| 【発明の名称】 |
濃淡燃焼装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】堂山 政人
【氏名】石原 忍
|
| 【要約】 |
【課題】装置のコンパクト化が可能で、冷却用空気の量を極端に増加させることもなく、濃火炎による燃焼室の壁の過度の加熱を防止し得る濃淡燃焼装置。
【解決手段】偏平な濃混合部5と淡混合部13とが、幅方向を並設方向として交互に、かつ、濃混合部5が両端に位置するように並設されて矩形のケーシング3内に収納保持され、並設方向の両端に位置する濃混合部5とケーシング3との間に間隔15が形成されて燃焼用二次空気が上方に向けて通風するように構成され、ケーシング3がその外周囲に冷却用空気通路を形成するための間隔4を隔てて燃焼室2内に収納されて冷却用空気が上方に向けて通風するように構成されていて、ケーシング3における、並設方向の両端に位置する濃燃焼部5のそれぞれと対向する壁3aが、その上端を濃混合気用炎孔6より上方に位置するように構成されている濃淡燃焼装置。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 上方に濃混合気用炎孔が形成された偏平な濃混合部と、上方に淡混合気用炎孔が形成された偏平な淡混合部とが、その幅方向を並設方向として交互に、かつ、濃混合部が両端に位置するように並設されて平面視で矩形のケーシング内に収納保持され、前記並設方向の両端に位置する濃混合部と前記ケーシングとの間に、前記並設方向に間隔が形成されて、その間隔を通して燃焼用二次空気が上方に向けて通風するように構成されるとともに、前記ケーシングが、その外周囲に冷却用空気通路を形成するための間隔を隔てて燃焼室内に収納されて、前記冷却用空気通路を通して冷却用空気が上方に向けて通風するように構成された濃淡燃焼装置であって、前記ケーシングにおける、前記並設方向の両端に位置する濃燃焼部のそれぞれと前記並設方向において対向する壁が、その上端を前記濃混合気用炎孔より上方に位置するように構成されている濃淡燃焼装置。 【請求項2】 前記ケーシングにおける、前記並設方向に沿って位置する壁が、その上端を前記濃混合気用炎孔ならびに淡混合気用炎孔より上方に位置するように構成されている請求項1に記載の濃淡燃焼装置。 【請求項3】 前記濃混合部を構成する濃バーナを前記ケーシング内に収納保持させ、前記並設方向に隣接する濃バーナと前記ケーシングとによって前記淡混合部が形成されている請求項1または2に記載の濃淡燃焼装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、上方に濃混合気用炎孔が形成された偏平な濃混合部と、上方に淡混合気用炎孔が形成された偏平な淡混合部とが、その幅方向を並設方向として交互に、かつ、濃混合部が両端に位置するように並設されて平面視で矩形のケーシング内に収納保持され、前記並設方向の両端に位置する濃混合部と前記ケーシングとの間に、前記並設方向に間隔が形成されて、その間隔を通して燃焼用二次空気が上方に向けて通風するように構成されるとともに、前記ケーシングが、その外周囲に冷却用空気通路を形成するための間隔を隔てて燃焼室内に収納されて、前記冷却用空気通路を通して冷却用空気が上方に向けて通風するように構成された濃淡燃焼装置に関する。 【0002】 【従来の技術】このような構成の濃淡燃焼装置は、淡混合気用炎孔に生成される淡火炎の両側に濃混合気用炎孔に生成される濃火炎が位置し、その濃火炎による保炎作用のもとでNOxの発生を抑制した良好な濃淡燃焼が可能となる。ところで、従来、このような濃淡燃焼装置においては、第5図に示すように、濃混合部5や淡混合部13を収納保持するケーシング3の壁3A,3Bの上端が、濃混合気用炎孔6や淡混合気用炎孔14よりも下方に位置するように構成されていたか、あるいは、濃混合気用炎孔6や淡混合気用炎孔14とほぼ同じ高さに位置するように構成されていた。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】そのため、特に、濃混合部5と淡混合部13との並設方向での端部においては、その端部に位置する濃混合部5の濃混合気用炎孔6に生成される、図中仮想線で示す濃火炎により、燃焼室2の壁が加熱されて燃焼室2内の温度が異常に上昇するという問題があった。