| 【発明の名称】 |
バーナキャップの製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】小寺 洋
【氏名】内田 譲
【氏名】太田 暁
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| 【要約】 |
【課題】外側方開口が上方程内側となるように傾斜した炎口を有するバーナキャップを簡単な方法で製造できる。
【解決手段】下面部の外周部に下方に開口し且つ外側方が閉塞されたスリット形成用溝部1′を隔設したバーナキャップ素体2をダイキャストにより形成する。バーナキャップ素体2の側面部の外周部を上側程内側に位置する傾斜面3となるように切削して該傾斜面3に上記下方に開口したスリット形成用溝部1′の外側方を開口させる。外側方開口が上方程内側となるように傾斜した炎口4を形成する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 下面部の外周部に下方に開口し且つ外側方が閉塞されたスリット形成用溝部を隔設したバーナキャップ素体を型成形により形成し、該バーナキャップ素体の側面部の外周部を上側程内側に位置する傾斜面となるように切削して該傾斜面に上記下方に開口したスリット形成用溝部の外側方を開口させて、外側方開口が上方程内側となるように傾斜した炎口を形成することを特徴とするバーナキャップの製造方法。 【請求項2】 型成形によりバーナキャップ素体を形成する際に、バーナキャップ素体の側面部のスリット形成用溝部の外側方を閉塞した部位間に側辺及び下辺が壁部となった外側方及び上方に開口した凹みを設けるように型成形により形成し、該バーナキャップ素体の側面部の外面部を上側程内側に位置する傾斜面となるように切削してスリット形成用溝部の外側方を開口させるに当たり、凹みの側辺及び下辺の壁部を切削するが凹み形状が残るように壁部の底部を残して外部を切削することを特徴とする請求項1記載のバーナキャップの製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、バーナキャップの製造に関するものである。 【0002】 【従来の技術】ガスバーナのバーナヘッドAに設けた炎口4から出るガス炎Gの吹き出し方向は、火力をできるだけバーナの外周から鍋底の広い面積に波及させようとするために、通常図9に示すように上向き(水平に対して角度Q1 上向き)となっている。 【0003】ところが、従来にあっては、このガス炎Gの噴出方向に対して炎口4出口のなす角度Q2 は90°よりも大きく、ガス炎Gと炎孔4出口との接触面積が大きくなり、このため、バーナ自体の温度が上昇することとなる。このようにバーナが加熱されると、バーナ自体の耐久性が低下するという問題がある。また、近年、バーナに天板を連続させるガスコンロが提案されており、バーナに天板を一連とするものにおいては、天板の温度も相当に上昇し、例えば、ガラス製の天板では、バーナ近傍の天板温度が230℃以上に加熱されるものである。 【0004】ところが、上記のようなガラス製の天板ではバーナ近傍の天板の温度が230℃以上に加熱されるため、天板の材料などに高い耐熱性が要求され、耐熱性の高い結晶化ガラスなどを使わなければならず、コスト高になるという問題がある。そこで、ガス炎と炎孔出口との接触面積を小さくしてバーナキャップの温度上昇を抑えるために、炎口の外側方開口を上方程内側となるように傾斜させることが考えられるが、このような下方及び外側方に開口した炎口の外側方開口を上方程内側となるように傾斜させたバーナキャップを製造しようとすると、型割り部分の形状が非常に複雑になるため製造が困難となり、このため、従来にあっては、下方及び外側方に開口した炎口の外側方開口を上方程内側となるように傾斜させたバーナキャップは提供されていなかった。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の従来例の問題点に鑑みて発明したものであって、ガス炎によるバーナキャップの温度上昇を抑えるために、外側方開口が上方程内側となるように傾斜した炎口を有するバーナキャップを簡単な方法で製造することができるバーナキャップの製造方法を提供することを課題とするものである。