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【発明の名称】 ゴミ焼却炉及びその燃焼制御方法
【発明者】 【氏名】中西 俊夫

【氏名】今村 文典

【氏名】高畠 義明

【要約】 【課題】投入されたゴミを焼却処理する一次燃焼部1aに燃焼空気を供給する一次空気供給機構3と、一次燃焼部1aで発生した燃焼排ガスを完全燃焼させる二次燃焼部1bに二次空気供給機構4から供給する二次空気供給量A2 を調節制御する二次空気調節機構5とを備えたゴミ焼却炉の、二次燃焼部の上流側の空気量が変動しても、排ガス中酸素濃度を安定且つ容易に所定の範囲内に維持して、排出される一酸化炭素と窒素酸化物とを同時に低減できる手段を提供する。

【解決手段】炉内での完全燃焼に必要な総理論空気量At を導出する理論空気量判定手段11と、総理論空気量At と、目標酸素濃度PoSと、一次燃焼部1aから二次燃焼部1bにわたる炉内に供給された総空気量AT とに基づき、二次空気調節機構5における操作量を、ΔA2=At−(1−PoS/0.21)×ATとして演算導出する二次空気供給量演算手段12とを備えて構成した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 投入されたゴミを焼却処理する一次燃焼部(1a)と、前記一次燃焼部(1a)で発生した燃焼排ガスを完全燃焼させる二次燃焼部(1b)と、前記一次燃焼部(1a)に燃焼空気を供給する一次空気供給機構(3)と、前記二次燃焼部(1b)に燃焼空気を供給する二次空気供給機構(4)と、排ガス中酸素濃度(PoE)を目標酸素濃度(PoS)に調節すべく、前記二次空気供給機構(4)による二次空気供給量(A2) を調節制御する二次空気調節機構(5)とを備えたゴミ焼却炉であって、前記一次燃焼部(1a)及び前記二次燃焼部(1b)での完全燃焼に必要な総理論空気量(At)を導出する理論空気量判定手段(11)と、前記総理論空気量(At) と、前記目標酸素濃度(PoS)と、前記一次燃焼部(1a)から前記二次燃焼部(1b)にわたる炉内に供給された総空気量(AT) とに基づき、前記二次空気調節機構(5)における操作量(ΔA2)を、ΔA2 = At −(1− PoS /0.21)× ATとして演算導出する二次空気供給量演算手段(12)とを備えて構成したゴミ焼却炉。
【請求項2】 前記理論空気量判定手段(11)を、前記投入ゴミから採取したサンプルを燃焼させて所要空気量を算出し、前記総理論空気量(At)を求めるように構成してある請求項1記載のゴミ焼却炉。
【請求項3】 前記理論空気量判定手段(11)における前記総理論空気量(At)の算出式を、前記投入されたゴミの完全に燃焼した際の低位発熱量(HU)に基づき、予め設定されたa,bを定数として、At = a × HU + bとしてある請求項1記載のゴミ焼却炉。
【請求項4】 前記理論空気量判定手段(11)を、前記投入ゴミから採取したサンプルを分析して、その成分から所定の算式により、前記低位発熱量(HU) を求めるように構成してある請求項1記載のゴミ焼却炉。
【請求項5】 投入されたゴミを火炉内の一次燃焼部(1a)において一次空気を供給して一次燃焼させ、前記火炉からの燃焼ガスに二次燃焼部(1b)において二次空気を供給して二次燃焼させて、前記二次燃焼後の排ガス中酸素濃度(PoE)を目標酸素濃度(PoS)に維持すべく、前記二次燃焼部(1b)に供給する二次空気供給量(A2) を制御するゴミ焼却炉の燃焼制御方法であって、前記炉内に供給された総空気量(AT) と、前記投入されたゴミの燃焼に要する総理論空気量(At) と、前記目標酸素濃度(PoS)と、前記一次燃焼部(1a)に供給された一次空気供給量(A1)とを基に、設定二次空気供給量(A2S)を、A2S = At /(1− PoS /0.21)− A1として求めて前記二次空気供給量(A2)を設定するゴミ焼却炉の燃焼制御方法。
