トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F22 蒸気発生




【発明の名称】 加圧流動層ボイラの蒸気温度制御装置
【発明者】 【氏名】中島 邦浩

【要約】 【課題】ベッド材の性状が変化したり、燃料の発熱量が変化するようなことが生じても、燃料流量プログラムの静特性を自動的に修正することにより、制御性の向上が図れるようにする。

【解決手段】層温制御マスタ79から出力される補正燃料流量指令79aを入力して低速度で積分する低速積分器87と、低速積分器87からの積分された層温修正信号88を燃料流量プログラム45から出力される燃料流量指令46に掛算する掛算器89とを備え、燃料流量プログラム45の静特性を自動修正する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 加圧流動層ボイラ(1)のボイラマスタ指令(41)を入力して層高指令(44)を出力する層高プログラム(43)と、ボイラマスタ指令(41)を入力して燃料流量指令(46)を出力する燃料流量プログラム(45)と、設定蒸気温度(50)と検出蒸気温度(51)を入力して補正層高指令(49a)を出力する水燃比制御マスタ(49)と、該水燃比制御マスタ(49)からの補正層高指令(49a)を前記層高プログラム(43)からの層高指令(44)に加算して設定層高指令(55)を得る加算器(54)と、設定層高指令(55)と層高検出値(58)とを入力して弁開閉指令(62)を出力する層高制御マスタ(59)と、設定蒸気温度(50)と検出蒸気温度(51)を入力して補正層温度指令(69)を出力する層温蒸気温度制御マスタ(66)と、該層温蒸気温度制御マスタ(66)からの補正層温度指令(69)を設定器(72)からの層温度指令(73)に加算して設定層温度指令(74)を得る加算器(71)と、設定層温度指令(74)と平均検出層温度(78)とを入力して補正燃料流量指令(79a)を出力する層温制御マスタ(79)と、該層温制御マスタ(79)からの補正燃料流量指令(79a)を前記燃料流量プログラム(45)からの燃料流量指令(46)に加算して合計燃料流量指令(84)を得る加算器(83)とを備えた加圧流動層ボイラの蒸気温度制御装置であって、前記層温制御マスタ(79)からの補正燃料流量指令(79a)を入力して低速度で積分する低速積分器(87)と、低速積分器(87)からの積分された層温修正信号(88)を前記燃料流量プログラム(45)からの燃料流量指令(46)に掛算する掛算器(89)とを備えたことを特徴とする加圧流動層ボイラの蒸気温度制御装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加圧流動層ボイラの流動層の層温度を制御する燃料流量プログラムの、計画値ベースとのズレ分を自動修正し得るようにした加圧流動層ボイラの蒸気温度制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図3は加圧流動層ボイラ1の一例を示したもので、斯かる加圧流動層ボイラ1は、圧力容器2を備え、圧力容器2内には、ボイラ本体3、サイクロン4、ベッド材貯蔵容器5等が格納されている。
【0003】ボイラ本体3は、周囲を伝熱管及びフィンを接続して形成した炉壁に囲まれて内部に火炉6が形成されると共に火炉6内には、蒸発器及び過熱器等の伝熱部7が収納されており、火炉6の下部には、ボイラ本体3の炉壁を貫通して火炉6内に燃料8を噴射する燃料噴射ノズル9が配設されている。
【0004】燃料噴射ノズル9には燃料送給管10が接続され、燃料送給管10の圧力容器2外へ延在した部分には、燃料送給方向上流側から下流側へ向けて燃料ポンプ11、燃料流量制御弁12が接続されている。
【0005】火炉6の下部の灰出しホッパ13の上端部近傍には、多数の噴出孔を有する複数組の散気管14が、図3の紙面に対して直交する方向へ所定のピッチで配設されており、圧力容器2内へ送給された圧縮空気15は、灰出しホッパ13部の隙間16から散気管14内へ導入され、散気管14の上部から火炉6内へ吹込まれることにより、火炉6内に収納されている、脱硫剤や燃焼灰等が混合したベッド材17を流動化し得るようになっている。灰出しホッパ13の下端からはベッド灰17’が取り出されるようになっている。
