| 【発明の名称】 |
流動床式ガス化溶融装置と方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】佐藤 政樹
【氏名】森本 尚志
【氏名】山本 学
【氏名】藤原 弘道
【氏名】守 秀治
|
| 【要約】 |
【課題】都市ごみ及び/又は産業廃棄物などの各種廃棄物に含まれる可燃物の流動床式ガス化溶融システムの機能を向上させ、安定した運転を可能とすること。
【解決手段】ごみを流動媒体を用いて流動床ガス化炉2内で熱分解ガス化して生成するガスを燃焼炉45で燃焼させ、得られる燃焼ガスを用いて独立過熱器26で熱交換用媒体に熱交換した後、熱交換の後の再循環ガス19を流動床ガス化炉2の流動媒体の流動化流体13として用いる。こうして、流動床ガス化炉2を溶融炉4、熱回収装置5から切り離した状態で単独運転が可能となり、流動床ガス化炉2又は後続の溶融炉4等をメンテナンスのためまたは不具合等で運転停止をする場合でも流動床ガス化炉2系統と溶融炉4と熱回収装置5を含む系統をそれぞれ単独に運転(暖気運転)を継続することが可能となる。このことは可能な限り運転停止による温度低下を避けたい流動床ガス化炉2と溶融炉4において望ましい状態を提供できる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 固形物を含む可燃物を流動媒体を用いて熱分解ガス化する流動床ガス化炉系と前記可燃物を熱分解ガス化して得られた固形分を溶融する溶融炉と流動床ガス化炉及び/又は溶融炉で得られる熱ガスを用いて熱回収する熱回収装置と前記少なくともいずれかの装置から排出する排ガスを浄化処理する排ガス浄化装置からなる流動床式ガス化溶融装置において、流動床ガス化炉系には流動床ガス化炉で生成した熱分解ガスを燃焼させる熱分解ガス燃焼炉と、該燃焼炉の燃焼ガスを用いて熱交換をする独立熱交換器と、該独立熱交換器での熱交換の後の燃焼ガスを流動床ガス化炉の流動化流体とする再循環ガス流路を含むガス循環系統を設けたことを特徴とする流動床式ガス化溶融装置。 【請求項2】 前記流動床ガス化炉と独立熱交換器と再循環ガス流路を含むガス循環系統の他に溶融炉及び熱回収装置とを含む固形分及びガス処理系統を設け、前記2つの処理系統は各々が単独でも運転可能な構成であることを特徴とする請求項1記載の流動床式ガス化溶融装置。 【請求項3】 流動床ガス化炉系に脱塩剤を添加する添加部を設けたことを特徴とする請求項1記載の流動床式ガス化溶融装置。 【請求項4】 独立熱交換器は蒸気過熱器、空気予熱器または給水加熱器であることを特徴とする請求項1記載の流動床式ガス化溶融装置。 【請求項5】 独立熱交換器として蒸気過熱器を設置し、該蒸気過熱器の蒸気出口部に蒸気温度計測手段及び蒸気流量計測手段を設け、該2つの計測手段の計測値に基づき、蒸気過熱器出口の過熱蒸気温度と過熱蒸気量が所定値になるように熱分解ガス燃焼炉の燃焼制御を行う制御装置を設けたことを特徴とする請求項1記載の流動床式ガス化溶融装置。 【請求項6】 固形物を含む可燃物を流動媒体を用いて熱分解ガス化する流動床ガス化炉系と前記可燃物を熱分解ガス化して得られた固形分を溶融する溶融炉と流動床ガス化炉及び/又は溶融炉で得られる熱ガスを用いて熱回収する熱回収装置と前記少なくともいずれかの装置から排出する排ガスを浄化処理する排ガス浄化装置からなる流動床式ガス化溶融装置において、流動床ガス化炉系には流動床ガス化炉で生成した熱分解ガスを燃焼させる熱分解ガス燃焼炉と、該燃焼炉の燃焼ガスを用いて熱交換をする独立熱交換器と、該独立熱交換器での熱交換の後の燃焼ガスを流動床ガス化炉の流動化流体とする再循環ガス流路を含むガス循環系統と、流動床ガス化炉と熱分解ガス燃焼炉との間のガス流路に設けた流動床ガス化炉で生成した熱分解ガスに同伴されるチャーを熱分解ガスと分離する分離器と、該分離器で分離されたチャーを貯留するチャー貯留槽を備えたことを特徴とする流動床式ガス化溶融装置。 【請求項7】 チャー貯留槽から溶融炉にチャーを供給できるチャー搬送路を設けたことを特徴とする請求項6記載の可燃物の熱分解ガス化溶融装置。 【請求項8】 前記流動床ガス化炉と独立熱交換器と再循環ガス流路を含むガス循環系統の他にチャー貯留槽から供給されたチャーを用いる熔融炉及び熱回収装置とを含む固形分及びガス処理系統を設け、前記2つの処理系統は各々が単独でも運転可能な構成であることを特徴とする請求項7記載の流動床式ガス化溶融装置。 【請求項9】 独立熱交換器として蒸気過熱器を設置し、該蒸気過熱器の蒸気出口部に蒸気温度計測手段及び蒸気流量計測手段を設け、該2つの計測手段の計測値に基づき、熱分解ガス燃焼炉の燃焼制御を行う制御装置を設けたことを特徴とする請求項6記載の流動床式ガス化溶融装置。 【請求項10】 固形物を含む可燃物を流動媒体を用いて熱分解ガス化する流動床ガス化炉と前記可燃物を熱分解ガス化して得られた固形分を溶融する溶融炉と流動床ガス化炉及び/又は溶融炉で得られる熱ガスを用いて熱回収する熱回収装置と前記少なくともいずれかの装置から排出する排ガスを浄化処理する排ガス浄化装置からなる流動床式ガス化溶融装置において、複数の可動板の往復運動により前記可燃物の層厚をならしながら流動床ガス化炉に固形可燃物を供給する前処理装置を設けたことを特徴とする流動床式ガス化溶融装置。 【請求項11】 前処理装置内に流動床ガス化炉と溶融炉と熱回収装置と排ガス浄化装置を含む流動床式ガス化溶融装置を構成する装置の少なくともいずれかの装置から発生する温風や温風以外のガスを可燃物の乾燥用に供給するガス流路を設けたことを特徴とする請求項10記載の流動床式ガス化溶融装置。 