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【発明の名称】 炭化処理装置
【発明者】 【氏名】臼倉 博

【氏名】加瀬 昭雄

【氏名】小林 保次

【要約】 【課題】所定時間の炭化処理の終了前に、廃棄物の炭化度を迅速簡単正確に確認することができるようにする。

【解決手段】炭化室の底部から炭化物の一部を加熱室の外まで取出すためのサンプル取出し手段と、取出したサンプルを一定の圧力で圧縮して塊状の被計測物を形成する被計測物形成手段と、形成された被計測物の電気抵抗値を計測する抵抗値計測手段とからなる炭化度判定装置を設けた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 炭化室に収容された廃棄物を撹拌しながら乾留炭化させ、その間に前記廃棄物から発生する熱分解ガスを燃焼室に流入させて前記燃焼室において燃焼・脱臭した後、大気中に放出し、前記炭化室に生成された炭化物を前記炭化室の端部に設けられた排出口から排出する炭化処理装置において、前記炭化室の底部から炭化物の一部を前記加熱室の外まで取出すためのサンプル取出し手段と、取出したサンプルを一定の圧力で圧縮して塊状の被計測物を形成する被計測物形成手段と、形成された被計測物の電気抵抗値を計測する抵抗値計測手段とからなる炭化度判定装置を設けたことを特徴とする炭化処理装置。
【請求項2】 サンプル取出し手段は、炭化室の底部から加熱室の外まで延出するサンプル取出し管を設けるとともに、そのサンプル取出し管内に一定方向に回転されるスクリューコンベヤを設けてなり、被計測物形成手段は、前記サンプル取出し管の下端部から前記スクリューコンベヤにより排出されたサンプルを収容するシリンダと、そのシリンダに収容されたサンプルを塊状に圧縮する圧縮機とから構成され、抵抗値計測手段は、前記圧縮機の圧縮動作と連動して塊状に圧縮されたサンプルの両端部に押圧される電極と、その両電極を介して前記サンプルの電気抵抗値を計測する抵抗測定器とを有することを特徴とする請求項1に記載された炭化処理装置。
【請求項3】 廃棄物が適正な炭化処理を受けた場合の、塊状のサンプルの電気抵抗値を標準値として記憶させた記憶部と、抵抗測定器が出力する計測値を入力された時、前記記憶部から読出した標準値と比較し、一致したときに炭化処理を終了させる制御部とからなる自動停止手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載された炭化処理装置。
【請求項4】 圧縮機は、シリンダの一方側から他方側方向に往復移動される押圧板を有し、前記シリンダの他方側端部には自動開閉される蓋が設けられ、前記押圧板と前記蓋には、前記圧縮機が圧縮動作する時にそれぞれ被計測物の両端部に押圧される抵抗値測定手段の電極が設けられ、前記蓋を開放した状態で前記圧縮機の押圧板の往行程を最大にした場合は、前記シリンダ内に形成された塊状の被計測物が前記シリンダから排出されるようにしたことを特徴とする請求項1又は3に記載された炭化処理装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機質可燃性廃棄物を処理する炭化処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、有機質可燃性廃棄物を処理する装置には、伝統的な焼却処理を行う焼却装置のほかに、炭化処理(加熱手段、燃焼手段及び撹拌機を駆動して、廃棄物を加熱、乾燥、乾留炭化するとともに、廃棄物から発生する熱分解ガスを燃焼させる処理)を行う炭化処理装置が知られている。
【0003】従来の炭化処理装置は、廃棄物投入口を有する炭化室と、その炭化室の外周を囲み、加熱手段を有する加熱室と、加熱手段により加熱室に発生する排ガス及び炭化室に廃棄物から発生する熱分解ガスを受入れて、これを燃焼手段により燃焼させる燃焼室とからなっていて、燃焼室の排気口には脱臭用触媒を担持したフィルタが備えられている。また、炭化室の中には、廃棄物の加熱効率を高める撹拌機が備えられ、炭化室の底部には、炭化処理により生成した炭化物(以下、炭という場合がある。)を排出する排出口(以下、炭出し口という。)が設けられている。
