼却炉からの可燃性ガスである場合である。上記(12)の燃焼方法では、燃焼空間で800℃以上で燃焼を実行するので、炉内で有害物質(たとえば、ダイオキシン)を完全に熱分解することができる。また、排ガスが蓄熱体を通過するに要する時間は1秒以下(通常は、0.1秒以下)という短時間であり、排ガス中にダイオキシンが再生成するに要する時間(1秒よりははるかに大)より短く、ダイオキシンの再生成を防止することができる。 【0006】 【発明の実施の形態】図1は本発明の第1実施例を示し、図2、図3は本発明の第2実施例を示し(図2、図3はまた本発明の第6実施例にも適用される)、図4は本発明の第3実施例を示し、図5、図6は本発明の第4実施例を示し、図7は本発明の第5実施例を示し、図8は本発明の第7実施例を示し、図9は本発明の第8実施例を示している。図中、本発明の全実施例に共通する部分には、互いに同じ符号を付してある。 【0007】まず、本発明の全実施例に共通する部分の構成、作用を、たとえば図1を参照して、説明する。本発明の何れの実施例においても、燃焼装置は、800℃以上に昇温される燃焼空間1と、燃焼空間1に接続された、給気排気が切り替えられる蓄熱体30と、少なくとも燃焼開始時に燃焼空間1を燃焼可能な温度にまで昇温させる加熱装置20と、を備えている。燃焼空間1内では、他の炉や装置からのマテリアルガスが導かれて燃焼が実行されてもよいし、燃焼物を直接燃焼空間に投入して燃焼空間1内で燃焼が実行されてもよい。4はブロワである。蓄熱体30には切替機構40が接続されており、蓄熱体30を通る給気と排気の切替は、切替機構40によって行われる。加熱装置20は、蓄熱体30と離れた位置にある追い炊きバーナ(図1で符号20を付した部材)であってもよいし、蓄熱体30を備えた蓄熱燃焼バーナ10の燃料供給機構(図3で符号20を付した部材)であってもよい。さらに電熱ヒーターやマイクロウエーブヒーターであってもよい。蓄熱体30は、排ガスが通過する時に高温排ガス(800℃以上、たとえば900〜1100℃)の熱を奪って排ガスの温度を約200℃以下に下げるとともに、自身は高温(たとえば、約900℃)になり、給気排気が切り替わって給気が流れる時に大気温の給気を800℃以上の温度に予熱する部材である。蓄熱体30は、材質がたとえば、セラミック、耐熱性金属であり、構造は多数の孔を形成されたもの、または多数の線材を束にしたもの、あるいはセラミックスボールを多数充填したものなどからなる。蓄熱体30を通過した排ガスは、集塵機2を通した後大気に排出される。 【0008】上記燃焼装置を用いて実行される燃焼方法は、給気排気が切り替えられる蓄熱体30を通すことにより空気を予熱して燃焼空間1に送り込み、燃焼空間1で800℃以上の温度で、燃焼中に生成される有害物質(たとえば、ダイオキシン)を完全に熱分解しつつ、燃焼を実行する工程と、燃焼空間1からの800℃以上の排ガスを、蓄熱体30を通すことにより、蓄熱体30を通過する短時間(たとえば、1秒以下、通常は、0.1秒以下)での温度降下により有害物質(たとえば、ダイオキシン)を再生成させることなく、200℃以下の温度に下げて排気する工程と、からなる。 【0009】上記燃焼装置および燃焼方法の作用を説明する。上記燃焼装置では、給気排気が切り替えられる蓄熱体30を燃焼空間1に接続したので、燃焼空間1を800℃以上(たとえば、900〜1100℃)に高温化しても、高温排ガスが蓄熱体30を通過するときに排ガス温度を200℃以下に低下でき、集塵機2などに問題が生じない。これによって、燃焼空間を800℃以上に高温化でき、炉内で有害物質(たとえば、ダイオキシン)を完全に熱分解することができる。また、排ガスが蓄熱体30を通過するに要する時間は1秒以下(通常は、0.1秒以下)という短時間であり、排ガス中にダイオキシンが再生成するに要する時間(1秒よりははるかに大)より短く、ダイオキシンが再生成するひまがなく、ダイオキシンの再生成を防止することができる。 