【0006】ボイラ本体3の上端部には、ベッド材17の熱により火炉6内で燃料8が燃焼することにより生じ且つ伝熱部7や炉壁管内の水や蒸気を加熱した後の燃焼ガス18を排ガス19として導入するマニホールド20が、上方へ向けて延在するよう接続されている。
【0007】マニホールド20の上端部近傍には、水平方向へ延在する排ガス管21が接続され、排ガス管21の先端は、サイクロン4の外周部に、サイクロン4外周の接線方向へ向けて接続されている。
【0008】サイクロン4の頂部には、排ガス管22が接続され、該排ガス管22は圧力容器2を貫通して外部へ延在し、その先端は、ガスタービン23に接続されている。而して、ガスタービン23は、マニホールド20から排ガス管21、サイクロン4、排ガス管22を通って供給された排ガス19により駆動し得るようになっている。
【0009】又、ガスタービン23は、該ガスタービン23に対して接続された発電機24及び圧縮機25を駆動し得るようになっており、圧縮機25で生成された圧縮空気15は、圧縮空気送給管27を介し圧力容器2内へ導入し得るようになっている。
【0010】ベッド材貯蔵容器5の下部には、ベッド材抜出し管28を介してLバルブ29が接続されており、Lバルブ29の後端には、後端が圧力容器2に接続されると共に中途部に注入弁30を備えた圧縮空気注入管31が接続されている。
【0011】Lバルブ29の先端には、ベッド材貯蔵容器5から抜出したベッド材17をボイラ本体3内へ導入するためのベッド材注入管32が接続されており、ベッド材注入管32の先端はボイラ本体3の下部に接続されている。
【0012】ボイラ本体3の高さ方向中途部側部には、ベッド材戻し管33の下端が接続され、ベッド材戻し管33の先端は、ベッド材貯蔵容器5の頂部近傍に接続されている。又、ベッド材貯蔵容器5の頂部近傍には、中途部にベッド材貯蔵容器5の内圧を排出するための内圧排出弁34を備えて圧力容器2外へ延在する内圧排出管39が接続されている。
【0013】なお、図3中、35は蒸気タービン入側で蒸気の温度を検出するよう伝熱部7から蒸気タービンへ至るラインに接続された蒸気温度検出器、36はボイラ本体3内の流動層よりも上方と流動層下部との差圧を検出するようボイラ本体3の側部に接続された差圧検出器、37,38はボイラ本体3内のベッド材17により形成される流動層の温度を検出するようボイラ本体3の上下側部に接続された層温度検出器である。
【0014】上記加圧流動層ボイラ1を運転する場合には、ボイラ本体3内には、所定量のベッド材17が収納されていると共に圧縮空気送給管27から圧力容器2内に供給された圧縮空気15は隙間16から散気管14を通ってボイラ本体3内に導入され、ボイラ本体3内では、ベッド材17が流動化している。
【0015】又、燃料ポンプ11からの石炭スラリ等の燃料8は、燃料送給管10を通って燃料噴射ノズル9からボイラ本体3内に噴射され、噴射された燃料8はベッド材17等の熱により燃焼して燃焼ガス18が生成され、燃焼ガス18は火炉6内を上昇しつつ、伝熱部7や火炉6炉壁の伝熱管内の流体を加熱して蒸気を生成させ、火炉6を通ってボイラ本体3からの排ガス19としてマニホールド20へ排出される。
【0016】マニホールド20へ排出された排ガス19は、マニホールド20から排ガス管21を経てサイクロン4内へ導入され、サイクロン4で石炭燃焼灰や未燃の石炭粒子を分離された後、排ガス管22を通ってガスタービン23へ導入され、排ガス19によりガスタービン23が駆動される。
【0017】又、ガスタービン23が駆動されると、発電機24が駆動されて発電が行われると共に圧縮機25が駆動され、圧縮機25で生成した圧縮空気15は、圧縮空気送給管27を経て圧力容器2内へ導入される。
【0018】ボイラ本体3で生成した蒸気は図示してない蒸気タービンの駆動に供せられる。
【0019】従来から一般に実施されている貫流ボイラでは、プラント出力に対して1対1の関係で給水と燃料の供給を変化させるようにしており、更に蒸気温度は燃料流量によって制御するようにしているが、前記した加圧流動層ボイラ1においては、燃料流量によって変化するのは流動層の層温であり、この層温をある所定範囲に保持させた状態において、層高をプラント出力に対して1対1で変化させることによってプラント出力を制御するようにしており、従って、上記加圧流動層ボイラ1においては、前記貫流ボイラに比して、層温と層高を制御するための操作量が増加する。
