| 【発明の名称】 |
低カロリーガス焚きボイラ |
| 【発明者】 |
【氏名】福嶋 信一郎
【氏名】中田 悦朗
【氏名】秋山 俊一
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| 【要約】 |
【課題】輻射伝熱部の伝熱面積を小さくし、かつ、ボイラの熱効率を高め、さらに、ボイラより排出されるNOx量を減少させる。
【解決手段】輻射伝熱部2に設けられた蓄熱式バーナ21には、低カロリーの副生ガスが供給され燃焼する。燃焼火炎からの輻射により、輻射伝熱部2の壁面に設けられた蒸発管中の水が加熱されて、その大部分が飽和蒸気となり、蒸発管中を上昇して気水ドラム11に戻される。気水ドラム11中の飽和蒸気は、1次過熱器6、2次過熱器5に送られ、過熱蒸気となって発電タービンに供給される。蓄熱式バーナ21においては、燃焼空気温度が非常に高いため、火炎温度が全体として高くなる。また、火炎が広く広がり、蒸発管全体が均一に加熱される。よって、蒸発管への輻射熱伝達が効率よく行われるので、伝熱面積を小さくすることができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 低カロリーガスを主たる燃料とするボイラにおいて、低カロリーガスを燃焼させるバーナを、蓄熱式バーナとしたことを特徴とする低カロリーガス焚きボイラ。 【請求項2】 過熱蒸気の温度を測定する過熱蒸気温度測定器と、過熱蒸気温度測定器により測定された過熱蒸気の温度を調節する過熱蒸気温度調節器を有し、過熱蒸気温度調節器の出力により、蓄熱式バーナの排ガス吸引量を調節することを特徴とする請求項1に記載の低カロリーガス焚きボイラ。 【請求項3】 低カロリーガスを燃焼させるバーナの他に、高カロリーガス又は高カロリー液体燃料を燃焼させるバーナ(高カロリーバーナ)を有してなり、低カロリーガスを燃焼させる蓄熱式バーナの排ガスが、前記高カロリーバーナの燃焼空気に混合されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の低カロリーガス焚きボイラ。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、製鉄所における副生ガス等の低カロリーガスを主燃料とする低カロリーガス焚きボイラに関するものである。 【0002】 【従来の技術】製鉄所においては、コークス炉、高炉、転炉等より発生する副生ガスの有効利用を図るため、これらのガスをボイラにて燃焼させ、発生した蒸気で自家発電を行うことが行われている。この自家発電のために使用されるボイラの概略構成を図3に示す。 【0003】図3において、1はボイラ本体、2は輻射伝熱部(火炉)、3は輻射伝熱部2に設けられた低カロリーガス用バーナ、4は輻射伝熱部2に設けられた高カロリーバーナ、5は2次過熱器、6は1次過熱器、7はエコノマイザー、8は空気予熱器、9は集塵機、10は排ガス吸引ブロワ、11は気水ドラム、12は注水器である。 【0004】給水は、気水ドラム11に入り、輻射伝熱部2に設けられた蒸発管に送られる。輻射伝熱部2に設けられた低カロリーガス用バーナ3には、低カロリー(LNGより低いカロリー)の副生ガスが供給され燃焼する。高カロリーバーナ4には、重油、LNG等の高カロリー燃料が供給され燃焼する。これらの燃焼火炎からの輻射により、輻射伝熱部2の壁面に設けられた蒸発管中の水が加熱されて、その大部分が飽和蒸気となり、蒸発管中を上昇して再び気水ドラム11に戻される。気水ドラム11中の飽和蒸気は、1次過熱器6、2次過熱器5に送られ、所定温度(540〜570℃)、所定圧力(130〜170Kg/cm2)の過熱蒸気となって発電タービンに供給される。 【0005】輻射伝熱部2よりの排ガスは、2次過熱器5、1次過熱器6で熱交換を行って過熱蒸気を発生させた後、エコノマイザー7で給水を加熱し、空気予熱器8で燃焼空気を加熱して自らは低温となり、集塵機9、排ガス吸引ブロワ10を経て、煙突より排出される。過熱蒸気温度の調節は、過熱蒸気温度を測定し、それに応じて注水器12におけるスプレー水の量を操作することによって行われている。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】このような、低カロリーガス焚きボイラにおいては、以下のような問題点がある。第1の問題点は、燃料となるガスが低カロリーであるため、火炎の状態が安定せず、燃焼が完全に行われないことがあることである。