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【発明の名称】 電気抵抗式乾留減容炉
【発明者】 【氏名】清水 健二

【要約】 【課題】安いコストで乾留減容を効率よく行わせることができる電気抵抗式乾留減容炉を提供する。

【解決手段】耐熱性絶縁容器2の一方の対向面に電極板3a,3bをそれぞれ配置し他方の対向面を形成する耐熱性絶縁材からなる側壁4a,4bのうちの一方または両方の側壁を伝熱可能な側壁5とし、内部にカーボン物質の粒子6を充填した発熱体1と、前記発熱体1の伝熱可能な側壁5を一側壁とする耐熱性絶縁容器9により形成される乾留室8とからなる構成とした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 耐熱性絶縁容器の一方の対向面に電極板をそれぞれ配置し他方の対向面を形成する耐熱性絶縁材からなる側壁のうちの一方または両方の側壁を伝熱可能な側壁とし、内部にカーボン物質の粒子を充填した発熱体と、前記発熱体の伝熱可能な側壁を一側壁とする耐熱性絶縁容器により形成される乾留室とからなる電気抵抗式乾留減容炉。
【請求項2】 乾留室となる耐熱性絶縁容器の一側壁を形成する発熱体の伝熱可能な側壁に発熱体内と乾留室とを連通する連通穴を形成したこ請求項1記載の電気抵抗式乾留減容炉。
【請求項3】 乾留室となる耐熱性絶縁容器の底部に耐熱性絶縁容器の一方の対向面に電極板をそれぞれ配置し内部にカーボン物質の粒子を充填した発熱体を設けた請求項1または2記載の電気抵抗式乾留減容炉。
【請求項4】 乾留室となる耐熱性絶縁容器の底部には、乾留室と乾留室の下方の発熱体内とを連通する連通穴を形成した請求項3記載の電気抵抗式乾留減容炉。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、厨房等から発生する生ごみや医療用廃棄物等を乾留して。減容する電気抵抗式乾留減容炉に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の電気抵抗式乾留減容炉は、一般に、炉内または炉外にカンタル線やその他発熱体が装着された構成となっており、この発熱体に通電することにより、炉内の温度を上昇させ、その温度と発熱体から発生するジュール熱を炉内の被減容物が輻射熱として受け取ることによって熱分解をおこして減容するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の電気抵抗式乾留減容炉によれば、一般に発熱体は特殊金属でできているため高価であり、発熱体の取替費用が高額となる。また、発熱体が被減容物や被減容物の乾留に伴い発生する乾留ガスが発熱体に接触するような場合、発熱体が劣化し、耐久性に欠け、発熱体の取替が早まり、コストアップが避けられない。
【0004】本発明の目的は安いコストで乾留減容を効率よく行わせることができる電気抵抗式乾留減容炉を提供することにある。
【0005】本発明の他の目的は、被減容物の乾留に伴い発生した乾留ガスを燃焼させることができる電気抵抗式乾留減容炉を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の電気抵抗式乾留減容炉は、耐熱性絶縁容器の一方の対向面に電極板をそれぞれ配置し他方の対向面を形成する耐熱性絶縁材からなる側壁のうちの一方または両方の側壁を伝熱可能な側壁とし、内部にカーボン物質の粒子を充填した発熱体と、前記発熱体の伝熱可能な側壁を一側壁とする耐熱性絶縁容器により形成される乾留室とからなる構成とした。
【0007】このような構成の電気抵抗式乾留減容炉では、乾留室に生ごみ等の被減容物を投入し、発熱体の両電極間に電圧をかけると、電流は一方の電極板からカーボン物質の粒子層間を通り、他方の電極板に流れることになる。カーボン物質の粒子層に電流が流れると、カーボン物質の粒子同志の接触点で、ある部分ではスパーク放電が発生し、またある部分では高い接触抵抗によってその部分に高いジュール熱が発生する。またカーボン物質の粒子自身も電流と固有抵抗によるジュール熱が発生し、これらが相加わってカーボン物質の粒子の層は高温となり、また高い発熱を生じる。
【0008】前記乾留室に投入された被減容物は、乾留室と発熱体の間を仕切る発熱体の伝熱可能な側壁を通して、発熱体で生じた前記高温と発熱により輻射熱を受けてそれ自身昇温され、先ず水分が蒸発し、次に乾燥部の温度が上昇し、熱分解温度に達してガス化分解をおこす。この作用が被減容物の内部で次々と進行し、ガス化物質が消滅し、最後に炭素分であるチャーが残る。
【0009】請求項2記載の電気抵抗式乾留減容炉は、乾留室となる耐熱性絶縁容器の一側壁を形成する発熱体の伝熱可能な側壁に発熱体内と乾留室とを連通する連通穴を形成した構成とした。