【0010】つぎに、本発明の各実施例に特有な部分の構成、作用を説明する。本発明の第1実施例では、図1に示すように、燃焼装置が燃焼炉(たとえば、ごみ焼炉、プラスチック類焼却炉、など)からなり、燃焼物は燃焼炉に直接投入されて燃焼される。マテリアルガスの導入口はない。炉内は燃焼空間1を構成し、炉内を燃焼可能な温度に加熱する加熱装置20(たとえば、蓄熱燃焼バーナでない従来型バーナ、追い炊きバーナなど)が炉に設けられている。給気排気の切替が可能な蓄熱体30が加熱装置20と別に設けられており、炉内への燃焼空気の給気、炉内からの排ガスの排出は、蓄熱体30を通して行われる。排ガス排出の煙突がある場合は、煙突を閉塞して、炉内からの排ガスが蓄熱体30を通して排出されるようにする。燃料供給は加熱装置20により行われるので、蓄熱体30には燃料供給機構が挿通していない。したがって、蓄熱体30と切替機構40は、バーナではない。しかし、後述する蓄熱燃焼バーナ(図3)の蓄熱体30を第1実施例の蓄熱体として利用してもよく、その場合は、蓄熱燃焼バーナの蓄熱体30を貫通している燃料供給機構20は使用しない。 【0011】本発明の第1実施例の作用については、加熱装置(燃焼バーナ)20を有する既設の燃焼炉に、切替機構40付きの蓄熱体30を付設し、既設の炉の煙突を閉塞することにより、既設の炉をダイオキシンを生成しない燃焼炉に容易に変換することができる。 【0012】本発明の第2実施例では、図2に示すように、燃焼装置は、燃焼すべき可燃性ガスであるマテリアルガスを燃焼空間1へ導入するためのマテリアルガス導入口3を備えている。マテリアルガス導入口3からは、他の炉からのマテリアルガスが導入される。また、燃焼装置は、蓄熱燃焼バーナ10を備えている。本発明の第2実施例では、蓄熱燃焼バーナ10は、シングル型蓄熱燃焼バーナからなる。蓄熱燃焼バーナ10は、蓄熱体30と蓄熱体30に接続された給気排気の切替機構40を有している。燃焼装置の蓄熱体30は、第2実施例では、蓄熱燃焼バーナ10の蓄熱体30からなる。シングル型蓄熱燃焼バーナでは、切替機構40は蓄熱燃焼バーナ10に組み込まれている。 【0013】図3は、シングル型蓄熱燃焼バーナ10の一例を示している。シングル型蓄熱燃焼バーナ10は、燃料供給機構20(燃焼装置の加熱装置20を構成しているので、加熱装置と同じ符号を付す)と、燃料供給機構20のまわりに配置された蓄熱体30と、蓄熱体30の一側に配置された給気排気の切替機構40と、蓄熱体30の他側に配置されたバーナタイル62と、からなる。蓄熱体30はバーナ周方向に複数の領域に区画されており、実施例では円筒34の中に配設された複数のスリーブ31内に配置されている。バーナタイル62は、耐熱材(セラミック、耐熱金属など)から形成されている。バーナタイル62は、給排気面63と、給排気面63に開口された複数(蓄熱体30のバーナ周方向区画数と同じ数)の給排気孔66と、バーナタイル62の中央部で給排気面63から前方に突出する突出部64と、突出部64の中央に形成された燃料およびパイロットエアの吐出孔と、吐出孔の先端に形成された燃料開放面65と、を有する。 【0014】給気排気の切替機構40は、複数の孔47を有する静止部材46と、少なくとも1つの給気通気孔42と少なくとも1つの排気通気孔43を有する可動(たとえば、回転)部材41と、可動部材41に形成された給気流れ部と排気流れ部とを区画する壁44と、可動部材41をバーナ軸芯まわりに、一方向に回転、または往復回転させる、モータまたはシリンダなどからなる駆動機構45と、を有する。給気通気孔42は給気入口51に連通しており、排気通気孔43は排気出口52に連通している。可動部材41を回転させて給気通気孔42に連通していた孔47と排気通気孔43に連通していた孔47とを切り替えることにより、蓄熱体43の各部分を流れる給気排気の流れが切り替えられる。