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【発明の名称】 ゴミピットの構造
【発明者】 【氏名】西原 充幸

【氏名】竹田 智征

【要約】 【課題】限られた建設用地でありながらも空間の利用効率を向上してコンパクトに構成し得るゴミピットを提供する。

【解決手段】収集ゴミを一次的に蓄積するゴミ収容部1を備え、前記ゴミ収容部1の上方に収集ゴミの投入部2を設け、前記ゴミ収容部1の下方に所要量のゴミを取り出して処理炉へ供給するゴミの取り出し部3を設けて、前記ゴミ収容部1を上下に複数の分割収容部1a,1b,………,1zに分割し、各分割収容部1a,1b,………,1zの下部に上方からの投入ゴミを収容または下方への移送を切り替えるダンパ10a,10b,………,10zを設けて構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 収集ゴミを一次的に蓄積するゴミ収容部を備え、前記ゴミ収容部の上方に収集ゴミの投入部を設け、前記ゴミ収容部の下方に所要量のゴミを取り出して処理炉へ供給するゴミの取り出し部を設けてあるゴミピットの構造。
【請求項2】 前記ゴミ収容部の内周壁を下方側が外方に膨らむ裾拡がり形状に構成してある請求項1記載のゴミピットの構造。
【請求項3】 前記ゴミ収容部を上下に複数の分割収容部に分割し、各分割収容部の下部に上方からの投入ゴミを収容または下方への移送を切り替えるダンパを設けてある請求項1記載のゴミピットの構造。
【請求項4】 前記取り出し部を、前記分割収容部のうちの最下段に位置する分割収容部のダンパで構成してある請求項3記載のゴミピットの構造。
【請求項5】 前記ゴミ収容部が、横断面の最大径よりも深さが大なる縦穴構造である請求項1から4のいずれかに記載のゴミピットの構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、都市ゴミ焼却炉等のゴミ処理炉で処理される前のゴミを一次的に収容するゴミピットの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の一般的なゴミピットの構造としては、図6に示すように、地表面に掘削形成された平面視方形または長方形の大口径の縦穴をゴミ収容部1とし、前記ゴミ収容部1の上方空間に収容ゴミを把持して処理炉のゴミホッパーHに投入するグラブバケット付の天井クレーン装置Pを設けて構成したものがあり、前記ゴミ収容部1の上屋はゴミ処理炉全体の建物の中でかなり大きな部分を占めていた。近年、美観の問題や環境の問題等から廃棄物処理炉に対する建設用地の獲得が非常に困難な状況にあり、特に地価の高い都心部で顕著である。そこで、敷地の単位面積当たりの利用率を向上すべく、収集ゴミを一次的に蓄積するゴミ収容部を地上部に備え、前記ゴミ収容部の上方に収集ゴミの投入部を設け、前記ゴミ収容部の下方に所要量のゴミを取り出して処理炉へ供給するゴミの取り出し部を設けて、グラブバケット付の天井クレーン装置Pを不要にしたバンカーの構造が提案されている(特開昭50−147172号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した従来のクレーン機構を不要にしたバンカーの構造では、大容量のゴミを処理する大型のゴミ処理炉に対応するためには、複数のバンカーを設けたり、個々のバンカー容量を大きくする必要があり、結局のところ広大な敷地が必要になるという問題点が解消されない。
【0004】本発明の目的は、このような従来技術の欠点を解消し、限られた建設用地でありながらも空間の利用効率を向上してコンパクトに構成し得るゴミピットの構造を提供する点にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため本発明に係るゴミピットの構造の第一の特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項1に記載した通り、収集ゴミを一次的に蓄積するゴミ収容部を備え、前記ゴミ収容部の上方に収集ゴミの投入部を設け、前記ゴミ収容部の下方に所要量のゴミを取り出して処理炉へ供給するゴミの取り出し部を設けてある点にある。第一の特徴構成によれば、ゴミ収容部に収容されたゴミを処理炉に供給するのに、収容部の内部で自由落下したゴミをその下方に配置された取り出し部から取り出して処理炉に供給することになるので、ゴミ収容部の上方空間にクレーン装置を設ける必要がなくなるのである。従って、ゴミ収容部をその横断面積を抑えながら地下深く構成することにより、限られた建設用地でありながらも所定の容量を確保しながらも、地上空間の利用効率を向上して、全体としても建設費、設備費を低減してコンパクトに構成し得るのである。但し、ゴミ処理炉が地中に構築されており、そのホッパ部が取り出し部よりもさらに下方に配置されている場合には、ゴミをホッパまで自由落下させることが可能になるが、ゴミ処理炉が地表面または地中に構築されており、そのホッパ部が取り出し部よりもさらに上方に配置されている場合には、取り出し部から取り出されたゴミを上方に搬送する手段が必要となる。