【0004】そして、炭化処理装置を運転する際は、廃棄物を炭化室に投入した後、加熱温度設定手段及び処理時間設定手段を処理対象廃棄物の種類及び処理量に対応して操作して加熱温度及び処理時間の設定を行い、炭化処理の終了後に、炭化室の冷却を待って、炭化室に生成された炭を炭出し口から挿入した掻き出し棒で掻き出すことにより、炭の排出を行っていた。
【0005】上述のように、炭化処理を行う時の加熱温度及び処理時間は、処理対象廃棄物の種類と処理量に応じて、経験的に予め設定して記録されている早見表に基づいて、加熱温度設定手段及び処理時間設定手段を手動操作して設定されていた。その場合、処理対象廃棄物の種類と処理量に対応する加熱温度及び処理時間は、炭化処理の所要時間の短縮を図るには、ある程度高い温度と短い処理時間が望まれるが、廃棄物の乾燥(水分蒸発)工程における水蒸気ガスの単位時間当たりの発生量が過剰になり水蒸気ガスが炭化室に飽和して乾燥効率を低下するに至らないように、また、炭化(蒸焼き)工程における熱分解ガスの単位時間当たりの発生量が過剰になり燃焼室の燃焼性能及び触媒性能が不足して(理論空気量が得られず)不完全燃焼を起こすに至らないように、概略値で設定されている。
【0006】図5は、従来の炭化処理装置における炭化処理の各工程と炭化室内温度と処理時間の経過との相互関係を示すグラフである。最も重要な点は、設定時間Hの終了直前において加熱手段による加熱を停止し、余熱によりさらに炭化を進行させながら、設定時間の終了を待機するが、その待機中に炭化室内温度が設定温度よりも低下した場合は、炭化度(炭化の進行度合)が不十分であると推測して、設定温度に達するまで加熱手段に再点火し、設定時間が終了するまで、図5の円B部分の波線で示されるように、加熱手段の停止、再点火を繰り返している。このような時間管理と加熱手段の制御を注意深く行っても、廃棄物の炭化度は推測の域を越えることがないので、炭出し口の蓋を開けて、掻き出し棒で炭化室底部の炭化物を掻き出し、その炭化物の外観(色彩)や性状(固まり具合等)を観察して、炭化度の適正化の努力をしていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記にように、高温度に加熱されている炭化室の炭出し口を開放して、炭化物のサンプルを掻き出して外観や性状の観察をしていたので、炭化室の熱損失が大きく、また、取出した高温のサンプルが取扱可能になるまで冷却を待つ必要があったので、設定した処理時間の終了までにサンプル観察の結果を適切な炭化処理に寄与することは、時間的にも無理があった。しかも、廃棄物の種類及び処理量が同じでも、炭化処理時の炭化処理装置の環境、すなわち、大気の温度・湿度、風速あるいは廃棄物の物理的性状などの相違により、乾燥及び炭化の速度がまちまちであるため、従来の方法では、廃棄物の炭化度を迅速短時間に正確に確認することができないという問題点があった。そのため、炭化処理終了後の炭化物には、炭化度の程度により様々な形状及び性状のものがあり、例えば、直径10〜15cmの塊状のもの、2〜9cmの大粒状のもの、1cm以下の小粒状のものなどがあるため、炭化室から掻き出す際に掻き出し棒に加えるべき力に大きな差があること、掻き出し後の炭化物を袋詰めする際の取扱が一様でないこと、一般廃棄物としての投棄規制基準の適合性が確実でないことなどの難点があった。