燃料供給機構20は、パイロットエア供給管21の中に納められており、燃料供給機構20の管の外面と管21の間の環状スペースをパイロットエアが流れる。 【0015】燃料供給機構20から供給される燃料の一部は燃料供給機構20の先端に形成された孔を通して環状スペースに流され、パイロットエアと混合するとともに着火されてパイロット火炎を形成する。また、燃料供給機構20から供給される燃料の主要部はそのまま燃料供給機構20から吐出され燃料開放面65から出た後一部の給排気孔66から吐出された給気(蓄熱体を通る間に高温に予熱されている給気)と混合し、主火炎を形成する。炉内(燃焼空間1)の燃焼ガスは残りの給排気孔66を通って排ガスとなって出ていき、蓄熱体30を通るときに蓄熱体30を高温に加熱し、自身は約200℃以下に低下する。蓄熱体30を通る給気排気の流れを切り替えることにより、排ガスの熱を奪って蓄熱しそれを給気に開放して、熱効率を約90%以上に高める。炉内(燃焼空間1)では排気が循環しているので、燃焼は緩慢に行われ、火炎が長く延び、それによって、低NOxの燃焼が可能となるとともに、炉内全体を均一にかつ高温(800℃以上の温度、たとえば、900〜1100℃)に加熱できる。 【0016】本発明の第2実施例の作用については、蓄熱燃焼バーナ10が作動され、炉内(燃焼空間1)を800℃以上の温度に加熱し、この状態で、マテリアルガスをマテリアルガス導入口3から炉内(燃焼空間1)に導入して、マテリアルガスを完全燃焼させる。燃焼における発熱量は、マテリアルガスと燃料供給機構20からの燃料との総合の発熱量であり、マテリアルガスと燃料との両方の燃焼に必要な量の燃焼用空気が蓄熱燃焼バーナ10を通して供給される。この場合、マテリアルガスの発熱量だけで燃焼空間に必要とされる温度が維持されるならば、燃料供給機構20からの燃料吐出は止めてもよい。 【0017】本発明の第3実施例では、図4に示すように、燃焼装置は、燃焼すべき可燃性ガスであるマテリアルガスを燃焼空間1へ導入するためのマテリアルガス導入口3を備えている。マテリアルガス導入口3からは、他の炉からのマテリアルガスが導入される。また、燃焼装置は、蓄熱燃焼バーナ10を備えている。本発明の第3実施例では、蓄熱燃焼バーナ10は、蓄熱体30と燃料供給機構20(燃焼装置の加熱装置20を構成しているので、加熱装置と同じ符号を付す)をもち、給気排気切替用の切替機構40は蓄熱体30から離れた部位(給気排気経路)にもつ。蓄熱燃焼バーナ10のうち蓄熱体30と燃料供給機構20の部分は、一対設けられる。切替機構40は、ブロワ4からの給気を一対の蓄熱体30間に切り替えるとともに、集塵機2への排気を一対の蓄熱体30間に切り替える。一対の蓄熱体30のうち一方に排気が流れている時は、他方には給気が流れており、給気排気が切り替わって、他方に排気が流れている時は、一方には給気が流れている。上記外部切替型の蓄熱燃焼バーナ10のうち蓄熱体30と燃料供給機構20の部分の構造は、図3のシングル型蓄熱燃焼バーナ10で切替機構40を除去した構造に準じる。切替機構40は、たとえば四方弁からなる。 【0018】本発明の第3実施例の作用については、本発明の第2実施例の作用に準じる。この場合、切替弁40は、排ガス流れ方向にみて蓄熱体30より下流にあるので、温度は約200℃以下であり、その下流に配置される集塵機2の入口の排ガス温度を集塵機の耐熱温度以下にすることは極めて容易である。 【0019】本発明の第4実施例では、図4、図6に示すように、燃焼装置は、蓄熱燃焼バーナ10(シングル型蓄熱燃焼バーナでも、切替型の一対の蓄熱燃焼バーナの何れでもよい)を備えており、蓄熱燃焼バーナ10は、バーナ中心部を貫通する燃料供給機構20(加熱装置20を構成するので、加熱装置と同じ符号を付す)を有している。マテリアルガス導入口3は、燃料供給機構20に開口しており、マテリアルガスが燃料供給機構20を通して炉内(燃焼空間1)に供給される。マテリアルガス導入口3からは、他の炉からのマテリアルガスが導入される。