| 【発明の名称】 |
自然循環型ボイラとその運転方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】北坂 朋生
【氏名】井深 英男
【氏名】小橋 徹
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| 【要約】 |
【課題】ボイラ起動時においても気水分離ドラムの水位変動を大きくすることなく、安定したボイラ起動を可能にした自然循環型ボイラとその運転方法を提供すること。
【解決手段】ボイラ起動時のボイラ自体の蒸気圧力不足を補うために、まず、気水分離ドラム8に通常設置されている不活性ガス注入配管23より不活性ガスを注入してドラム水位変動が比較的安定する圧力になるまでドラム8内部圧力を上昇させる。その後、ボイラに熱源となる排ガスを通過させ、ドラム8内の蒸気圧力及び蒸気温度を上昇させ、ドラム水位変動が比較的安定する圧力までドラム内部圧力を上昇させた後、ベント弁24を開放し、溶存酸素及びガス分と同時に先に注入した不活性ガスを系外に排出する。これより、従来技術のボイラ設備に新たな設備を追加することなく安定したドラム水位での自然循環を利用したボイラの起動が可能となる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 高温排ガスの流路内に伝熱管を有する伝熱器を配置し、該伝熱管と気水分離ドラムとの間で水と蒸気の混合流体を自然循環により循環させる自然循環型ボイラにおいて、ボイラ起動前に気水分離ドラム内に不活性ガスを注入するための注入ラインを気水分離ドラムに接続したことを特徴とする自然循環型ボイラ。 【請求項2】 高温排ガスの流路内に伝熱管を有する伝熱器を配置し、該伝熱管と気水分離ドラムとの間で水と蒸気の混合流体を循環させる自然循環型ボイラにおいて、ボイラ起動前に気水分離ドラム内に不活性ガスを注入し、ドラム水位変動が比較的安定する圧力になるまでドラム内部圧力を上昇させた後、先に注入した不活性ガスを排出することを特徴とする自然循環型ボイラの運転方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、自然循環型の排熱を利用したボイラに係わり、特に起動時のドラム水位レベル変動を抑制するボイラとその運転方法に関する。 【0002】 【従来の技術】図4はガス竪流れ型排ガスボイラの一例を示す系統構成図である。図示しないガスタービンからの高温排ガス1は排ガスボイラ2に流入する。排ガスボイラ2内には伝熱管の伝熱面が水平方向に配置された(これを以後、水平配管の伝熱面と言うことがある)過熱器3及び蒸発器4が配置されており、ガスタービン排ガス1はこれら過熱器3及び蒸発器4の伝熱面で高温水または蒸気と熱交換した後、低温排ガスとなってボイラ2から排出される。 【0003】一方、図示しない給水タンクから給水調整弁6を設けた給水管7を経由して節炭器5に供給された水は排ガス1により加熱された後、気水分離ドラム8に供給され、該気水分離ドラム8に供給された水は降水管9を経由して蒸発器入口ヘッダ11から蒸発器4に供給される。蒸発器4内の水は高温排ガス1より熱吸収を受けて蒸気を発生し、蒸発器出口ヘッダ12及び上昇管13を経てドラム8に循環される。ドラム8では水と蒸気が分離され、水は降水管9へ戻されるが、蒸気は飽和蒸気管15及び過熱器入口ヘッダ16を経て過熱器3に供給され、飽和蒸気が過熱蒸気となり、過熱器出口ヘッダ17を経て図示しない蒸気タービンに供給される。 【0004】また、気水分離ドラム8には水位計18とドラムブロー弁19を備えたブロー配管20が設置されており、ドラム8にはドラム8内の水位レベルが規定値以上に上昇した場合にドラムブロー弁19を全開してドラム水をブローしてドラム8内の水位レベルが基準値に戻される。 【0005】従来技術のドラム水位レベル制御方法を図5に示す。ボイラ起動時の圧力不充分な状態においては、水が蒸発器4の水管内で沸騰し、蒸気の気泡が発生するため、見かけ上、ドラムの保有水の容積が増大し、ドラム水位が急激に上昇したり、この気泡が周辺の比較的冷たい水に熱を奪われることによって気泡が凝縮し、ドラム水位が急激に減少する傾向にある。ドラム8に設置しているドラム水位計18からの信号を得て、給水調整弁6及びドラムブロー弁19の開度を調節して給排水することで、前記ドラム水位の急変を調整して水位を一定に保つ制御を行っていた。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】上記従来の方法でボイラ2の起動を行った場合のドラム8の内部圧力、ドラム水位変動及びドラムブロー弁19の開度を図6に示す。この図6より、ドラムブロー弁19が全開となってもドラム8内の水位変動は、ドラム内部圧力が10kg/cm2g程度になるまで大きく変動していることが分かる。これは、自然循環型のボイラ2の起動時には缶水の循環力が小さいため、ドラム8の内圧が低い領域では温度上昇に伴って缶水が突発的に沸騰し、容積が増大するために起こるものと考えられる。 【0007】これより、従来の方法ではボイラ起動時などのようにドラム8の内部圧力が上昇していない時、急激かつ大きな水位変動に対応することは困難であり、このためにドラムブロー弁19及びブロー配管20のサイズを大きくする必要があったり、またブロー配管20を複数設置する必要があった。また、このような対策を講じてもボイラ起動時などに急激かつ大きな水位変動に対応するために熟練した運転員を配置することも必要であった。 【0008】このように、従来技術では、自然循環を利用した排熱ボイラの起動時に、ドラム水位の急激な変動が発生した場合、ドラム内の水位レベルが警報ラインをオーバーすることもあった。 【0009】本発明の課題は、ボイラ起動時においても気水分離ドラムの水位変動を大きくすることなく、安定したボイラ起動を可能にした自然循環型ボイラとその運転方法を提供することである。 【0010】 【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は次の構成によって解決される。