【0010】このような構成の電気抵抗式乾留減容炉では、発熱体と乾留室とを仕切る発熱体の伝熱可能な側壁に形成した連通穴を通して発熱体で生じた前記高温と発熱により輻射熱が連通穴を通して乾留室に伝達されることになり、発熱体で生じた高熱がより効率良く乾留室に伝達されるので、乾留室内の昇温が向上し被減容物のガス化分解が促進される。他方、被減容物のガス化分解により発生した乾留ガスは前記連通穴を通って発熱体内に入り、前記高温となっているカーボン物質の粒子層を通過して上部空間に流れるが、乾留ガスは高温のカーボン物質の粒子層を通過する過程で加熱され高温となって上部空間に流れるので、ここで空気と接触することにより燃焼を起し、燃焼ガスとして排出される。
【0011】請求項3記載の電気抵抗式乾留減容炉は、前記乾留室となる耐熱性絶縁容器の底部に耐熱性絶縁容器の一方の対向面に電極板をそれぞれ配置し内部にカーボン物質の粒子を充填した発熱体を設けた構成とした。
【0012】このような構成の電気抵抗式乾留減容炉では、乾留室の底部にある発熱体で生じた高温と発熱により輻射熱も乾留室の底部を通して乾留室に伝達されることになり、乾留室内の昇温が向上し被減容物のガス化分解が促進される。
【0013】請求項4記載の電気抵抗式乾留減容炉は、請求項3記載の乾留室の底部に乾留室と乾留室の下方の発熱体内とを連通する連通穴を形成した構成とした。
【0014】このような構成の電気抵抗式乾留減容炉では、乾留室の下方の発熱体で生じた高温と発熱により輻射熱が連通孔を通してより効率良く乾留室に伝達されることになり、乾留室内の昇温が向上し被減容物のガス化分解が一層促進される。
【0015】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る電気抵抗式乾留減容炉における実施の形態の一例を示すものである。
【0016】図面において、1は発熱体であり、この発熱体1は本例では、セラミック製の耐熱性絶縁容器2の一方の対向面にカーボン製の正負の電極板3a,3bをそれぞれ配置し、他方の対向面を形成する耐熱性絶縁材からなる側壁4a,4bのうちの一方の側壁4aを伝熱可能な側壁5とし、内部にカーボン物質の粒子6を充填し、前記電極板3a,3bの外面には通電導体7a,7bを接続した構造となっている。
【0017】前記カーボン物質としては、木炭,石炭,活性炭,コークス等の加工炭が使用されるが、本例では木炭が使用されている。カーボン物質の粒子6の大きさは5〜20mm程度である。
【0018】8は乾留室であり、この乾留室8は前記発熱体1の伝熱可能な側壁5を一側壁とする耐熱性絶縁容器9により形成されている。
【0019】このように構成したので、発熱体1を形成する耐熱性絶縁容器2の対向する両電極板3a,3b間に電圧をかけると、電流は一方の電極板3aからカーボン物質の粒子6層間を通り、他方の電極板3bに流れることになる。カーボン物質の粒子6層に電流が流れると、カーボン物質の粒子5同志の接触点で、ある部分ではスパーク放電が発生し、またある部分では高い接触抵抗によってその部分に高いジュール熱が発生する。またカーボン物質の粒子6自身も電流と固有抵抗によるジュール熱が発生し、これらが相加わってカーボン物質の粒子6の層は高温となり、また高い発熱を生じる。
【0020】そこで、前記乾留室8に生ごみ等の被減容物を投入し、前記電極板3a,3b間に電圧をかけると、乾留室8に投入された被減容物は、乾留室8と発熱体1の間を仕切る発熱体1の伝熱可能な側壁5を通して、発熱体1で生じた前記高温と発熱により輻射熱を受けてそれ自身昇温され、先ず水分が蒸発し、次に乾燥部の温度が上昇し、熱分解温度に達してガス化分解をおこす。この作用が被減容物の内部で次々と進行し、ガス化物質が消滅し、最後に炭素分であるチャーが残る。このチャーは熱源体として再利用できる。
【0021】図2は、本発明に係る電気抵抗式乾留減容炉における実施の形態の他例を示すものであり、本例では、前記発熱体1の他方の対向面を形成する耐熱性絶縁材からなる側壁4a,4bのいずれをも伝熱可能な側壁5とし、発熱体1の両側に、この伝熱可能な側壁5となる側壁4a,4bを一側壁とする耐熱性絶縁容器9により乾留室8を形成している。
【0022】このように構成したので、発熱体1を形成する耐熱性絶縁容器2の対向する両電極板3a,3b間に電圧をかけると、発熱体1の両側の乾留室8に投入された被減容物は、乾留室8と発熱体1の間を仕切る発熱体1の伝熱可能な側壁5となる側壁4a,4b一側壁を通して、発熱体1で生じた前記高温と発熱により輻射熱を受けてそれ自身昇温され、先ず水分が蒸発し、次に乾燥部の温度が上昇し、熱分解温度に達してガス化分解をおこすことになり、大量の被減容物を効率良く乾留減容することができる。
【0023】図3は、本発明に係る電気抵抗式乾留減容炉における実施の形態の他例を示すものであり、本例では、前記発熱体1を4個用意し、各発熱体1の他方の対向面を形成する耐熱性絶縁材からなる側壁4a,4bのうちの一方の側壁4aを伝熱可能な側壁5とし、この各発熱体1の伝熱可能な側壁5を四方の側壁とする耐熱性絶縁容器9により乾留室8を形成している。