【請求項6】 投入されたゴミを火炉内の一次燃焼部(1a)において一次空気を供給して一次燃焼させ、前記火炉からの燃焼ガスに二次燃焼部(1b)において二次空気を供給して二次燃焼させて、前記二次燃焼後の排ガス中酸素濃度(PoE)を目標酸素濃度(PoS)に維持すべく、前記二次燃焼部(1b)に供給する二次空気供給量(A2)を制御するゴミ焼却炉の燃焼制御方法であって、前記炉内に供給された総空気量(AT) と、前記投入されたゴミの燃焼に要する総理論空気量(At)と、前記目標酸素濃度(PoS)とを基に、前記二次空気供給量(A2)に対する操作量(ΔA2)を、ΔA2 = At −(1− PoS /0.21)× ATとして求めて設定するゴミ焼却炉の燃焼制御方法。
【請求項7】 前記総理論空気量(At)を、前記炉内に投入されたゴミの低位発熱量(HU)に基づき、予め設定されたa,bを定数として、At = a × HU + bとして求める請求項5又は6に記載のゴミ焼却炉の燃焼制御方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゴミ焼却炉及びその燃焼制御方法に関し、詳しくは、投入されたゴミを焼却処理する一次燃焼部と、前記一次燃焼部で発生した燃焼排ガスを完全燃焼させる二次燃焼部と、前記一次燃焼部に燃焼空気を供給する一次空気供給機構と、前記二次燃焼部に燃焼空気を供給する二次空気供給機構と、排ガス中酸素濃度を目標酸素濃度に調節すべく、前記二次空気供給機構による二次空気供給量を調節制御する二次空気調節機構とを備えたゴミ焼却炉及びその制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、図2に示すように、ゴミ焼却炉1は、一次燃焼部1aと、二次燃焼部1bと、一次空気供給機構3と、二次空気供給機構4とを備えて、前記一次燃焼部1aに前記一次空気供給機構3から燃焼空気を供給して、ゴミ供給機構1cから投入されたゴミを焼却処理し、前記二次燃焼部1bに前記二次空気供給機構4から燃焼空気を供給して前記一次燃焼部1aで発生した燃焼排ガスを完全燃焼させ、前記二次燃焼部1bからの排ガスを系外に放出する煙突Sに導く煙道6に排出し、前記排ガスを除塵する除塵装置7と、除塵後の排ガスを無害化する排ガス処理装置8とを、順次前記煙道6に配置して構成してあり、前記二次燃焼部1b下流側の排ガス中の酸素濃度を検出する排ガス中酸素検出手段9を前記除塵装置7出口に配置し、前記排ガス中酸素検出手段9で検出した排ガス中酸素濃度を目標酸素濃度に調節すべく、前記二次空気供給機構4による二次空気供給量を調節制御する二次空気調節機構5とを設けてあった。
【0003】そして、前記二次空気調節機構5は、前記排ガス中酸素検出手段9で検出した排ガス中酸素濃度が前記目標酸素濃度に満たない場合には、前記二次空気供給機構4を、前記二次燃焼部1bに供給する前記二次空気供給量を増加するように調節し、前記排ガス中酸素濃度が前記目標酸素濃度を超える場合には、前記二次空気供給量を減少するように前記二次空気供給機構4を調節するように構成してあった。前記目標酸素濃度は一般に6〜8%程度の値の範囲に設定される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のゴミ焼却炉においては、前記二次燃焼部1bに供給する二次空気供給量を、前記排ガス中酸素濃度を前記目標酸素濃度と比較して調節しているために、前記一次空気供給機構3から供給される一次空気供給量等、前記二次燃焼部1bに至るまでに供給される空気量が増減すれば、前記排ガス中酸素濃度がこれの影響を受けて変化するために、前記二次空気調節機構5による二次空気量の調節が困難になるという問題を有していた。そこで、本発明のゴミ焼却炉及びその燃焼制御方法は、上記の問題点を解決し、二次燃焼部の上流側に供給される空気量が変動した場合にも、排ガス中酸素濃度を安定して、且つ容易に所定の範囲内に維持して、排出される一酸化炭素と窒素酸化物とを同時に低減できる手段を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
〔各特徴構成〕上記の目的のための本発明のゴミ焼却炉の特徴構成は、請求項1に記載の如く、一次燃焼部及び二次燃焼部での完全燃焼に必要な総理論空気量を導出する理論空気量判定手段と、前記総理論空気量(At) と、目標酸素濃度(PoS)と、前記一次燃焼部から前記二次燃焼部にわたる炉内に供給された総空気量(AT) とに基づき、二次空気調節機構における操作量(ΔA2)を、ΔA2 = At −(1− PoS /0.21)× ATとして演算導出する二次空気供給量演算手段とを備えて構成した点にある(第1特徴構成)。