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明のバーナキャップの製造方法は、下面部の外周部に下方に開口し且つ外側方が閉塞されたスリット形成用溝部1′を隔設したバーナキャップ素体2を型成形により形成し、該バーナキャップ素体2の側面部の外周部を上側程内側に位置する傾斜面3となるように切削して該傾斜面3に上記下方に開口したスリット形成用溝部1′の外側方を開口させて、外側方開口が上方程内側となるように傾斜した炎口4を形成することを特徴とするものである。上記のように、バーナキャップ素体2のスリット形成用溝部1′の外側方を閉塞し、このスリット形成用溝部1′の外側方の閉塞部であるバーナキャップ素体2の側面部の外周部を上側程内側に位置する傾斜面3となるように切削加工することで、外側方開口が上方程内側となるように傾斜したスリット1により構成される炎口4を形成でき、このようにダイキャストにより製造する際には形成用溝部1′の外側方を閉塞した状態で製造できるので、バーナ素体2をダイキャストにより製造する際における型割り部分の形状を複雑でない形状にできることになる。 【0007】また、型成形によりバーナキャップ素体2を形成する際に、バーナキャップ素体2の側面部のスリット形成用溝部1′の外側方を閉塞した部位間に側辺及び下辺が壁部21となった外側方及び上方に開口した凹み22を設けるように型成形により形成し、該バーナキャップ素体2の側面部の外面部を上側程内側に位置する傾斜面3となるように切削してスリット形成用溝部1′の外側方を開口させるに当たり、凹み22の側辺及び下辺の壁部を切削するが凹み形状が残るように壁部21の底部を残して外部を切削するようにしてもよいものである。このような構成とすることで、該バーナキャップ素体2の側面部の外周部を上側程内側に位置する傾斜面3となるように切削して該傾斜面3に上記下方に開口したスリット形成用溝部1′の外側方を開口させてスリット1を形成する際に、形成されるバーナキャップAの側面部の傾斜面3のスリット1間の部分に側辺及び下辺に壁部21を残した凹み22を同時に切削により形成することができ、このようにして形成された傾斜面3に凹み22を形成することで、凹み22の上端辺側から凹み22内に2次空気が流入し、スリット1の外側方開口の側辺との仕切りである凹み22の壁部21を伝って、炎口4からのガス炎に対して二次空気を良好に供給することになる。 【0008】 【発明の実施の形態】本発明を以下添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。本発明においては、まずバーナキャップ素体2をダイキャスト(例えばアルミニウムのダイキャスト)や鍛造や鋳造等の型成形により製造する。ここで、ダイキャストによりバーナキャップ素体2を製造するに当たっては、バーナキャップ素体2の下面部の外周部に下方に開口し且つ外側方が閉塞されたスリット形成用溝部1′を多数一定間隔を隔てて形成するものである。 【0009】添付図面に示す実施形態においては、バーナキャップ素体2を型成形により形成するに当たって、ダイキャストにより成形する例を示している。図1(a)にはスリット形成用溝部1′を形成する部分の金型構造が示してあり、下型5と上型7との間にアルミニウムのような溶融金属が充填されるキャビティ部8が形成される。下型5にスリット形成用の凸型部6が形成してあって上記キャビティ部8内に突入しており、該凸型部6は上面部が上方程外側となるように傾斜した傾斜上面6aとなっており、凸型部6の外側面部は上方程内側となるように傾斜した傾斜側面6bとなっている。また、上型7のキャビティ部8の内周側面部を構成する部位は上方程内側となるように傾斜した傾斜側面7aとなっており、この上型7の傾斜側面7aと下型5の凸型部6の傾斜側面6bとの間のキャビティ部8の部位が閉塞部形成部8aとなっている。 【0010】また、図2(a)にはスリット形成用溝部1′とスリット形成用溝部1′との間の部位に凹み22を形成する部分の金型構造が示してあり、上型7に側方及び上方が開口する凹み22を形成するための凹み形成用の凸型部7bが設けてあってキャビティ部8内に突入している。凸型部7bは突出側面が下に行くほど外側となるように傾斜した傾斜面となっている。この凸型部7bと下型6との間が隣接するスリット形成用溝部1′間を仕切る仕切り壁23を形成するための仕切り壁形成部24となっている。 【0011】図中9はキャビティ部8と連通するゲート部であり、上下型7、5を型締めした状態で、図1(b)、図2(b)に示すように、ランナ部10からゲート部9を介してキャビティ部8内に溶融金属20を供給して充填し、上下型7、5によりバーナキャップ素体2を成形するものである。