| 【発明の名称】 |
攪拌式廃棄物ガス化焼却炉 |
| 【発明者】 |
【氏名】山田 洋輔
|
| 【要約】 |
【課題】加熱効率及び攪拌効率を向上した攪拌式廃棄物ガス化焼却炉を提供する。
【解決手段】加熱装置を備えた加熱シリンダ1を設けて、その内部にガス又は電気で加熱する攪拌軸17を設けて、廃棄物9を攪拌して熱分解するようにしたことを特徴とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 加熱シリンダ(1)内に、軸回転により廃棄物(9)を攪拌する攪拌手段を備えてなり、供給された廃棄物(9)を外気酸素を遮断して高温蒸し焼きして熱分解する攪拌式廃棄物ガス化焼却炉。 【請求項2】 請求項1記載の攪拌式廃棄物ガス化焼却炉において、加熱シリンダ(1)は、筒状で、投入された廃棄物(9)を高温加熱可能であり、攪拌手段は、加熱シリンダ(1)の中心軸周りに回転可能で、内部より加熱可能な攪拌軸(17)と、攪拌軸(17)に複数設けられて、内部より加熱可能でかつ廃棄物(9)を攪拌し排出口へ移動させる形状になっている棒状の羽体(6)とからなる攪拌式廃棄物ガス化焼却炉。 【請求項3】 請求項1又は2記載の攪拌式廃棄物ガス化焼却炉において、加熱シリンダ(1)内部の廃棄物(9)の滞留時間を調整する排出調整手段を備えてなり、排出調整手段は、加熱シリンダ(1)の後端側に設けられて、蒸し焼き未完了のときに発生する残留熱分解ガスを検出するガス検出手段(16)と、ガス検出手段(16)の検出結果により弁の開度を調整する排出調整弁(5)と、攪拌軸(17)の回転を制御する減速機(7)とからなる攪拌式廃棄物ガス化焼却炉。 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の攪拌式廃棄物ガス化焼却炉において、加熱シリンダ(1)の供給口側に設けられ、廃棄物(9)を酸素を絶って定量的にプランジャ(15)により加熱シリンダ(1)内に押し込み可能なプランジャ装置(10)を備えてなる攪拌式廃棄物ガス化焼却炉。 【請求項5】 請求項2〜4のいずれかに記載の攪拌式廃棄物ガス化焼却炉において、攪拌軸(17)は、後端側にスリップリング(14)を備えてなり、加熱ガス又は電気ヒータによりスリップリング(14)を介して、攪拌軸(17)及び羽体(6)を約500度〜700度に加熱昇温可能にした攪拌式廃棄物ガス化焼却炉。 【請求項6】 請求項2〜5のいずれかに記載の攪拌式廃棄物ガス化焼却炉において、羽体(6)は、円柱状でその外周面の一部に平面が形成され、羽体(6)の平面に接触した廃棄物(9)を排出口方向やその逆方向に飛ばすようにした攪拌式廃棄物ガス化焼却炉。 【請求項7】 廃棄物(9)を貯蔵可能なホッパ(8)と、ホッパ(8)の底部側に開口形成された収納孔(18)を介して、ホッパ(8)内の廃棄物(9)を定量的に押し込み供給可能な押し込み装置(12)と、収納孔(18)から供給された廃棄物(9)を酸素を絶った状態でプランジャ(15)により押し込み供給可能なプランジャ装置(10)と、プランジャ装置(10)より押し込まれた廃棄物(9)を内部で高温加熱可能な筒状の加熱シリンダ(1)と、加熱シリンダ(1)の中心軸周りに回転可能で、内部より加熱可能な攪拌軸(17)と、攪拌軸(17)に複数設けられて、内部より加熱可能で、かつ攪拌軸(17)の回転時に加熱シリンダ(1)内の廃棄物(9)を攪拌移動可能な羽体(6)と、加熱シリンダ(1)内部の廃棄物(9)の滞留時間を調整する排出調整手段と、加熱シリンダ(1)の熱分解残滓排出口(4)から排出された焼却灰等の残滓を高温溶融する灰溶融炉とを備えてなり、排出調整手段は、加熱シリンダ(1)の後端側に設けられて、熱分解ガスを検出するガス検出手段(16)と、ガス検出手段(16)の検出結果により弁の開度を調整する排出調整弁(5)と、攪拌軸(17)の回転を制御する減速機(7)とからなる攪拌式廃棄物ガス化焼却炉。