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【発明の名称】 2軸スクリュー式の廃棄物供給装置
【発明者】 【氏名】森嶋 誠

【氏名】榎本 博康

【氏名】石井 修平

【要約】 【課題】ブリッジブレーカやバイブレータ等の特別な装置を設けなくてもブリッジの形成を防止できる2軸スクリュー式の廃棄物供給装置を提供すること。

【解決手段】ホッパー21の底部に軸方向に対向させたスクリュー軸4R、4Lを、鉛直方向の断面における2本のスクリュー軸の接線のうち、外接する上側の接線が水平面に対して傾くように配置する。あるいはスクリュー軸4R、4LのスクリューのピッチPとスクリューの外径Dと回転数Nの積P・D・Nを互いに異なる値にしてもよい。さらに、スクリュー軸4R、4Lと平行な壁面22R2、22L2の水平面に対する角度を互いに異なる角度にする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 箱状容器の底部に軸心を平行にした2本のスクリュー軸を配置し、前記箱状容器に投入される廃棄物を前記スクリュー軸により送り出すようにした2軸スクリュー式の廃棄物供給装置において、鉛直方向の断面における2本のスクリュー軸の接線のうち、外接する上側の接線が水平面に対して傾くように前記2本のスクリュー軸を配置することを特徴とする2軸スクリュー式の廃棄物供給装置。
【請求項2】 箱状容器の底部に軸心を平行にした2本のスクリュー軸を配置し、前記箱状容器に投入される廃棄物を前記スクリュー軸により送り出すようにした2軸スクリュー式の廃棄物供給装置において、2本のスクリュー軸のスクリューのピッチPとスクリューの外径Dと回転数Nの積P・D・Nを互いに異なる値にすることを特徴とする2軸スクリュー式の廃棄物供給装置。
【請求項3】 箱状容器の底部に軸心を平行にした2本のスクリュー軸を配置し、前記箱状容器に投入される廃棄物を前記スクリュー軸により送り出すようにした2軸スクリュー式の廃棄物供給装置において、前記スクリュー軸を軸方向に挟む両側の壁面の水平面に対する角度を互いに異なる大きさにすることを特徴とする2軸スクリュー式の廃棄物供給装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃棄物焼却設備に使用される2軸スクリュー式の廃棄物供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】2軸スクリュー式の廃棄物供給装置は廃棄物焼却設備において廃棄物を焼却炉に供給するための装置である。以下、このような2軸スクリュー式の廃棄物供給装置を廃棄物焼却設備と合わせて図4ないし図6を参照して説明する。図4は2軸スクリュー式の廃棄物供給装置が使用される廃棄物焼却設備の全体構成図、図5は従来の廃棄物供給装置の正面から見た断面図、図6は側面から見た断面図である。先ず、廃棄物焼却設備について説明する。図示しない廃棄物貯蔵所に貯蔵された廃棄物1はクレーン2により廃棄物供給装置3に投入され、底部に配置された2本のスクリュー軸4R、4Lにより投入シュート5を経て焼却炉6に送り出される。焼却炉6には、押込送風機7から送り出され、空気予熱器8で暖められた空気が多数のノズル9から供給されて廃棄物1を燃焼させる。焼却炉6で発生した燃焼ガスは廃熱ボイラ10、エコノマイザ11、排気ガス処理装置12を経て煙突13から大気中に放出される。14は誘引通風機で、排気ガスを誘引し、廃棄物1の燃焼を助ける。
【0003】また、エコノマイザ11で暖められた水は廃熱ボイラ10の内部に配置された配管15の内部で蒸気になり、高圧蒸気だめ16を介して蒸気タービン式発電機17、余熱利用設備18、空気予熱器8等に送られ、各装置において熱エネルギーを放出し、復水機19を経て再びエコノマイザ11に送られる。
【0004】ところで、廃棄物1は紙、木屑、生ゴミ等の種々の材質で構成されており、焼却炉6に供給する前にその材質等を検知することは困難である。そこで、焼却炉6に供給する廃棄物1の量がばらつかないようにしておき、焼却炉6内部の温度あるいは温度分布等を測定することにより燃焼状態を監視し、廃棄物1の時間当りの供給量やノズル9から供給する空気量(温度および吹き込む位置を含む。)を制御することにより必要な熱量を発生させて廃熱ボイラ10の炉内圧力を一定に保つと共に、安定な燃焼状態を維持することにより排気ガス中に有害成分が含まれないようにしている。
【0005】次に、定量の廃棄物1を焼却炉6に供給する装置である廃棄物供給装置3について説明する。廃棄物供給装置3は図5および図6に示すように箱状の容器であるホッパ21と、ホッパ21の底部に軸方向に対向して配置された2本のスクリュー軸4R、4Lで構成されている。ホッパ21の軸方向の壁面22R、22Lは対称で、垂直な面22R1、22L1と、上方に向けて広がる傾斜面22R2、22L2とで構成されている。また、軸と直角な方向の壁面22F、22Bのうち、壁面22Bは垂直な面22B1と、上方に向けて広がる傾斜面22B2とで構成され、壁面22Fは上方に向けて広がる傾斜面22F1と、投入シュート5側に向けて傾斜する傾斜面22F2とで構成されている。そして、底面23は円弧状に形成されている。
