| 【発明の名称】 |
ごみ焼却炉 |
| 【発明者】 |
【氏名】松井 健
【氏名】中井 誠一
【氏名】志治 良三
【氏名】青木 智広
【氏名】杉浦 守男
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| 【要約】 |
【課題】都市ごみ、産業廃棄物等を焼却するにさいし、未燃分の残留を抑制する。
【解決手段】炉本体の下部に一次燃焼室を、同上部に二次燃焼室をそれぞれ設け、一次燃焼室と二次燃焼室との間に絞り部4を設けたごみ焼却炉である。絞り部4の水平断面形状を方形状とし、絞り部4の前後両壁4a、4bに、それぞれ絞り部4内に二次燃焼用空気を吹出すノズル18を2つずつ設ける。全てのノズル18を、全体として平面から見て千鳥配置状にする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 炉本体の下部に一次燃焼室が、同上部に二次燃焼室がそれぞれ設けられ、一次燃焼室と二次燃焼室との間に絞り部が設けられているごみ焼却炉において、絞り部の水平断面形状が方形状となされ、絞り部の相対向する2つの壁に、それぞれ絞り部内に二次燃焼用空気を吹出すノズルが設けられ、上記2つの壁のうちの一方の壁のノズルが、同他方の壁のノズルとは壁の幅方向にずれて設けられているごみ焼却炉。 【請求項2】 上記ノズルが3以上設けられ、全てのノズルが全体として平面から見て千鳥配置状となっている請求項1記載のごみ焼却炉。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、都市ごみや産業廃棄物を焼却するごみ焼却炉に関し、さらに詳しくは、炉本体の下部に一次燃焼室が、同上部に二次燃焼室がそれぞれ設けられ、一次燃焼室と二次燃焼室との間に絞り部が設けられているごみ焼却炉に関する。 【0002】 【従来の技術】この種ごみ焼却炉として、従来、絞り部の水平断面形状が方形状となされ、絞り部の4つの壁にそれぞれ絞り部内に二次燃焼用空気を吹出すノズルが1つずつ設けられ、全てのノズルの先端が1つの仮想円の接線方向を向いているものが知られている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、工業用テレビカメラによる炉内の燃焼状況の観察結果によれば、従来のごみ焼却炉では、一次燃焼室から流入してきた燃焼ガスと絞り部内に吹出された二次燃焼用空気の流れは、旋回流になるものの両者の混合は十分でないことが判明した。したがって、燃焼ガス中に含まれる未燃分はわずかであるが燃焼することなく排出されることになり、未燃分中に含まれる一酸化炭素、炭化水素類の等のダイオキシン前駆物質によって燃焼排ガス中で毒性の強いダイオキシン類が生成する。このダイオキシン類は、バッグフィルタ式集塵機により他の塵埃とともに捕集されるものの完全ではなく、排出基準が厳しくなる傾向にあること、また捕集灰の後処理の問題から、発生量を抑えることが望まれている。 【0004】この発明の目的は、上記問題を解決し、都市ごみ、産業廃棄物等を焼却するにさいし、未燃分の残留を抑制しうるごみ焼却炉を提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段と発明の効果】この発明によるごみ焼却炉は、炉本体の下部に一次燃焼室が、同上部に二次燃焼室がそれぞれ設けられ、一次燃焼室と二次燃焼室との間に絞り部が設けられているごみ焼却炉において、絞り部の水平断面形状が方形状となされ、絞り部の相対向する2つの壁に、それぞれ絞り部内に二次燃焼用空気を吹出すノズルが設けられ、上記2つの壁のうちの一方の壁のノズルが、同他方の壁のノズルとは壁の幅方向にずれて設けられているものである。 【0006】この発明のごみ焼却炉によれば、絞り部の水平断面形状が方形状となされ、絞り部の相対向する2つの壁に、それぞれ絞り部内に二次燃焼用空気を吹出すノズルが設けられ、上記2つの壁のうちの一方の壁のノズルが、同他方の壁のノズルとは壁の幅方向にずれて設けられているので、絞り部の全てのノズルから二次燃焼用空気を吹出すと、一次燃焼室から絞り部内に流入してきた燃焼ガスの流れ、または水蒸気、熱分解ガスおよび燃焼ガスの流れが乱され、これらの攪拌混合およびこれらと絞り部のノズルから吹出された二次燃焼用空気との攪拌混合が促進されるとともに、熱分解ガスの一部および燃焼ガス中の未燃分の一部を燃焼させることができる。したがって、絞り部およびこれに続く二次燃焼室において、未燃分はさらに燃焼させられ、その結果、従来のごみ焼却炉に比べてダイオキシン前駆物質を含む未燃分の量が減少し、ダイオキシン類の発生が未然に防止される。 【0007】この発明のごみ焼却炉において、上記ノズルが3以上設けられ、全てのノズルが全体として平面から見て千鳥配置状となっていることが好ましい。 【0008】この場合、一次燃焼室から絞り部内に流入してきた燃焼ガス、または水蒸気、熱分解ガスおよび燃焼ガスの攪拌混合およびこれらと絞り部のノズルから吹出された二次燃焼用空気との攪拌混合がより促進されるとともに、熱分解ガスの一部および燃焼ガス中の未燃分の一部を燃焼が促進される。