この場合、下型5の凸型部6によりスリット形成用溝部1′が形成され、また、上型7の傾斜側面7aと下型5の凸型部6の傾斜側面6bとの間の閉塞部形成部8aに充填された溶融金属が硬化することで上記スリット形成用溝部1′の外側方を閉塞するための閉塞部11が形成される。上記のようにしてバーナキャップ素体2を成形した後に、上下型7、5を図1(b)、図2(b)の矢印のようにして型開きして型からバーナキャップ素体2を取り出すものである。この場合、図1(b)、図2(b)の矢印のように上下型7、5を型開きするのみでよくて、上下型7、5の型開きをする構造が簡略化できるものである。 【0012】型から取り出したバーナキャップ素体2は下面部の外周部に一定間隔を隔てて多数のスリット形成用溝部1′が形成されるが、このスリット形成用溝部1′は図1(c)に示すようにバーナキャップ素体2の外周部を構成する閉塞部11により側方部が閉塞されている。ここで、バーナキャップ素体2の外周部を構成する閉塞部11の外側面は上程内側となるように傾斜している。また、上記成形時に同時に、図2(c)に示すようにバーナキャップ素体2の側面部のスリット形成用溝部1′の外側方を閉塞した部位(つまり閉塞部11)間に両側辺及び下辺が壁部21となった外側方及び上方に開口した凹み22が形成される。 【0013】上記のようにして型成形後、型から取り出したバーナキャップ素体2はゲート跡部分で切り取るものである。次に、バーナキャップ素体2の側面部の外周部を上側程内側に位置する傾斜面3となるように旋盤等により切削する。この場合の切削代をM、閉塞部11の肉厚をNとした場合(図1(c)、図2(c)にM、Nを示す)、M>Nとなるように切削するものであり、これによりバーナキャップ素体2の側面部の外周部を切削して上側程内側に位置するように形成した傾斜面3に下方に開口したスリット形成用溝部1′の外側方を開口させることでスリット1を形成するものである。このようにして上側程内側に位置するように形成した傾斜面3に下方に開口したスリット形成用溝部1′の外側方を開口してスリット1を形成することで、該スリット1により図1(d)に示すように外側方開口が上方程内側となるように傾斜した炎口4を構成するのである。ここで、上記のように、バーナキャップ素体2の側面部の外面部を上側程内側に位置する傾斜面3となるように切削してスリット形成用溝部1′の外側方を開口させるに当たり、凹み22の両側辺及び下辺の壁部21が切削されてこの壁部21の外側面が傾斜面3となるのであるが、この場合、図2(d)に示すように、凹み22の形状が残るように壁部21の下部を残して上部を切削するものであり、これによりバーナキャップ素体2の外周部の炎口4間の傾斜面3部分に両側辺及び下辺に壁部21が突出した凹み22が形成されることになる。 【0014】また、上記のようにして形成されるバーナキャップAは図1(d)、図2(d)、図3、図4、図5に示すように、中央部に中央孔25が形成され、また、バーナキャップAの上面部は外側に行くほど傾斜した上傾斜面26となっており、上傾斜面26の上端部は水平面27に形成される。また、炎口4の上縁部にも壁部21に連続する上堤部28が形成されるものである。また、バーナキャップAの裏面は外側程上となるように上り傾斜するように形成される。 【0015】上記のようにして製造した図1(d)、図2(d)、図3、図4に示すようなバーナキャップAは図6、図7、図8のようにバーナ本体Bの上部の受け部Cに着脱自在に載設してガスバーナを構成するものである。図中29は点火装置であって、点火装置29を点火することで炎口4から噴出するガスに点火される。ここで、図8に示すように、バーナキャップAの裏面は外側程上となるように上り傾斜しているので、ガス炎Gが水平よりも上向き(角度Q1 )に噴出し、火力をできるだけガスバーナの外周から鍋底の広い面積に波及させるようになっている。この場合、本発明においては、炎口4の外側方開口が上方程内側となるように傾斜しているので、上記ガス炎Gの噴出方向に対して炎口4の外側方開口(つまり炎口4出口)とのなす角度Q2 を略90°とすることができるものであり、これにより、図5(a)において炎口4出口の側縁の長さであるL1 、L2 の長さを最短にでき、この結果、ガス炎Gと、炎口4出口の接触面積(伝熱面積)が最小にできて、ガス炎GからバーナキャップAへの熱伝達を低減させることができるものである。