蓄熱燃焼バーナ10とは別に追い炊きバーナ20´(加熱装置20の一部)を設けて、炉立ち上げ時に炉内(燃焼空間1)を高温に加熱してもよい。本発明の第4実施例の作用については、マテリアルガスを蓄熱燃焼バーナ10の燃料供給機構20を通して炉内(燃焼空間1)に導入することで、マテリアルガスと高温空気が積極的に混合され、マテリアルガスがより完全に燃焼され、熱分解される。 【0020】本発明の第5実施例では、図7に示すように、燃焼空間1の形状と、蓄熱燃焼バーナ10(シングル型蓄熱燃焼バーナでも一対の切替型蓄熱燃焼バーナでもよい)およびマテリアルガス導入口3の配置および向きとが、燃焼空間1の接線方向に火炎を形成できる形状、配置に設定されている。すなわち、蓄熱燃焼バーナ10の給気の吐出方向が燃焼空間1の接線方向とされており、マテリアルガス導入口3は蓄熱燃焼バーナ10の近傍に配置されて、かつ蓄熱燃焼バーナ10の給気の吐出方向と平行かほぼ平行に向けられている。本発明の第5実施例の作用については、マテリアルガスが蓄熱燃焼バーナ10の燃料吐出機構20と別に導入されても、燃焼空間1の接線方向に外周に沿って、したがって長い距離を流れ、炉内循環時間が長くなり、マテリアルガスが難燃成分であっても、完全燃焼しやすくなり、また、炉内温度高温化との相乗効果で、コンパクトな炉容積でも完全燃焼しやすくなる。 【0021】本発明の第6実施例では、図2、図3に示すように、燃焼装置は、燃焼空間1に開口するマテリアルガス導入口3と、蓄熱燃焼バーナ10(シングル型蓄熱燃焼バーナでも、切替型の一対の蓄熱燃焼バーナの何れでもよい)を備えている。蓄熱燃焼バーナ10には、たとえば図3に示すように、蓄熱体30と切替機構40との間の部分に、排ガスの流れから凹状となった部位48に、酸素センサー70(たとえば、自動車用内燃機関の空燃比制御用に利用される酸素センサー)が配置されている。そして、この酸素センサー70の出力をフィードバックして燃焼空間1の酸素濃度が目標値(たとえば、炉内酸素濃度が約5%)になるように給気の量を制御することにより、燃焼制御が行われる。本発明の第6実施例の作用については、蓄熱燃焼バーナ10からの給気量を、マテリアルガスとバーナからの燃料との総発熱量に見合った量に制御することにより、マテリアルガス最大(バーナ燃料最少)とする燃料効率の極大化と、マテリアルガスとバーナ燃料の両方の完全燃焼および有害成分の完全熱分解と、低NOx化、などが確実に実行される。 【0022】本発明の第7実施例では、図8に示すように、燃焼装置は、再燃焼炉5からなる。再燃焼炉5には、再燃焼炉に付設された廃プラスチックの乾留炉6からの可燃性ガスからなるマテリアルガスが、マテリアルガス導入口3から導入される。熱風発生炉7からの高温ガスが乾留炉6に導入されて、乾留炉6内の廃プラスチックは減容化処理され、その時発生する可燃性ガスは、コンデンサー8で水分、油分を除いた後、2次燃焼炉である再燃焼炉5に導入され、炉内で完全燃焼された後、蓄熱燃焼バーナ10の蓄熱体を通して排出される。本発明の第7実施例の作用については、再燃焼炉5の炉内(燃焼空間1)で800℃以上の温度(たとえば、900〜1100℃)で燃焼されることにより、COなどが完全燃焼され、かつダイオキシンも完全に熱分解される。また、排ガスが蓄熱燃焼バーナ10の蓄熱体を通る時に1秒以下で200℃以下の温度に急速に低下されるので、ダイオキシンの再生成もない。 【0023】本発明の第8実施例では、図9に示すように、燃焼装置は、再燃焼炉5からなる。再燃焼炉5には、再燃焼炉に付設された一般ごみ焼却炉9からの可燃性ガスからなるマテリアルガスが、マテリアルガス導入口3から導入される。マテリアルガスは、2次燃焼炉である再燃焼炉5内で完全燃焼された後、蓄熱燃焼バーナ10の蓄熱体を通して排出される。本発明の第8実施例の作用については、再燃焼炉5の炉内(燃焼空間1)で800℃以上の温度(たとえば、900〜1100℃)で燃焼されることにより、COなどが完全燃焼され、かつダイオキシンも完全に熱分解される。