つまり、燃焼装置全体をコンパクトにしようとすると、前記ケーシング3の壁3Aと燃焼室2の壁との間の間隔4を狭くする方が有利である。その場合、偏平な濃混合部5や淡混合部13の長手方向での端部においては、たとえケーシング3の壁3Bと燃焼室2の壁とを近接させても、ケーシング3の壁3Bと濃混合部5などとの間に濃混合部5などを保持するための部材が介在されたり、あるいは、端部近くにまで濃混合気用炎孔6などを形成するのが構造的にむずかしいなどの理由で、火炎と燃焼室2の壁との間にはある程度の距離が保持される。しかし、前記並設方向での端部においては、濃混合気用炎孔6と燃焼室2の壁とが近接するため、濃火炎の輻射熱などにより燃焼室2の壁が異常に加熱されるという問題があった。 【0004】このような問題を解消するためには、ケーシング3の壁3Aと燃焼室2の壁との間の間隔4を広げればよいが、それでは装置のコンパクト化が阻害され、また、ケーシング3と燃焼室2の壁との間を通風する冷却用空気の量を増加させて冷却効果を向上させようとすると、冷却用空気を通風させるためのファンが大型化したり、ファンの大型化に伴って騒音が大きくなるなどの別の問題があり、それに加えて、高速で通風する冷却用空気によって濃火炎に乱れが生じてCOが発生したり、淡火炎に対する保炎作用が阻害されるという問題が生じる。 【0005】本発明は、このような従来の種々の問題点に着目したもので、その目的は、装置のコンパクト化が可能で、しかも、冷却用空気の量を極端に増加させることもなく、濃火炎による燃焼室の壁の過度の加熱を防止し得る濃淡燃焼装置の提供にある。 【0006】 【課題を解決するための手段】この目的を達成するため、請求項1に記載の発明によれば、偏平な濃混合部と淡混合部とを並設して収納保持するケーシングにおける、並設方向の両端に位置する濃燃焼部のそれぞれと前記並設方向において対向する壁が、その上端を濃混合気用炎孔より上方に位置するように構成されているので、濃混合気用炎孔より上方に位置するケーシングの壁が、濃混合気用炎孔に生成される濃火炎の輻射熱を遮り、燃焼室の壁に対する加熱を抑制し、かつ、ケーシングの壁の外側を通風する冷却用空気による濃火炎の乱れを防止する。その結果、燃焼装置のコンパクト化を図り、かつ、冷却用空気の量を極端に増加させることなく、前記並設方向の両端に位置する濃燃焼部に対向する燃焼室の壁の過度の加熱を防止でき、しかも、濃火炎の乱れに起因するCOの発生を抑制し、淡火炎に対する保炎作用も期待できるに至った。 【0007】請求項2に記載の発明によれば、前記ケーシングにおける、前記並設方向に沿って位置する壁が、その上端を前記濃混合気用炎孔ならびに淡混合気用炎孔より上方に位置するように構成されているので、上述の並設方向の両端に対向する燃焼室の壁に加えて、並設方向に沿う燃焼室の壁に対しても、濃混合気用炎孔ならびに淡混合気用炎孔より上方に位置するケーシングの壁による輻射熱の遮蔽によって過度の加熱が防止され、燃焼室内の温度上昇が一層抑制される。 【0008】請求項3に記載の発明によれば、濃混合部を構成する濃バーナを前記ケーシング内に収納保持させ、前記並設方向に隣接する濃バーナと前記ケーシングとによって前記淡混合部が形成されているので、濃バーナを構成する部材で淡混合部の形成部材を兼用でき、上述した燃焼装置のコンパクト化に加えて軽量化をも図ることができる。 【0009】 【発明の実施の形態】本発明による濃淡燃焼装置の実施の形態を図面に基づいて説明する。この濃淡燃焼装置は、図1および図2に示すように、全体が平面視において長方形の外枠体1で覆われ、その外枠体1の内部に形成される燃焼室2内に、同じく平面視において長方形のバーナケーシング3が、その四辺の壁と外枠体1の内壁面との間に間隔を隔てた状態で収納保持され、そのバーナケーシング3の外周囲に形成された間隔が、冷却用空気を上方に向けて通風するための冷却用空気通路4に構成され、かつ、バーナケーシング3内には、複数の濃バーナ5が収納保持されている。 