この対策として、異なったカロリーを有する低カロリーガス同士を混合してある程度のカロリーを確保したり、高カロリーバーナ4を設けることにより、低カロリーガスバーナ3の燃焼状態を安定させることが行われている。しかし、高カロリーバーナを設けることは、排ガスの温度を高めることになり、ボイラ全体としての熱効率を低下させるという問題点を有する。 【0007】第2の問題点は、燃料ガスが低カロリーであるため、燃焼火炎温度が低く、従って、蒸発管への輻射伝熱効率が低くなることである。このため、低カロリーガス焚きボイラにおいては、高カロリー燃料を使用するボイラに比して、輻射伝熱部の伝熱面積を大きくする必要があり、設備費が高くなるという問題点がある。 【0008】さらに、低カロリーの燃料ガスは窒素等の不燃成分を含むため、排ガスの量が多くなり、多量の排ガスが2次過熱器5、1次過熱器6に流れ込み、過熱蒸気が高温になりすぎるという問題点がある。これに対する対策として、1次過熱器6と2次過熱器5の間に注水器12を設けて注水し、過熱蒸気の温度を下げているが、これがボイラ全体の効率を低下させる原因となっている。 【0009】また、排ガスの量が多いため、エコノマイザ7、空気予熱器8で完全に排ガス顕熱を回収することができず、高温の排ガスが煙突から排出されることになり、ボイラ効率を下げているという問題点もある。 【0010】本発明は、これらの問題点を解決するためになされたもので、輻射伝熱部の伝熱面積を小さくし、かつ、過熱器における注水量を減少させることにより、ボイラの熱効率を高めることを主たる課題とし、さらに、ボイラより排出されるNOx量を減少させることを副次的な課題とする。 【0011】 【課題を解決するための手段】前記課題を解決するための第1の手段は、低カロリーガスを主たる燃料とするボイラにおいて、低カロリーガスを燃焼させるバーナを、蓄熱式バーナとしたことを特徴とする低カロリーガス焚きボイラ(請求項1)である。 【0012】低カロリーガスとは、LNGの燃焼発熱量より少ない燃焼発熱量を有するガスのことである。 【0013】蓄熱式バーナとは、蓄熱体を有するバーナを対にして使用し、一方のバーナが燃焼しているとき、他方のバーナは排ガスを吸引して、その排ガスにより蓄熱体を加熱して蓄熱し、燃焼中のバーナにおいては蓄熱体に蓄熱された熱で燃焼空気を加熱した後、燃料と混合して燃焼させる方式のバーナである。 【0014】蓄熱式バーナにおいては、燃焼空気が高温(1000℃以上)に加熱されているため、燃料と混合された状態で、燃料温度が着火温度以上になる。よって、火炎の状態が安定すると共に、火炎温度が均一で高温になる。従って、火炎から蒸発管への輻射伝熱効率が高くなるので、輻射伝熱部の伝熱面積を小さくすることができる。 【0015】また、蓄熱式バーナにおいては、排ガス顕熱の回収は、主としてバーナ自身の蓄熱体により行われる。よって、過熱器側に流れる排ガス量が少なくなり、過熱器において過熱蒸気が高温になりすぎることがない。従って、注水器における注水量がゼロとなるか少なくて済み、ボイラ効率を高めることができる。 【0016】さらに、蓄熱式バーナにおいては、火炎が局所的に高温となることがないのでNOxの発生が抑制される。 【0017】また、火炎の状態が安定するので、必ずしも高カロリーバーナの燃焼が必要でなくなり、設備の簡略化ができると共に、排ガスの低温化によりボイラ効率を高めることができる。 【0018】前記課題を解決するための第2の手段は、前記第1の手段であって、過熱蒸気の温度を測定する過熱蒸気温度測定器と、過熱蒸気温度測定器により測定された過熱蒸気の温度を調節する過熱蒸気温度調節器を有し、過熱蒸気温度調節器の出力により、蓄熱式バーナの排ガス吸引量を調節することを特徴とするもの(請求項2)である。 【0019】この手段によれば、過熱蒸気の温度制御が、蓄熱式バーナの排ガス吸引量を操作量として行われるので、注水器における余分な注水が不要となり、ボイラ効率を高めることができる。 【0020】また、部分負荷運転時には、投入熱量が小さくなり、それに伴って燃焼ガス量が少なくなるため、熱量の多くは火炉の輻射伝熱部で吸収され、過熱器で所定の温度まで蒸気加熱を行うことができなくなることがある。この場合には、この第2の手段によれば、蓄熱バーナの排ガス吸引量を少なく調節することにより(場合によっては排ガス吸引量をゼロとして通常のバーナとして使用することにより)、過熱器への通過ガス量を増やし、所定の温度まで過熱することにより、プラントとしての熱効率を高めることができる。 