また、バーナキャップAの上面部が上傾斜面26となり、バーナキャップAの側面が傾斜面3となり、両者のなすコーナ部分を水平面27として面取りした状態とすることで、図1(d)のPの長さを短くできて、炎口4からのガス炎GからバーナキャップAへの熱伝達を低減させることができるものである。また、中央孔25を通った二次空気は図5の矢印Dのように、バーナキャップAの上傾斜面26及び水平面27に沿うと共に、矢印Eに示すようにバーナキャップAの側部の傾斜面3の炎口4間の部位に形成した凹み22に流入し、両側の壁部21を伝って、従来よりも多くの二次空気をガス炎Gに対して良好に供給するものであり、炎口4における燃焼効率を高めている。このように多くの二次空気の供給をすることで、ガス炎Gが炎口4の孔縁に接触するのを抑制し、むしろ、ガス炎Gを炎口4の縁から遠ざけ、ガス炎GからバーナキャップAへの熱伝達を低減させることができるようになっている。 【0016】 【発明の効果】本発明にあっては、上述のように、下面部の外周部に下方に開口し且つ外側方が閉塞されたスリット形成用溝部を隔設したバーナキャップ素体を型成形により形成し、該バーナキャップ素体の側面部の外周部を上側程内側に位置する傾斜面となるように切削して該傾斜面に上記下方に開口したスリット形成用溝部の外側方を開口させて、外側方開口が上方程内側となるように傾斜した炎口を形成するので、外側方開口が上方程内側となるように傾斜した炎口を有する従来ではなしえなかった形状のバーナキャップを金型構成、形状を簡略化しながら簡単な方法により製造することができるものであり、このようにして製造した外側方開口が上方程内側となるように傾斜した炎口を有するバーナキャップは、水平より上向きに噴出するガス炎の噴出方向と炎口出口とのなす角度を略90°にすることができて、ガス炎と炎口出口との接触面積を最小にしてバーナキャップへの熱伝達を低減してバーナキャップの温度上昇を抑えることができるものである。 【0017】また、請求項2記載の発明にあっては、上記請求項1記載の発明の効果に加えて、型成形によりバーナキャップ素体を形成する際に、バーナキャップ素体の側面部のスリット形成用溝部の外側方を閉塞した部位間に側辺及び下辺が壁部となった外側方及び上方に開口した凹みを設けるように型成形により形成し、該バーナキャップ素体の側面部の外面部を上側程内側に位置する傾斜面となるように切削してスリット形成用溝部の外側方を開口させるに当たり、凹みの側辺及び下辺の壁部を切削するが凹み形状が残るように壁部の底部を残して外部を切削するので、バーナキャップ素体の側面部の外周部を上側程内側に位置する傾斜面となるように切削して該傾斜面に上記下方に開口したスリット形成用溝部の外側方を開口させてスリットを形成する際に、形成されるバーナキャップの側面部の傾斜面のスリット間の部分に側辺及び下辺に壁部を残した凹みを同時に切削により形成することができ、このようにして形成された傾斜面に凹みを形成することで、凹みの上端辺側から凹み内に二次空気が流入し、スリットの外側方開口の側辺との仕切りである凹みの側の壁部を伝って、炎口からのガス炎に対して二次空気を良好に供給することができ、また、このように炎口の側縁から二次空気を良好に供給することができるので、ガス炎が炎口の縁から離す作用をしてガス炎からのバーナキャップへの熱伝達を低減させることができるものである。このように、請求項2記載の発明によれば、二次空気の供給が良好にでき、また、ガス炎からのバーナキャップへの熱伝達を低減させることができるバーナキャップを簡単な方法で製造することができるものである。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000135416 【氏名又は名称】株式会社ハーマン
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)10月16日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】西川 惠清 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−118111 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)4月30日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−283614 |
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