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、一般廃棄物又は産業廃棄物等を外気酸素を遮断して蒸し焼き焼却する攪拌式廃棄物ガス化焼却炉に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、焼却炉において運転開始時や停止時に特に発生しやすいダイオキシンを抑制するために、蒸し焼きロータリーキルン方式の焼却炉が使用されてきている。ロータリーキルン方式は、図4に示すように、熱分解ドラム21内で、スクリューフィーダ25を通って供給された廃棄物20を加熱しながら攪拌及び混合し、熱分解して発生する分解ガスを回収して、燃え殻(焼却灰)を溶融する炉の熱源として利用するようにするものである。22は加熱ガスの入口であり、23は熱分解ガスの排出口である。スクリューフィーダ25は、廃棄物20を攪拌して熱分解ドラム21に供給するが、スクリューの形状がスパイラル状であり、投入可能な廃棄物20の大きさはこのスクリューの溝の深さ及び幅寸法により決定される。例えば、従来は、シリンダ内のスクリューの溝の深さと幅で廃棄物の大きさが決定されており、約150mm程度が限度とされている。 【0003】熱分解ドラム21は、図5に示すように内部に加熱チューブ24を多数長手方向に備えている。かかる熱分解ドラム21は、直径約1.2m〜2mで長さ約30〜50mの大型のパイプであり、約1.5rpmで回転しながら、約1時間かけて内部の廃棄物20を蒸し焼きするものである。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記ロータリーキルン方式の焼却炉では、以下の問題点を有している。 (1) 熱分解ドラム21が大型であり回転速度が約1.5rpmと非常に遅いために、熱伝導が遅く加熱効率が低く、攪拌効率が悪いという問題点がある。このため、熱分解ドラム21を高速回転しようとしても、直径約1.2m〜2mで長さ約30〜50mの大型のパイプを高速回転させることは構造上不可能であり、回転速度に限界がある。 【0005】(2) 燃え殻の排出効率は、熱分解ドラム21の回転数及び傾斜角度で決定されてしまうため、運転条件に自由度がない。 (3) 廃棄物20の加熱温度は、熱分解ドラム21の内側に設けられた加熱チューブ24との接触による熱伝導が大部分であるが、熱分解ドラム21の回転が非常に遅いため、廃棄物の昇温及び分解に約1時間を要し、時間がかかりすぎることと、一般及び産業廃棄物に対する加熱チューブの強度と摩耗対策が十分でない。 【0006】(4) 廃棄物20を熱分解ドラム21に投入する際、回転スクリュー形状のスクリューフィーダ25を通っていくが、投入可能な廃棄物の大きさがスクリューフィーダ25のスクリューの溝の深さ及び幅寸法により決まるので、大型の廃棄物の場合には、それを投入可能な大きさにする前処理破砕が必要となり、手間がかかる。 【0007】(5) また、スクリューフィーダ25の溝部分に廃棄物が充満していない場合には、その空間部分より分解ガスが逆噴射することがあったり、外気酸素の完全な遮断は不可能になる。 (6) 更に、ロータリーキルン方式の焼却炉は、非常に構成が大型で複雑な配管工事を伴うため、設置スペースが広すぎて、装置自体が非常に高価である。 【0008】本発明は、上記問題点を解決することを目的としている。すなわち、本発明は加熱効率及び攪拌効率を向上した攪拌式廃棄物ガス化焼却炉を提供することを目的としている。また、本発明は運転条件を自由に設定できるような攪拌式廃棄物ガス化焼却炉を提供することを目的としている。 【0009】更に、本発明は、加熱昇温及び分解時間を短縮化した攪拌式廃棄物ガス化焼却炉を提供することを目的としている。本発明は、大型の廃棄物の前処理の必要がなく、大きさに関係なく廃棄物を投入することが可能な攪拌式廃棄物ガス化焼却炉を提供することを目的としている。 