【0020】また、上述の加圧流動層ボイラ1にて生成される蒸気の温度を制御する場合には、ボイラ本体3内のベッド材17によって形成される流動層の層高を制御するか、或いは燃料噴射ノズル9から火炉6内へ噴射される燃料8の流量を制御する。
【0021】前記燃料8の流量を制御すると、流動層の入熱が変って層温が変化することになるので、伝熱部7の収熱が変って蒸気の温度が制御される。
【0022】一方、流動層の層高を制御することによって蒸気の温度を制御する際には、蒸気の温度が所定の温度よりも低い場合は、注入弁30を開く。すると、圧力容器2内の圧縮空気15は、圧縮空気注入管31を通ってLバルブ29へ供給され、Lバルブ29からベッド材注入管32を経てボイラ本体3内へ導入される。このため、ベッド材貯蔵容器5内のベッド材17は、ベッド材抜出し管28を下降し、Lバルブ29、ベッド材注入管32を経てボイラ本体3内へ導入され、その結果、ボイラ本体3内のベッド材17による流動層の層高が所定高さまで上昇し、伝熱部7の収熱量が増加されることにより蒸気温度が上昇する。
【0023】流動層の層高を制御することにより蒸気の温度を制御する際に蒸気の温度が所定の温度よりも高い場合には、内圧排出弁34を開いてベッド材貯蔵容器5内を減圧する。すると、ボイラ本体3内とベッド材貯蔵容器5内との間の圧力差により、ボイラ本体3内のベッド材17は、ベッド材戻し管33からベッド材貯蔵容器5内へ戻され、その結果、ボイラ本体3内のベッド材17による流動層の層高が所定高さまで下降し、伝熱部7の収熱量が減少することにより蒸気温度が低下する。
【0024】又、図4は、流動層の層高がH1,H2,H3(H1<H2<H3)のように変化した場合における、前記燃料流量と流動層の層温度との関係を示している。
【0025】図4において、例えば層高H2で運転を行っている場合に流動層の層温度が層温度上限設定値と層温度下限設定値との間にある間は、燃料流量を増減させることにより蒸気温度の制御を行い、流動層の層温度が層温度上限設定値に達したら(蒸気温度が設定温度より低い時)層高をH3に上昇させ、更に燃料流量を増加させることによって蒸気温度の制御を行うことを示している。
【0026】又、図4の場合、層高H2をH3に上昇させる場合、流動層の層温度が一時的にロのように低下し、しかる後上昇しているが、これは、層高を上昇させるために供給されたベッド材17の温度が低く、該ベッド材17が加熱されるまでに時間遅れがあるためである。
【0027】図5は前記加圧流動層ボイラ1の蒸気温度制御装置の一例を示したもので、図5中、40はボイラマスタ指令41に基づいて図示しない給水流量調節弁等に給水流量指令42を出力する給水流量プログラム、43はボイラマスタ指令41に基づいて層高指令44を出力する層高プログラム、45はボイラマスタ指令41に基づいて燃料流量指令46を出力する燃料流量プログラム、47は前記燃料流量指令46に基づいて図示しないタービンガイドベーン等に空気流量指令48を出力する空気流量プログラムであり、前記給水流量プログラム40の関数F1(x)と、層高プログラム43の関数F2(x)と、燃料流量プログラム45の関数F3(x)は、夫々図6に傾向を示すように、ボイラマスタ指令41に対して比例関係を有して右上がりの直線となる。また、前記空気流量プログラム47の関数F4(x)は、図7に傾向を示すように、燃料流量指令46に対して比例関係を有して右上がりの直線となる。
【0028】まず、蒸気温度を流動層の層高により制御する構成について、図5の蒸気温度制御装置を参照して説明する。
【0029】49は、予め設定された設定蒸気温度50と蒸気温度検出器35で検出した検出蒸気温度51を減算して蒸気温度偏差52を求める減算器53と、減算器53からの蒸気温度偏差52を比例積分して流動層の補正層高指令49aを出力する比例積分調節器53aとを備えた水燃比制御マスタであり、該水燃比制御マスタ49からの補正層高指令49aは加算器54に与えられており、前記層高プログラム43からの層高指令44に加算して修正することにより、設定層高指令55が求められるようになっている。