【0006】尚、請求項2に記載の如く、前記第1特徴構成における理論空気量判定手段を、投入ゴミから採取したサンプルを燃焼させて所要空気量を算出し、総理論空気量を求めるように構成してあってもよく(第2特徴構成)、請求項3に記載の如く、前記第1特徴構成における理論空気量判定手段における総理論空気量(At)の算出式を、投入されたゴミの完全に燃焼した際の低位発熱量(HU) に基づき、予め設定されたa,bを定数として、At = a × HU + bとしてあってもよい(第3特徴構成)。さらに、請求項4に記載の如く、前記第1特徴構成における理論空気量判定手段を、投入ゴミから採取したサンプルを分析して、その成分から所定の算式により、低位発熱量を求めるように構成してあってもよい(第4特徴構成)。
【0007】また、上記の目的のための本発明のゴミ焼却炉の燃焼制御方法の特徴構成は、請求項5に記載の如く、炉内に供給された総空気量と、投入されたゴミの燃焼に要する総理論空気量(At) と、目標酸素濃度(PoS)と、一次燃焼部に供給された一次空気供給量(A1)とを基に、A2S = At /(1− PoS /0.21)− A1として求めた設定二次空気供給量(A2S)に基づいて、二次空気の供給量を設定する点にある(第5特徴構成)。
【0008】尚、請求項6に記載の如く、前記第5特徴構成における二次空気供給量(A2)に対する操作量(ΔA2)を、炉内に供給された総空気量(AT)と、投入されたゴミの燃焼に要する総理論空気量(At)と、目標酸素濃度(PoS)とを基に、ΔA2 = At −(1− PoS /0.21)× ATとして求めて設定するようにしてもよく(第6特徴構成)、さらに、請求項7に記載の如く、前記第5又は第6特徴構成における総理論空気量(At) を、前記炉内に投入されたゴミの低位発熱量(HU) に基づき、予め設定されたa,bを定数として、At = a × HU + bとして求めるようにしてもよい(第7特徴構成)。
【0009】〔各特徴構成の作用効果〕上記第1特徴構成によれば、炉内のゴミの燃焼状況に即した二次空気量の制御が可能となる。つまり、理論空気量判定手段と、これにより求めたゴミを燃焼させるに要する総理論空気量を用いて二次空気調整機構の操作量を演算導出する二次空気量演算手段とを設けてあり、前記求めた総理論空気量と目標酸素濃度とから前記操作量を求めるようにしてあるから、炉内のゴミの燃焼状態を二次空気量の制御に直接反映させることができる。上記操作量の設定について詳しく説明すれば、炉内に供給される酸素量に着目すると、一次空気として供給される酸素量は、A1 ×0.21(一次空気量をA1とする)であり、二次空気として供給される酸素量は、A2 ×0.21(二次空気量をA2とする)である。一方、炉内で消費される酸素量は、At ×0.21(総理論空気量をAtとする)である。従って、目標酸素濃度(PoS)を実現するには、二次空気の増減量(即ち操作量ΔA2)を考慮に入れた酸素量のバランス式は、炉内に供給された総空気量(AT) を前記一次空気量と前記二次空気量の合計量と見なせば、0.21×(AT+ΔA2)− 0.21×At = PoS × ATとして表すことができる。この式を整理すれば、ΔA2 = At − AT ×(1− PoS/0.21)
として操作量を決定することができるのである。尚、目標酸素濃度の設定は、従来と同様に固定値で設定してもよく、また、良好な状態で燃焼している場合の炉内プロセスデータから、炉の燃焼状態に合わせて演算導出し、設定するようにしてもよい。さらに、この操作量は炉内の燃焼状況を良好に維持しながら窒素酸化物及びダイオキシン等の排出を同時に抑制しようとするものであるが、有害物質の排出規制に合わせて、この操作量を補正するように構成してもよい。
【0010】尚、上記第2特徴構成によれば、上記第1特徴構成の作用効果に加えて、より実際的な二次空気量の制御が可能となる。つまり、炉内で燃焼すると同じゴミの燃焼に要する空気量を実測して求めるから、ほぼ正確に理論空気量を求めることが可能となり、また、上記第3特徴構成によれば、上記第1特徴構成の作用効果に加えて、ゴミの低位発熱量を求めれば、容易にゴミの理論空気量(即ち、総理論空気量)に換算できる。従って、炉の燃焼制御装置内のプロセスデータを利用して燃焼しているゴミに関する総理論空気量を求めることができる。そこで、プロセスデータに基づいて、主として一次空気量制御に用いられる炉内の燃焼発熱量を基に、二次空気量の制御を行うことが可能になる。つまり、ゴミの燃焼に関して、その低位発熱量と理論空気量との間に直線的な相関のあることが統計的に知られており、この関係を用いて総理論発熱量を求めるのである。従って、新たな設備の追加を必要とせずに、二次燃焼制御を行うことも可能となる。