【0010】更に、本発明は、分解ガスが逆噴射するようなことのない攪拌式廃棄物ガス化焼却炉を提供することを目的としている。また、本発明は、構成が簡易で安価な攪拌式廃棄物ガス化焼却炉を提供することを目的としている。 【0011】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明のうち、請求項1記載の発明は、加熱シリンダ内で、攪拌手段の軸回転により、供給された廃棄物を外気酸素を遮断して高温蒸し焼きしながら攪拌して熱分解し、可燃性ガスを発生させる。ここで攪拌手段とは、加熱シリンダ内においてその回転により廃棄物を攪拌することが可能なものをいい、軸周りに回転可能なものであれば良い。 【0012】この、攪拌手段の回転による廃棄物同志の衝突によって発生する自己発熱及び加熱シリンダによる加熱とにより廃棄物が急速に熱分解する。請求項2記載の発明は、請求項1記載の攪拌式廃棄物ガス化焼却炉において、加熱シリンダ(1)は、筒状で、投入された廃棄物(9)を高温加熱可能であり、攪拌手段は、加熱シリンダ(1)の中心軸周りに回転可能で、内部より加熱可能な攪拌軸(17)と、攪拌軸(17)に複数設けられて、内部より加熱可能でかつ廃棄物(9)を攪拌移送する棒状の羽体(6)とからなる。 【0013】かかる構成により、加熱シリンダ(1)内部の廃棄物(9)を羽体(6)の回転による摩擦熱とシリンダーからの熱供給により熱分解して分解ガスとして排出し、回転により熱分解した廃棄物(9)の焼却灰等の残滓を押し出して排出するようにするものである。請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の攪拌式廃棄物ガス化焼却炉において、加熱シリンダ(1)内部の廃棄物(9)の滞留時間を調整する排出調整手段を備えてなり、排出調整手段は、加熱シリンダ(1)の後端側に設けられて、蒸し焼き未完了のときに発生る残留熱分解ガスを検出するガス検出手段(16)と、ガス検出手段(16)の検出結果により弁の開度を調整する排出調整弁(5)と、攪拌軸(17)の回転を制御する減速機(7)とからなる。 【0014】かかる構成により、排出が早すぎるために、分解ガスの噴出中に廃棄物(9)が出てくるような場合、ガス検出手段(16)により検知されて、排出調整弁(5)を絞り込んで、廃棄物(9)の加熱シリンダ(1)内における滞留時間を調整する。排出調整弁(5)の開度は、分解ガスの検知量により常時変化するようになっている。また、減速機(7)により、攪拌軸(17)の回転速度を調整することによって攪拌速度も調整可能であるので、分解時間も調整が可能となる。なお、例えば、攪拌軸(17)の回転は約100〜150rpmとすることも可能である。 【0015】請求項4記載の発明は、請求項2又は3記載の攪拌式廃棄物ガス化焼却炉において、加熱シリンダ(1)の供給口側に設けられ、廃棄物(9)を酸素を絶って定量的にプランジャ(15)により加熱シリンダ(1)内に押し込み可能なプランジャ装置(10)を備えてなるものである。 【0016】プランジャ(15)により定量的に押し込むようにしたので、従来のようにスクリューフィーダ等が不要となり、廃棄物(9)を直接加熱シリンダ内に投入することができる。請求項5記載の発明は、請求項2〜4のいずれかに記載の攪拌式廃棄物ガス化焼却炉において、攪拌軸(17)は、後端側にスリップリング(14)を備えてなり、加熱ガス又は鉄鋳込み電気ヒータによりスリップリング(14)を介して、攪拌軸(17)及び羽体(6)を500度〜700度に加熱昇温可能にしたものである。 【0017】かかる構成により、攪拌軸(17)を高温加熱保持することが可能となるので、廃棄物(9)の加熱を均一で且つ効果的に行うことができる。請求項6記載の発明は、請求項2又は3記載の攪拌式廃棄物ガス化焼却炉において、羽体(6)は、円柱状でその外周面の一部に平面が形成され、内部にヒータを内蔵しており、羽体(6)の平面に接触した廃棄物(9)を排出口方向やその逆方向に飛ばすようにしたものである。 