【請求項12】 前処理装置から排出した前記可燃物の乾燥用ガスを前記流動床ガス化炉と溶融炉と熱回収装置と排ガス浄化装置を含む流動床式ガス化溶融装置を構成する装置の少なくともいずれかの装置に供給することを特徴とする請求項11記載の流動床式ガス化溶融装置。 【請求項13】 固形物を含む可燃物を流動媒体を用いて流動床ガス化炉内で熱分解ガス化して得られる熱分解ガスを熱源として熱回収媒体に熱回収し、前記可燃物を熱分解ガス化して得られた固形分を溶融する流動床式ガス化溶融方法において、流動床ガス化炉で生成した熱分解ガスを燃焼させて、該燃焼ガスの燃焼熱から熱回収媒体に熱交換をした後、熱交換の後の燃焼ガスを流動床ガス化炉の流動媒体の流動化流体として用いることを特徴とする流動床式ガス化溶融方法。 【請求項14】 流動床ガス化炉で生成した熱分解ガスを燃焼させて、該燃焼ガスの燃焼熱から熱回収媒体に熱回収した後、熱交換の後の燃焼ガスを流動床ガス化炉の流動媒体の流動化流体として用いるガス循環系統と、前記可燃物を熱分解ガス化して得られた固形分を溶融して、該溶融時に生成した熱ガスから熱回収媒体に熱回収する固形分及びガス処理系統とを設け、各々の処理系統が単独でも運転可能にすることを特徴とする請求項13記載の流動床式ガス化溶融方法。 【請求項15】 流動床ガス化炉では熱分解ガスの他にチャーが生成され、該チャーが熱分解ガスに同伴される場合には、前記チャーを熱分解ガスと分離した後、該分離したチャーを一旦、貯留しておき、該貯留してあるチャーを可燃物を熱分解ガス化して得られた固形分を溶融する場合の熱源として用いることを特徴とする請求項14記載の流動床式ガス化溶融方法。 【請求項16】 流動床ガス化炉内での前記可燃物の熱分解ガス化時または流動床ガス化炉で生成した熱分解ガスに同伴されるチャーを熱分解ガスと分離する時に脱塩剤を添加し、熱分解ガスの脱塩反応を行わせることを特徴とする請求項14記載の流動床式ガス化溶融方法。 【請求項17】 流動床ガス化炉で生成した熱分解ガスを燃焼させて、該燃焼ガスの燃焼熱から熱回収媒体に熱回収する際に、該熱回収媒体として過熱蒸気を用い、前記燃焼ガスの燃焼熱により過熱される蒸気温度と蒸気量が所定の値となるように熱分解ガスの燃焼制御を行うことを特徴とする請求項14記載の流動床式ガス化溶融方法。 【請求項18】 固形物を含む可燃物を流動媒体を用いて流動床ガス化炉内で熱分解ガス化して得られた熱分解ガスを熱源として熱回収媒体に熱回収し、前記可燃物を熱分解ガス化して得られた固形分を溶融する流動床式ガス化溶融方法において、前記可燃物の層厚をならしながら乾燥させて、前記層厚と水分含有率がほぼ均一な前記可燃物を順次流動床ガス化炉に供給することを特徴とする流動床式ガス化溶融方法。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は流動床を用いる都市ごみ及び/又は各種廃棄物に含まれる可燃物の流動床式ガス化溶融方法と装置に係わる。 【0002】 【従来の技術】都市ごみおよび各種廃棄物(以下、本発明では単にごみと言うことがある。)の処理方式が種々開発されているが、最近、新しい処理方式として、一つのシステム内でごみを熱分解し、生成した熱分解ガスやチャーを熱源として灰分を溶融する方式が採用されている。その方式の一つに、流動床式ガス化炉によりごみに含まれる可燃分をガス化し、また灰分は溶融して固化するガス化溶融システムがある。 【0003】上記ガス化溶融システムでは、流動床式ガス化炉に供給されたごみは、砂等から成る流動媒体と混合されて空気等の流動化流体を用いて流動化されながら、吹き込まれた空気と反応して還元雰囲気でガス化され、可燃性の熱分解ガスと固体のチャーなどが生成する。そして得られた熱分解ガスはすべて熱分解ガス燃焼炉で燃焼され排熱回収装置に導入される。またごみ中の金属類、瓦礫などの不燃物(燃焼炉底残さ)はチャーに含まれるか或いは粒度、比重などの物性の差を利用してチャーからは分離される。そして、不燃物中の金属類が回収された後、灰分は溶融固化された後あるいはそのままの状態で埋め立て処理などに利用される。可燃性のガス、チャーおよひ飛灰などは流動床ガス化炉の後流側に設けた灰溶融炉に送られて、熱源として利用され、飛灰などの不燃物の大部分は溶融される。これらの処理がなされた後のガスは排ガス浄化装置で浄化処理された後、大気中に放出される。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】上記従来技術の流動床式ガス化溶融システムにおいては、流動床ガス化炉の後流側には熱分解ガスの燃焼炉、溶融炉、排熱回収装置及び排ガス浄化装置などが設けられているので、ガス化溶融システムの起動時や溶融炉等の該システムを構成する各装置のメンテナンスの後にシステムを再起動する時に、流動床ガス化炉用の流動化流体はシステム全体が暖気され、定常状態に達するまで所定の温度を得ることが不可能であり、したがって流動床ガス化炉は起動が迅速に行えない。すなわち、システム全体の起動に長時間を要する欠点があった。 【0005】また、流動床ガス化炉を含むごみ熱分解装置部分と後続の溶融炉を含む溶融熱回収装置を含む部分とがシステム的に相互に関連しているため、各々を単独で運転することができない。すなわち、これらのいずれかの部分でメンテナンスのためあるいは不具合等により運転を停止する場合はシステム全体を完全に停止する必要がある。