【0011】さらに、上記第4特徴構成によれば、上記第1特徴構成の作用効果又は上記第2特徴構成の作用効果に加えて、炉内で燃焼しているゴミのゴミ質を推定することなく、低位発熱量を求めるので、より正確な理論空気量を総理論空気量として与えることが出来、確実な二次燃焼制御を実行できるようになる。
【0012】上記第5特徴構成によれば、炉の燃焼制御のプロセスデータの中から少ないデータを選択して用い、簡単に二次燃焼制御が出来るようになる。つまり、ゴミの燃焼に要する総理論空気量(At) と、目標酸素濃度(PoS)と、一次燃焼部に供給された一次空気供給量(A1)との三つのデータを選択して用いて、A2S = At /(1− PoS /0.21)− A1として示される簡単な式により、制御点としての設定二次空気供給量(A2S)を求めて、求めた設定二次空気供給量(A2S)に基づいて二次空気を二次燃焼部に供給するのである。従って、遅れの少ない制御が行えるようになる。上記二次空気供給量の演算式について説明すれば、上記式は、炉内の酸素量のバランスに基づいて求めるもので、理論空気量中の酸素量(即ち炉内のゴミの燃焼で消費される酸素量)は、一次空気として供給される一次空気中の酸素量(即ち 0.21×A1)と、二次空気として供給される二次空気中の酸素量(即ち 0.21×A2)との和から、排ガス中の酸素量(即ちPoS×At)を減じたものに一致する。つまり、0.21× At = 0.21×A1 + 0.21×A2 PoS ×Atである。この式を二次空気量に関する式に書き換えると、A2 = At /(1− PoS /0.21)− A1となるのである。
【0013】また、上記第6特徴構成によれば、直接所要の二次空気量に対する操作量を求めて制御するから、安定した制御が可能となる。前記操作量を求めるための計算式について説明すれば、炉内での酸素量需給のバランスに基づいて求めるもので、炉内に供給される総空気量中の酸素量(0.21×AT)は炉内で、ゴミの総理論空気量(ゴミの燃焼及び燃焼ガスの二次燃焼に要求される空気量)中の酸素量(0.21×At) を消費して、排ガス中には残量が排出されるはずであるが、この排出酸素の排ガス中の濃度を目標酸素濃度(PoS)に調節すると、前記総空気量中の酸素量には、炉内のゴミの性状によって過不足(−ΔA2) が生ずる。この過不足を補った酸素量の需給関係は、0.21×AT − 0.21×At = PoS × AT − 0.21×ΔA2となる。これを前記過不足(即ち操作量を示す式として整理すれば、ΔA2 = At −(1− PoS /0.21)× ATとなるのである。
【0014】尚、上記第7特徴構成によれば、上記第5特徴構成の作用効果又は上記第6特徴構成の作用効果に加えて、ゴミの低位発熱量を求めることで、容易にゴミの理論空気量(即ち、総理論空気量)に換算できる。従って、炉の燃焼制御装置内のプロセスデータを利用して燃焼しているゴミに関する総理論空気量を求めることができる。そこで、プロセスデータに基づいて、主として一次空気量制御に用いられる炉内の燃焼発熱量を基に、二次空気量の制御を行うことが可能になる。つまり、ゴミの燃焼に関して、その低位発熱量と理論空気量との間に直線的な相関のあることが統計的に知られており、この関係を用いて総理論発熱量を求めるのである。従って、新たな設備の追加を必要とせずに、二次燃焼制御を行うことも可能となる。
【0015】その結果、安定して、且つ容易に排ガス中の酸素濃度を適正な値に維持できるから、排ガス中の一酸化炭素と窒素酸化物とを同時に低減できるようになる。
【0016】
【発明の実施の形態】上記本発明のゴミ焼却炉の燃焼制御方法の実施の形態の一例について、以下に、図面を参照しながら説明する。尚、図1に本発明に係るゴミ焼却炉の一例を示すが、前記従来の技術において説明した要素と同じ要素並びに同等の機能を有する要素に関しては、先の図2に付したと同一の符号を付し、詳細の説明の一部は省略する。
