トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F21 照明




【発明の名称】 リフレクタ
【発明者】 【氏名】小西 裕一郎

【氏名】小原 禎二

【氏名】丸山 淳子

【要約】 【課題】軽量且つ、耐熱性、成形加工性、機械的強度特性および反射特性に優れたリフレクタを提供すること。

【解決手段】合成樹脂製基板20と、当該基板20の表面に形成してある金属膜22とから成るリフレクタ10であって、前記合成樹脂製基板20が、脂環式構造含有重合体樹脂で構成してある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 合成樹脂製基板と、当該基板の表面に形成してある金属膜とから成るリフレクタであって、前記合成樹脂製基板が、脂環式構造含有重合体樹脂で構成してあるリフレクタ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用灯具、スタジオランプ、懐中電灯、その他の灯具に用いられるリフレクタに係り、さらに詳しくは、軽くて耐熱性および反射特性に優れたリフレクタに関する。
【0002】
【従来の技術】ランプなどの光源から発する光を集光または拡散して所望の配光特性を得るために、光源の近くにはリフレクタ( Reflector)が設けられることがある。
【0003】従来のリフレクタとしては、反射特性に優れた金属やガラス鏡で構成されたものが知られている。しかしながら、金属製リフレクタでは重量が大きく取り扱い性に難点があると共に、たとえば車両用エクステンションリフレクタなどのように複雑な形状に加工することが困難である。また、ガラス製リフレクタでは、重量が大きく、割れ易いと共に、複雑な形状に加工することが困難である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、最近では、リフレクタを構成する基材として、合成樹脂を用い、その表面に反射膜を成膜したリフレクタが提案されている。
【0005】独国特許公報第19540414号には、ノルボルネンとエチレンとの付加共重合体などの熱可塑性樹脂で構成した基材の表面に誘電体膜を成膜したリフレクタが開示してある。
【0006】しかしながら、この公報に記載のリフレクタでは、基材の表面に誘電体膜を成膜してあるために、光の反射特性が低いという課題を有する。
【0007】本発明は、このような実状に鑑みてなされ、軽量且つ、耐熱性、成形加工性、機械的強度特性および反射特性に優れたリフレクタを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記従来技術の問題点を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、脂環式構造含有重合体樹脂からなる基板の表面に金属膜を設けてなるリフレクタが、軽量且つ、耐熱性、成形加工性および反射特性に優れていることを見出した。
【0009】脂環式構造含有重合体樹脂本発明で使用される脂環式構造含有重合体樹脂は、主鎖および/または側鎖に脂環式構造を有するものであり、機械的強度、耐熱性などの観点から、主鎖に脂環式構造を含有するものが好ましい。
【0010】重合体の脂環式構造としては、飽和環状炭化水素(シクロアルカン)構造、不飽和環状炭化水素(シクロアルケン)構造などがあるが、機械的強度、耐熱性などの観点から、シクロアルカン構造やシクロアルケン構造が好ましく、中でもシクロアルカン構造を有するものが最も好ましい。
【0011】脂環式構造を構成する炭素原子数は、格別な制限はないが、通常4〜30個、好ましくは5〜20個、より好ましくは5〜15個の範囲であるときに、耐熱性、および成形性の特性が高度にバランスされ、好適である。
【0012】本発明に使用される脂環式構造含有重合体樹脂中の脂環式構造を有する繰り返し単位の割合は、使用目的に応じて適宜選択されればよいが、通常30重量%以上、好ましくは50重量%以上、より好ましくは70重量%である。脂環式構造含有重合体樹脂中の脂環式構造を有する繰り返し単位の割合が過度に少ないと耐熱性に劣り好ましくない。脂環式構造含有重合体樹脂中の脂環式構造を有する繰り返し単位以外の残部は、格別な限定はなく、使用目的に応じて適宜選択される。
【0013】こうした脂環式構造を含有する重合体樹脂の具体例としては、例えば、(1)ノルボルネン系重合体、(2)単環の環状オレフィン系重合体、(3)環状共役系ジエン系重合体、(4)ビニル脂環式炭化水素重合体、およびこれらの水素添加物などが挙げられる。
【0014】これらの中でも、ノルボルネン系重合体およびその水素添加物、環状共役ジエン系重合体およびその水素添加物などが好ましく、ノルボルネン系重合体およびその水素添加物がより好ましい。
【0015】(1)ノルボルネン系重合体ノルボルネン系重合体としては、格別な制限はなく、例えば、特開平3−14882号公報や特開平3−122137号公報などで開示される重合体が用いられる。
【0016】具体的には、ノルボルネン系モノマーの開環重合体およびその水素添加物、ノルボルネン系モノマーの付加重合体、ノルボルネン系モノマーとビニル化合物の付加型重合体などが挙げられる。
【0017】これらの中でも、耐熱性と成形加工性、機械的強度を高度にバランスさせる上で、ノルボルネン系モノマーの開環重合体水素添加物、ノルボルネン系モノマーの付加型重合体、ノルボルネン系モノマーと共重合可能なビニル化合物の付加型重合体などが好ましく、ノルボルネン系モノマーの開重合体水素添加物が特に好ましい。