【0030】56は、差圧検出器36によって検出したベッド材17(図3参照)により形成される流動層の差圧57から、h=Δp/γ(ここでhは流動層の層高、Δpは差圧、γは流動層の比重)により流動層の層高検出値58を求める演算器である。
【0031】59は、前記演算器56からの層高検出値58と前記加算器54からの設定層高指令55を減算して層高偏差60を求める減算器61と、減算器61からの層高偏差60を比例積分処理して弁開閉指令62を求める比例積分調節器61aとを備えた層高制御マスタであり、該層高制御マスタ59からの弁開閉指令62により、ハイローモニタスイッチ63を介して注入弁30及び内圧排出弁34に弁開閉指令64,65を与えるようになっている。
【0032】上記した回路構成においては、蒸気温度検出器35からの検出蒸気温度51と設定蒸気温度50とを入力している水燃比制御マスタ49からの補正層高指令49aが加算器54に与えられることにより、層高プログラム43からの層高指令44が修正されて設定層高指令55が得られ、更に、該設定層高指令55が層高制御マスタ59に入力されて、差圧検出器36による差圧57に基づいた演算器56からの層高検出値58との層高偏差60に基づいた弁開閉指令62が、層高制御マスタ59からハイローモニタスイッチ63に与えられる。
【0033】而して、設定層高指令55が層高検出値58よりも大きい場合には、ハイローモニタスイッチ63から注入弁30へ弁開閉指令64が与えられ、注入弁30が開く。このため、図3で説明したように、圧力容器2内の圧縮空気15は圧縮空気注入管31から注入弁30を通ってLバルブ29へ送給される。
【0034】その結果、ベッド材貯蔵容器5内のベッド材17はベッド材抜出し管28からLバルブ29内へ導入され、圧縮空気15に同伴されてベッド材注入管32から火炉6内へ供給される(図3参照)。而して、層高偏差60がゼロになれば、ハイローモニタスイッチ63からの弁開閉指令64により注入弁30は閉止し、火炉6内における流動層の層高は、ボイラマスタ指令41及び検出蒸気温度51に対応した所定の高さに制御される。
【0035】層高検出値58が設定層高指令55よりも大きい場合には、ハイローモニタスイッチ63から内圧排出弁34へ弁開閉指令65が与えられ、内圧排出弁34が開く。このため、ベッド材貯蔵容器5の内圧は内圧排出管39により大気圧に減圧され、火炉6内との圧力差により火炉6内のベッド材17はベッド材戻し管33を通ってベッド材貯蔵容器5へ戻される。而して、層高偏差60がゼロになれば、ハイローモニタスイッチ63からの弁開閉指令65により内圧排出弁34は閉止し、火炉6内における流動層の層高は、所定の高さに制御される。
【0036】次に、主蒸気温度を火炉6へ供給される燃料の流量により制御する構成について、図5の蒸気温度制御装置を参照して説明する。
【0037】66は、予め設定された設定蒸気温度50と前記蒸気温度検出器35で検出した検出蒸気温度51を減算して蒸気温度偏差67を求める減算器68と、減算器68からの蒸気温度偏差67を比例積分処理して流動層の補正層温度指令69を求める比例積分調節器70とを備えた層温蒸気温度制御マスタであり、該層温蒸気温度制御マスタ66からの補正層温度指令69が、加算器71に入力されて、流動層の層温を設定する設定器72からの層温度指令73(通常は860℃)と加算されることにより、設定層温度指令74が求められるようになっている。
【0038】75は、層温度検出器37,38により検出した流動層の層温度76,77を処理して平均検出層温度78を求める演算器である。
【0039】79は、上記演算器75からの平均検出層温度78と前記加算器71からの設定層温度指令74を減算して層温度偏差80を求める減算器81と、減算器81からの層温度偏差80を比例積分して補正燃料流量指令79aを求める比例積分調節器82とを備えた層温制御マスタであり、該層温制御マスタ79からの補正燃料流量指令79aが、前記燃料流量プログラム45からの燃料流量指令46に、加算器83を介して加算されることにより、合計燃料流量指令84が求められるようになっている。
【0040】更に、前記加算器83からの合計燃料流量指令84が、比例積分調節器85に導かれて比例積分処理されることにより弁開度指令86が得られ、該弁開度指令86によって燃料流量制御弁12の開度が制御されるようになっている。