【0006】第二の特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項2に記載した通り、上述の第一の特徴構成に加えて、前記ゴミ収容部の内周壁を下方側が外方に膨らむ裾拡がり形状に構成してある点にある。第二の特徴構成によれば、ゴミ収容部の深さを大きくした場合であっても、収容部内でゴミの架橋ができてゴミの自由落下を阻害するという不都合の発生を効果的に解消することができる。つまり、ゴミが収容部側壁へ付着し、そのゴミにさらに別のゴミが付着するといったことを繰り返しアーチ状の架橋が生じるという架橋の発生する過程において、内周壁を下方側が外方に膨らむ裾拡がり形状に構成してあるために、周壁へのゴミの付着力よりも重力が打ち勝ち、架橋の生成が困難となるのである。従って、所定の容量を確保するために地中深く大容量のゴミ収容部を構成する場合であっても、特別のブリッジ除去機構を設けることなくブリッジの生成を事前に回避できるゴミピットの構造を提供することができるようになった。
【0007】第三の特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項3に記載した通り、上述の第一の特徴構成に加えて、前記ゴミ収容部を上下に複数の分割収容部に分割し、各分割収容部の下部に上方からの投入ゴミを収容または下方への移送を切り替えるダンパを設けてある点にある。第三の特徴構成によれば、上方から落下した大量のゴミを各分割収容部毎に分割して支持することができるので、第二の特徴構成による場合と同様、所定の容量を確保するために地中深く大容量のゴミ収容部を構成する場合であっても、特別のブリッジ除去機構を設けることなくブリッジの生成を事前に回避できるゴミピットの構造を提供することができ、さらには、下方のゴミが上方のゴミの重量で圧密化して燃えにくい質の悪いに変質するといった状況を回避して、比較的均質で燃えやすいゴミ質を維持することができるという特有の作用効果を有するのである。ここで、上方から投入されたゴミを各分割収容部に収容するには、上方の分割収容部に所定量のゴミが収容された後に、そのゴミを次段の分割収容部に移送するというステップを順次繰り返すことにより実現してもよく、上方の分割収容部を開放しておき、投入されたゴミを最下段の分割収容部から順に収容して、最下段の分割収容部に所定量のゴミが収容された後にその上段の分割収容部のダンパを閉鎖し、その分割収容部へ収容するステップを順次繰り返すことにより実現してもよい。前者の場合には、ゴミの移送手順が若干煩雑になるもののゴミの圧密化を効果的に抑制することが可能になり、後者の場合には、最下段の分割収容部までゴミが直接落下するため、下段の分割収容部ほどゴミが多少圧密化される傾向にあるものの、ゴミの移送手順が単純化されるという利点がある。従って、前者と後者を適宜組み合わせて、互いの利点を旨く引き出すことが可能になる。各分割収容部の容量については、全段等容量であってもよいし、下段ほど大きくまたはその逆に下段ほど小さくしてもよい。
【0008】第四の特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項4に記載した通り、上述の第三の特徴構成に加えて、前記取り出し部を、前記分割収容部のうちの最下段に位置する分割収容部のダンパで構成してある点にある。第四の特徴構成によれば、最下段に位置する分割収容部のダンパを開放すれば、その分割収容部に収容されていた所定容量のゴミを処理炉に供給することが可能となり、別途の取り出し部を構成する必要が無くなるのである。
【0009】第五の特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項5に記載した通り、上述の第一から第四のいずれかの特徴構成に加えて、前記ゴミ収容部が、横断面の最大径よりも深さが大なる縦穴構造である点にある。第五の特徴構成によれば、広大な敷地がなくとも、地中深く掘削することにより大容量のゴミ収容部を構築することが可能になるのである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。都市ゴミ焼却システムは、図3から図5に示すように、地中に掘削形成された縦穴50の周囲にコンクリート壁51を形成し、横方向に二分割された一方の空間S1をメンテナンス用空間、他方の空間を設備配置空間S2とし、前記設備配置空間S2の底部に、ストーカ式焼却炉52及びそのストーカ式焼却炉52からの焼却残渣を溶融処理する表面溶融炉53を併設するとともに、前記ストーカ式焼却炉52の上方に廃熱ボイラ53を設置し、前記表面溶融炉53の上方に前記廃熱ボイラ53を通流した排ガスの余熱を利用してボイラ水を予熱するエコノマイザー54を設置し、さらにその上方に、バグフィルター55、ガス再加熱器56、触媒脱硝装置57を順に設置してあり、誘引ファン65を介して煙突(図示せず)から排気するように構成してある。ここに、前記表面溶融炉53からの排ガスは二次燃焼された後に、前記エコノマイザー54に合流するように構成してある。
【0011】前記ストーカ式焼却炉52の燃焼室内部へゴミを装入する押し込み投入機構59を底部に備えたゴミホッパ58に対して、その上方の縦長の空間S3に収集ゴミの収容空間としてのゴミピット60を設置してある。前記ゴミピット60は、収集ゴミを一次的に蓄積するゴミ収容部1を備え、前記ゴミ収容部1の上方に収集ゴミの投入部2を設け、前記ゴミ収容部1の下方に所要量のゴミを取り出して処理炉へ供給するゴミの取り出し部3を設けて構成してある。