すなわち、高温排ガスの流路内に伝熱管を有する伝熱器を配置し、該伝熱管と気水分離ドラムとの間で水と蒸気の混合流体を循環させる自然循環型ボイラにおいて、ボイラ起動前に気水分離ドラム内に不活性ガスを注入するための注入ラインを気水分離ドラムに接続した自然循環型ボイラである。また、本発明には次の構成からなる上記自然循環型ボイラの運転方法も含まれる。 【0011】すなわち、高温排ガスの流路内に伝熱管を有する伝熱器を配置し、該伝熱管と気水分離ドラムとの間で水と蒸気の混合流体を循環させる自然循環型ボイラにおいて、ボイラ起動前に気水分離ドラム内に不活性ガスを注入し、ドラム水位変動が比較的安定する圧力になるまでドラム内部圧力を上昇させた後、先に注入した不活性ガスを排出する自然循環型ボイラの運転方法である。 【0012】ボイラ缶水中の溶存酸素及びガス分を排出するために前記ドラムに通常設置されているベント弁を開放するときに、溶存酸素及びガス分と共に系外に前記不活性ガスを排出する。 【0013】 【作用】本発明によれば、ボイラ起動時のボイラ自体の蒸気圧力不足を補うために、まず、長期保存のためにドラムに通常設置されている不活性ガス注入配管より不活性ガスを注入してドラム水位変動が比較的安定する圧力になるまでドラム内部圧力を上昇させる。その後、ボイラに熱源となる排ガスを通過させ、蒸気圧力及び蒸気温度を上昇させる。 【0014】ドラム水位変動が比較的安定する圧力までドラム内部圧力を上昇させた後、ベント弁を開放し、溶存酸素及びガス分と同時に先に注入した不活性ガスを系外に排出する。これにより、従来技術のボイラ設備に新たな設備を追加することなく安定したドラム水位での自然循環を利用したボイラの起動が可能となる。 【0015】蒸気を用いて気水分離ドラム内部の水位変動を安定化させる従来法の場合は、ボイラ起動時など、蒸気源が確保できない時または自己蒸気が発生していない時にはドラム水位変動の調整ができないのに対して、本発明の場合には不活性ガスを用いるので、前記従来技術のように、ドラム内部の水位変動安定用のガスが確保できないということはない。こうして本発明によれば、ボイラ起動時の急激な気泡の発生を抑制し、安定したドラム水位を確保することが可能である。 【0016】 【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について、図面を用いて以下に説明する。本発明の実施の形態の排ガスボイラの系統図を図3に示すが、これは図4に示すガス竪流れ型排ガスボイラと同一の系統からなるものであり、図3では気水分離ドラム8の水位レベル制御用の装置が設けられている点で図4に示すものとは異なるのみであり、図4に示すものと同一の機能を奏する装置、部材については、その説明を省略する。 【0017】図1には本発明の実施の形態の気水分離ドラム8の水位レベル制御用の装置の構成図を示し、不活性ガスとして従来よりボイラ長期保管のために使用されてきた廉価な窒素を用いた場合について説明する。 【0018】図1に示すように、気水分離ドラム8に窒素注入弁22を備えた窒素注入配管23と該窒素注入配管23から分岐したボイラ缶水中の溶存酸素等のガスを排出するためのベント弁24を備えたベント配管25を設け、さらにドラム8には圧力計27も設けている。またドラム8には給水調整弁6を設けたボイラ給水配管7とドラムブロー弁19を備えたブロー配管20が設けられている。そして、給水調整弁6とドラムブロー弁19と圧力計27の積算値が積算器28で算出されて、この積算値によりベント弁24の開度を決める。 【0019】図1に示す本発明の実施の形態の気水分離ドラム8の水位レベルの制御は次のようにして行う。まず、初めに窒素注入弁22を開け、窒素注入配管23より水を張ったドラム8内に窒素を注入し、ドラム水位が比較的安定となる10kg/cm2程度までドラム8の内圧を上げる。次に窒素注入弁22を閉じ、ボイラ2に熱源を与えてドラム8の内部圧力を上昇させていく。ドラム8の水位レベルが安定したのを確認した後、ドラム8内の窒素はベント弁24より系外に排出される。このベント弁24は、ドラム水位計18と圧力計27から信号を得て、ドラム水位が安定する圧力以上にドラム8の内圧力を維持させながら弁開度を調節し、系外に窒素及び不要ガスを排出するように制御される。 【0020】図2には図1に示す装置を用いた本発明の実施の形態のドラム水位の変動の様態を示すが、窒素を注入することによりドラム8の内圧を10kg/cm2まで上昇させた後、ボイラ2の起動を開始したドラム水位変動の計算結果をドラム内部圧力及びドラムブロー弁19の開度と共に示している。 【0021】図2に示す例を従来の方法で起動を行った場合の図5に示す場合と比較すると、ボイラ起動時にドラム水位変動幅が従来のものよりも縮小されることが分かる。したがって、同設備において本発明を使用することによって、ボイラ起動時のドラム水位変動が緩和される。 【0022】 【発明の効果】本発明によれば、従来設備を利用し、不活性ガスを用いることで自然循環型ボイラ起動時の気水分離ドラムの水位レベルの変動を緩和できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005441 【氏名又は名称】バブコック日立株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)2月13日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】松永 孝義
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| 【公開番号】 |
特開平11−230501 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)8月27日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−30746 |
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