流動床ガス化炉内は高温状態の多量の砂などからなる流動媒体が充填されており、また、溶融炉は温度低下により溶融スラグが固化してしまう等、いずれも可能な限り運転(暖気運転を含む)を継続させることが望ましいが、従来技術の流動床式ガス化溶融システムでは極めて難しいという欠点がある。 【0006】さらには、流動床ガス化炉に投入される都市ごみや各種産業廃棄物には塩素分や各種重金属分(重金属分は装置の腐食を加速する触媒的な要素になり得る)を含有しており、これら塩素分などが熱分解ガスに同伴されて熱回収部の構成部材を腐食させることがあった。そのため、高温の過熱蒸気を得ることはできなく、従って、この流動床式ガス化溶融システムを用いて、高効率な発電を実現することができなかった。 【0007】また、上記流動床式ガス化溶融システムに導入されるごみ等の可燃物は性状が一定せず、また、ガス化炉への投入量が時間経過と共に大きく変動することがあり、安定した流動床燃焼を維持することが難しかった。特にごみの量的な変動だけでなく、ごみ中の水分の含有量の変動もあり、水分量が多いごみがガス化炉内に一度に多量に投入されると、補助燃料の供給量を急激に増加させることができないと流動床ガス化燃焼を維持できないおそれがあった。 【0008】本発明の課題は都市ごみ及び/又は産業廃棄物などの各種廃棄物に含まれる可燃物の流動床式ガス化溶融システムの機能を向上させ、安定した運転を可能にし、また、高効率な発電を実現することである。 【0009】また、本発明の課題は起動時の迅速な立ち上げを可能とし、またメインテナンス時あるいは一部の装置の故障時における流動床式ガス化処理システムの中の一部の装置の部分運転を可能にすることである。また、本発明の課題は量的あるいは性状に変動の多いごみを定量的に、かつ性状的にもほぼ一定した状態で流動床ガス化炉に投入することができるようにすることである。 【0010】 【課題を解決するための手段】本発明の課題は次の構成によって解決される。 (1)固形物を含む可燃物を流動媒体を用いて熱分解ガス化する流動床ガス化炉と前記可燃物を熱分解ガス化して得られた飛灰分などの固形分を溶融する溶融炉と流動床ガス化炉系及び/又は溶融炉で得られる熱ガスを用いて熱回収する熱回収装置と前記少なくともいずれかの装置から排出する排ガスを浄化処理する排ガス浄化装置からなる流動床式ガス化溶融装置において、流動床ガス化炉で生成した熱分解ガスを燃焼させる熱分解ガス燃焼炉と、該燃焼炉の燃焼ガスを用いて熱交換をする独立熱交換器と、該独立熱交換器での熱交換の後の燃焼ガスを流動床ガス化炉の流動化流体とする再循環ガス流路を含むガス循環系統を備えた流動床式ガス化溶融装置。 【0011】(2)上記構成に加えて、流動床ガス化炉と熱分解ガス燃焼炉との間のガス流路に設けた流動床ガス化炉で生成した熱分解ガスに同伴されるチャーを熱分解ガスと分離する分離器と、該分離器で分離されたチャーを貯留するチャー貯留槽を備えた流動床式ガス化溶融装置。 【0012】(3)固形物を含む可燃物を流動媒体を用いて熱分解ガス化する流動床ガス化炉と前記可燃物を熱分解ガス化して得られた固形分を溶融する溶融炉と流動床ガス化炉及び/又は溶融炉で得られる熱ガスを用いて熱回収する熱回収装置と前記少なくともいずれかの装置から排出する排ガスを浄化処理する排ガス浄化装置からなる流動床式ガス化溶融装置において、複数の可動板の往復運動により前記可燃物の層厚をならしながら流動床ガス化炉に固形可燃物を供給する前処理装置を設けた流動床式ガス化溶融装置。 【0013】(4)固形物を含む可燃物を流動媒体を用いて流動床ガス化炉内で熱分解ガス化して得られる熱分解ガスを熱源として熱回収媒体に熱回収し、前記可燃物を熱分解ガス化して得られた固形分を溶融する流動床式ガス化溶融方法において、流動床ガス化炉で生成した熱分解ガスを燃焼させて、該燃焼ガスの燃焼熱から熱回収媒体に熱交換をした後、熱交換の後の燃焼ガスを流動床ガス化炉の流動媒体の流動化流体として用いる流動床式ガス化溶融方法。 【0014】(5)固形物を含む可燃物を流動媒体を用いて流動床ガス化炉内で熱分解ガス化して得られた熱分解ガスを熱源として熱回収媒体に熱回収し、前記可燃物を熱分解ガス化して得られた固形分を溶融する流動床式ガス化溶融方法において、前記可燃物の層厚をならしながら乾燥させて、前記層厚と水分含有率がほぼ均一な前記可燃物を順次流動床ガス化炉に供給する流動床式ガス化溶融方法。 【0015】こうして、本発明によれば流動床ガス化炉で発生した可燃性の熱分解ガスは熱分解ガス燃焼炉で燃焼され、独立過熱器などの独立熱交換器に導入され、完全燃焼する。独立過熱器などの独立熱交換器で熱回収された燃焼ガスは流動床ガス化炉の流動化流体として再循環使用される。この構成により後流の溶融炉および排熱回収部の運転とは完全に切り離して流動床ガス化炉を起動させることあるいは運転を継続させることを可能にする。 【0016】本発明によれば、流動床ガス化炉を溶融炉、熱回収装置から切り離した状態で単独運転をすることができるため、流動床ガス化炉あるいは後続の溶融炉等のメンテナンス時に、またはこれらを不具合等で停止した時におのおの流動床ガス化炉を含むガス循環系統と溶融炉と熱回収装置を含む固形分及びガス処理系統を単独に運転(暖気運転)を継続することが可能となる。このことは可能な限り運転停止による温度低下を避けたい流動床ガス化炉を含むガス循環系統と溶融炉と熱回収装置を含む固形分及びガス処理系統において望ましい状態を提供できる。 