【0021】また、前記第1の手段又は第2の手段において、低カロリーガスを燃焼させるバーナの他に、高カロリーガス又は高カロリー液体燃料を燃焼させるバーナ(高カロリーバーナ)がある場合には、低カロリーガスを燃焼させる蓄熱式バーナの排気ガスを、前記高カロリーバーナの燃焼空気に混合することにより(請求項3)高カロリーバーナの排ガスの低NOx化を図ることができる。ここに、「高カロリー」とは、LNG相当以上の燃焼発熱量をいう。 【0022】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態の一例を示す概略構成図である。図1において、1はボイラ本体、2は輻射伝熱部(火炉)、4は、輻射伝熱部2に設けられた高カロリーバーナ、5は2次過熱器、6は1次過熱器、7はエコノマイザー、8は空気予熱器、9は集塵機、10は排ガス吸引ブロワ、11は気水ドラム、12は注水器である。21は輻射伝熱部2に設けられた蓄熱式バーナである。 【0023】給水は、気水ドラム11に入り、輻射伝熱部2に設けられた蒸発管に送られる。輻射伝熱部2に設けられた蓄熱式バーナ21には、低カロリーの副生ガスが供給され燃焼する。高カロリーバーナには、必要に応じて重油、LNG等の高カロリー燃料が供給され燃焼する。これらの燃焼火炎からの輻射により、輻射伝熱部2の壁面に設けられた蒸発管中の水が加熱されて、その大部分が飽和蒸気となり、蒸発管中を上昇して再び気水ドラム11に戻される。気水ドラム11中の飽和蒸気は、1次過熱器6、2次過熱器5に送られ、所定温度(約540℃)、所定圧力(約100Kg/cm2)の過熱蒸気となって発電タービンに供給される。1次過熱器6と2次過熱器5の間には、注水器12が設けられ、必要に応じてスプレー水が注水されて過熱蒸気を冷却する。 【0024】輻射伝熱部2よりの排ガスは、2次過熱器5、1次過熱器6で熱交換を行って過熱蒸気を発生させた後、エコノマイザー7で給水を加熱し、空気予熱器8で燃焼空気を加熱して自らは低温となり、集塵機9、排ガス吸引ブロワ10を経て、煙突より排出される。 【0025】この実施の形態と、図3に示した従来の低カロリーガス焚きボイラとの第1の主要な違いは、従来用いられていた低カロリーガス用バーナ3の代わりに蓄熱式バーナ21が用いられていることである。 【0026】図2に蓄熱式バーナシステムの一例を示す。図2において、41a、41bは蓄熱式バーナ、42a、42bは蓄熱体、43a、43bは燃料切換弁、44a、44bは燃焼空気切換弁、45a、45bは排気切り換え弁、46は燃焼空気ファン、47は排気ファンである。なお、Fは、燃焼中のバーナ41aにより形成された燃焼火炎である。 【0027】このシステムでは、蓄熱式バーナ41aが燃焼を開始すると、当該バーナより高温の火炎がボイラ内に吹き込まれる。このとき、他方の蓄熱式バーナ41bは燃焼排ガスを吸引しており、吸引された燃焼排ガスは、蓄熱体42bを加熱した後にボイラ外部に排出される。所定の時間が経過した後、各切換弁を切り換えることにより、今まで燃焼していた側の蓄熱式バーナ41aに燃焼排ガスを吸引させ、今まで燃焼排ガスを吸引していた側の蓄熱式バーナ41bで燃焼を行わせる。 【0028】燃焼を行うバーナにおいては、燃焼空気が蓄熱体42a、42bによって加熱され高温となる。以下、所定時間毎に、対となっている蓄熱式バーナの燃焼を交互に行うことにより、加熱を継続する。 【0029】このように、蓄熱式バーナ21においては、排ガス顕熱の回収を自己のシステムの中で行っているので、熱回収のために特別な設備を必要としない。蓄熱式バーナ21から排出される排ガスの温度は約150℃であり、ほぼ完全に熱回収が行われている。 【0030】蓄熱式バーナ21においては、燃焼空気温度が非常に高いため、火炎温度が全体として高くなる。また、火炎が広く広がり、蒸発管全体が均一に加熱される。よって、蒸発管への輻射熱伝達が効率よく行われるので、伝熱面積を小さくすることができる。 【0031】また、排ガスのかなりの部分が、蓄熱式バーナを通じて熱交換された後炉外に排出され、過熱器側に流れる排ガス量が少なくなるので、過熱蒸気の温度が必要以上に高温となることがない。よって、注水器12による注水量を減らすことができ、ボイラ効率を高めることができる。 【0032】さらに、蓄熱式バーナ21の火炎には、局所的な高温部が無いので、NOxの発生を抑えることができる。 