【0008】本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、その課題は、所定時間の炭化処理の終了前に、廃棄物の炭化度を迅速簡単正確に確認することができるようにすることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、前記炭化室の底部から炭化物の一部を前記加熱室の外まで取出すためのサンプル取出し手段と、取出したサンプルを一定の圧力で圧縮して塊状の被計測物を形成する被計測物形成手段と、形成された被計測物の電気抵抗値を計測する抵抗値計測手段とからなる炭化度判定装置を設けたことを特徴としている。上記構成により、炭化処理終了前に、炭化度判定装置を駆動させると、サンプル取出し手段が駆動して炭化室の底部から炭化物の一部を取出し、被計測物形成手段がその炭化物を圧縮して塊状の被計測物を形成する。抵抗値計測手段が被計測物の電気抵抗値を計測する。標準値と比較することにより、その時の炭化処理による炭化度を正確に判断することができる。
【0010】サンプル取出し手段は、炭化室の底部から加熱室の外まで延出するサンプル取出し管を設けるとともに、そのサンプル取出し管内に一定方向に回転されるスクリューコンベヤを設けてなり、被計測物形成手段は、前記サンプル取出し管の下端部から前記スクリューコンベヤにより排出されたサンプルを収容するシリンダと、そのシリンダに収容されたサンプルを塊状に圧縮する圧縮機とから構成され、抵抗値計測手段は、前記圧縮機の圧縮動作と連動して塊状に圧縮されたサンプルの両端部に押圧される電極と、その両電極を介して前記サンプルの電気抵抗値を計測する抵抗測定器とを有するものであることが望ましい。上記構成により、設定された処理時間の終了前に、サンプル取出し手段はスクリューコンベヤを回転させて炭化室の底部から炭化物の一部をサンプル取出し管からシリンダ内に排出させる。被測定物形成手段は、シリンダ内のサンプルを圧縮機により圧縮して塊状のサンプルを得る。抵抗値計測手段は、そのサンプルの両端部に電極を当てて、その塊状のサンプルの電気抵抗を計測する。得られた計測値を適正な炭化度の場合のサンプルの計測値と比較することにより、目標とする炭化度になったか否かを正確に判断することができる。
【0011】請求項3に記載された発明は、廃棄物が適正な炭化処理を受けた場合の、塊状のサンプルの電気抵抗値を標準値として記憶させた記憶部と、抵抗測定器が出力する計測値を入力された時、前記記憶部から読出した標準値と比較し、一致したときに炭化処理を終了させる制御部とからなる自動停止手段を備えたことを特徴としている。上記構成により、炭化処理の途中に、炭化度判定装置を起動するだけで、所要量の炭化物のサンプルが取出され、塊状に形成され、その電気抵抗値が計測されて、標準値と一致したときは、炭化処理が自動的に停止される。
【0012】圧縮機は、シリンダの一方側から他方側方向に往復移動される押圧板を有し、前記シリンダの他方側端部には自動開閉される蓋が設けられ、前記押圧板と前記蓋には、前記圧縮機が圧縮動作する時にそれぞれ被計測物の両端部に押圧される抵抗値測定手段の電極が設けられ、前記蓋を開放した状態で前記圧縮機の押圧板の往行程を最大にした場合は、前記シリンダ内に形成された塊状の被計測物が前記シリンダから排出されるように構成することが望ましい。このようにした場合は、炭化室から取出されたサンプルが圧縮機により塊状に圧縮された時点で直ちにその電気抵抗値の測定が可能であり、また、測定後に蓋を開放し、圧縮機の押圧板の往行程を最大にすることにより、塊状のサンプルを排出して、連続的に次のサンプルの取出し・測定が可能である。
【0013】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図1は本実施例による炭化処理装置の正面断面図、図2は同じく側面断面図、図3は制御装置の外観の一例を示す正面図、図4は本発明の要部を示す断面図である。
