| 【発明の名称】 |
自然循環ボイラの蒸気ドラム |
| 【発明者】 |
【氏名】赤石 広司
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| 【要約】 |
【課題】給水内管への給水がボイラ負荷に応じて変動しても、常にドラム本体の長手方向に均等な給水を行うことができ、しかも、簡単な設計で実施し得るようにしたボイラの蒸気ドラムを提供する。
【解決手段】自然循環ボイラの蒸気ドラム3に関し、給水内管10をドラム本体3xの長手方向一端側から挿入して他端側へと延ばし且つ該他端付近で折り返して前記一端付近で閉塞するよう形成し、これによって、給水内管10を互いに並走する往路10aと復路10bとからなる折り返し構造とし、往路10aと復路10bの夫々に複数の給水孔11を適宜間隔で穿設する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ドラム本体内に貯水部と蒸気導入室とを備え、ボイラ本体から蒸気導入室に導かれた水を含む蒸気から水を分離して貯水部に回収し、水を分離された蒸気のみをドラム本体上部へ送出し、貯水部に対しドラム本体内に挿入された給水内管を介して所定レベルの水位が維持されるよう給水を行い且つ貯水部からボイラ本体へと水を循環するようにした自然循環ボイラの蒸気ドラムであって、前記給水内管をドラム本体の長手方向一端側から挿入して他端側へと延ばし且つ該他端付近で折り返して前記一端付近で閉塞するよう形成し、前記給水内管の互いに並走する往路と復路の夫々に複数の給水孔を適宜間隔で穿設したことを特徴とする自然循環ボイラの蒸気ドラム。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、自然循環ボイラの蒸気ドラムに関するものである。 【0002】 【従来の技術】図3は自然循環ボイラの一例を表わすものであって、図中1はボイラ本体、2はボイラ本体1内へ燃料を噴射して燃焼させるバーナ、3は蒸気ドラムであり、蒸気ドラム3内の水を図示しない降水管を介してボイラ本体1の炉壁管下部へ供給した状態で、バーナ2からボイラ本体1内へ燃料を噴射して燃焼させることにより燃焼ガスを生成し、生成された燃焼ガスと、前記ボイラ本体1の炉壁管内を流れる水とを互いに熱交換させ、熱交換により加熱された蒸気及び水を多数の蒸気導入管4を介して蒸気ドラム3へ導入し、該蒸気ドラム3内において汽水分離器8により汽水分離を行った後、蒸気のみを蒸気導出管5から図示しない過熱器等を介し蒸気タービンへ導き、該蒸気タービンを駆動して発電機を駆動する一方、熱交換した後の排ガスは排ガスダクト6へ流出させるようになっている。 【0003】前記蒸気ドラム3は、図4に示される如く、ドラム本体3x内下部に挿入された給水内管10を介して所定レベルの水位が維持されるよう給水が行われ且つ図示しない降水管へ水を下降させる貯水部3aと、該貯水部3aと仕切壁7を隔てて画成され且つ蒸気導入管4(図3参照)から水を含む蒸気が導入される蒸気導入室3bとを有しており、蒸気導入室3bへ導入された水を含む蒸気を、汽水分離器8において水分を除去した後、内部に多数の波板が配設されたV型ドライヤ9において更に水分を除去し、蒸気導出管5(図3参照)から図示しない過熱器等を介し蒸気タービンへと導くようになっている。 【0004】尚、前記汽水分離器8において、蒸気ドラム3の蒸気導入室3bへ導入された水を含む蒸気は、汽水分離器8のスクロール構造により旋回されて遠心力により前記蒸気に含まれる水を分離され、蒸気出口部8’からドラム本体3x内上部へ排出されるようになっており、蒸気から分離された水は、貯水部3aに回収されるようになっている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、斯かる蒸気ドラム3においては、図5に示す如く、ドラム本体3xの長手方向一端側(図5中の左側)から挿入された給水内管10が、前記ドラム本体3xの長手方向他端側(図5中の右側)へと延びて閉塞するよう形成されており、この給水内管10の長手方向複数箇所に穿設した給水孔11から補給水が噴出されるようになっている為、例えば図示のように各給水孔11を等間隔で穿設したとすると、最大流量(計画流量)で給水を行った場合に、閉塞されている給水内管10の先端側に対し基端側の方が相対的に動圧が大きく作用して静圧が低下し、これによって、給水内管10の基端側の給水孔11から噴出される給水量が少なくなり、図6のグラフに示す如く、給水内管10の先端側に向かうにつれて徐々に給水孔11から噴出される給水量が多くなるといった不均等な給水が行われることになり、適切な給水を行う為の水位レベルの計測が正確に行えなくなるという不具合を招いた。 