【0033】蓄熱式バーナ21へ供給される空気は、空気予熱器8を通過して予熱されたものを使用することが好ましい。 【0034】蓄熱式バーナ21においては、燃焼空気温度が高いので、燃料と混合されたとき、燃料温度が自己着火温度に達している。よって、燃焼が安定するので、高カロリーバーナ4は必ずしも燃焼させる必要がない。ボイラ負荷により、蓄熱式バーナ21の燃焼だけでは熱量が不足する場合に補助的に燃焼させればよい。 【0035】高カロリーバーナ4を燃焼させる場合には、蓄熱式バーナ21の排ガスを高カロリーバーナ4の燃焼空気中に混合させることにより、高カロリーバーナ4の排ガスの低NOx化を図ることができる。 【0036】本実施の形態が、図3に記載した従来の低カロリーガス焚きボイラと異なる第2の主要な点は、本実施の形態においては、過熱蒸気温度の制御を、蓄熱式バーナ21の排ガス吸引量を調節することによって行っている点である。 【0037】すなわち、過熱蒸気温度測定器(図示せず)を設けて過熱蒸気温度を測定し、過熱蒸気温度調節器(図示せず)に入力して設定値と比較し、過熱蒸気温度が設定値より高ければ、蓄熱バーナ21の排ガス吸引量を増やして過熱器側に流れる排ガスの量を減らし、過熱蒸気温度が設定値より低ければ、蓄熱式バーナ21の排ガス吸引量を減らして過熱器側に流れる排ガスの量を増やすようにしている。そして、注水器12における注水は原則として行わず、前記蓄熱式バーナ21の排ガス吸引量の操作だけで温度制御が不可能になった場合にのみ、補助的に注水による温度制御を行うようにしている。これにより、ボイラ効率を上げることができる。 【0038】蓄熱式バーナ21の排ガス吸引量の操作は、図2における排気切換弁45a、45bが開となるときの開度を調節することによって行う。 【0039】 【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る本発明においては、低カロリーガスを主たる燃料とするボイラにおいて、低カロリーガスを燃焼させるバーナを、蓄熱式バーナとしているので、火炎の状態が安定すると共に、火炎温度が高温になる。よって、火炎から蒸発管への輻射伝熱効率が高くなるので、輻射伝熱部の伝熱面積を小さくすることができる。また、過熱器側に流れる排ガス量が少なくなり、過熱器において過熱蒸気が高温になりすぎることがない。従って、注水器における注水量がゼロになるか少なくて済み、ボイラ効率を高めることができる。 【0040】さらに、蓄熱式バーナにおいては、火炎温度が均一となり、特に高温の部分が発生しないので、NOxの発生が抑制される。 【0041】また、火炎の状態が安定するので、必ずしも高カロリーバーナの燃焼が必要でなくなり、設備の簡略化ができると共に、排ガスの低温化によりボイラ効率を高めることができる。 【0042】また、請求項2に係る本発明においては、過熱蒸気の温度を測定する過熱蒸気温度測定器と、過熱蒸気温度測定器により測定された過熱蒸気の温度を調節する過熱蒸気温度調節器を有し、過熱蒸気温度調節器の出力により、蓄熱式バーナの排ガス吸引量を調節しているので、注水器における余分な注水が不要となり、ボイラ効率を高めることができる。 【0043】さらに、請求項3に係る本発明においては、低カロリーガスを燃焼させる蓄熱式バーナの排気ガスを、前記高カロリーバーナの燃焼空気に混合しているので、高カロリーバーナの排ガスの低NOx化を図ることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004123 【氏名又は名称】日本鋼管株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)9月22日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】細江 利昭
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| 【公開番号】 |
特開平11−94240 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)4月9日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−273363 |
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