| 【発明の名称】 |
ごみ処理施設の排ガス処理設備及びその操業方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】日野 保義
【氏名】宮谷 寿博
【氏名】小林 淳志
【氏名】太田 将樹
【氏名】小野 義広
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| 【要約】 |
【課題】活性コークスや活性炭等の粉末吸着剤を含む集じん灰が発火温度に達しないように、安全に操業できるごみ処理施設の排ガス処理設備及びその操業方法の提供。
【解決手段】ごみ処理施設から排出される排ガス中の灰を除去するとともに、排ガス中に粉末吸着剤を吹き込んでダイオキシン類を除去する排ガス処理設備において、活性炭含有集じん灰が堆積する機器1,2,3に機器内ガス温度または粉末吸着剤含有集じん灰の温度を測定する温度計TE、及び前記機器内における粉末吸着剤含有集じん灰の堆積高さを測定するレベル計LSを配置し、粉末吸着剤含有集じん灰が発火温度へ昇温しない内部温度及び堆積高さを超えないように、粉末吸着剤含有集じん灰の堆積高さと内部温度を管理する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ごみ処理施設から排出される排ガス中の灰を除去するとともに、排ガス中に粉末吸着剤を吹き込んでダイオキシン類を除去する排ガス処理設備において、粉末吸着剤含有集じん灰が堆積する機器に機器内ガス温度または粉末吸着剤含有集じん灰の温度を測定する温度計、及び前記機器内における粉末吸着剤含有集じん灰の堆積高さを測定するレベル計を配置し、粉末吸着剤含有集じん灰が発火温度へ昇温しない内部温度及び堆積高さを超えないように、内部温度及び粉末吸着剤含有集じん灰の堆積高さを管理するための測定手段を有するごみ処理施設の排ガス処理設備。 【請求項2】 前記機器が冷却・消火用ガス吹き込み装置を備えていることを特徴とする請求項1記載のごみ処理施設の排ガス処理設備。 【請求項3】 ごみ処理施設から排出される排ガス中の灰を除去するとともに、排ガス中に粉末吸着剤を添加してダイオキシン類を除去する排ガス処理設備の操業方法であって、予め求めた粉末吸着剤含有集じん灰の堆積高さに対応した粉末吸着剤含有集じん灰が発火温度へ昇温しない内部温度及び前記堆積高さを超えないように、内部温度と粉末吸着剤含有集じん灰の堆積高さを管理することを特徴とするごみ処理施設の排ガス処理設備の操業方法。 【請求項4】 粉末吸着剤含有集じん灰が堆積する機器内の粉末吸着剤含有集じん灰の温度が管理温度以上に上昇した場合に、前記機器内に冷却・消火用ガスを吹き込むことを特徴とする請求項3記載のごみ処理施設の排ガス処理設備の操業方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ごみ処理施設から排出される排ガス中の灰を除去するとともに、排ガス中に粉末吸着剤を添加してダイオキシン類を除去する排ガス処理設備及びその操業方法に関する。なお、本願明細書において、「粉末吸着剤」とは、活性コークスや活性炭等の粉末表面の細孔により排ガス中のダイオキシン類を吸着除去する吸着剤である。また、「ダイオキシン類」とは、ポリ塩化ジベンゾパラジオキシン(PCDDs)及びポリ塩化ジベンゾフラン(PCDFs)の総称である。 【0002】 【従来の技術】一般廃棄物、産業廃棄物等の廃棄物は、ごみ焼却炉、廃棄物溶融炉等のごみ処理施設で処理され、ごみ処理施設から排出される排ガスは、排ガス処理設備で処理されている。 【0003】ごみ処理施設のごみ焼却炉あるいは廃棄物溶融炉等から排出される燃焼排ガスは、ガス冷却用のボイラ及び排ガス温度調節器等で150〜200℃程度に冷却する。 【0004】図4は従来の排ガス処理の1例を示す系統図で、排ガス温度調節器で冷却された排ガスは、バグフィルター等の集じん器1を経て誘引通風機により煙突に送られ、大気に放出される。 【0005】集じん器1で集じんされた灰は、集じん灰搬送用ホッパー2に取り出され、搬送空気により集じん灰貯槽3に搬送する。