【0018】羽体(6)の外周面の一部に平面を設けることにより、廃棄物(9)を排出方向又は逆方向に効果的に飛ばすことが可能となる。請求項7記載の発明は、廃棄物(9)を貯蔵可能なホッパ(8)と、ホッパ(8)の底部側に開口形成された収納孔(18)を介して、ホッパ(8)内の廃棄物(9)を定量的に押し込み供給可能な押し込み装置(12)と、収納孔(18)から供給された廃棄物(9)を酸素を絶った状態でプランジャ(15)により押し込み供給可能なプランジャ装置(10)と、プランジャ装置(10)より押し込まれた廃棄物(9)を内部で高温加熱可能な筒状の加熱シリンダ(1)と、加熱シリンダ(1)の中心軸周りに回転可能な攪拌軸(17)と、攪拌軸(17)に複数設けられて、内部より加熱可能で、かつ攪拌軸(17)の回転時に加熱シリンダ(1)内の廃棄物(9)を攪拌移動可能な羽体(6)と、加熱シリンダ(1)内部の廃棄物(9)の滞留時間を調整する排出調整手段と、加熱シリンダ(1)の熱分解残滓排出口(4)から排出された焼却灰等の残滓を高温溶融する灰溶融炉とを備えてなり、排出調整手段は、加熱シリンダ(1)の後端側に設けられて、熱分解ガスを検出するガス検出手段(16)と、ガス検出手段(16)の検出結果により弁の開度を調整する排出調整弁(5)と、攪拌軸(17)の回転を制御する減速機(7)とからなる。 【0019】灰溶融炉を設けることにより、焼却灰等の残滓を高温溶融してスラグ化して再利用することが可能となる。灰溶融炉は、例えば、約1300〜1400度で高温溶融するのが好ましい。 【0020】 【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について、図を参照して以下に詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態を示す概要断面構成図、図2は、図1のプランジャ装置により送り込まれた廃棄物の収納孔を示す説明図であり、(a)は、楕円孔の収納孔、(b)は、円形の収納孔を示す。図3は、攪拌軸の羽体の断面形状を示す図である。 【0021】本発明の実施の形態の攪拌式廃棄物ガス化焼却炉は、図1に示すように、廃棄物9を攪拌しながら高温蒸し焼きし、それにより発生する熱分解ガス及び焼却灰を燃料として再利用するものであり、基本的に、廃棄物9を貯蔵可能なホッパ8と、ホッパ8の底部側に開口形成された収納孔18を介して、ホッパ8内の廃棄物9を定量的に押し込み供給可能な押し込み装置12と、収納孔18から供給された廃棄物9を酸素を絶った状態でプランジャ15により押し込み供給可能なプランジャ装置10と、プランジャ装置10より押し込まれた廃棄物9を内部で高温加熱可能な筒状の加熱シリンダ1と、加熱シリンダ1の中心軸周りに回転可能で、内部より加熱可能な攪拌軸17と、攪拌軸17に複数設けられて、内部より加熱可能で、かつ攪拌軸17の回転時に加熱シリンダ1内の廃棄物9を攪拌可能な羽体6と、加熱シリンダ1内部の廃棄物9の滞留時間を調整する排出調整手段と、加熱シリンダ1の熱分解残滓排出口4から排出された焼却灰等の残滓を高温溶融する灰溶融炉とからなる。排出調整手段は、加熱シリンダ1の後端側に設けられて、熱分解ガスを検出する分解ガス検出手段16と、分解ガス検出手段16の検出結果により弁の開度を調整する排出調整弁5と、攪拌軸17の回転を制御する減速機7とからなる。以下に、詳細に説明する。 【0022】ホッパ8は、加熱シリンダ1へ供給する廃棄物9を貯蔵するための容器であり、図のように漏斗状となっている。ホッパ8の上方には、押し込み装置12が設けられている。押し込み装置12は突き棒を有しており、その突き棒によってホッパ8内の廃棄物9を、ホッパ8の底面側においてプランジャ装置10の上部に開口形成された収納孔18を介してプランジャ装置10内に定量ずつ落とし込むものである。 【0023】ところで、プランジャ装置10は、廃棄物9内に酸素を含まないように加熱シリンダ1に供給するため、真空引きベントを設けるようにするのが好適である。