トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F23 燃焼装置;燃焼方法




【発明の名称】 灯油気化装置
【発明者】 【氏名】高橋 睦彦

【氏名】田島 文夫

【要約】 【課題】送油パイプと気化器ボディーの接続部である油流入口でのタール詰まりを起こさないようにするとともにウィック上部でのタールの生成付着を抑制した灯油気化装置を提供する。

【解決手段】そのために、気化器ボディーのキャップとノズルの間の位置にバーナーの燃焼炎に曝されて燃焼熱を回収する受熱棒を設けた灯油気化装置において、キャップ3を熱伝導の悪いステンレス鋼製とするとともに、そのキャップ3に灯油の流入する油流入口6を開設し、気化器ボディー1と発熱体4の間に一枚ないし複数枚のウィック5を設け、そのウィック5の上部を開放部14となし、そのウィック5の上部の開放部14とキャップ3の内側空間を連通させかつ上部開放部14とノズル7の内側空間を連通させた。それにより、油流入口部とウィック上部でのタールの発生が抑制され、気化器のタール詰まりに対する耐久性が一段と向上した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 内側に中空の気化室を形成した気化器ボディーの一端から発熱体を挿入するとともに他端からウィックを挿入しかつキャップで閉鎖し、気化器ボディーの発熱体挿入側に、気化室で発生した灯油気化ガスの噴出するノズルと気化器ボディーの温度を検出する温度検出素子をそれぞれ配設するととも、気化器ボディーのキャップとノズルの間の位置にバーナーの燃焼炎に曝されて燃焼熱を回収する受熱棒を設けた灯油気化装置において、前記キャップ(3)を熱伝導の悪い材料製とするとともに、前記キャップに灯油の流入する油流入口(6)を開設し、前記気化器ボディー(1)と前記発熱体(4)の間に一枚ないし複数枚のウィック(5)を設け、前記ウィックの上部を開放部(20)となしたことを特徴とする灯油気化装置。
【請求項2】 前記ウィック(5)の上部開放部(20)と前記キャップ(3)の内側空間を連通させるとともに前記ウィック(5)の上部開放部(20)と前記ノズル(7)の内側空間を連通させたことを特徴とする請求項1記載の灯油気化装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発熱体の発生熱のほかに受熱棒を通じて回収される燃焼熱によって灯油を気化させるようにした気化装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図7は従来の灯油気化装置の断面図であり、この図において、101は中空円筒形の気化器ボディーであり、201はこの気化器ボディー101内に形成された気化室、301は気化器ボディー101の一端を塞ぐキャップ、401は気化器ボディー101内の気化室201内にキャップ301とは反対の端から挿入されて固定された発熱体、501は気化器ボディー101内においてキャップ301側から気化室201内に挿入されて灯油の拡散および気化を促進するウィックである。601はポンプからの灯油が流入する油流入口で、701は気化した灯油が噴出するノズル、801はバーナーの燃焼炎にさらされて加熱され、その熱(回収熱)を気化器ボディー101に伝える受熱棒である。そして、901は気化器ボディー101の温度を検出する気化器温度検出素子である。
【0003】この灯油気化装置において、運転開始操作がなされると、発熱体401は温度検知素子901の情報に基づいて制御され、気化器ボディー101を所定温度に上昇させる。気化器ボディー101の温度が所定値に達すると、ポンプ(図示せず)が作動を開始して灯油が油流入口601から気化室201に送り込まれると同時に、ソレノイド(図示せず)が作動して掃除棒(図示せず)が移動し、ノズル701が開口される。それにより、発生した灯油ガスがノズル701からバーナ(図示せず)に供給され、そこで燃焼が行なわれる。
【0004】燃焼中は受熱棒801がバーナーの燃焼炎に曝され、受熱棒8が炎から受熱した熱、すなわち回収熱が、気化器ボディー101に供給されることになる。気化器ボディーの温度が所定温度以上に上昇した後は、発熱体401の動作は停止され、受熱棒801からの熱により気化器ボディー101の温度が所定値以上に維持され、灯油の気化が続行される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述従来の気化装置は、燃焼炎から熱を回収する受熱棒901が、油流入口601に近接して設けられているため、油流入口601付近の温度が高くなりやすく、時として油流入口601から吐き出された灯油が瞬時に蒸発する現象が生じて、脈動燃焼を引き起こしてしまったり、灯油の劣化を促進させてしまって、油流入口601をタールで詰まらせてしまうことがあった。
【0006】従来この問題を解決するために、例えば実開昭60−81437号公報のごとく、送油パイプの取り付け部における気化器本体と送油パイプの間の熱伝導路断面積を狭くしたり、あるいは実開平3−112622号公報のごとく、熱伝導率の低いステンレス鋼製の継ぎ手を介して送油パイプを気化器ボディーに接続するなどしているが、根本的な解決策にはなっていなかった。