【0017】また、本発明のガス化溶融炉の起動時において熱分解ガスが少量あるいは低温時には独立熱交換器での補助燃料の燃焼量を調整することで流動床ガス化炉の空燃比などを所定の条件に合致させることが容易にできるので、流動床ガス化炉の迅速な起動が可能となる。また、流動床ガス化炉に消石灰などの脱塩剤を供給し、適切なごみの熱分解条件、すなわち、流動床ガス化炉内の流動層の温度を500〜700℃に維持させることにより、ごみ中に含まれる塩素分や発生した塩化水素は消石灰や灰分中のカルシウムと反応して固定化され、熱分解ガスは塩化水素含有量の少ない清浄なガスになる。 【0018】また、本発明では、流動床ガス化炉の後流側のガス流路にサイクロンなどの固形分分離器を設けると、該分離器でチャー、灰分、反応生成物(塩化カルシウムなど)及び重金属などがガス成分から分離されると共に、該分離器内で前記反応を促進させて、塩化水素ガス含有量を更に少なくすることができる。このとき前記分離器内に消石灰などの脱塩剤を供給しても良い。 【0019】この清浄ガスを本発明のガス化溶融装置を構成する各種装置に循環使用することにより、流動床ガス化炉をはじめとして、本発明のガス化溶融装置の運転に悪影響を及ぼすこれら塩化水素や重金属類成分の濃縮、蓄積がなくなり、ガス化溶融装置の保守、保全上の効果がある。 【0020】特に過熱器の高温腐食の原因となる塩素分の少ない清浄な熱分解ガスを独立過熱器に供給できるため、独立過熱器での高温高圧蒸気の回収が可能となり高効率発電を実現できる。また、独立熱交換器の典型例である独立過熱器の前段に流動床ガス化炉から得られた塩素分の少ない清浄な熱分解ガスの燃焼炉を配置して、その燃焼制御などにより安定した高温蒸気(約500℃程度)を容易に得ることができ、高効率発電を達成することができる。 【0021】また流動床ガス化炉に投入する前のごみはグレート式の乾燥機などの前処理装置に入れられるが、その時、山状の堆積ごみの高さはグレート式の乾燥機などの前処理装置で平均化してれて、順次排出口からまんべんなく排出させることができるため、ごみの流動床ガス化炉への定量供給が容易になる。それと同時に、水分含有量の均一化されたごみがまんべんなく順次流動床ガス化炉へ投入されるので、ガス化炉内の流動床内のごみ燃焼用に補助燃料を用いる必要がない利点もある。 【0022】また、この時、前処理装置に導入するごみ乾燥用の流体として本発明のガス化溶融装置の少なくともいずれかの装置、例えば流動床ガス化炉、溶融炉、熱回収装置または独立熱交換器などから得られる予熱空気又は熱ガスを導入し、さらに、前処理装置から排出するごみ乾燥後の流体を本発明のガス化溶融装置の少なくともいずれかの装置に導くことで、ごみ乾燥用の流体をガス化溶融装置の系外に排出する量を減少させることができる。 【0023】ごみ乾燥後の流体としては、ガス化炉で用いられる予熱空気の一部を用いるか独立熱交換器または熱回収装置から排出する熱ガスを用いる。前記予熱空気をごみ乾燥用に用いる場合はごみ乾燥後は流動床ガス化炉、溶融炉、熱分解ガス燃焼炉に供給され、また独立熱交換器または熱回収装置から排出する熱ガスをごみ乾燥用に用いる場合は、ごみ乾燥後は流動床ガス化炉または熱回収装置にに供給されれる。また、臭気の強いごみ乾燥後の流体を大気排出時に浄化処理する負担も小さくなり、同時に、万一、このごみ乾燥用の流体がリークしても、それは本発明のガス化溶融装置のの系内であるので、後処理でトラブルが生じることがない。 【0024】 【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について図面と共に以下説明する。図1に本実施の形態のガス化溶融システムの概略フローを示すが、このフローの概略を説明する。前処理設備1から流動床ガス化炉2に投入された都市ごみ及び/又は各種廃棄物(以下、ごみということがある)が燃焼され、固形分と熱分解ガスとに分離される。熱分解ガスから熱分解ガスに同伴するチャーなどの固形分をサイクロンセバレータ25などの分離器で分離した後、本発明の特徴である独立過熱器26前段の燃焼炉45で燃焼し、燃焼ガスは独立過熱器26で過熱蒸気に熱回収される。一方、流動床ガス化炉2で得られた固形分の中の灰分とチャーは分別設備3を経由して溶融炉4に送られ、同時に溶融炉4には流動床ガス化炉2からの熱分解ガスと該熱分解ガスに同伴されたチャーなどの固形分も供給されてごみから得られた固形分中の灰が溶融される。溶融炉で得られた熱ガスは二次燃焼炉5内で過熱器6、蒸発器7、空気予熱器8及び節炭器9で流体の熱交換に利用された後、排ガス処理装置10で浄化処理され、煙突31から大気中に放出される。 【0025】図1において破砕されたごみ11は乾燥機能などを有する前処理設備1から定量供給器32を介して投入部12より流動床ガス化炉2に投入される。流動床ガス化炉2内において空燃比が約0.3程度の条件下で、破砕ごみ11は流動化流体13によって熱分解され、熱分解ガスとチャーとが流動床ガス化炉2の頂部から熱分解ガス15として取り出される。チャーを含まない熱分解ガス15はごみ等の組成によって変わるが、後述する消石灰をガス化炉2内に添加していない場合の一例を示すと次の様な成分とその含有割合(重量%)からなり、その発熱量は1,066kcal/kgであった。 CO 12.4; CH4 8.4; N2 22.7; H2O 50.2; CO2 6.2; Cl2 200ppm【0026】また、金属や不燃物およびチャーなどの燃焼残さ(炉底残さとも言う)はガス化炉2の炉底より不燃物・チャー抜出装置33により排出され、分別設備3によって金属等の資源化物14と灰・チャー混合物16に分別される。