【0018】ノルボルネン系単量体としては、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン(慣用名:ノルボルネン)、5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5,5−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−エチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−ブチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−エチリデン−ビシクロ[2.2.1]−ヘプタ2−エン、5−ヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−オクチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−オクタデシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−エチリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−メチリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−ビニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−プロペニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−メトキシ−カルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−シアノ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−メチル−5−メトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン; 5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−5−エトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エニル−2−メチルプロピオネイト、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エニル−2−メチルオクタネイト、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸無水物、5−ヒドロキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジ(ヒドロキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシ−i−プロピルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン; 5−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸イミド;トリシクロ[4.3.12,5 .01,6 ]デカ−3,7−ジエン(慣用名:ジシクロペンタジエン)、トリシクロ[4.3.12,5 .01,6 ]デカ−3−エン;トリシクロ[4.4.12,5 .01,6 ]ウンデカ−3,7−ジエン若しくはトリシクロ[4.4.12,5 .01,6 ]ウンデカ−3,8−ジエンまたはこれらの部分水素添加物(またはシクロペンタジエンとシクロヘキセンの付加物)であるトリシクロ[4.4.12,5 .01,6 ]ウンデカ−3−エン; 5−シクロペンチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シクロヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シクロヘキセニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−フェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン; テトラシクロ[4.4.12,5 .17,10.0]−ドデカ−3−エン(単にテトラシクロドデセンともいう)、8−メチルテトラシクロ[4.4.12,5 .17,10.0]−ドデカ−3−エン、8−エチルテトラシクロ[4.4.12,5 .17,10.0]−ドデカ−3−エン、8−メチリデンテトラシクロ[4.4.12,5 .17,10.0]−ドデカ−3−エン、8−エチリデンテトラシクロ[4.4.12,5 .17,10.0]−ドデカ−3−エン、8−ビニルテトラシクロ[[4.4.12,5 .17,10.0]−ドデカ−3−エン、8−プロペニル−テトラシクロ[4.4.12,5 .17,10.0]−ドデカ−3−エン、8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.12,5 .17,10.0]−ドデカ−3−エン、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.12,5 .17,10.0]−ドデカ−3−エン、8−ヒドロキシメチルテトラシクロ[4.4.12,5 .17,10.0]−ドデカ−3−エン、8−カルボキシテトラシクロ[4.4.12,5 .17,10.0]−ドデカ−3−エン; 8−シクロペンチル−テトラシクロ[4.4.12,5 .17,10.0]−ドデカ−3−エン、8−シクロヘキシル−テトラシクロ[4.4.12,5 .17,10.0]−ドデカ−3−エン、8−シクロヘキセニル−テトラシクロ[4.4.12,5 .17,10.0]−ドデカ−3−エン、8−フェニル−シクロペンチル−テトラシクロ[4.4.12,5 .17,10.0]−ドデカ−3−エン; テトラシクロ[7.4.110,13 .01,9 .02,7 ]トリデカ−2,4,6,11−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレンともいう)、テトラシクロ[8.4.111,14 .01,10.03,8 ]テトラデカ−3,5,7,12−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロアントラセンともいう)、ペンタシクロ[6.5.11,8 .13,6 .02,7 .09,13]ペンタデカ−3,10−ジエン、ペンタシクロ[7.4.13,6 .110,13 .01,9 .02,7 ]ペンタデカ−4,11−ジエン; シクロペンタジエンの4量体; などのノルボルネン系単量体などが挙げられる。これらのノルボルネン系単量体は、それぞれ単独であるいは2種以上組合わせて用いられる。
