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【発明の名称】 廃棄物用溶融炉および溶融物取出し方法
【発明者】 【氏名】福井 裕

【氏名】大亀 信二

【要約】 【課題】本発明は、溶融炉の周辺に広いスペースを必要としない廃棄物用溶融炉を提供することを目的とする。

【解決手段】本発明に係る廃棄物用溶融炉は、(A)炉壁4と、(B)被溶融物7を入れる金属容器5を内部に有する溶融炉1と、(C)被溶融物7を加熱溶融する加熱源6と、(D)前記溶融炉1の底部側に設けた炉壁貫通穴2と、(E)前記炉壁貫通穴12を加熱する加熱源3と、(F)前記炉壁貫通穴2を介して前記金属容器の底部側を突き破るピック11とを備えたことを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】(A)炉壁(4)と、(B)被溶融物(7)を入れる金属容器(5)を内部に有する溶融炉(1)と、(C)被溶融物(7)を加熱溶融する加熱源(6)と、(D)前記溶融炉(1)の底部側に設けた炉壁貫通穴(12)と、(E)前記炉壁貫通穴12を加熱する加熱源(3)と、(F)前記炉壁貫通穴(2)を介して前記金属容器の底部側を突き破るピック(11)とを備えたことを特徴とする廃棄物用溶融炉。
【請求項2】前記炉壁貫通穴(2)に摺動可能にスリーブを設けたことを特徴とする請求項1に記載の廃棄物用溶融炉。
【請求項3】(A)内部に被溶融物(7)を入れた金属容器(5)を溶融炉内に収納し、(B)溶融炉(1)を加熱して前記金属容器内の溶融物を溶融した後、(C)溶融炉底部側に設けられた炉壁貫通穴(2)からピック(11)を用いて前記金属容器(5)の底部側を突き破り、金属容器内の溶融物を取り出すことを特徴とする溶融炉からの溶融物取出し方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃棄物用溶融炉(ピック式)および溶融物取り出し方法に関する。本発明は、発電所廃棄物用溶融炉、燃料サイクル廃棄物用溶融炉、および一般産業廃棄物用溶融炉に利用することができる。
【0002】
【従来の技術】図3に従来の溶融物の取り出し方法を示す。図3の従来の方法では、溶融炉を傾けて取り出す。従来の方法で溶融物を取り出すには、溶融炉1を傾ける必要がある。そのため、溶融炉1の移動範囲に空きスペースが必要であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術には、次のような問題がある。
(1)従来の方法で溶融物を取り出すには、溶融炉1を傾ける必要があった。
(2)そのため、溶融炉1の移動範囲に空きスペースが必要である。
本発明は、これらの問題を解決することができる廃棄物用溶融炉および溶融炉からの溶融物取出し方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
(第1の手段)本発明に係る廃棄物用溶融炉は、(A)炉壁4と、(B)被溶融物7を入れる金属容器5を内部に有する溶融炉1と、(C)被溶融物7を加熱溶融する加熱源6と、(D)前記溶融炉1の底部側に設けた炉壁貫通穴2と、(E)前記炉壁貫通穴12を加熱する加熱源3と、(F)前記炉壁貫通穴2を介して前記金属容器の底部側を突き破るピック11とを備えたことを特徴とする。
【0005】(第2の手段)本発明に係る廃棄物用溶融炉は、第1の手段において、炉壁貫通穴2に摺動可能にスリーブを設けたことを特徴とする。
(第3の手段)本発明に係る溶融炉からの溶融物取出し方法は、(A)内部に被溶融物7を入れた金属容器5を溶融炉内に収納し、(B)溶融炉1を加熱して前記金属容器内の溶融物を溶融した後、(C)溶融炉底部側に設けられた炉壁貫通穴2からピック11を用いて前記金属容器5の底部側を突き破り、金属容器内の溶融物を取り出すことを特徴とする。
【0006】すなわち、本発明は、廃棄物等の溶融炉において、溶融物を炉壁4と接触させないようにして、炉底から溶融物を取り出す目的で被溶融物7が溶融した後で、金属容器5の底部に炉壁貫通穴2を開けて溶融物を取り出すことを特徴とする溶融炉および取り出し方法である。
【0007】したがって、次のように作用する。
(1)図3に示す従来例の場合、溶融物を取り出すには、溶融炉1を傾ける必要があり、溶融炉1の移動範囲に空きスペースが必要であった。
【0008】他方、本発明によれば、溶融炉1を傾ける必要が無い。第1の実施の形態(図1)および第2の実施の形態(図2)に示すように、被溶融物7は金属容器5の中で完全に溶融した後に、ピック11により金属容器5の底部を突き破り、溶融物を下方に取り出すため、従来例のように溶融炉1を傾ける必要がない。
(2)また本発明によれば、溶融物と炉壁4が接触する時間は限られたものになるので、溶融物と炉壁4の反応等を最小限にすることが出来る。炉壁4の損傷を小さく出来ることは、炉壁4の補修に要するムダ時間を少なく出来ることになり、溶融炉1の実働時間を長くできる効用もある。
【0009】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)本発明の第1の実施の形態を図1に示す。図1は、第1の実施の形態にに係る溶融物取り出し方法の原理を示す図である。
【0010】図1において、溶融炉1の底部に金属容器5に穴を開けるピック1が通れる溶融物取り出し炉壁貫通穴2が有り、溶融物が途中で冷却されて固化しないよう加熱もしくは固化物を加熱溶融する下部加熱コイル3と、炉壁4と、被溶融物7と、必要に応じて金属容器5をも溶融できる加熱コイル6から構成される。
(第2の実施の形態)本発明の第2の実施の形態を図2に示す。
【0011】図2は、第2の実施の形態にに係る溶融物取り出し方法の原理を示す図である。第2の実施の形態(図2)では、炉壁4と溶融物の接触を少なくする目的で、スリーブを上下に動かせるようにした可動スリーブ12Aを設けている。
【0012】これによれば、まず可動スリーブ12Aを金属容器5の底部に押し当てて、中空ピック11Aで金属容器5の底部を突き破るので、溶融物を炉壁側に接触させずに取り出すことが出来る。
【0013】金属容器5と可動スリーブ12Aの間に多少の隙間が生じていても、通常の溶融物の流動性が悪いので、多少の隙間ならば溶融物で隙間をふさぐことが出来る。
【0014】
【発明の効果】本発明は前述のように構成されているので、以下に記載するような効果を奏する。
(1)従来の方法では溶融炉を傾けることが必要なめ、溶融炉の周辺に広いスペースを必要とし、加熱コイルへの電力供給にも工夫が必要であったが、本発明方法では溶融炉を動かさないので、溶融炉の周辺に広いスペースを必要としない。
(2)従来の方法では溶融物と炉壁を遮るものがない。
【0015】他方、本発明方法では、溶融物を炉壁側に接触させずに取り出すことが出来る。(3)被溶融物が溶融した時点では、金属容器(代表例:ドラム缶)は1000〜1100℃ぐらいに加熱されている為、ピックにより容易に穴あけを行うことが出来る。
(4)被溶融物を金属容器に入れたまま溶融出来るので、被溶融物7の挿入作業中に被溶融物が飛散する恐れをなくすことができる。
【出願人】 【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
【出願日】 平成9年(1997)9月19日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦 (外3名)
【公開番号】 特開平11−94230
【公開日】 平成11年(1999)4月9日
【出願番号】 特願平9−255095