流動床ガス化炉2で生成した熱分解ガス15はサイクロンセパレータ25に送られ、サイクロンセパレータ25では熱分解ガス15からなるガス成分と熱分解ガス15に同伴される灰及びチャーからなる固体成分に分離される。サイクロンセパレータ25で分離されたガス成分は独立過熱器26の前段に設けられた燃焼炉45で燃焼させる。燃焼炉45では燃焼性の高い熱分解ガスとチャーだけを燃焼させるので、約1100〜1200℃の高温ガスが得られる。しかし、本ガス化溶融システムの起動時などに必要ならば、灯油、プロパンガスなどを用いる補助燃料17を加えて燃焼させても良い。そして、この燃焼熱は過熱器26内に供給され、過熱器26内の約250〜300℃の蒸気の過熱に利用され、約500℃の過熱蒸気を得ることができる。この蒸気は図示しない蒸気タービンに使用される。 【0027】独立過熱器26で利用された約400〜450℃の燃焼ガス23の一部は再循環ガス19として用いられ、ガス化炉2に供給される高温空気24と合流して流動媒体とごみの混合物の流動化流体13となる。流動床ガス化炉2に再循環されるガスとして使用する再循環ガス19は流動化流体13として必要な圧力以上に昇圧することが必要であるが、再循環ガス19を再循環ポンプ35により昇圧される。このように再循環ガス19はガス化炉2に用いる流動化流体13として必要な圧力以上に昇圧することが必要であるが、再循環ガス19の代わりに熱分解ガス15を昇圧してもよい。 【0028】サイクロンセパレータ25で熱分解ガス15から分離されたチャーはチャーサービスホッパー34に一旦、貯められる。また、ガス化炉2の炉底からは、水冷ジャケットからなる流路を経て、例えばスクリューコンベアなどからなる抜出装置33により不燃物とチャーが抜き出され、次いで例えば多段のふるいからなる約250℃に冷却された不燃物とチャーは分別設備3により、金属、金属製品などの資源化物14と灰とチャーの混合物16に、例えば、粒度や比重差により分別される。そして、灰とチャーの混合物16もチャーサービスホッパー34に供給される。独立過熱器26の炉底からも燃焼炉45の燃焼残さが供給される。灰とチャーの混合物16中に流動媒体(砂など)が含まれている場合は、適宜分別してガス化炉2に戻しても良い。なお、これらの固形分の搬送は不活性ガス等による気流搬送で行われる。 【0029】チャーサービスホッパー34から灰とチャーの混合物16が溶融炉4に送られる。溶融炉4では、チャーサービスホッパー34から供給されるチャー及び必要に応じて補助燃料17の燃焼熱により約1400〜1500℃で灰が溶融される。また、溶融炉4にはサイクロンセパレータ25で分離したガス成分の一部も供給されて灰の溶融のための熱源となる。また、溶融炉4からの溶融スラグ18は水冷方式の水タンク21に流下し、水砕スラグ40として回収される。 【0030】溶融炉4での灰分の溶融により得られる約1400〜1500℃の熱ガスは二次燃焼炉5の水冷壁により冷却されて約1100℃となり、過熱器6、蒸発器7、空気予熱器8及び節炭器9の加熱に利用される。また、二次燃焼炉5内の空燃比を1.3程度とするとすることで、溶融炉4からのガスを含めて、二次燃焼炉5内でガス成分の完全燃焼を図っている。 【0031】空気予熱器8には空気ブロア28から常温の空気が供給され、空気予熱器8で予熱された約300〜400℃の空気は独立過熱器26での熱分解ガス、チャー及び補助燃料17などの燃焼用空気として利用されるものと流動床ガス化炉2の散気管22に送られるものとがある。また、二次燃焼炉5の最下流部側の底部には飛散してくるガス中の灰が捕集されるので、この捕集飛灰はブロア又は圧縮機38による押し込み搬送空気により溶融炉4に供給され、再び溶融される。 【0032】また、灰とチャー混合物16又は溶融炉4内に消石灰などの脱塩剤を投入しておくと、灰中等に含まれる塩素分は除去される。二次燃焼炉5から排出したガスは排ガス処理設備10に送られる。排ガス処理設備10には図示していないが、冷却塔、バクフィルタ、脱硝触媒塔及び活性炭塔などが配置されているので、この排ガス処理設備10により、排ガス処理設備10に流入する約200℃のガスは150℃程度に冷却されてバグフィルタでの集塵効率を高め、次いで脱硝処理がなされる。また、塩素成分により生成するダイオキシンは高温の雰囲気下にある溶融炉4及び二次燃焼炉5内では、ほぼ完全に生成が抑制されるが、前記炉の出口とガス処理設備10との間で再合成されるダイオキシンはバグフィルタで除去され、更に、脱硝触媒塔や活性炭塔により痕跡程度の残っているダイオキシン及び重金属成分が除かれる。 【0033】排ガス処理設備10から薬剤処理装置36に燃焼飛灰が排出され、薬剤処理装置36でキレート固定化処理により、重金属の溶出防止が図られ、無害化されて、埋め立て処理される。また、排ガス処理設備10から排出する浄化されたガス成分は誘引通風機30により煙突31に送られ、大気中に排出される。なお、排ガス処理設備10にて捕集された燃焼飛灰20は図1では薬剤処理槽36処理した後、埋め立てに使用されることになっているが、これは溶融炉4に戻してもよい。また、図1の各流体流路には流路開閉弁44が設けられている。図1にはチャーなどを燃焼として灰を溶融する溶融炉4の例を図示したが、この溶融炉4に代えて、個々にはその他の燃焼炉、熱風炉または加熱炉を配置しても良い。 