【0014】被収容物の保護と外装を兼ねる筐体1には、その正面に廃棄物を投入する際に開閉される扉(図示省略)が設けられ、後述される燃焼室から排出されるガスを大気中に放出させる煙突2と、筐体内の空気を大気中に排出する換気ファン3とが設けられている。そして、筐体の中の下部に横転された有底円筒状の加熱室Aが固定され、その加熱室の中に横転された有底円筒状の炭化室Bがほぼ同心円状に、加熱室Aが炭化室Bの外周を一定の距離を隔てて囲むように取付けられている。加熱室Aの一方側(図3に示す例では、左側)の側板に、加熱手段としての加熱用バーナ4が、また、冷却手段として冷却ファン5が、それぞれ取付けられている。
【0015】炭化室Bの頂部よりもやや正面側に寄った位置に廃棄物投入口6が設けられ、その廃棄物投入口の周縁に下端部が接続された口金7は、加熱室Aの一部を外側まで貫通され、その口金の上端に密閉可能な蓋8が設けられていて、筐体1の扉1を開放して蓋8を開ければ、廃棄物投入口6から廃棄物を炭化室Bの中に投入することができるようになっている。
【0016】炭化室Bの中には、廃棄物の撹拌及び炭化物の掻き出しを行うための撹拌機9が設けられている。撹拌機9の回転軸の外端部に固着されたプーリ10と加熱室Aの外側に取付けられたモータ11の回転軸に固着されたプーリ12との間にベルト13を巻回してある。本発明の後述される炭化物サンプルの取出しが円滑確実にできるようにするためには、撹拌機9は、スクリューコンベヤで構成されるとともに、撹拌用モータ11に可逆モータを用い、モータ11の正転制御と逆転制御を所定タイミングで交互に行うことが望ましい。
【0017】図3に示すように、筐体1の正面に設けられた制御装置40には、廃棄物の種類及び処理量に応じて加熱温度及び処理時間を設定するための入力部41a〜41c、炭化処理起動スイッチ42、サンプル取出しスイッチ43、炭化処理停止スイッチ44及び炭出し起動スイッチ45が設けてある。加熱室Aと炭化室Bの同一側(図示の例では右側)の側板の下部には、炭化室B内に生成された炭化物を炭化室外に排出するための炭出し口が設けられ、その炭出し口に、密閉可能な蓋14が取付けられている。
【0018】図1及び図2に示すように、加熱室Aの頂部のバーナ4から最も遠い位置に、排ガス上昇管15の一端部が接続され、その他端部は筐体1の上部に設置されている燃焼室Dに、脱臭用触媒を担持させたフィルタ16の上流側において接続されている。これにより、炭化室Bの加熱により加熱室A内に発生する排ガスは、排ガス上昇管15を経て燃焼室D内に、フィルタ16の上流側において、流入されるようになっている。
【0019】好ましい実施の形態においては、炭化室Bと燃焼室Dの間に、貯留室Cを設け、炭化室から廃棄物の炭化処理により発生する熱分解ガス(未燃ガス)を、従来と異なり、一旦、この貯留室Cに流入させて、所要の減圧をされた後、燃焼室Dに流入させるようにしてある。貯留室Cの容積又は収容能力は、炭化室における炭化処理により、高位カロリーの廃棄物からとくに大量の熱分解ガスが急激に発生した場合に、そのガスを収容して燃焼室に対して緩衝効果が得られるように設定される。加熱室Aと燃焼室Dの間の空隙を最大に活用することにより、貯留室の所要の容積を容易に確保することができる。緩衝効果を得るためには、貯留室Cを複数段に構成し、各段の間の流路を適度に細くすることもよい。あるいは、貯留室Cの末端に、流量調整弁17を設けて、廃棄物の種類と処理量に応じて常に適量の熱分解ガスを燃焼室Dに流入させ、完全燃焼が実行されるように、理論空気量が確保されるようにすることが望ましい。
【0020】燃焼室Dには、燃焼用バーナ18及び燃焼空気供給用ブロア19が取付けられている。なお、図示の例では、燃焼効果を高めるため、ブロア19から供給される空気を多数箇所において燃焼室内に放出させるため、一端部がブロア19に接続されたアキュムレータ20に多数の分配管21が設けられ、各分配管の他端部が燃焼室内に開口されている。また、従来と同様に、燃焼室の排気口には、上述した白金などの脱臭用触媒を担持させたフィルタ16が交換可能に装着されている。