したがって、絞り部およびこれに続く二次燃焼室において、未燃分はさらに燃焼させられ、その結果ダイオキシン前駆物質を含む未燃分が減少効果が向上する。 【0009】 【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。この実施形態は、この発明によるごみ焼却炉を、一次燃焼室の底部に流動床が形成される形式の流動床式ごみ焼却炉に適用したものである。 【0010】なお、以下の説明において、において、図1〜図3の左側を前、これと反対側を後というものとし、図2および図3の上側を左、これと反対側を右というものとする。 【0011】図1〜図3において、流動床式ごみ焼却炉は、炉本体(1) の下部に一次燃焼室(2) が、同上部に二次燃焼室(3) がそれぞれ設けられ、一次燃焼室(2) と二次燃焼室(3) との間に絞り部(4) が設けられたものである。 【0012】一次燃焼室(2) は水平断面形状が前後方向に長い方形状であり、その前壁(2a)の高さの中間部に、都市ごみ、産業廃棄物等を一次燃焼室(2) に送り込む被焼却物投入口(5) が形成されている。一次燃焼室(2) の底部には流動床(6) が形成されている。流動床(6) の前部は、被焼却物投入口(5) から送り込まれてきた被焼却物を加熱により乾燥させるとともに熱分解させる加熱ゾーン(7) となされ、同じく流動床(6) の後部は、加熱ゾーン(7) から送られてきた未分解残渣とチャーとの混合物を燃焼させる燃焼ゾーン(8) となされている。流動床(6) の加熱ゾーン(7) では、一次燃焼室(2) の底壁の前半部における後方に向かって下方に傾斜した傾斜壁(9) 上に配置された複数の散気管(11)により砂等の流動媒体を用いて流動層が形成されている。流動床(6) の燃焼ゾーン(8) では、一次燃焼室(2) の底壁の後半部に形成されかつ灰、不燃物および流動媒体の一部を排出する排出口(12)の上方に配置された複数の散気管(13)により砂等の流動媒体を用いて流動層が形成されている。流動媒体は、両ゾーン(7)(8)間で循環するようになっている。両ゾーン(7)(8)の散気管(11)(13)には配管(15)を通して一次燃焼用空気が供給されるようになっている。両散気管(11)(13)への一次燃焼用空気の供給量は、流動媒体により流動床(6) に所定高さの流動層が形成されるとともに、流動床(6)の両ゾーン(7)(8)の温度が所定温度に保持されるような量とされる。流動床(6)の両ゾーン(7)(8)の温度は、炉の大きさや被焼却物の質によって異なるが、被焼却物が、たとえば紙やプラスチックを多く含んだ燃えやすいものの場合、これらが瞬時に分解または燃焼することに起因する不安定燃焼化を防止する目的で、両ゾーン(7)(8)の温度は550〜650℃に保持される。 【0013】一次燃焼室(2) の後壁(2b)の上端部における左右方向中央部よりも若干右方寄りの部分に、一次燃焼室(2) 内に二次燃焼用空気を吹出す1つのノズル(14)(以下、第1ノズルと称する)が設けられている。第1ノズル(14)には、第1ノズル用配管(17)を通して空気が供給される。 【0014】絞り部(4) の水平断面形状は前後方向に若干長い方形状であり、左右方向の幅は一次燃焼室(2) の左右方向の幅と等しく、その前後方向の長さだけが一次燃焼室(2) の前後方向の長さよりも小さくなっている。絞り部(4) の前後両壁(4a)(4b)に、それぞれ絞り部(4) 内に二次燃焼用空気を吹出す複数、ここでは2つのノズル(18)(以下、第2ノズルと称する)が、左右方向に間隔をおいて設けられている。全ての第2ノズル(18)は、同一水平面内に位置するとともに全体として平面から見て千鳥配置となるように設けられている。こうして、前壁(4a)の第2ノズル(18)と、後壁(4b)の第2ノズル(18)とは、前後壁(4a)(4b)の幅方向、すなわち左右方向にずれて設けられている。全ての第2ノズル(18)には、第1ノズル(14)に二次燃焼用空気を供給する第1ノズル用配管(17)から分岐して伸びてきた第2ノズル用配管(21)により二次燃焼用空気が供給されるようになっている。 【0015】上記構成の流動床式ごみ焼却炉において、被焼却物を投入口(5) から一次燃焼室(2) の流動床(6) の加熱ゾーン(7) に送り込む。加熱ゾーン(7) では、燃焼ゾーン(8) から戻されてきた高温の流動媒体を用いて散気管(11)により流動層が形成されており、送り込まれてきた被焼却物が加熱乾燥させられるとともにその中のプラスチックが熱分解される。熱分解ガスおよび水蒸気は一次燃焼室(2) 内を上昇する。 【0016】加熱ゾーン(7) で発生した未分解残渣とチャーとの混合物は、流動媒体とともに燃焼ゾーン(8) に送られ、散気管(13)により形成されている流動層において燃焼させられる。燃焼ガスは一次燃焼室(2) 内を上昇する。灰、不燃物および流動媒体の一部は排出口(12)から炉本体(1) の外部に排出され、流動媒体だけが分離されて一次燃焼室(2) 内の流動床(6) に戻される。 