【0007】また、実開昭60-165631号、実開平3-56023号の考案のように、ウィックに種々の改良を加えたものが提案されているが、いずれもウィックの交換のしやすさに重点がおかれたものであり、タール詰まりを防止する効果はあまりなかった。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、内側に中空の気化室を形成した気化器ボディーの一端から発熱体を挿入するとともに他端からウィックを挿入しかつキャップで閉鎖し、気化器ボディーの発熱体挿入側に、気化室で発生した灯油気化ガスの噴出するノズルと気化器ボディーの温度を検出する温度検出素子をそれぞれ配設するととも、気化器ボディーのキャップとノズルの間の位置にバーナーの燃焼炎に曝されて燃焼熱を回収する受熱棒を設けた灯油気化装置において、キャップを熱伝導の悪い材料製とするとともに、キャップに灯油の流入する油流入口を開設し、気化器ボディーと発熱体の間に一枚ないし複数枚のウィックを設け、ウィックの上部を開放部となして灯油気化装置を構成した。
【0009】また、ウィックの上部開放部とキャップの内側空間を連通させるとともにウィックの上部開放部とノズルの内側空間を連通させて灯油気化装置を構成した。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明は上述の構成であり、受熱棒で回収された燃焼熱は気化器ボディーから熱伝導の悪いキャップを経て油流入口に到達することとなり、熱伝導が悪いという性質が活かされて、油流入口の温度上昇が効果的に抑えられ、油流入口部で灯油の気化が行なわれないようになっている。それにより、油流入口部での灯油のタール化も効果的に抑えられるようになっている。
【0011】また、高温のウィック内に流入して蒸発した油は、ウィック上部のノズルにつながる空間を円滑に通過してノズルに至り、その際ウィックでのタール付着もなく、長期間安定して蒸発を行う。
【0012】
【実施例】以下本発明の一実施例を図1から図6を用いて説明する。
【0013】それらの図において、1は中空円筒形の気化器ボディーであり、2はこの気化器ボディー1内に形成された気化室、3は気化器ボディー1の一端を塞ぐステンレス鋼製のキャップで、図2のように、2段の絞り加工が施されたものである。4は気化器ボディー1内の気化室2内に他端から挿入されて固定された発熱体、5は気化器ボディー1内において灯油の拡散および気化を促進するウィックである。このウィック5には、例えば図3に示したように、銅製の網とステンレス鋼製の網を重ね合わせたものや、あるいはまた図5に示したような熱伝導性の比較的すぐれた発泡金属製のものを用いる。
【0014】6はポンプからの灯油が流れ込む油流入口で、上述したステンレス鋼製キャップ3の小径部側に開設されている。7は気化した灯油が噴出するノズルであり、8は気化器ボディー1のノズル7とキャップ3の間に設けられるとともに燃焼炎に曝されて受熱し、その熱(回収熱)を気化器ボディー1に伝える受熱棒、9は気化器ボディー1の温度を検出する気化器温度検出素子である。10はノズル7内に設けられた掃除棒で、11はこの掃除棒10を図1の左右方向に駆動するソレノイド、12は油流入口6に灯油を供給するポンプ、そして13はノズル7から噴出する灯油ガスを燃焼させるバーナである。
【0015】ウィック5は上部を開放してあり、この開放部はステンレス鋼製キャップ3内空間と連通しており、かつ、ノズル7内空間とも連通している。
【0016】次にこのように構成された本実施例の作用を説明する。
【0017】運転開始操作がなされると、発熱体4は温度検出素子9の情報に基づいて制御され、気化器ボディー1を所定温度に上昇させる。気化器ボディー温度が所定値に達すると、ポンプ12が作動して灯油が気化室2に送り込まれると同時に、ソレノイド11が作動して掃除棒10が移動し、ノズル7が開口される。それにより、発生した灯油ガスがノズル7からバーナ13に供給され、そこで燃焼が行なわれる。
【0018】燃焼動作中にノズル7を開口させている掃除棒10は、燃焼運転の停止時にそれを閉鎖するよう、ソレノイド11によって駆動される。
【0019】燃焼中は受熱棒8が燃焼炎に曝され、受熱棒8が炎からの受熱、すなわち回収熱が、気化器ボディー1に供給されることになり、気化器ボディーの温度が所定温度以上に上昇した後は、発熱体4の動作が止まり、受熱棒8からの熱により気化器ボディー1の温度を所定温度以上に維持し、灯油の気化を続行可能にする。
【0020】この実施例においては、さらに油流入口6が、2段絞りされた、熱伝導性のステンレス鋼製キャップ3の小径部に開設され、受熱棒8から気化器ボディー1を経てキャップ3に伝えられる熱が油流入口6に到達しにくくなっているので、油流入口6部分が異常な高温になることがなくなり、油流入口6部で灯油が瞬間的に蒸発することがなくなった。
【0021】また、高温のウィック5内に流入して蒸発した油は、ウィック5上部のノズルにつながる開放部14を円滑に通過してノズル7に至り、その際ウィック5でのタール生成付着もなく、長期間安定して蒸発を行わせることができるようになった。
【0022】同時に、油流入口6部分の温度が下がっているので、灯油のタール化がより一層起こりにくくなり、気化器の寿命を大幅に伸ばすことができるようになった。
【0023】
【発明の効果】以上本発明によれば、キャップを熱伝導の悪い材料製とするとともに、それに油流入口を開設したので、受熱棒で回収されて気化器ボディーからキャップを経て油流入口部へ到達する熱量は、大幅に制限されることとなり、油流入口部の温度が異常に上昇することがなくなった。また、ウィックの上部が開放されているので、不良灯油が使用された場合でもタールつまりのしにくい安定した蒸発が行われ、寿命の長いすぐれた気化装置を提供することができるようになった。
【出願人】 【識別番号】000005131
【氏名又は名称】株式会社日立ホームテック
【出願日】 平成10年(1998)1月7日
【代理人】
【公開番号】 特開平11−201413
【公開日】 平成11年(1999)7月30日
【出願番号】 特願平10−1182