【0006】2本のスクリュー軸4R、4Lのうち、図5において右側のスクリュー軸4Rは反時計回りに、左側のスクリュー軸4Lは時計回りに回転する。そして、ホッパ21の上部から投入された廃棄物1は、2本のスクリュー軸4R、4Lの中心線に向かって引き込まれてスクリュー羽根4aと底面23の間に形成される隙間に取り込まれ、スクリュー軸4R、4Lの回転にともなってスクリュー羽根4aにより図6の右方に押され、投入シュート5に入る。24はスクリュー軸4R、4Lを駆動するモータである。25は供給ドラム、26は供給ドラムの駆動装置、27はフラップダンパで、それぞれ投入シュート5の入口付近に配置され、焼却炉6に送り出す廃棄物1の量を微調整する。
【0007】図7はホッパ21の傾斜面22R2,22L2上にある廃棄物1に加わる力を説明する図である。いま、傾斜面22R2上にある廃棄物1aの重さがW(自重と深さ方向の他の廃棄物1の重さとの和である。)であるとすると、傾斜面方向の分力Wdと傾斜面と垂直方向の分力Wpによる摩擦力μWp(ただし、μは摩擦係数である。)との差により下方に移動しようとする。また、分力Wpに等しい反力Wpを受ける。そして、廃棄物1aが傾斜面22L2上にある場合、スクリュー軸4R、4Lの中心軸の垂直2等分線に関して力の方向が上記傾斜面22R2の場合と対称になる。
【0008】廃棄物1の密度が低い場合、左右に発生する分力Wpが図示の断面の両側までつながることはない。また、摩擦力μWpも小さい。この結果、廃棄物1がスクリュー軸4R、4Lに引き込まれるのに合わせて隣接する廃棄物1が移動し、スクリュー軸4R、4Lの上部に空洞部ができることはほとんどない。また、スクリュー軸4R、4Lの上部に空洞部ができても、隣接する他の廃棄物1が直ちに入り込む。
【0009】しかし、例えば予定した以上の廃棄物1がホッパー21に投入されたような場合、ホッパー21の下部は下に行くほど狭いから、下部の廃棄物1の密度が高くなり、左右に発生する分力Wpが図示の断面の両側までつながることがある。また、摩擦力μWpも大きくなる。この結果、廃棄物1は移動しにくくなり、廃棄物1がスクリュー軸4R、4Lに引き込まれた後、スクリュー軸4R、4Lの中心線上に2点鎖線で示すアーチ状の空洞部(以下、ブリッジという。)が形成されやすくなり、しかも形成されたブリッジが消失せず、残ってしまう頻度が高くなる。なお、廃棄物1の形状が左右対称の場合は、スクリュー軸4R、4Lの中心線上に形成される上記空間も左右対称になるため、ブリッジが形成される傾向にある。
【0010】ブリッジが形成されると、廃棄物1は焼却炉6に供給されなくなる。このため、火力が衰えて熱の発生が低下し、例えば上記廃棄物焼却設備における蒸気タービン式発電機17の出力が低下する。そこで、ホッパー21下部にブリッジブレーカと呼ばれる廃棄物押し出し装置を付加して廃棄物1をスクリュー軸4R、4L側に押し込んだり、あるいはホッパ21の外壁にバイブレータを設置し、外壁を介して内部の廃棄物1を振動させることにより、ブリッジの形成を防止していた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ブリッジの形成を確実に防止するためには、ブリッジブレーカやバイブレータを大形のものにする必要があり、廃棄物焼却設備が高価になった。また、ブリッジは堆積した廃棄物1の内部に形成されるため、外部から確認することは困難である。そして、ブリッジが形成されてからブリッジブレーカやバイブレータを動作させたのでは時間遅れが発生するから、ブリッジブレーカやバイブレータを常に動作させておく必要があり、これらを駆動するためのエネルギ使用量が大きくなった。
【0012】本発明の目的は、上記従来技術における課題を解決し、ブリッジブレーカやバイブレータ等の特別な装置を設けなくてもブリッジの形成を防止できる2軸スクリュー式の廃棄物供給装置を提供するにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するため、第1の手段は、箱状容器の底部に軸心を平行にした2本のスクリュー軸を配置し、前記箱状容器に投入される廃棄物を前記スクリュー軸により送り出すようにした2軸スクリュー式の廃棄物供給装置において、鉛直方向の断面における2本のスクリュー軸の接線のうち、外接する上側の接線が水平面に対して傾くように前記2本のスクリュー軸を配置することを特徴とする。
【0014】また、第2の手段は、箱状容器の底部に軸心を平行にした2本のスクリュー軸を配置し、前記箱状容器に投入される廃棄物を前記スクリュー軸により送り出すようにした2軸スクリュー式の廃棄物供給装置において、2本のスクリュー軸のスクリューのピッチPとスクリューの外径Dと回転数Nの積P・D・Nを互いに異なる値にすることを特徴とする。