【0019】ノルボルネン系モノマーまたはノルボルネン系モノマーと共重合可能なビニル系化合物との重合方法および水素添加方法は、格別な制限はなく公知の方法に従って行うことができる。
【0020】共重合可能なビニル化合物としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどの炭素数2〜20のエチレンまたはα−オレフィン;シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、3,4−ジメチルシクロペンテン、3−メチルシクロヘキセン、2−(2−メチルブチル)−1−シクロヘキセン、シクロオクテン、3a,5,6,7a−テトラヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデンなどのシクロオレフィン;1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエンなどの非共役ジエン;などが挙げられる。これらのビニル系化合物は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0021】ノルボルネン系モノマーの開環(共)重合体は、ノルボルネン系モノマーを、開環重合触媒として、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金などの金属のハロゲン化物、硝酸塩またはアセチルアセトン化合物と、還元剤とからなる触媒系、あるいは、チタン、バナジウム、ジルコニウム、タングステン、モリブデンなどの金属のハロゲン化物またはアセチルアセトン化合物と、有機アルミニウム化合物とからなる触媒系を用いて、溶媒中または無溶媒で、通常、−50℃〜100℃の重合温度、0〜50kg/cm2 の重合圧力で開環(共)重合させることにより得ることができる。
【0022】水素添加ノルボルネン系重合体は、常法に従って、開環(共)重合体を水素添加触媒の存在下に水素により水素化する方法により得ることができる。
【0023】触媒系に、分子状酸素、アルコール、エーテル、過酸化物、カルボン酸、酸無水物、酸クロリド、エステル、ケトン、含窒素化合物、含硫黄化合物、含ハロゲン化合物、分子状ヨウ素、その他のルイス酸などの第三成分を加えて、重合活性や開環重合の選択性を高めることができる。
【0024】ノルボルネン系モノマーとビニル系化合物との付加共重合体は、例えば、モノマー成分を、溶媒中または無溶媒で、チタン、ジルコニウム、またはバナジウム化合物と有機アルミニウム化合物とからなる触媒系の存在下で、通常、−50℃〜100℃の重合温度、0〜50kg/cm2 の重合圧力で共重合させる方法により得ることができる。
【0025】(2)単環の環状オレフィン系重合体単環の環状オレフィン系重合体としては、例えば、特開昭64−66216号公報に開示されているシクロロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどの単環の環状オレフィン系単量体の付加重合体を用いることができる。
【0026】(3)環状共役ジエン系重合体環状共役ジエン系重合体としては、例えば、特開平6−136057号公報や特開平7−258318号公報に開示されているシクロペンタジエン、シクロヘキサジエンなどの環状共役ジエン系単量体を1,2−または1,4−付加重合した重合体およびその水素添加物などを用いることができる。
【0027】(4)ビニル脂環式炭化水素系重合体ビニル脂環式炭化水素系重合体としては、例えば、特開昭51−59,989号公報に開示されているビニルシクロヘキセンやビニルシクロヘキサンなどのビニル脂環式炭化水素単量体の重合体およびその水素添加物、特開昭63−43,910号公報、特開昭64−1,706号公報などに開示されているスチレンやα−メチルスチレンなどのビニル芳香族系単量体の重合体の芳香環部分の水素添加物などを用いることができる。
【0028】本発明で使用される脂環式構造含有重合体樹脂の分子量は、使用目的に応じて適宜選択されるが、シクロヘキサン溶液(重合体樹脂が溶解しない場合はトルエン溶液)のゲル・パーミエーション・クロマトグラフ法で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量で、5,000以上、好ましくは5,000〜500,000、より好ましくは8,000〜200,000、特に好ましくは10,000〜100,000の範囲であるときに、機械的強度と成形加工性とが高度にバランスし、好適である。
【0029】本発明で使用される脂環式構造含有重合体樹脂のガラス転移温度(Tg)は、使用目的に応じて適宜選択されればよいが、リフレクタの使用環境からは高い方が好ましく、通常50〜300℃、好ましくは100〜280℃、さらに好ましくは150〜250℃であるときに、耐熱性と成形加工性とが高度にバランスし、好適である。
【0030】本発明で使用される脂環式構造含有重合体樹脂の、280℃、荷重2.16kgfにおけるJIS K6719により測定したメルトフローレートは、使用目的に応じて適宜選択すれば良いが、通常4〜100g/10min.、好ましくは10〜50g/10min.の範囲が好適である。メルトフローレートが低すぎると成形時に成形材料を加温する温度がより高温となるため加工しにくい場合が生じ、高すぎると成形時にバリなどの成形不良の発生する場合が生じる。