【0012】前記投入部2は、地上に設けられ、ごみ収集車61が進入停車してゴミを投入するプラットホーム62と、通常はゴミの発する悪臭の外部への流出を阻止すべく閉鎖され、ごみ収集車61からのゴミの投入時にのみ開放される開閉操作自在の投入扉63とから構成してある。
【0013】前記ゴミ収容部1は、横断面形状が方形でその最大径よりも深さが大なる縦穴構造で構成してあり、図1に示すように、上下方向に複数の収容部に分割して分割収容部1a,1b,1c,………,1zを構成し、各分割収容部1a,1b,1c,………,1zの底部に油圧駆動部11a,11b,11c,………,11zにより開閉操作自在のダンパ10a,………,10zを設けて構成してある。前記ゴミ収容部1の一側面の上方から下方にかけてゴミから漏れる汚水を回収する排水路4を設置してあり、各分割収容部1a,1b,1c,………,1zの下端部に前記排水路4への開口4a,4b,4c,………,4zを設けるとともに、各出口扉10a,………,10zに汚水を前記開口4a,4b,4c,………,4zへ向けて流す複数の傾斜溝(図示せず)を設けてあり、前記排水路4からの汚水は供給路(図示せず)を介して前記ストーカ式焼却炉52の燃焼室内に噴霧供給されて気化され可燃分が燃焼処理されるように構成してある。尚、傾斜溝の代わりに各出口扉10a,………,10z自体を前記開口4a,4b,4c,………,4zへ傾斜配置してもよい。
【0014】前記ゴミ収容部1へのゴミの投入手順について説明する。悪臭の拡散防止のために通常は閉鎖されている最上段の分割収容部1aのダンパ10aは、その分割収容部1aに所定量のゴミが投入される度に開放してゴミを落下搬送した後に、再度、閉鎖駆動されるという開閉動作を繰り返す。ゴミが未収容の状態では、最下段のダンパ10zを除き、次段のダンパ10bから下方は全て開放してあり、最下段の分割収容部1zに所定量のゴミが収容されるとその上段のダンパ(図示せず)が閉鎖され、以後は当該分割収容部にゴミが収容される。さらに、当該分割収容部に所定量のゴミが収容されるとその上段側のダンパ(図示せず)が閉鎖され、そのダンアに対する分割収容部にゴミが収容されるという動作を順次実行するのである。
【0015】この動作を実現するために、各分割収容部1b,1c,………,1zには、収容ゴミ量を検出するゴミセンサ12b,………,12z(光検出方式、重量検出方式などの公知の検出機構を適宜用いて構成される)、各出口扉10a,………,10zの開閉状態を検出する位置センサ13a,………,13z(マイクロスイッチやリードスイッチなどの公知の検出機構を適宜用いて構成される)、各ゴミセンサ及び位置センサの検出信号を入力して前記油圧駆動部11a,11b,11c,………,11zを制御する制御回路(図示せず)を設けてある。前記押し込み投入機構59により順次ゴミが炉内に投入され、前記ゴミホッパ58内に設けたゴミセンサの検出によりゴミを充填する必要が生じたときに、前記制御回路は、最下段の直上のダンパが閉鎖されていることを条件に、最下段のダンパ10zを開放して最下段の分割収容部1zに収容されている所定容量のゴミを落下供給する。即ち、前記取り出し部3を、前記分割収容部1a,1b,1c,………,1zのうちの最下段に位置する分割収容部1z及びそのダンパ10zで構成してある。ここに、前記押し込み投入機構59は前記制御回路により駆動制御されるものであってもよいし、他の制御回路で制御されるように構成してもよい。
【0016】以下に、本発明に係るゴミピットの構造の別実施形態を説明する。ゴミピットの構造としては、収集ゴミを一次的に蓄積するゴミ収容部を備え、前記ゴミ収容部の上方に収集ゴミの投入部を設け、前記ゴミ収容部の下方に所要量のゴミを取り出して処理炉へ供給するゴミの取り出し部を設けてあれば、上下に複数の分割収容部に分割するものに限るものではない。例えば、ゴミ収容部としては、上方から下方にわたってその横断面積が常に等しく方形、または長方形(場合によっては円形)となる鉛直の側壁で囲まれるように構成したものであってもよい。さらには、図2に示すように、前記ゴミ収容部1の内周壁を下方側が外方に膨らむ裾拡がり形状に構成して、収容部内でのゴミによる架橋の生成を阻止するように構成してもよい。この場合を含めて収容部1を上下に分割する構成を採らない場合には下方のゴミが圧密になるために、図2に示すように、先端部が平面の押し出し部材20を油圧機構21により往復駆動させ、押し出し部材20の往動により底部のゴミをゴミホッパ58側に押し出して落下供給するスクレーパー機構など、底部のゴミを収容部から外部に外力により搬送する取り出し部3を設ける必要がある。取り出し部3としては、スクレーパー機構以外に、底部のゴミを掻き取り、水平方向に搬送する水平軸芯回りに回転するスクリュー式コンベア機構で構成してもよい。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成9年(1997)9月18日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
【公開番号】 特開平11−94222
【公開日】 平成11年(1999)4月9日
【出願番号】 特願平9−252994