【0010】前記濃バーナ5は、空気混合率の小さい濃混合気を吐出して燃焼させるための濃混合部を構成するもので、板金によって全体が偏平な形状に構成され、図3および図4にも示すように、その長手方向に沿って複数のスリットからなる濃混合気用炎孔6が形成され、濃混合気用炎孔6に連通する濃用混合室7と、濃用混合室7に燃料ガスと燃焼用空気とを導入する濃用導入口8が設けられている。この濃バーナ5には、さらに、後述する淡混合部に燃料ガスと燃焼用空気との混合気を供給する淡用ガス導通路9と、この淡用ガス導通路9に燃料ガスと燃焼用空気とを導入する淡用導入口10も設けられ、淡用ガス導通路9には多数の噴出孔11が穿設されている。 【0011】このような濃バーナ5が、濃混合気用炎孔6を上方に位置させた状態で、その幅方向を並設方向とし、かつ、並設方向に一定の間隔を置いて、前記バーナケーシング3内に収納保持され、このように複数の濃バーナ5を一定の間隔を置いて並設することで、並設方向に隣接する濃バーナ5とバーナケーシング3とにより偏平な空間が形成され、この偏平な空間が淡用混合室12となって、空気混合率の大きい淡混合気を吐出して燃焼させるための淡混合部13が構成され、隣接する濃バーナ5の濃混合気用炎孔6間に淡混合気用炎孔14が形成されている。 【0012】その結果、上方に濃混合気用炎孔6を備えた偏平な濃バーナ5と、上方に淡混合気用炎孔14を備えた偏平な淡混合部13とが、その幅方向を並設方向として交互に、かつ、濃バーナ5が両端に位置するように並設され、その並設方向の両端に位置する濃バーナ5と、その両端に位置する濃バーナ5に対向するバーナケーシング3の壁3aとの間には、それぞれ間隔15が設けられ、その間隔15を通して燃焼用二次空気が上方に向けて通風されるように構成されている。 【0013】前記濃バーナ5の一方の横側面には、濃バ−ナ5の側面とほぼ同じ形状の板金製のカバー板16が位置され、濃バーナ5の長手方向の両端部において濃バ−ナ5にかしめられて取り付けられ、かつ、濃バーナ5とカバー板16との間に位置する複数枚の板金製の整流板17も一緒にかしめて取り付けられ、各カバー板16の上端と各整流板17の上端とが、濃混合気用炎孔6とほぼ同じ高さに位置するように構成されている。ただし、並設方向の端部に位置する濃バーナ5においては、その横側方に燃焼用二次空気通風用の間隔15が形成されるため、いずれか一方の濃バーナ5、この実施形態においては、図4における右端の濃バーナ5には、カバー板16や整流板17は取り付けられておらず、かつ、その濃バーナ5に形成の淡用ガス導通路9には噴出孔11も穿設されていない。 【0014】このような濃バーナ5が、その長手方向の両端部をバーナケーシング3の前記並設方向に沿って位置する壁3bの内側に連設の保持部材18に設けられたスリット18a内に上方から挿入されて保持され、バーナケーシング3における四辺の壁3a,3bの上端は、全て濃バーナ5の濃混合気用炎孔6や淡混合部13の淡混合気用炎孔14よりも上方に位置するように伸長されている。つまり、濃バーナ5の並設方向の両端に位置する濃バーナ5のそれぞれと並設方向において対向するバーナケーシング3の壁3aの上端が、濃混合気用炎孔6よりも上方に位置するように伸長され、かつ、濃バーナ5の並設方向に沿って位置するバーナケーシング3の壁3bの上端も、濃混合気用炎孔6や淡混合気用炎孔14よりも上方に位置するように伸長されている。 【0015】前記バーナケーシング3の底部には、多数の孔を有する整風用の多孔板19が設けられ、その多孔板19と外枠体1の底部との間に空気室20が形成されていて、その空気室20が、多孔板19の孔を介して各淡用混合室12や燃焼用二次空気通風用の間隔15に連通され、かつ、四方の開口部を介して冷却用空気通路4に連通されている。そして、前記外枠体1の下方には、燃焼用空気と冷却用空気とを供給するためのファン21がひとつ設けられ、そのファン21の吐出口が前記空気室20に連通され、その空気室20を介して、各淡用混合室12や間隔15に燃焼用空気を供給し、冷却用空気通路4に冷却用空気を供給するように構成されている。 