集じん灰貯槽3から取り出した集じん灰は、薬剤、水等を添加して無害化処理し、処理物貯槽4を経て最終処分される。 【0006】ごみ処理施設から排出される排ガスには、ダイオキシン類が存在するが、ダイオキシン類は有害物質であるため、放出する排ガス中のダイオキシン類濃度を規制値以下の濃度レベルに低下させる必要がある。そこで、ダイオキシン類の濃度を低下させるため、排ガス処理設備でダイオキシン類を除去する方式の1つに、集じん器1の前段で粉末吸着剤供給装置から粉末吸着剤を排ガス中に吹き込み、排ガス中のダイオキシン類を吸着除去する方式がある。粉末吸着剤の供給方法には、単独供給方法と、塩化水素を処理するための消石灰と混合して供給する方式がある。粉末吸着剤によるダイオキシン類吸着除去方式は、他の方式に比べ、設備費、維持管理費ともに安価であり、ダイオキシン類の除去対策として注目されている。 【0007】図4は、集じん器1に排ガスを導入する前に、排ガス中に粉末吸着剤を吹き込んでダイオキシン類を吸着し、排ガス中の灰とともに集じん器1で捕集する。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】ところが、集じん器、集じん灰搬送用ホッパーあるいは集じん灰貯槽等の機器内で堆積する粉末吸着剤含有集じん灰の温度が、時間が経過するとともに、上昇し続け、その結果、粉末吸着剤は、可燃性物質のため、条件によっては発火の可能性があり、その取扱いを誤ると災害につながる危険が予測された。その原因について検討した結果、集じん灰中には、粉末粉末吸着剤の酸化を促進する作用があると考えられた。 【0009】そこで、粉末吸着剤、集じん灰、粉末吸着剤と集じん灰との混合物の3種類について内部温度を一定にして時間と温度上昇の関係について検討した。 【0010】図3は粉末吸着剤、集じん灰、粉末吸着剤と集じん灰との混合物について、経過時間と温度の関係を示したグラフである。試験は、試料の堆積高さを95mmとし、内部温度を240℃にして、経過時間と試料の温度を測定した。 【0011】粉末吸着剤は、時間の経過とともに、緩やかな酸化反応により温度が内部温度240℃よりやや上昇するが、やがて温度が下がっていき内部温度240℃に近づいていく傾向にあり、高温になることはなかった。 【0012】集じん灰は、時間と共に内部温度に近づき、内部温度になるとそれ以上の温度に上昇していくことはなかった。 【0013】これに対して、粉末吸着剤と集じん灰との混合物は、内部温度に達した後も温度上昇が続き、時間の経過とともに、温度は下がることなく、そのまま上昇し、ついには発火した。 【0014】そこで、本発明は、粉末吸着剤を含む集じん灰が発火温度に達しないように、安全に操業できるごみ処理施設の排ガス処理設備及びその操業方法を提供するものである。 【0015】 【課題を解決するための手段】本発明のごみ処理施設の排ガス処理設備は、ごみ処理施設から排出される排ガス中の灰を除去するとともに、排ガス中に粉末吸着剤を吹き込んでダイオキシン類を除去する排ガス処理設備において、粉末吸着剤含有集じん灰が堆積する機器に機器内ガス温度または粉末吸着剤含有集じん灰の温度を測定する温度計、及び前記機器内における粉末吸着剤含有集じん灰の堆積高さを測定するレベル計を配置し、粉末吸着剤含有集じん灰が発火温度へ昇温しない内部温度及び堆積高さを超えないように、内部温度及び粉末吸着剤含有集じん灰の堆積高さを管理するための測定手段を有し、さらに、前記機器に冷却・消火用ガス吹き込み装置を設けてもよい。 【0016】また、本発明のごみ処理施設の排ガス処理設備の操業方法は、ごみ処理施設から排出される排ガス中の灰を除去するとともに、排ガス中に粉末吸着剤を添加してダイオキシン類を除去する排ガス処理設備の操業方法であって、予め求めた粉末吸着剤含有集じん灰が発火温度へ昇温しない内部温度及び堆積高さを超えないように、内部温度及び粉末吸着剤含有集じん灰の堆積高さを管理することを特徴とし、さらに、粉末吸着剤含有集じん灰が堆積する機器内の粉末吸着剤含有集じん灰の温度が管理温度以上に上昇した場合に、前記機器内に冷却・消火用ガスを吹き込むようにしてもよい。 