【0021】上記構成による炭化処理装置の作用を説明する。廃棄物投入口6から所定量の廃棄物を炭化室Bに投入し、蓋8を密閉し、制御装置40の入力部41a,41b,41cを操作して加熱温度と処理時間を設定した後、炭化処理起動スイッチ42をONすると、加熱用バーナ4及び燃焼用バーナ18が着火され、撹拌用モータ11が起動される。この場合、制御装置40は、炭化処理起動スイッチ42のONに基づき、撹拌用モータ11を所定タイミングで正転と逆転を交互に行うようになっている。これにより、加熱室A内に生じる熱気により炭化室Bが加熱され、その炭化室内の廃棄物はスクリューコンベヤで構成されている撹拌機9により炭化室の軸方向に沿って左右方向に移動されながら、内周面に沿って時計方向及び反時計方向に掻き揚げられ、かつ、分離されながら加熱され、温度上昇とともに廃棄物から水分が蒸発して乾燥する。加熱用バーナ4により加熱室Aに発生する排ガスは、排ガス上昇管15を経て燃焼室D内に排気口の上流側において流入する。燃焼室には燃焼用バーナ18から火炎が放射されていて、燃焼室の底部付近に多数の分配管21から燃焼用空気が供給されているので、加熱室Aからの排ガスに残存している未燃ガスは、この燃焼室で完全燃焼された後、フィルタ16で濾過され、かつ、触媒により脱臭されて煙突2から大気中に放出される。炭化室B内の廃棄物の温度は、水分蒸発が終了するまでは100℃前後を維持しているが、水分蒸発を終了すると急上昇し、一定温度に達すると廃棄物から可燃性の熱分解ガスが発生し、その発生量の増大とともにその熱分解ガスが炭化室Bから貯留室Cに流入する。そして、貯留室Cに充満したガスは燃焼室Dに流入し、燃焼用バーナ18から放射されている火炎により自燃し、かつ、分配管21から供給されている燃焼用空気により完全燃焼され、加熱室Aから燃焼室Dに流入して完全燃焼された排ガスと合流して、フィルタ16で濾過され、かつ、触媒により脱臭された後、煙突3から大気中に放出される。
【0022】さて、本発明においては、上記構成の炭化処理装置の炭化室Bの底部に、炭化度判定装置が備えられている。この炭化度判定装置は、サンプル取出し手段と、被計測物形成手段と、電気抵抗値計測手段とからなっている。図3に示すように、サンプル取出し手段は、炭化室Bの中の炭化物の一部を加熱室Aの外まで取出すためのものであり、上端部が炭化室B内に開口し、加熱室Aを下方に外側まで貫通するサンプル取出し管22を設け、その中にスクリューコンベヤ23を備え、スクリューコンベヤ23を一定方向に回転させるモータ24を設けて構成されている。被計測物形成手段は、サンプル取出手段により取出されたサンプルを圧縮して塊状の被計測物を形成するものであり、サンプル取出し管22の下端部に接続されたシリンダ25と、そのシリンダ内に収容されたサンプルを圧縮する圧縮機26とを有している。シリンダ25は、少なくとも内面が電気的絶縁材料で形成してあり、シリンダの上面からサンプル取出し管22の下端部から排出されるサンプルを収容する。圧縮機26は、シリンダの一方側から他方端部方向に往復自在に嵌合された押圧板26aと、その押圧板をシリンダの一端部から他端部まで往復移動させる駆動手段、例えば、可逆モータ26bにより回転される傘歯車とその傘歯車に螺合され、一端部が押圧板26aに固着されたねじ棒26cとから構成されている。シリンダ25の他端部の開口には蓋27が設けられ、その蓋は一例として下端部において、シリンダ25の下部に取付けられた図示を省略された開閉手段により水平軸回りに回転して開閉自在に取付けられ、シリンダ25の上部には、閉鎖された蓋27をロックするロック手段28が設けてある。さらに、上記抵抗値計測手段は、前記押圧板26の内面に露出された電極29と、蓋27の内面に露出された電極30と、それら両電極が導線を介して接続された抵抗測定器31とから構成されている。抵抗測定器31は電源電圧として乾電池又は商用電源を用いるもののいずれでもよい。