【0041】上記した回路構成においては、蒸気温度検出器35からの検出蒸気温度51と設定蒸気温度50とを入力している層温蒸気温度制御マスタ66からの補正層温度指令69が、設定器72からの層温度指令73(通常は860℃)に加算器71を介して加算されることにより設定層温度指令74が求められ、更に、該設定層温度指令74が、層温度検出器37,38からの層温度76,77を平均する演算器75からの平均検出層温度78を入力している層温制御マスタ79に入力されることにより、層温度偏差80に基づいた補正燃料流量指令79aが得られ、該補正燃料流量指令79aが加算器83を介して前記燃料流量プログラム45からの燃料流量指令46に加算されることにより、合計燃料流量指令84が得られる。
【0042】従って、検出蒸気温度51と設定蒸気温度50との偏差に基づいて出力される層温蒸気温度制御マスタ66からの補正層温度指令69によって、層温度が所定値に保持されるように燃料流量指令46が修正され、得られた合計燃料流量指令84により比例積分調節器85を介して得られた弁開度指令86にて、燃料流量制御弁12が制御され、これにより燃料流量制御弁12は、ボイラマスタ指令41と設定蒸気温度50に対応した所定の開度に制御されるようになる。
【0043】上記図5に示した蒸気温度制御装置によれば、層高プログラム43における層高指令44、及び燃料流量プログラム45における燃料流量指令46が、計画値ベースとの間にズレがあっても、層高プログラム43からの層高指令44は水燃比制御マスタ49からの補正層高指令49aによって修正され、また、燃料流量プログラム45からの燃料流量指令46は層温蒸気温度制御マスタ66からの補正層温度指令69によって修正されることにより、蒸気温度は設定蒸気温度50になるように層高と層温度が自動的に制御される。
【0044】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記図5に示した従来の蒸気温度制御装置においては、例えば、ベッド材の性状の変化(石炭の性状の変化、脱硫剤である石灰石の名柄変更などによりベッド材の質量が変化することによって、経時的な熱伝達率が変化した場合等)、及び、燃料の発熱量の変化(石炭のカロリー、水分の変化、及び石炭スラリとしている場合のスラリ濃度の変化等)が生じた場合に、層高プログラム43における層高指令44、及び燃料流量プログラム45における燃料流量指令46が、計画値ベースとの間にズレを生じ、このために、検出蒸気温度51と設定蒸気温度50との偏差に基づいたズレ分が常に水燃比制御マスタ49及び層温蒸気温度制御マスタ66から出力されることになる。
【0045】このために、負荷変化時には、上記したように層高指令44及び燃料流量指令46が計画値ベースからズレた状態から、負荷変化に応じた層高の修正動作が掛かるために、蒸気温度が安定するまでに時間が掛かり、制御性を高めることができないという問題を有していた。
【0046】本発明は上述の実情に鑑み、ベッド材の性状が変化したり、燃料の発熱量が変化するようなことが生じても、燃料流量プログラムの静特性を自動的に修正することにより、制御性の向上が図れるようにした加圧流動層ボイラの蒸気温度制御装置を提供することを目的としている。
【0047】
【課題を解決するための手段】本発明は、加圧流動層ボイラ1のボイラマスタ指令41を入力して層高指令44を出力する層高プログラム43と、ボイラマスタ指令41を入力して燃料流量指令46を出力する燃料流量プログラム45と、設定蒸気温度50と検出蒸気温度51を入力して補正層高指令49aを出力する水燃比制御マスタ49と、該水燃比制御マスタ49からの補正層高指令49aを前記層高プログラム43からの層高指令44に加算して設定層高指令55を得る加算器54と、設定層高指令55と層高検出値58とを入力して弁開閉指令62を出力する層高制御マスタ59と、設定蒸気温度50と検出蒸気温度51を入力して補正層温度指令69を出力する層温蒸気温度制御マスタ66と、該層温蒸気温度制御マスタ66からの補正層温度指令69を設定器72からの層温度指令73に加算して設定層温度指令74を得る加算器71と、設定層温度指令74と平均検出層温度78とを入力して補正燃料流量指令79aを出力する層温制御マスタ79と、該層温制御マスタ79からの補正燃料流量指令79aを前記燃料流量プログラム45からの燃料流量指令46に加算して合計燃料流量指令84を得る加算器83とを備えた加圧流動層ボイラの蒸気温度制御装置であって、前記層温制御マスタ79からの補正燃料流量指令79aを入力して低速度で積分する低速積分器87と、低速積分器87からの積分された層温修正信号88を前記燃料流量プログラム45からの燃料流量指令46に掛算する掛算器89とを備えたことを特徴とする加圧流動層ボイラの蒸気温度制御装置、に係るものである。