また、排ガスが蓄熱燃焼バーナ10の蓄熱体を通る時に1秒以下で200℃以下の温度に急速に低下されるので、ダイオキシンの再生成もない。 【0024】 【発明の効果】請求項1の燃焼装置によれば、蓄熱体を燃焼空間に接続したので、燃焼空間を高温化しても、高温排ガスが蓄熱体を通過するときに排ガス温度を200℃以下に低下でき、集塵機などに問題が生じない。これによって、燃焼空間を800℃以上に高温化でき、炉内で有害物質(たとえば、ダイオキシン)を完全に熱分解することができる。また、排ガスが蓄熱体を通過するに要する時間は短時間であり、ダイオキシンの再生成を防止することができる。請求項2の燃焼装置によれば、燃焼炉自体に蓄熱体を付設することにより有害物質の生成、再生成を防止できる。請求項3の燃焼装置によれば、燃焼装置にマテリアルガス導入口を設けることにより、他の炉からのマテリアルガスを導入して有害物質の生成、再生成を防止できる。請求項4の燃焼装置によれば、燃焼装置の蓄熱体を蓄熱燃焼バーナの蓄熱体としたので、蓄熱燃焼バーナを炉(既設の炉であってもよい)にとりつけることにより、本発明の燃焼装置が成立する。請求項5の燃焼装置によれば、マテリアルガス導入口を蓄熱燃焼バーナと別に設けるので、再燃焼炉(既設の再燃焼炉であってもよい)に蓄熱燃焼バーナを取り付けることにより、本発明の燃焼装置が成立する。請求項6の燃焼装置によれば、マテリアルガス導入口を蓄熱燃焼バーナの燃料供給機構に開口させたので、マテリアルガスと高温予熱給気との混合を促進でき、完全燃焼を促進できる。請求項7の燃焼装置によれば、火炎を燃焼空間の接線方向に向けたので、炉内滞留時間が長くなり、マテリアルガスが難燃成分であっても完全燃焼できる。請求項8の燃焼装置によれば、酸素センサを用いた燃焼用空気の流量のフィードバック制御を行うことにより、マテリアルガスとバーナ燃焼用ガス(加熱装置のガス)の総発熱量に見合った空気の供給が可能になり、燃料効率の向上、低NOx化、完全燃焼の促進が可能になる。請求項9の燃焼装置によれば、本発明を再燃焼炉に適用できる。請求項10の燃焼装置によれば、廃プラスチックの乾留炉からのマテリアルガスを、ダイオキシンの問題を生じることなく燃焼、処理できる。請求項11の燃焼装置によれば、一般ごみ焼却炉からのマテリアルガスを、ダイオキシンの問題を生じることなく燃焼、処理できる。請求項12の燃焼方法では、燃焼空間で800℃以上で燃焼を実行するので、炉内で有害物質(たとえば、ダイオキシン)を完全に熱分解することができる。また、排ガスが蓄熱体を通過するに要する時間が短時間のため、排ガス急冷作用によってダイオキシンの再生成を防止することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003207 【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社 【識別番号】597127845 【氏名又は名称】株式会社テラ・コーポレーション
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)10月6日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】田渕 経雄
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| 【公開番号】 |
特開平11−108340 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)4月23日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−272374 |
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