【0034】本発明においては、流動床ガス化炉2内の空塔部から消石灰等の脱塩剤を添加することを特徴とし、次式(1)のように消石灰でごみ等に含まれる塩素成分が塩化カルシウムとして固定化できる。 Ca(OH)2+HCl→CaCl2+2H2O (1) この反応は最適温度500〜700℃で進行するので、流動床ガス化炉3内はこの温度領域に成るように温度調整する。なお、この温度調整は散気管22からの予熱空気24の供給量や予熱空気24に混合される再循環ガス19の量などの制御により行う。 【0035】前記したように、熱分解ガスの組成中の塩素濃度は約200ppmであるので、この塩素成分から発生する塩化水素に対して約3〜5モルの消石灰などの脱塩剤を流動床ガス化炉2内に添加する。ここで上記消石灰に代えてその他の脱塩剤、例えば生石灰、水酸化マグネシウム、カセイソーダ、カリウムなどを用いても良い。 【0036】また、流動床ガス化炉2で生成した熱分解ガス15と飛散チャーがガス化炉2の頂部からサイクロンセパレータ25に供給されるが、上記式(1)の反応は流動床ガス化炉2からサイクロンセパレータ25に至る間でも進行する。熱分解ガス15中にはアルカリ成分(カルシウム、ナトリウム、カリなど)が含まれるので、前記脱塩剤として添加した消石灰からのカルシウム成分だけでなく、前記アルカリ成分により、脱塩反応が進行する。特にサイクロンセパレータ25中では熱分解ガス15が攪拌されるので、熱分解ガス15に同伴した前記アルカリ成分とごみ等から生成した塩素成分との接触効率が良く、上記式(1)の反応及びこれに類似するアルカリ成分と塩素成分の反応が効果的に行われる。実測値によるとサイクロンセパレータ25入口ガス中の塩化水素濃度は200ppmであったが、サイクロンセパレータ25出口ガス中のその濃度は50ppmに低下していた。 【0037】また、サイクロンセパレータ25で熱分解ガス15と灰・チャー混合物16を分離することにより、塩素分は灰・チャー混合物16に固定化されやすいので、独立過熱器26に供給される熱分解ガス15中の塩素含有量がさらに少なくなるため、独立過熱器26の高温腐食防止により効果がある。なお、消石灰等の脱塩剤はサイクロンセパレータ25に添加しても良い。 【0038】熱分解ガス15中の塩化水素濃度が50ppm程度であると、当該ガス15の腐食性はほとんど問題にならない。従って、この熱分解ガス15を燃料源として、独立過熱器26の前段に設けられる燃焼炉45で燃焼させて、約1100〜1200℃の熱ガスを生成させて独立過熱器26の図示しない伝熱管を加熱するが、塩素成分がほとんどないので独立過熱器26の伝熱管は腐食されるおそれがない。 【0039】従来ごみなどに含まれる可燃物を燃焼させると、得られる燃焼ガス中の塩化水素濃度が高くなる。塩化水素濃度の高い高温ガスは腐食性が強いので、これを過熱器の加熱に利用しても、せいぜい400℃の過熱蒸気しか得られなく、そのため蒸気タービン用に十分過熱された蒸気を供給することはできなかった。しかし、本発明によれば、流動床ガス化炉2とサイクロンセパレータ25とによる上述した脱塩処理により高温腐食のおそれのない熱ガスを得ることができる。さらに、こうして得られた高温熱ガスを用いた燃焼炉45で燃焼させてサイクロンセパレータ25の直後の独立過熱器26から約500℃の高温過熱蒸気を得ることができる。 【0040】また、独立過熱器26で過熱蒸気を加熱した後の約450℃の熱ガス23は再循環ポンプ35が設けられた再循環ガス流路を経て、再循環ガス19として流動床ガス化炉2の散気管22に供給され、流動化流体13として使用される。こうして、流動床ガス化炉2における流動化流体13には一般に空気予熱器8にて加熱された高温(約350〜400℃)の空気24あるいは適当な温度域(約450℃以下)の再循環ガス19を再循環して単独または混合して使用する。 【0041】また、上記独立過熱器26として図4に示すように、独立過熱器26出口の蒸気配管51内の蒸気温度を温度計52aと蒸気流量を流量計52bで検出し、当該温度を所定温度にして、ごみの性状及び供給量の変動にかかわらず、蒸気量を一定化するように、制御装置56により熱分解ガス15の供給量及び独立過熱器26の伝熱管52の接続部に設けられる減温器53への冷却水55の供給量の調整をそれぞれの開閉弁57、58で行う。このようにして、独立過熱器26内で得られる過熱蒸気量を安定化させることができ、図示しない蒸気タービンの駆動制御が容易になる。また、本発明では図1に示す独立過熱器26に代えて、空気予熱器、水加熱器等、流体加熱用の設備を設置することができる。 【0042】前処理装置1はグレート式の乾燥装置であり、その詳細図を図5に示す。図5(a)は前処理装置1の縦断面視図であり、図2(b)は図2(a)のA−A線方向から見たごみの堆積状況を示す図である。前処理装置1の天井部の一端にごみ投入口1aを設け、他端の側壁部下端部にごみ排出口1bを設けた保温材が取り付けられたケーシング1cとケーシング1c底部には可動グレート61と固定グレート62が交互に複数個、互いに一部重ね合せられる状態で並列配置されている。可動グレート61はごみ投入口1aから排出口1bに向けて、ケーシング1c底面全体に伸びている可動フレーム63に固定されていて、固定グレート62は図示しない箇所でケーシング1cに支持固定されている。支持軸64上を可動フレーム63は油圧シリンダ66に駆動制御される伸縮アーム67により図示の矢印方向に往復運動をする。 