【0031】ちなみに、これらの脂環式構造含有重合体樹脂は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0032】その他の成分本発明のリフレクタには、上記の脂環式構造含有重合体樹脂に必要に応じて、その他のポリマー、各種配合剤、充填剤を単独で、あるいは2種以上混合して用いることができる。
【0033】(1)その他のポリマー本発明のリフレクタには、上記の脂環式構造含有重合体樹脂に、必要に応じて、ポリブタジエン、ポリイソプレン、SBS、SIS、SEBS、SEPSなどのゴムまたはエラストマー;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリレート、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエーテル、ポリアミド、ポリイミド、ポリスルホンなどの樹脂;などのその他のポリマーを配合することができる。また、これらのその他のポリマーはそれぞれ単独で、あるいは2種以上混合して用いることができる。また、その割合は、本発明の目的を損なわれない範囲で適宜選択される。
【0034】(2)充填剤有機または無機の充填剤としては、例えば、シリカ、ケイ藻土、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、軽石粉、軽石バルーン、塩基性炭酸マグネシウム、ドワマイト、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、チタン酸カリウム、硫酸バリウム、亜硫酸カルシウム、タルク、クレー、マイカ、アスベストなどの鉱物; ガラス繊維、ボロン繊維、炭化ケイ素繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維などの繊維;ガラスフレーク、ガラスビーズ、ケイ酸カルシウム、モンモリロナイト、ベントナイト、グラファイト、アルミニウム粉、硫化モリブデン、などを例示できる。
【0035】これらの充填剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて添加することができる。充填剤の配合割合は、本発明の目的を損ねない範囲で、それぞれの機能及び使用目的に応じて適宜定めることができる。
【0036】(3)配合剤本発明のリフレクタには上記の脂環式構造含有重合体樹脂に、必要に応じて、配合剤を添加することができる。配合剤としては、熱可塑性樹脂材料で通常用いられているものであれば格別な制限はなく、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、近赤外線吸収剤、染料や顔料などの着色剤、滑剤、可塑剤、帯電防止剤、蛍光増白剤などの配合剤が挙げられる。
【0037】老化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤などが挙げられるが、これらの中でも、フェノール系酸化防止剤が好ましく、アルキル置換フェノール系酸化防止剤が特に好ましい。
【0038】フェノール系酸化防止剤としては、従来公知のものが使用でき、例えば、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2,4−ジ−t−アミル−6−(1−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチル)フェニルアクリレートなどの特開昭63−179953号公報や特開平1−168643号公報に記載されるアクリレート系化合物;オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス(メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニルプロピオネート)メタン[すなわち、ペンタエリスリメチル−テトラキス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート)]、トリエチレングリコール ビス(3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート)などのアルキル置換フェノール系化合物;6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−2,4−ビスオクチルチオ−1,3,5−トリアジン、4−ビスオクチルチオ−1,3,5−トリアジン、2−オクチルチオ−4,6−ビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−オキシアニリノ)−1,3,5−トリアジンなどのトリアジン基含有フェノール系化合物;などが挙げられる。
【0039】リン系酸化防止剤としては、一般の樹脂工業で通常使用される物であれば格別な限定はなく、例えば、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、10−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイドなどのモノホスファイト系化合物;4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジ−トリデシルホスファイト)、4,4’イソプロピリデン−ビス(フェニル−ジ−アルキル(C12〜C15)ホスファイト)などのジホスファイト系化合物などが挙げられる。これらの中でも、モノホスファイト系化合物が好ましく、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトなどが特に好ましい。
【0040】イオウ系酸化防止剤としては、例えば、ジラウリル3,3−チオジプロピオネート、ジミリスチル3,3’−チオジプロピピオネート、ジステアリル 3,3−チオジプロピオネート、ラウリルステアリル3,3−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトール−テトラキス−(β−ラウリル−チオ−プロピオネート、3,9−ビス(2−ドデシルチオエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ [5,5] ウンデカンなどが挙げられる。