【0017】第1ノズル(14)から二次燃焼用空気を吹出すと、図2に矢印で示すように、一次燃焼室(2) 内の上部に大きな1つの渦流が形成され、流動床(6) から上昇してきた水蒸気、熱分解ガスおよび燃焼ガスと、第1ノズル(14)から吹出された二次燃焼用空気とが攪拌混合させられるとともに、熱分解ガスの一部および燃焼ガス中の未燃分の一部が燃焼する。 【0018】水蒸気、熱分解ガスの残部、燃焼ガスおよび二次燃焼用空気の残部はさらに上昇して絞り部(4) に入り、絞り部(4) に設けられた全ての第2ノズル(18)から二次燃焼用空気を吹出すと、一次燃焼室(2) から絞り部(4) 内に流入してきた水蒸気、熱分解ガスの残部、燃焼ガスおよび二次燃焼用空気の残部の流れが一層乱され、これらの攪拌混合およびこれらと第2ノズル(18)から吹出された二次燃焼用空気との攪拌混合が促進されるとともに、熱分解ガスの一部および燃焼ガス中の未燃分の一部が燃焼する。 【0019】水蒸気、熱分解ガスの残部、燃焼ガスおよび二次燃焼用空気の残部はさらに上昇して二次燃焼室(3) 内に流入し、ここで熱分解ガスの残部および燃焼ガス中の未燃分の残部が燃焼する。こうして、完全燃焼化が促進され、ダイオキシン前駆物質を含む燃焼ガス中の未燃分が激減し、ダイオキシンの発生を未然に防止してダイオキシン含有量が極微量または含まない排ガスが大気中に放出される。 【0020】上記実施形態においては、第2ノズル(18)は、絞り部(4) の前後両壁(4a)(4b)に2つずつ設けられているが、第2ノズル(18)の数はこれに限定されるものではない。また、流動床(6) は加熱ゾーン(7) と燃焼ゾーン(8) とに分けられているが、これに限るものではなく、流動床(6) は、必ずしも加熱ゾーンと燃焼ゾーンとに分けられている必要はない。 【0021】上記実施形態においては、この発明によるごみ焼却炉が一次燃焼室の底部に流動床が形成される形式の流動床式ごみ焼却炉に適用されているが、これに限るものではなく、一次燃焼室の底部に火格子を有する火格子式ごみ焼却炉にも適用可能である。 【0022】次に、上記流動床式ごみ焼却炉を用いて行った具体的実施例を比較例とともに説明する。 【0023】実施例一次燃焼室(2) の前後方向の長さL1を1540mm、同左右方向の幅W1を635mm、一次燃焼室(2) の右壁(2c)内面から第1ノズル(14)までの距離D1を210mm、絞り部(4) の前後方向の長さL2を720mm、同左右方向の幅W2を635mm(絞り部(4) の水平断面積は0.4572m2 )、後壁(4b)の右側第2ノズル(18)の右壁(4c)内面からの距離D2を276mm、後壁(4b)の2つの第2ノズル(18)間の距離D3を166mm、前壁(4) の左側第2ノズル(18)の左壁(4d)からの距離D4を276mm、および前壁(4a)の2つの第2ノズル(18)間の距離D5を166mmとしておいた。そして、ごみ処理量376kg/h、一次燃焼用空気吹出し量1100Nm3 /h、第1ノズル(14)からの二次燃焼用空気吹出し量350Nm3 /h、第2ノズル(18)からの二次燃焼用空気吹出し量350Nm3 /h、ごみ焼却炉の出口温度約880℃という条件で8時間操業し、その時に発現したCOピークとそのCOピーク時のO2 量を調べた。COピークとは、ごみ性状が一定しないため、ごみが被焼却物投入口(5) から急激に落下したり、ごみ中のプラスチック分が多くなったりして一時的に酸素不足になった非定常状態の燃焼の場合に発生するものである。 【0024】比較例絞り部(4) の4つの壁にそれぞれ二次燃焼用空気を吹出すノズルを1つずつ設け、全てのノズルの先端が1つの仮想円の接線方向を向いているようにし、全てのノズルから吹出される二次燃焼用空気の量が合計で700Nm3 /hとしたこと以外は、上記実施例の場合と同様な条件で発現したCOピークとそのCOピーク時のO2 量を調べた。 【0025】実施例および比較例の結果を図4に示す。図4から明らかなように、実施例では比較例に比べて、O2 量が少ない場合であってもCOの発生量が少ないことが分かる。したがって、実施例では、ごみが被焼却物投入口(5) から急激に落下したり、ごみ中のプラスチック分が多くなったりして一時的に酸素不足になったとしても、COの発生が少なくなる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005119 【氏名又は名称】日立造船株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)4月24日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】岸本 瑛之助 (外4名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−304124 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)11月5日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−114518 |
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