【0043】したがって、図5(a)に示すように、ごみ投入口1aから投入されるごみは投入口1a側に頂点を有する山状に堆積するが、可動グレート61によりごみ排出口1b側に向けて移動し、山状の堆積ごみの高さがケーシング1c内で平均化されて、順次排出口1bからまんべんなく排出する。そのため、次の段の定量供給器32によるごみのガス化炉2への定量供給が容易になる効果もある。 【0044】なお、図5(b)において、ごみが十分に拡散しない部分をごみ投入口近傍の下方のグレードは盲グレード(孔を有していない)として空気の流れを遮断することができる。可動フレーム63の下方は仕切壁68により二つの室69、70が形成されており、ごみ排出口1b側の室69からごみ乾燥用の流体を導入する。この乾燥用流体は可動グレート61又は固定グレート62に設けられた多数の孔からごみに向けて噴出されるので、ごみが乾燥される。このごみ乾燥用の流体としては新たにホット空気を導入しても良いが、本ガス化溶融システムのいずれかの装置、例えば流動床ガス化炉2、溶融炉4、二次燃焼炉5または空気予熱器8などから得られる熱ガス又は予熱空気を導入しても良い。この前処理処装置1により、例えば水分含有率50重量%程度のごみ(可燃分40重量%、灰分10重量%)は乾燥されて水分含有率30重量%程度のごみになる。 【0045】そして、前処理装置1から排出するごみ乾燥後の流体は本ガス化溶融システムのいずれかの装置、例えば流動床ガス化炉2、溶融炉4、二次燃焼炉5または熱分解ガス燃焼炉45などに導くことで、本システムの系外に排出する量が減り、臭気の強いごみ乾燥後の流体を大気排出用に浄化処理する負担が小さくなり、同時に、万一、このごみ乾燥用の流体が定量供給機32側にリークしても、それは本システムの系内であるので、後処理でトラブルが生じることがない。ごみ乾燥後の流体は高含水量になるので、前処理装置1からの排出後、速やかに冷却して該流体に含まれる腐食性成分の露点以下の温度に下げで前記各装置に循環供給する事が望ましい。 【0046】また、量的に不均一で、かつ水分含有量が大きく変動するごみをガス化炉に投入すると、例えば水分含有率が50%程度のごみが一気にガス化炉2内に投入された場合には補助燃料が無いとごみの燃焼を持続させることができないが、本発明では前処理装置1としてグレート式の乾燥装置を用いることで、山状に堆積したごみの高さが可動グレード61及び固定グレード62上で平均化されて、順次排出口1bからまんべんなく排出され、同時に乾燥もされるので、定量供給機32によるごみのガス化炉2への定量供給が容易になると同時に、水分含有量の均一化されたごみがまんべんなく投入されるので、ガス化炉内の流動床内のごみ燃焼用に補助燃料を用いる必要がない利点もある。 【0047】また、従来技術に回転キルンを用いてごみ乾燥をする前処理装置があるが、キルン内面や、キルン付属部品にごみ中のプラスチックなどが付着し易く、このようなキルン内に300℃程度の乾燥用空気を導入すると、キルン内部に付着したごみの一部が燃焼して部分ガス化が起こるため、ガス化炉内で得られる熱分解ガスの発熱量が低下することがあつたが、本発明の上記グレート式の前処理装置1ではそのような問題点も無い。 【0048】図1に示すガス化溶融システムにおいて、流動床ガス化炉2において発生した可燃性の熱分解ガス15は独立過熱器26に導入され前に、燃焼炉45により、場合によっては補助燃料17を使用して完全燃焼する。独立過熱器26で熱回収に利用された燃焼ガス23の一部は流動床ガス化炉2の流動化流体として再循環使用される。したがって、流動床ガス化炉2よりガス流路の後流側に配置される溶融炉4および排熱回収装置である二次燃焼部5の運転とは完全に切り離して流動床ガス化炉2を起動させることあるいは運転を継続させることが可能となる。 【0049】例えば、約1400〜1500℃の高温下にある溶融炉4の構成部材はしばしば取り替える必要があり、または溶融炉4の内壁に溶着したクリンカの除去作業などのために溶融炉4の運転停止をすることがあるが、このように、溶融炉4および排熱回収装置である二次燃焼部5などを故障修理または補修作業などの理由で運転停止しいる場合でも、これら、溶融炉4、二次燃焼部5または排ガス浄化設備10などの運転とは完全に切り離して流動床ガス化炉2及び独立過熱器26の運転が可能である。 【0050】このとき、流動床ガス化炉2からの熱分解ガス15は流動床ガス化炉2に再循環させるだけでなく、運転停止中の二次燃焼炉5の過熱器6付近に導入すること又は排ガス処理設備10に導入することができる。また、熱交換前の独立過熱器26内の燃焼ガス37をブロア35により二次燃焼炉5の過熱器6の前流域に導入し、例えば過熱器6と蒸気ドラム43と独立過熱器26の間を循環しているボイラ水や蒸気の加熱に利用することができる。 【0051】また、サイクロンセパレータ25で分離して得られるチャー成分または流動床ガス化炉2の炉底から得られる灰・チャー混合物16はチャーサービスホッパー34に貯蔵しておき、溶融炉4が再度運転開始をしたときにこれを利用することができる。同様に流動床ガス化炉2と独立過熱器26側が故障した場合又は点検・補修を行う場合に、溶融炉4及び二次燃焼炉5側を単独で運転することができる。 【0052】また、このごみガス化溶融システムを起動または再起動させる場合は、まず流動床ガス化炉2を立ち上げる。起動初期においては熱分解ガス15は発生しないため独立過熱器26の補助燃料17を燃焼させることにより、燃焼ガス23を生成させ、流動化流体13として使用する。