【0017】ゴミ焼却炉1には、投入されたゴミを焼却処理する一次燃焼部1aと、前記一次燃焼部1aで発生した燃焼排ガスを完全燃焼させる二次燃焼部1bと、前記一次燃焼部1aに燃焼空気を供給する一次空気供給機構3と、前記二次燃焼部1bに燃焼空気を供給する二次空気供給機構4と、前記二次燃焼部1b下流側の煙道6に設けられた除塵装置7出口に配置された、排ガス中の酸素濃度を検出するために設けた排ガス中酸素検出手段9と、前記排ガス中酸素検出手段9で検出した排ガス中酸素濃度(PoE)を目標酸素濃度(PoS)に調節すべく、前記二次空気供給機構4による二次空気供給量(A2) を調節制御する二次空気調節機構5とを備えている。尚、前記二次燃焼部1b出口側の煙道6には、前記二次燃焼部1bからの排ガスの熱を回収して蒸気を生成する廃熱ボイラBを設け、その廃熱ボイラBからの蒸気を発電装置Gに送って電力として回収するように構成することもできる。この発電装置Gでの熱回収効率を高めるために前記廃熱ボイラBからの蒸気を過熱する外部燃焼式過熱器SHを設ければさらによい。
【0018】さらに、前記一次燃焼部1a及び前記二次燃焼部1bでの完全燃焼に必要な総理論空気量(At) を導出する理論空気量判定手段11と、前記検出した排ガス中酸素濃度(PoE)と、前記理論空気量判定手段11で検出した総理論空気量(At)と、前記一次空気供給機構3から供給した一次空気量(A1) と、前記排ガス中酸素検出手段9に至るまでに供給された前記一次空気量(A1) 及び二次空気量以外の外部空気量(A') とから、前記目標酸素濃度(PoS)を演算導出する目標酸素濃度設定手段10と、前記二次空気調節機構5における操作量(ΔA2) を演算導出する二次空気供給量演算手段12とを設けてある。
【0019】前記二次空気供給量演算手段12は、前記総理論空気量(At) と、前記目標酸素濃度(PoS)と、前記一次燃焼部1aから前記二次燃焼部1bにわたる炉内に供給された総空気量(AT) 即ち前記一次空気量(A1)と前記二次空気量(A2)と前記外部空気量(A')との合計空気量とから前記操作量(ΔA2)を、ΔA2 = At −(1− PoS /0.21)× ATとして求めるように構成する。また、前記目標酸素濃度設定手段10は例えば、あらかじめ二次燃焼部1bの温度(T)に対して設定されたa,bを定数として、PoS=a×T+bとして前記目標酸素濃度(PoS)を求めるように構成することができる。
【0020】上記ゴミ焼却炉1における燃焼制御について一例を説明すると、投入されたゴミを火炉2内の一次燃焼部1aにおいて、一次空気供給機構3から一次空気を供給して一次燃焼させ、前記火炉2からの燃焼ガスに二次燃焼部1bにおいて二次空気を供給して二次燃焼させ、その二次燃焼部1bからの排ガスを導く煙道6における排ガス中酸素濃度(PoE)を排ガス中酸素検出手段9で検出し、検出した排ガス中酸素濃度(PoE)を目標酸素濃度(PoS)に維持すべく炉内に供給する空気量を、二次空気調節機構5を構成する二次空気供給機構4の空気供給管路4aに設けられた二次空気調節弁4bの開度調節により制御する。
【0021】具体的には、前記炉内に供給された総空気量(AT)(即ち一次空気量(A1)と二次空気量(A2)と前記外部空気量(A')との合計量)と、前記投入されたゴミの燃焼に要する総理論空気量(At) と、前記目標酸素濃度(PoS)とを基に、前記二次燃焼部1bに供給する二次空気供給量に対する操作量(ΔA2) を二次空供給量演算手段12で求める。この二次空気供給量演算手段12で用いる計算式としては、例えば、ΔA2 = At −(1− PoS /0.21)× ATとすればよい。こうして求めた操作量(ΔA2) を、前記排ガス中酸素濃度(PoE)を前記目標酸素濃度(PoS)に近付けるべく前記二次空気調節機構5に設定する。この二次空気調節機構5による二次空気供給量(A2)の制御における操作量(ΔA2)を、前記二次空気調節弁4bの開度調整量としてもよく、二次空気調節弁5aの下流側に流量調節計を配してフィードバック制御させるようにしてあってもよい。尚、前記外部空気量(A') には、排ガスを冷却するために煙道に設けられた排ガス冷却機構に吹き込まれる冷却空気等の量が含まれる。尚、この操作量は、炉内の燃焼状態を良好に維持するように設定するものであるが、有害物質の排出規制に合わせて補正することも可能である。