なお、廃棄物ホッパ8を真空ホッパとするようにしても良い。また、加熱シリンダ1とプランジャ装置10との接続部分には、金属等によるシール11が施工されて、酸素が流入しないようにする。 【0024】プランジャ装置10に投入された廃棄物9が、プランジャ装置10の収納孔18より上部に飛び出している場合、プランジャ装置10が作動しにくくなるため、押し込み装置12の突き棒により廃棄物9をプランジャ装置10内に完全に押し込む。押し込めない場合には、プランジャ装置10のプランジャ15と押し込み装置12の突き棒を交互に作動させて、プランジャ装置10の作動可能な程度まで、廃棄物9をプランジャ装置10内に押し込んで一定の体積となるように圧縮する。収納孔18は、図2(a)のように、楕円孔18aでも良く、また図2(b)のような円形孔18bであっても良い。押し込み装置12による押し込みのタイミングは、加熱シリンダ1内部の処理時間に合わせるようにして、例えば、約5分程度の間隔で連続的に押し込むようにしても良い。 【0025】投入する廃棄物9の大きさは、加熱シリンダ1の入口直径及び収納孔18の大きさにより決定されるので、加熱シリンダ1の入口直径及び収納孔18の直径が例えば、300mmであれば、直径300mm以内の大きさの廃棄物9であれば投入できる。このため、大型の廃棄物9であっても、予め破砕処理する必要がない。加熱シリンダ1の入口直径及び収納孔18の直径をこれよりも大きくすれば、更に大型の廃棄物9であっても破砕処理せずに、投入が可能となる。 【0026】加熱シリンダ1は、中空円筒状で、例えば、直径約90cm〜5m程度の大きさのものが実用的である。なお、大きさはこれに限定されず、処理する廃棄物9の種類と大きさに合わせて変更することが可能である。加熱シリンダ1は、外周に設けられた電気ヒータ等により、内部の廃棄物9を加熱する。加熱シリンダ1は、架台13により固定されており、また、図中右側で後端側の上部に、熱分解ガス排出口3を開口形成し、下側に熱分解残滓排出口4を開口形成している。熱分解ガス排出口3より、加熱シリンダ1内部で廃棄物9が熱分解したときに発生する一酸化炭素、亜硫酸ガス等の熱分解ガス等が排出されて、ボイラー又は灰溶融炉等の燃料として再利用される。また、焼却灰等の残滓は熱分解残滓排出口4から、スクリュー6の押し出しにより排出される。 【0027】攪拌軸17は、加熱シリンダ1内でその中心軸上に設けられており、後端側に設けられている減速機7により速度制御される。例えば、攪拌軸17の回転速度を約100〜150rpmとすることも可能である。このように、攪拌軸17を減速機7により回転制御するようにしているので、攪拌軸17を高速回転することができ、例えば、約30分程度と短時間で廃棄物9の熱分解を行うことができる。また、減速機7の調整により、回転速度を自由に調節できるので、分解速度を加減することが容易にできる。このため、ガス検出器16からの検出結果により、分解速度を調節するようにすることも可能となる。 【0028】羽体6は、攪拌軸17に等間隔で軸方向に対して上下左右に配されている。羽体6の形状は、図3に断面を示すように、円柱状で断面において、一部に傾斜を形成して、その推力により廃棄物9を目的方向へ送るようにしている。傾斜角度は、排出する速度等によって、調節するものとし、廃棄物9が早く排出しすぎず適度な量となるような傾斜角度とするのが好ましい。 【0029】攪拌軸17及び羽体6は、ヒータを内蔵している。ヒータは、例えば、鉄鋳込みのヒータとする。これは、シーズヒータを鉄筒内部に鋳込んだもの等を使用すると、温度むらがなく熱効率が良い。また、鉄を使用するのは、溶融温度が高いためである。鉄鋳込みのヒータであるので、工事が容易であり、コストも安価である。これらのヒータは、攪拌軸17の後端側に設けられたスリップリング14を介して加熱昇温される。