【0048】本発明では、層温制御マスタ79からの補正燃料流量指令79aを、低速積分器87に入力して低速度で積分することにより層温修正信号88を得、該層温修正信号88を燃料流量プログラム45からの燃料流量指令46に掛算器89を介して掛算するようにしているので、燃料流量プログラム45の燃料流量指令46における計画値ベースとのズレが遅い速度で修正されて、燃料流量指令46の静特性が計画値ベースに自動修正される。
【0049】これによって層温が最適値に修正されて層温制御マスタ79からの補正燃料流量指令79aがゼロに近付き、蒸気温度が設定蒸気温度50に一致するようになるので、水燃比制御マスタ49の補正層高指令49aの出力がゼロに近付くようになって層高も安定し、従って負荷変化が生じて層高が変更された際に、燃料流量指令46が計画値ベースで制御されていることにより、層温が過大或いは過小な動きをすることがなくなって安定した制御が可能となり、更に層温度及び層高が安定することによりプラント効率も上昇する。
【0050】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照しつつ説明する。
【0051】図1は、前記図5の蒸気温度制御装置に適用した本発明の実施の形態の一例を示したものであり、図中図5と同一部分には同一の符号を付して説明を省略するものとし、以下の説明では本実施の形態例において特に付加した部分を主体として説明する。
【0052】すなわち、加算器71からの設定層温度指令74と、演算器75からの平均検出層温度78とを入力して補正燃料流量指令79aを出力している層温制御マスタ79からの前記補正燃料流量指令79aを、低速積分器87に入力して低速度で積分し、該低速積分器87からの積分された層温修正信号88を、燃料流量プログラム45からの燃料流量指令46に、掛算器89を介して掛算するようにしている。
【0053】前記低速積分器87は、図2に示すように、例えば石炭30ton焚(30ton/H)の加圧流動層ボイラにおいて、補正燃料流量指令79aの出力値に対して、例えば1時間かけて燃料1ton分を変化させるという程度の極めて遅い速度で積分した層温修正信号88を出力するようになっている。
【0054】次に本実施の形態の作用について説明する。
【0055】加圧流動層ボイラ1の運転時には、蒸気温度検出器35で検出された検出蒸気温度51は、夫々設定蒸気温度50が入力されている水燃比制御マスタ49と層温蒸気温度制御マスタ66とに与えられている。
【0056】水燃比制御マスタ49からの補正層高指令49aは、加算器54に与えられることにより層高プログラム43からの層高指令44に加算され、層高指令44が蒸気温度で修正された設定層高指令55が得られる。
【0057】該設定層高指令55は、層高制御マスタ59に与えられて、差圧検出器36による差圧57に基づいた演算器56からの層高検出値58により補正されることにより弁開閉指令62となり、該弁開閉指令62がハイローモニタスイッチ63に与えられて、弁開閉指令64,65により注入弁30及び内圧排出弁34を開閉することにより層高が制御される。
【0058】また、前記層温蒸気温度制御マスタ66からの補正層温度指令69が、設定器72からの層温度指令73(通常は860℃)に加算器71を介して加算されることにより設定層温度指令74が求められ、更に該設定層温度指令74が、層温度検出器37,38からの層温度76,77に基づいて演算器75により求められた平均検出層温度78を入力している層温制御マスタ79に与えられることにより、補正燃料流量指令79aが得られ、該補正燃料流量指令79aが加算器83を介して前記燃料流量プログラム45からの燃料流量指令46に加算されることにより修正されて、合計燃料流量指令84が得られる。