【0022】前記総理論空気量(At) は、理論空気量判定手段11により判定するように構成し、前記理論空気量判定手段11は、予め求めてある炉内で燃焼するゴミの理論発熱量とゴミの燃焼に関する理論発熱量との相関式を用いて、与えられたゴミの低位発熱量(HU) の入力を受けてこれに対応する理論空気量を前記総理論空気量(At)として出力するようにすればよい。前記ゴミの低位発熱量(HU)と理論空気量との相関式を求めるのに、ゴミ質毎に理論空気量を測定し、炉の制御装置のプロセスデータを統計処理して、ゴミ質と前記低位発熱量(HU) との関係を求め、各ゴミ質毎に前記相関式の各係数を定めるように構成することができる。例えば、図1に示したようにゴミ焼却炉1に廃熱ボイラBを備える場合には、炉の燃焼制御装置において制御におけるプロセスデータのうちの、前記廃熱ボイラBの蒸気出口における蒸気発生量及び温度から、ボイラ効率を考慮に入れて所定時間内の炉内の燃焼発熱量を求めて、これをゴミ供給機構1cから前記所定時間内に火炉2に供給されたゴミ重量で除して、炉内で燃焼しているゴミの低位発熱量 (HU) を求めることができる。求めた低位発熱量(HU)を基に、予め求めてあるゴミの燃焼に関する理論発熱量との相関式に基づいて総理論空気量(At) を求めるように構成すればよい。上記理論空気量と低位発熱量の関係については、種々のゴミ質のゴミを燃焼させて、燃焼発熱量と理論空気量を求め、この両者について統計処理して、At = a × HU + bにおける両係数(a,b)を求めておくことで上記相関式を決定できる。
【0023】次に、本発明の他の実施の形態について説明する。
〈1〉上記実施の形態に於いては、目標酸素濃度(PoS)を、目標酸素濃度設定手段10によって例えば、PoS=a×T+bとして求めるように構成することができるとして説明したが、前記目標酸素濃度(PoS)は、二次空気量演算手段12、或いは燃焼制御装置に直接所定の値(例えば7%)を設定するようにしてあってもよい。
〈2〉上記実施の形態に於いては、二次空気供給量演算手段12を、総理論空気量(At) と、目標酸素濃度(PoS)と、一次燃焼部1aから二次燃焼部1bにわたる炉内に供給された総空気量(AT)とから操作量(ΔA2)を、ΔA2 = At −(1− PoS /0.21)× ATとして求めるように構成する例について説明したが、前記操作量(ΔA2) に代えて、一次空気供給機構3から供給された一次空気供給量(A1)と、前記目標酸素濃度設定手段10により演算導出される目標酸素濃度(PoS)と、前記理論空気量判定手段11で求めた総理論空気量(At)とに基づき、A2S = At /(1− PoS /0.21)− A1として設定二次空気供給量(A2S)を求め、二次空気供給量(A2) をこれに一致させるように制御するように構成してもよい。この制御動作は、二次空気調節弁5aの開度を、予め求めてある流気量との関係に基づいて直接調節するようにしてもよい。この場合の操作量も、炉内の燃焼状態を良好に維持するように設定するほかに、有害物質の排出規制に合わせて補正することが可能である。
〈3〉上記実施の形態に於いては、ゴミ焼却炉1に廃熱ボイラBを備えるゴミ焼却炉の燃焼制御装置において制御におけるプロセスデータのうちの、前記廃熱ボイラBの蒸気出口における蒸気発生量及び温度から、ボイラ効率を考慮に入れて所定時間内の炉内の燃焼発熱量を求めて、これをゴミ供給機構1cから前記所定時間内に火炉2に供給されたゴミ重量で除して、炉内で燃焼しているゴミの低位発熱量(HU) を求める例について説明したが、理論空気量判定手段11に、投入ゴミから採取したサンプルを燃焼させて所要空気量を算出し、この所要空気量から総理論空気量(At)を求める機能を備えさせてあってもよい。
【0024】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成9年(1997)10月9日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
【公開番号】 特開平11−108327
【公開日】 平成11年(1999)4月23日
【出願番号】 特願平9−277550