【0016】各濃バ−ナ5に設けられた濃用導入口8と淡用導入口10とは、全て同一方向に向けて並設され、その前面に濃用燃料ガスと淡用燃料ガスとを分配供給するガスヘッダ22が設けられ、そのガスヘッダ22に取り付けられた濃用ガスノズル23が、各濃用導入口8に、淡用ガスノズル24が、各淡用導入口10にそれぞれ臨んでいて、各ガスノズル23,24からの燃料ガスの吹き込みによるエゼクタ作用で、空気室20からの空気の一部を所定の割合で吸引して、各導入口8,10に導入するように構成されている。前記ガスヘッダ22には、ガス供給路25が接続され、そのガス供給路25には、開閉弁やガス量調整弁などが設けられ、ガス量調整弁を調整することにより、濃用ガスノズル23や淡用ガスノズル24に供給する燃料ガスの量を調整して、所望の加熱量を得るように構成されている。 【0017】具体的に説明すると、ガス供給路25よりガスヘッダ22に供給された燃焼ガスは、各濃用ガスノズル23から濃用導入口8に、各淡用ガスノズル24から淡用導入口10に吹き込まれ、その際のエゼクタ作用により空気室20からの空気の一部が、燃焼用空気として所定の割合で吸引され、濃用導入口8や淡用導入口10に導入される。濃用導入口8に導入された燃料ガスと燃焼用空気とは、濃用混合室7内で混合されて空気混合率の小さい濃混合気が生成され、その濃混合気が濃混合気用炎孔6から吐出されて燃焼され、濃火炎が生成される。また、淡用導入口10に導入された燃料ガスと燃焼用空気とは、淡用ガス導通路9を通って多数の噴出孔11から淡用混合室12内に噴出され、さらに、多孔板19を通って供給される燃焼用空気と混合されて空気混合率の大きい淡混合気が生成され、その淡混合気が淡混合気用炎孔14から吐出されて燃焼され、淡火炎が生成されるとともに、両側に生成される濃火炎による保炎作用を受けて良好に燃焼する。 【0018】この濃淡燃焼の際、ファン21による送風空気の一部は、空気室20を形成する多孔板19の孔を介して前記間隔15内を上方に向けて通風し、前記並設方向の両端に位置する濃混合気用炎孔6に生成の濃火炎に対する燃焼用二次空気として供給される。同時に、ファン21による送風空気の一部は、冷却用空気通路4内を上方に向けて通風して、バーナケーシング3の壁3a,3bと燃焼室2を形成する外枠体1の壁を冷却し、かつ、濃混合気用炎孔6や淡混合気用炎孔14よりも上方に位置するバーナケーシング3の壁3a,3bが、濃火炎や淡火炎による輻射熱を遮って、外枠体1の壁に対する加熱を抑制するのである。 【0019】〔別実施形態〕 (1)先の実施形態においては、複数の濃バーナ5を一定の間隔を置いてバーナケーシング3内に収納保持させ、それによって形成される偏平な空間を利用して淡混合部13を構成した例を示したが、濃バーナ5と同じような構成の偏平な淡バーナを設け、その濃バーナ5と淡バーナとを交互に並設して濃淡燃焼装置を構成することもできる。 【0020】(2)先の実施形態においては、バーナケーシング3の四辺の壁3a,3bの全てを上方に伸長した例を示したが、濃バーナ5の並設方向の両端に位置する濃バーナ5の長手方向に沿ってそれぞれ対向するバーナケーシング3の壁3aの上端のみを濃混合気用炎孔6より上方にまで伸長して実施することもできる。 【0021】(3)先の実施形態においては、バーナケーシング3の四辺の壁3a,3bを一体的に上方に伸長した構成を示したが、濃混合気用炎孔6や淡混合気用炎孔14よりも上方に伸長する壁部分の全て、あるいは、一部をバーナケーシング3とは別体に構成してバーナケーシング3に固着して実施することもでき、その場合には、バーナケーシング3と別体に構成する壁部分を例えば耐熱性の高い別材料で構成することもできる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000135416 【氏名又は名称】株式会社ハーマン
|
| 【出願日】 |
平成10年(1998)2月18日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】北村 修一郎
|
| 【公開番号】 |
特開平11−230509 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)8月27日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−35695 |
|