【0017】 【発明の実施の形態】粉末吸着剤含有集じん灰の温度上昇について実験し検討した結果、粉末吸着剤含有集じん灰の発火温度への上昇は、雰囲気温度と粉末吸着剤含有集じん灰の堆積高さとに関係することを知見した。 【0018】図2は、内部温度により粉末吸着剤と集じん灰との混合物の堆積高さと発火温度の関係を実験により求めたグラフで、混合物中の炭素含有量が約6重量%の例である。図2から明らかなとおり、粉末吸着剤と集じん灰との混合物の堆積高さが大きくなるにつれて、混合物の温度が低い雰囲気温度でもその温度を超え、発火温度へ上昇していく。例えば、堆積高さが500mmの場合、雰囲気温度が150℃弱までは混合物の温度が雰囲気温度を超えず、発火温度まで上昇することはない(×印)。しかし、雰囲気温度が150℃を超えると、混合物の温度が雰囲気温度を超えて発火温度へと上昇していく(○印)。このことから、粉末吸着剤含有集じん灰が発火温度に上昇しない臨界の堆積高さ及び臨界の雰囲気温度が求まる。 【0019】この結果から、粉末吸着剤含有集じん灰を取り扱う場合、雰囲気温度に応じて粉末吸着剤含有集じん灰の堆積高さを粉末吸着剤含有集じん灰が発火温度に上昇しない臨界の堆積高さ以下にするか、あるいは雰囲気温度を粉末吸着剤含有集じん灰の堆積高さに応じた粉末吸着剤含有集じん灰が発火温度に上昇しない臨界の雰囲気温度以下にすれば、安全に操業できることが明らかとなった。 【0020】図1は、本発明の操業方法を適用したごみ処理施設の排ガス処理設備の一例を示す系統図である。 【0021】ごみ焼却炉、廃棄物溶融炉等のごみ処理炉から排出される燃焼排ガスをガス冷却用のボイラ及び排ガス温度調節器等で150〜200℃程度に冷却し、集じん器の前段で粉末吸着剤を排ガス中に吹き込み、排ガス中のダイオキシン類を吸着除去し、排ガスは大気に放出する。 【0022】集じん器1で集じんされた粉末吸着剤含有集じん灰は、集じん灰搬送用ホッパー2に送り、搬送空気により集じん灰貯槽3に気送する。集じん灰貯槽3から取り出した集じん灰は、無害化処理し、処理物貯槽4を経て最終処分する。 【0023】粉末吸着剤含有集じん灰が堆積する機器、例えば、集じん器1、集じん灰搬送用ホッパー2及び集じん灰貯槽3には、温度計TE及びレベル計LSを配置し、機器内ガス温度または粉末吸着剤含有集じん灰の温度及び堆積高さを測定する。また、各機器には、温度上昇あるいは発火した際に窒素ガス等の冷却あるいは消火用ガスを吹き込む冷却・消火用ガス吹き込み装置5を設けてもよい。 【0024】以上の構成において、粉末吸着剤含有集じん灰が堆積する機器に設けた温度計及びレベル計により粉末吸着剤含有集じん灰の温度及び堆積高さを監視し、粉末吸着剤含有集じん灰が発火温度に昇温しない内部温度及び前記堆積高さに基づいて、粉末吸着剤含有集じん灰の堆積高さと内部温度以下となるように管理する。機器内ガス温度または粉末吸着剤含有集じん灰の温度及び堆積高さが、管理値を超えるおそれがあるとき、あるいは超えた時には、機器に消火用ガスを吹き込み、冷却あるいは消火する。 【0025】 【発明の効果】本発明により、発火の予知ができるので、粉末吸着剤を含む集じん灰が発火温度に達しないように、安全に操業することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006655 【氏名又は名称】新日本製鐵株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)2月17日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】小堀 益 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−230529 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)8月27日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−35024 |
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