【0059】該合計燃料流量指令84が比例積分調節器85に与えられ、比例積分処理された弁開度指令86によって層温度が設定温度になるように燃料流量制御弁12の開度が制御される。
【0060】上記において、ベッド材の性状の変化、及び、燃料の発熱量の変化等があった場合には、層高プログラム43における層高指令44、及び燃料流量プログラム45における燃料流量指令46が、計画値ベースとの間にズレを生じた状態となっており、このために、検出蒸気温度51と設定蒸気温度50との偏差に基づいたズレ分が常に水燃比制御マスタ49、及び層温蒸気温度制御マスタ66から、補正層高指令49a及び補正層温度指令69として出力されている。
【0061】このとき、図1に示すように、層温制御マスタ79からの補正燃料流量指令79aを、低速積分器87に入力して低速度で積分し、該低速積分器87からの積分された層温修正信号88を、燃料流量プログラム45からの燃料流量指令46に、掛算器89を介して掛算すると、燃料流量プログラム45の燃料流量指令46における計画値ベースの最適値とのズレが遅い速度で修正されるようになり、これにより燃料流量指令46の静特性が計画値ベースの最適値に修正されるようになる。
【0062】これにより、層温制御マスタ79からの補正燃料流量指令79aがゼロに近付き、蒸気温度が設定蒸気温度50に一致するようになるので、水燃比制御マスタ49の補正層高指令49aの出力がゼロに近付くようになって層高も安定する。
【0063】よって、図4に示したように層温度が上限設定値に達して過渡的に冷たいベッド材17(図3参照)が火炉6に供給されたり、或いは負荷上昇によって過渡的に冷たいベッド材17が火炉6に供給されることにより層温度が低下しても、燃料流量指令46が計画値ベースで制御されていることにより、余裕をもって適切な修正動作を行わせることができる。
【0064】また、負荷変化の各負荷に対して燃料流量プログラム45の燃料流量指令46を最適な計画値ベースに保持することができるので、負荷変化によって過剰な或いは過小な燃料が供給されることがなくなり、よって層温の過大或いは過小な動きがなくなって安定した制御が可能となり、更に層温度と層高が安定することにより燃料の燃焼とガスタービン入口ガス温度が最もバランスの取れた状態に自動修正されて、プラント効率も向上する。
【0065】なお、本発明の実施の形態においては燃料流量の制御を燃料流量制御弁12により行う場合について説明したが、燃料ポンプの回転数を制御することにより行うこともできること、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変更を加え得ること、等は勿論である。
【0066】
【発明の効果】本発明の加圧流動層ボイラの蒸気温度制御装置によれば、層温制御マスタ79からの補正燃料流量指令79aを、低速積分器87に入力して低速度で積分することにより層温修正信号88を得、該層温修正信号88を燃料流量プログラム45からの燃料流量指令46に掛算器89を介して掛算するようにしているので、燃料流量プログラム45の燃料流量指令46における計画値ベースとのズレが遅い速度で修正されて、燃料流量指令46の静特性が計画値ベースに自動修正される。
【0067】これによって層温が最適値に修正されて層温制御マスタ79からの補正燃料流量指令79aがゼロに近付き、蒸気温度が設定蒸気温度50に一致するようになるので、水燃比制御マスタ49の補正層高指令49aの出力がゼロに近付くようになって層高も安定し、従って負荷変化が生じて層高が変更された際に、燃料流量指令46が計画値ベースで制御されていることにより、層温が過大或いは過小な動きをすることがなくなって安定した制御が可能となり、更に層温度及び層高が安定することによりプラント効率も上昇する、等種々の優れた効果を奏し得る。
【出願人】 【識別番号】000000099
【氏名又は名称】石川島播磨重工業株式会社
【出願日】 平成9年(1997)6月25日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】山田 恒光 (外1名)
【公開番号】 特開平11−14002
【公開日】 平成11年(1999)1月22日
【出願番号】 特願平9−168741