【0024】このように構成したので、各発熱体1を形成する耐熱性絶縁容器2の対向する両電極板3a,3b間に電圧をかけると、四方の側壁を各発熱体1の伝熱可能な側壁5で形成された乾留室8に投入された被減容物は、四方の伝熱可能な側壁5を通して、各発熱体1で生じた前記高温と発熱により輻射熱を四方から受けることになり、被減容物自身の昇温が促進され、被減容物の乾留減容時間の短縮化を図ることができる。
【0025】前記の図1、図2、図3に示す各実施の形態例にあっては、発熱体1と乾留室8のそれぞれの上部開口部に耐熱性絶縁材よりなる蓋(図示せず)が被せてあり、また発熱体1と乾留室8の外周を断熱材(図示せず)で覆っている。また、乾留室8の上部には、乾留室8で被減容物の乾留により発生した乾留ガスを排出する排出路(図示せず)が設けられている。
【0026】図4、図5は、本発明に係る電気抵抗式乾留減容炉における実施の形態の他例を示すものであり、前記図2に示す実施の形態例において、発熱体1の両側の伝熱可能な側壁5に発熱体1内と乾留室8とを連通する連通穴10を形成した。前記乾留室8の開口部には耐熱性絶縁材よりなる蓋11が被せてあり、また発熱体1と乾留室8の外周を断熱材12で覆っている。また、発熱体1の上部には燃焼室13となる空間を形成している。この燃焼室13は外部と連通している。
【0027】このように構成したので、発熱体1と乾留室8とを仕切る発熱体1の伝熱可能な側壁5に形成した連通穴10を通して発熱体1で生じた前記高温と発熱により輻射熱が連通穴10を通して乾留室8に伝達されることになり、発熱体1で生じた高熱がより効率良く乾留室8に伝達されるので、乾留室8内の昇温が向上し被減容物のガス化分解が促進される。他方、被減容物のガス化分解により発生した乾留ガスは前記連通穴10を通って発熱体1内に入り、前記高温となっているカーボン物質の粒子6層を通過して上部には燃焼室13流れるが、乾留ガスは高温のカーボン物質の粒子6層を通過する過程で加熱され高温となって燃焼室13に流れるので、ここで空気と接触することにより燃焼を起し、燃焼ガスとして排出される。
【0028】本例では、図2に示す実施の形態例における発熱体1の伝熱可能な側壁5に発熱体1内と乾留室8とを連通する連通穴10を形成しているが、図1及び図3に示す実施の形態例における発熱体1の伝熱可能な側壁5に、発熱体1内と乾留室8とを連通する連通穴10を形成してもよく、本例と同様の作用が得られる。
【0029】図6は、本発明に係る電気抵抗式乾留減容炉における実施の形態の他例を示すものであり、前記図3に示す実施の形態例において、乾留室8となる耐熱性絶縁容器9の底部14に、耐熱性絶縁容器15の一方の対向面に電極板3a,3bをそれぞれ配置し内部にカーボン物質の粒子6を充填した発熱体16を設けている。 このように構成したので、耐熱性絶縁容器9により形成される乾留室8の底部14にある発熱体16で生じた高温と発熱により輻射熱も乾留室8の底部14を通して乾留室8に伝達されることになり、乾留室8内の昇温が向上し被減容物のガス化分解が促進される。
【0030】本例では、図3に示す実施の形態例における乾留室8の底部14に発熱体16を設けているが、図1及び図2に示す実施の形態例における乾留室8の底部に発熱体16を設けてもよく、本例と同様の作用が得られる。
【0031】図7は、本発明に係る電気抵抗式乾留減容炉における実施の形態の他例を示すものであり、前記図6に示す実施の形態例において、乾留室8となる耐熱性絶縁容器9の底部14に、乾留室8と乾留室8の下方の発熱体16内とを連通する連通穴17を形成した。
【0032】このように構成したので、乾留室8の下方の発熱体16で生じた高温と発熱により輻射熱が連通孔17を通してより効率良く乾留室8に伝達されることになり、乾留室8内の昇温が向上し被減容物のガス化分解が一層促進される。
【0033】本例では、図6に示す実施の形態例における乾留室8の底部14に、乾留室8と乾留室8の下方の発熱体16内とを連通する連通穴17を形成しているが、図1及び図2に示す実施の形態例における乾留室8の底部に発熱体16を設け、この底部に乾留室8と乾留室8の下方の発熱体16内とを連通する連通穴を形成してもよく、本例と同様の作用が得られる。
【0034】
【発明の効果】以上のように本発明に係る電気抵抗式乾留減容炉によれば、カーボン物質の粒子を発熱体の発熱源としているので、安いコストで乾留減容を効率よく行わせることができ、また、被減容物の乾留に伴い発生した乾留ガスを容易に燃焼処理することができる。
【出願人】 【識別番号】597089026
【氏名又は名称】藤精機株式会社
【出願日】 平成9年(1997)6月24日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 明博 (外1名)
【公開番号】 特開平11−14022
【公開日】 平成11年(1999)1月22日
【出願番号】 特願平9−167680