電気ヒータとすると、メンテナンスが容易であり好適である。 【0030】加熱シリンダ1の内部に投入される廃棄物9は、加熱シリンダ1の外周に設けられた電気ヒータ等による加熱と、攪拌軸17及び羽体6の内部のヒータによる加熱と、羽体6による攪拌による摩擦発熱とにより、酸素のない状態で万遍なく加熱昇温されて約250〜450℃で蒸し焼きされて、熱分解してガスを発生する。熱分解ガスは、冷却器を経て排気ポンプによって、圧力タンクに収納されて、発電のためのボイラー用燃料又は燃え殻を溶融する灰溶融炉用燃料として利用される。 【0031】本実施の形態では、かかる構成により、加熱シリンダ1内部の廃棄物9を、羽体6による攪拌によって、廃棄物9同士を衝突させて摩擦を生じさせ、自己発熱により熱分解ガスを発生させるようにしている。さらに、熱分解した後の廃棄物9の焼却灰等の燃え殻を押し出して排出するようにするものである。これにより、熱分解速度が著しく短縮可能となる。例えば、上述のように30分程度で熱分解することも可能であり、従来のロータリーキルン方式の焼却炉よりも1/2程度の時間で焼却処理することができる。 【0032】分解を終了すると、焼却灰等の燃え殻は攪拌軸17により押し出されて熱分解残滓排出口4から外部の図示しない灰溶融炉へと送出される。灰溶融炉は、約1300〜1400℃でこれらの燃え殻を高温溶融してスラグ化して再利用可能とする。このとき、排出が早すぎると、分解ガスが噴出中の廃棄物9が熱分解残滓排出口4から出てくる場合がある。このような場合、排出口4近傍に設けられたガス検出器16の検知により、排出調整弁5を絞り込んで、残滓を出にくくして排気物9の加熱シリンダ1内での滞留時間を調整する。排出調整弁5の開度は、分解ガスの検知量により常時変化するようになっている。廃棄物9は地区,時期等の条件により、その内容が変わるので、廃棄物の内容や種類により発生するガスの種類も変わるため、ガス検出器16、排出調整弁5又は減速機7の回転速度による調整が必要となる。 【0033】 【発明の効果】本発明は、以上のように構成されているため、次のような効果を得ることができる。すなわち、本発明は、従来の回転する熱分解ドラムの代わりに、加熱装置を備えた加熱シリンダ内に攪拌手段を設けて廃棄物を攪拌し、熱分解するようにしたので、加熱効率及び攪拌効率が格段に向上させることができる。 【0034】また、攪拌軸を回転させるようにする構成により、攪拌軸の回転数を自由に調節することができ、燃え殻の排出効率又は分解ガス発生時間等の運転条件を自由に設定することができる。更に、従来のようにスクリューフィーダの溝形状により左右されないため、大型廃棄物の投入が可能となる。更に、プランジャ装置による押し込みにより、廃棄物を加熱シリンダに送り込むようにしているので、分解ガスの逆噴射を防止し外気(酸素)の流入を防止することが出来る。 【0035】また、本発明は、構成が簡易であり、装置を安価に製造することができ、且つ小型化が可能となる。更に、本発明は、攪拌手段の回転により廃棄物を攪拌するような構成であり、攪拌手段を高速回転できるため、従来のロータリーキルン方式のように分解ドラムを高速回転できないものに比較して、廃棄物の加熱昇温及び分解の時間を著しく短縮することができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000004215 【氏名又は名称】株式会社日本製鋼所
|
| 【出願日】 |
平成10年(1998)2月12日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】石戸 元 (外3名)
|
| 【公開番号】 |
特開平11−230523 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)8月27日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−29662 |
|