【0006】この為、従来における対策としては、給水内管10の長手方向における給水孔11の配置間隔を給水内管10の基端側で細かくし且つ先端側で粗くして給水量の均等化を図るようにしているが、このように給水孔11の配置間隔を変更して給水量の均等化を図り得るようにする設計は非常に面倒であり、しかも、給水内管10への給水はボイラ負荷に応じて変動するのに対し、給水孔11の配置間隔の変更は最大流量に合わせて設計することしかできないという不具合もあった。 【0007】即ち、ボイラ負荷が低下して給水内管10への給水流量が低下してくると、流量不足により給水内管10の先端側に向かうにつれて徐々に給水孔11から噴出される給水量が少なくなるといった逆転傾向を示し始める為、給水孔11の配置間隔を変更する手段では、最大流量に合わせて設計することしかできないのである。 【0008】本発明は、上述の実情に鑑みて成したものであり、給水内管への給水がボイラ負荷に応じて変動しても、常にドラム本体の長手方向に均等な給水を行うことができ、しかも、簡単な設計で実施し得るようにしたボイラの蒸気ドラムを提供することを目的としている。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明は、ドラム本体内に貯水部と蒸気導入室とを備え、ボイラ本体から蒸気導入室に導かれた水を含む蒸気から水を分離して貯水部に回収し、水を分離された蒸気のみをドラム本体上部へ送出し、貯水部に対しドラム本体内に挿入された給水内管を介して所定レベルの水位が維持されるよう給水を行い且つ貯水部からボイラ本体へと水を循環するようにした自然循環ボイラの蒸気ドラムであって、前記給水内管をドラム本体の長手方向一端側から挿入して他端側へと延ばし且つ該他端付近で折り返して前記一端付近で閉塞するよう形成し、前記給水内管の互いに並走する往路と復路の夫々に複数の給水孔を適宜間隔で穿設したことを特徴とするものである。 【0010】而して、このようにすれば、最大流量(計画流量)で給水を行った場合に、閉塞されている給水内管の先端側に対し基端側の方が相対的に動圧が大きく作用して静圧が低下し、給水内管の基端側の給水孔から噴出される給水量が少なくなり、給水内管の先端側に向かうにつれて徐々に給水孔から噴出される給水量が多くなる傾向となるが、給水内管が互いに並走する往路と復路とからなる折り返し構造となっているので、給水内管の往路側においては、ドラム本体の長手方向一端側から他端側に向かうにつれて徐々に給水孔から噴出される給水量が多くなる傾向となり、一方、給水内管の復路側においては、前記往路の場合とは逆に、ドラム本体の長手方向他端側から一端側に向かうにつれて徐々に給水孔から噴出される給水量が多くなる傾向となる。 【0011】即ち、給水内管の往路側と復路側とでは、ドラム本体の他端側において相互の給水孔からほぼ等しい量の給水が噴出されることになり、ドラム本体の他端側に向かうにつれて往路側の給水量は徐々に減り且つ復路側の給水量は徐々に増えるという相反する増減傾向を示すので、給水内管の長手方向の各位置において、往路側からの給水と復路側からの給水との合計量がほぼ等しくなり、ドラム本体の長手方向における給水が均等化されることになる。 【0012】 【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。 【0013】図1及び図2は本発明を実施する形態の一例を示すもので、図5と同一の符号を付した部分は同一物を表わしている。 【0014】本形態例の蒸気ドラム3における基本的な構成は、先に説明した図3〜図5の従来例と同様であるが、その特徴とするところは、給水内管10をドラム本体3xの長手方向一端側(図1中の左側)から挿入して他端側(図1中の右側)へと延ばし且つ該他端付近で折り返して前記一端付近で閉塞するよう形成し、これによって、給水内管10を互いに並走する往路10aと復路10bとからなる折り返し構造とし、往路10aと復路10bの夫々に複数の給水孔11を適宜間隔で穿設した点にある。 