熱分解ガス15が発生してきた時点で、補助燃料17の量を減少させることにより燃焼ガス23を空燃比が流動床ガス化に適当な条件に調整する。ただし、破砕ごみ11の発熱量が高ければ熱分解ガス15の熱量も高くなり、熱分解ガス15の熱量だけで自燃するため補助燃料17が不要となることもある。 【0053】このように、ごみガス化溶融システム全体を起動する場合において、熱分解ガス15が少量あるいは低温時には独立過熱器26での補助燃料17の燃焼量を調整することで流動化流体13を所定の条件にすることが容易にできるので、流動床ガス化炉2の迅速な起動が可能となる。このことにより、流動床ガス化炉2の立ち上げに必要な流動化流体13を容易に、かつ迅速に生成し、運転することが可能となり、したがって流動床ガス化炉2並びにガス化溶融システム全体の起動または再起動を迅速に行うことができる。 【0054】本発明の他の実施の形態を図2並びに図3に示す。図2は図1に示す熱分解ガス15中のチャーを分離するためのサイクロンセパレータ25を設置しない場合の例である。その他の構成は図1に示す場合と同一であるので、それらの説明は省略する。また、図3に示す例は独立過熱器26の代わりに独立空気予熱器29を設置し、二次燃焼炉5のガス流れの後流側には空気予熱器8を備えたガス冷却塔27を配置した例である。空気予熱器8の設置位置はガス冷却塔27のガス流れの後流側でもよい。また、このガス冷却塔27内の空気予熱器8のガス流れの後流側には噴霧水41用のスプレノズル42を設けている。図3に示すその他の構成は図1に示す場合と同一であるのでそれらの説明は省略する。また、図3に示す例のガス化炉2の塔頂出口には図2に示す熱分解ガス15中のチャーを分離するためのサイクロンセパレータ25を設置しても良い。 【0055】図3に示す例でガス化溶融システムの起動時または溶融炉4及びその後流側のガス冷却塔側27を運転停止する場合は独立空気予熱器29には空気ブロワ28から供給される空気は空気予熱器8をバイパスするバイパス流路47から直接独立空気予熱器29に供給する。 【0056】図3に示すシステムのように、ガス冷却設備として図1等に示す二次燃焼炉5を設置しないで水噴射式のガス冷却塔27を設置した場合でも図1の実施例と同様に流動床ガス化炉2側のガス循環系統又は溶融炉4側のガス処理系統とをそれぞれ単独運転することが可能となり、それぞれの系統のメインテナンス時または故障時の単独運転または流動床ガス化炉2並びにガス化溶融システムの起動または再起動を迅速に行うことができる効果がある。 【0057】また、図1に示すシステムには設けているサイクロンセパレータ25を設けない例を図2に示したが、これと同様に図3に示す例をはじめ、その他の図1の独立過熱器26に代えて、空気予熱器、水加熱器等、流体加熱用の設備を設ける場合にもサイクロンセパレータ25を設置してもしなくても良い。 【0058】 【発明の効果】本発明によれば流動床ガス化炉部を溶融炉、熱回収装置から切り離した状態で単独運転が可能であるため、流動床ガス化炉あるいは後続の溶融炉部等においてメンテナンス上、または不具合等で停止する場合でもおのおのを単独に運転(暖気運転)を継続することが可能となる。また、流動床炉を迅速に定常状態まで立ち上げることが可能となり、ガス化溶融装置全体の起動や再起動を迅速に行う事ができる効果がある。 【0059】さらに、流動床ガス化炉での熱分解ガス中の塩化水素が、この清浄ガスを循環使用することで流動床ガス化炉をはじめとして、運転に悪影響を及ぼすことなく成分の濃縮、蓄積がなくなり、システムの保守、保全上の効果があり、特に過熱器の高温腐食の原因となる塩化水素の少ない清浄な熱分解ガスを独立過熱器などの独立熱交換器に供給できるため、独立過熱器などでの高温高圧蒸気の回収が可能となり、また、独立過熱器の前段の熱分解ガスの燃焼炉の燃焼制御などにより独立過熱器内の高温の過熱蒸気量の安定化を容易に行うことができるので、高効率発電を達成することができる。 【0060】また流動床ガス化炉に投入する前のごみはグレート式の乾燥機である前処理装置で平均化されて、順次排出口からまんべんなく排出することができるため、ごみの流動床ガス化炉への定量供給が容易になると同時に、水分含有量の均一化されたごみがまんべんなく順次流動床ガス化炉投入されるので、流動床ガス化炉内の流動床内のごみ燃焼用に補助燃料を用いる必要がなくなる。また、前処理装置に導入するごみ乾燥用の流体して本発明のガス化溶融装置の少なくとものいずれかの装置、例えば流動床ガス化炉、溶融炉、熱回収装置または独立熱交換器などから得られる予熱空気又は熱ガスを用いて、さらに、前処理装置から排出するごみ乾燥後の流体はガス化溶融装置の少なくともいずれかの装置に導くことで、ガス化溶融装置の系外に排出することがなくなり、ごみ乾燥用流体が系内で自給できる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000005441 【氏名又は名称】バブコック日立株式会社
|
| 【出願日】 |
平成9年(1997)10月20日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】松永 孝義
|
| 【公開番号】 |
特開平11−118124 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)4月30日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−287441 |
|