【0023】サンプル取出し管22の上端部が常に開放されている場合は、炭化室の被処理物が、撹拌機の撹拌作用時にサンプル取出し管22に入り込むので、好ましくは、サンプル取出し管22の上端部を開閉するシャッタ32を設け、モータ33に結合されたピニオンとシャッタ32に設けたラックとを噛合させるなどして、サンプル取出しスイッチ43がONされた時にみシャッタ32を開放するようになっている。
【0024】上記構成により、サンプル取出しスイッチ43を押して、炭化度判定装置を起動させると、シャッタ32が開放されるとともに、撹拌機9の正転と逆転により炭化室Bの底部を軸方向に左右移動される炭化物が、サンプル取出し管22に入り込み、スクリューコンベヤ23により炭化物の一部がそのサンプル取出し管22から排出され、シリンダ25に収容される。
【0025】そして、スクリューコンベヤ23の所定時間の回転後に、圧縮機26が駆動され、シリンダ26に収容された炭化物のサンプルが押圧板26aにより圧縮され、塊状の被計測物が形成される。また、圧縮機26による被計測物の形成終了と同時に、押圧板26aと蓋27の対向面に設けてある電極29,30がその被計測物に押圧接触される。従って、抵抗測定器31により、その被計測物、すなわち、炭化物のサンプルの電気抵抗値が計測される。
【0026】上記抵抗測定器31の指針の表示する抵抗値又はディジタル表示される抵抗値を、当該種類の廃棄物が理想的な炭化処理により得られる炭化物の電気抵抗の標準値と比較することにより、その時の炭化処理による炭化度が適正であるか否かを正確に判断することができる。そして、計測値が標準値と一致した時に、炭化処理停止スイッチ44を操作して、加熱手段による加熱動作を停止させ、炭化処理を終了することができる。
【0027】本発明は、制御装置40に、廃棄物が適正な炭化処理を受けた場合の、塊状のサンプルの電気抵抗値を標準値として記憶させた記憶部と、抵抗測定器31が出力する計測値が入力された時、前記記憶部から読出した標準値と比較し、一致したときに炭化処理を終了させる制御部とからなる自動停止手段を備えることにより、計測値が標準値と一致した時に、炭化処理停止スイッチ44を操作しなくとも、加熱手段による加熱動作を停止させ、炭化処理を自動的に終了させることも可能である。
【0028】また、制御装置40に、サンプルの抵抗値測定を終了した後、被計測物排出の指令信号を与えるスイッチ(図示省略)が設け、そのスイッチを操作したときは、被計測物形成手段の蓋の開閉手段28に開放動作をさせ、かつ、圧縮用モータ26bに押圧板26aの往行程が最大になるように駆動させて、シリンダ25内の塊状のサンプルをシリンダの他端の開口から排出させるように、構成することができる。このような構成を備えた場合は、1回のサンプルの抵抗値測定が終了した時は、可及的速やかに被測定物を排出して、時間の経過により、排出困難になることを防止することができるほか、最初の測定時には炭化度が不足している場合に、直ちにその被計測物を排出して、次のサンプルの取出し測定を迅速に行い、炭化度の判定を適切なタイミングに行うことができる利点がある。
【0029】
【発明の効果】上述のように、本発明によれば、所定時間の炭化処理の終了前に、廃棄物の炭化度を迅速簡単正確に確認することができるので、各種廃棄物の理想的な炭化処理を実現することができる。従って、炭化室から掻き出す際の掻き出し手段は最小の力で動作することができるから、エネルギーの節減が可能であり、また、排出される炭化物の大きさが均一化されるので、炭化物を袋詰め等する際の取扱を一様に行うことが可能となり、能率向上が可能である。また、廃棄物の投棄規制基準を確実にクリアすることができる。
【出願人】 【識別番号】597095429
【氏名又は名称】日信工業株式会社
【出願日】 平成10年(1998)5月22日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】石井 光正
【公開番号】 特開平11−337030
【公開日】 平成11年(1999)12月10日
【出願番号】 特願平10−141818