【0015】さらに、第3の手段は、箱状容器の底部に軸心を平行にした2本のスクリュー軸を配置し、前記箱状容器に投入される廃棄物を前記スクリュー軸により送り出すようにした2軸スクリュー式の廃棄物供給装置において、前記スクリュー軸を軸方向に挟む両側の壁面の水平面に対する角度を互いに異なる大きさにすることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。図1は本発明の実施の形態に係る廃棄物供給装置の正面断面図、図2は側面断面図であり、図5、6と同等な各部には同一の参照符号を付し、説明は省略する。図で、スクリュー軸4Rとスクリュー軸4Lの外径Dは同径、スクリュー羽根4aのピッチPおよび回転数Nも同一であるが、スクリュー軸4Rはスクリュー軸4Lよりも上方に配置されている。また、壁面22R2の水平面に対する角度αは壁面22L2の水平面に対する角度βよりも大きくしてある。
【0017】次に、本実施の形態の動作を説明する。スクリュー軸4R、4Lは軸の高さが異なるから、スクリュー軸4R、4Lの上側の軸心と直角方向の空間は非対称になる。この結果、廃棄物1がスクリュー軸4Rとスクリュー軸4Lに引き込まれると、隣接する他の廃棄物1が直ちに形成された空間に移動する。しかも、廃棄物1はスクリュー軸4Rとスクリュー軸4Lの中心線に垂直な方向、すなわち鉛直線に関して傾いた方向に引き込まれるから、引き込まれながら隣接する廃棄物1を動かす。また、壁面22R2は壁面22L2よりも急であるから、左右の分力Wpは大きさが異り、廃棄物1は容易に移動してブリッジが形成されても、ブリッジを安定させない。
【0018】なお、上記では外径Dが同一のスクリュー軸4R、4Lの軸心位置を高さ方向に変えたが、図3に示すように、例えばスクリュー軸4Rの外径Dをスクリュー軸4Lの外径よりも大径にすると、軸心の高さを同一にしても、スクリュー軸4R、4Lの上側の軸心と直角方向の空間は非対称になる。なお、この場合、廃棄物1が引き込まれる方向は鉛直方向になるが、廃棄物1は先ずスクリュー軸4Rに接触して左側に移動しながら引き込まれ、上記の場合と同様の結果を得ることができる。すなわち、2本のスクリュー軸に外接する接線のうち、1点鎖線で示す上側の接線mを水平面に対して傾けることによりブリッジの形成を防止することができる。なお、この場合も中心線を傾けるようにすれば、さらに効果を上げることができる。
【0019】ところで、上記では、スクリュー軸と垂直な方向の空間を非対称にするようにしたが、スクリュー軸と平行な方向の空間を非対称にしてもよい。この場合、スクリュー軸4Rとスクリュー軸4LのスクリューのピッチPとスクリューの外径Dと回転数Nの積P・D・Nを互いに異なる値(例えばスクリュー軸4Rとスクリュー軸4LのスクリューのピッチPとスクリューの外径Dを同一にして回転数だけを左右で変える。)にすると、軸方向の速度が異なるため、廃棄物1がスクリュー軸4R、4Lに引き込まれる際に形成される空間が軸方向に対して傾き、軸と直角方向の空間が対称になることを防止できる。また、軸方向の速度が異なるため、飲み込まれる廃棄物1が回転することが多く、引き込まれながら隣接する廃棄物1を動かすから、ブリッジが形成されてもブリッジを安定させない。なお、この場合も、2本のスクリュー軸に外接する上側の接線を水平面に対して傾けるとさらに効果を上げることができる。
【0020】なお、上記では、スクリュー軸4R、4Lの軸心を水平に配置した場合について説明したが、投入シュート5に向かって下がるように傾斜させた場合にも適用できる。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、箱状容器の底部に軸心を平行にした2本のスクリュー軸を配置し、前記箱状容器に投入される廃棄物を前記スクリュー軸により送り出すようにした2軸スクリュー式の廃棄物供給装置において、鉛直方向の断面における2本のスクリュー軸の接線のうち、外接する上側の接線が水平面に対して傾くように前記2本のスクリュー軸を配置し、あるいは、2本のスクリュー軸のスクリューのピッチPとスクリューの外径Dと回転数Nの積P・D・Nを互いに異なる値にするから、スクリュー軸上部のブリッジの形成をほぼ防止することができ、また、ブリッジが形成されたとしてもブリッジが安定することはない。その結果、焼却炉に定量の廃棄物を供給でき、燃焼状態を安定させることができる。また、スクリュー軸を軸方向に挟む両側の壁面の水平面に対する角度を互いに異なる大きさにすることによりさらに効果を上げることができる。
【出願人】 【識別番号】000005441
【氏名又は名称】バブコック日立株式会社
【出願日】 平成9年(1997)10月1日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】武 顕次郎
【公開番号】 特開平11−108322
【公開日】 平成11年(1999)4月23日
【出願番号】 特願平9−268731