【0015】ここで、図示する例においては、往路10aと復路10bとにおける給水孔11を長手方向に等間隔で且つ往路10a及び復路10bの相互で位置を対応させて穿設してあるが、必ずしも各給水孔11を長手方向に等間隔とする必要はなく、また、往路10a及び復路10bの相互で互い違いに配置されるようにしても良い。 【0016】而して、このようにすれば、最大流量(計画流量)で給水を行った場合に、閉塞されている給水内管10の先端側に対し基端側の方が相対的に動圧が大きく作用して静圧が低下し、給水内管10の基端側の給水孔11から噴出される給水量が少なくなり、給水内管10の先端側に向かうにつれて徐々に給水孔11から噴出される給水量が多くなる傾向となるが、給水内管10が互いに並走する往路10aと復路10bとからなる折り返し構造となっているので、給水内管10の往路10a側においては、図2中に破線Aで示す如く、ドラム本体3xの長手方向一端側から他端側に向かうにつれて徐々に給水孔11から噴出される給水量が多くなる傾向となり、一方、給水内管10の復路10b側においては、図2中に破線Bで示す如く、前記往路10aの場合とは逆に、ドラム本体3xの長手方向他端側から一端側に向かうにつれて徐々に給水孔11から噴出される給水量が多くなる傾向となる。 【0017】即ち、給水内管10の往路10a側と復路10b側とでは、ドラム本体3xの他端側において相互の給水孔11からほぼ等しい量の給水が噴出されることになり、ドラム本体3xの他端側に向かうにつれて往路10a側の給水量は徐々に減り且つ復路10b側の給水量は徐々に増えるという相反する増減傾向を示すので、図2中に実線Cで示すように、給水内管10の長手方向の各位置において、往路10a側からの給水と復路10b側からの給水との合計量がほぼ等しくなり、ドラム本体3xの長手方向における給水が均等化されることになる。 【0018】従って、上記形態例によれば、給水内管10への給水がボイラ負荷に応じて変動しても、給水内管10の長手方向における往路10a側の給水と復路10b側の給水とは常に相反する増減傾向を示し、両者の給水の合計量は、給水内管10の長手方向の各位置においてほぼ等しく保持されるので、最大流量(計画流量)で給水を行う場合は勿論のこととして、これより少ない流量で給水を行う場合であっても常にドラム本体3xの長手方向に均等な給水を行うことができ、しかも、給水内管10を折り返して互いに並走する往路10aと復路10bとを形成するだけの極めて簡単な設計で容易に実施することができる。 【0019】尚、本発明の自然循環ボイラの蒸気ドラムは、上述の形態例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。 【0020】 【発明の効果】上記した本発明の自然循環ボイラの蒸気ドラムによれば、給水内管への給水がボイラ負荷に応じて変動しても、給水内管の長手方向における往路側の給水と復路側の給水とは常に相反する増減傾向を示し、両者の給水の合計量は、給水内管の長手方向の各位置においてほぼ等しく保持されるので、最大流量(計画流量)で給水を行う場合は勿論のこととして、これより少ない流量で給水を行う場合であっても常にドラム本体の長手方向に均等な給水を行うことができ、しかも、給水内管を折り返して互いに並走する往路と復路とを形成するだけの極めて簡単な設計で容易に実施することができるという優れた効果を奏し得る。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000099 【氏名又は名称】石川島播磨重工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)9月18日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】山田 恒光 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−94208 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)4月9日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−253385 |
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