【0041】これらの酸化防止剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。酸化防止剤の配合量は、本発明の目的を損なわれない範囲で適宜選択されるが、ポリマー成分100重量部に対して通常0.001〜5重量部、好ましくは0.01〜1重量部の範囲である。
【0042】紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−クロロ−2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤;4−t−ブチルフェニル−2−ヒドロキシベンゾエート、フェニル−2−ヒドロキシベンゾエート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−(3,4,5,6−テトラヒドロフタリミジルメチル)フェノール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールなどのベゾエート系紫外線吸収剤;2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸3水和物、2−ヒドロキシ−4−オクチロキシベンゾフェノン、4−ドデカロキシ−2−ホドロキシベンゾフェノン、4−ベンジルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系紫外線吸収剤;エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、2’−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレートなどのアクリレート系紫外線吸収剤;[2,2’−チオビス(4−t−オクチルフェノレート)]−2−エチルヘキシルアミンニッケルなどの金属錯体系紫外線吸収剤などが挙げられる。
【0043】光安定剤としては、例えば、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル) セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロネート、4−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ)−1−(2−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ)エチル)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどのヒンダードアミン系光安定剤を挙げることができる。
【0044】近赤外線吸収剤は、例えば、シアニン系近赤外線吸収剤;ピリリウム系赤外線吸収剤;スクワリリウム系近赤外線吸収剤;クロコニウム系赤外線吸収剤;アズレニウム系近赤外線吸収剤;フタロシアニン系近赤外線吸収剤; ジチオール金属錯体系近赤外線吸収剤;ナフトキノン系近赤外線吸収剤;アントラキノン系近赤外線吸収剤;インドフェノール系近赤外線吸収剤;アジ系近赤外線吸収剤;等が挙げられる。また、市販品の近赤外線吸収剤SIR−103,SIR−114,SIR−128,SIR−130,SIR−132,SIR−152,SIR−159,SIR−162(以上、三井東圧染料製)、Kayasorb IR−750,Kayasorb IRG−002,Kayasorb IRG−003,IR−820B,Kayasorb IRG−022,KayasorbIRG−023,Kayasorb CY−2,Kayasorb CY−4,Kayasorb CY−9(以上、日本化薬製)等を挙げることできる。
【0045】染料としては、脂環式構造含有重合体に均一に分散・溶解するものであれば特に限定されないが、本発明で用いられる脂環式構造含有重合体との相溶性が優るので油溶性染料(各種C.I.ソルベント染料)が広く用いられる。油溶性染料の具体例としてはThe Society of Diyes and Colourists社刊Color Index vol.3に記載される各種のC.I.ソルベント染料が挙げられる。
【0046】顔料としては、例えば、ピグメントレッド38等のジアリリド系顔料;ピグメントレッド48:2、ピグメントレッド53、ピグメントレッド57:1等のアゾレーキ系顔料;ピグメントレッド144、ピグメントレッド166、ピグメントレッド220、ピグメントレッド221、ピグメントレッド248等の縮合アゾ系顔料;ピグメントレッド171、ピグメントレッド175、ピグメントレッド176、ピグメントレッド185、ピグメントレッド208等のペンズイミダゾロン系顔料;ピグメントレッド122等のキナクリドン系顔料;ピグメントレッド149、ピグメントレッド178、ピグメントレッド179等のペリレン系顔料;ピグメントレッド177等のアントラキノン系顔料が挙げられる。
【0047】本発明のリフレクタの着色を必要とするときは、染料と顔料の何れでも、本発明の目的の範囲で使用でき、限定されるものではない。
【0048】滑剤としては、脂肪族アルコールのエステル、多価アルコールのエステルあるいは部分エステル等の有機化合物や無機微粒子等を用いることができる。有機化合物としては、例えば、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノラウレート、グリセリンジステアレート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールトリステアレート等が挙げられる。
【0049】他の滑剤としては、一般に無機粒子を用いることができる。ここで無機微粒子としては、周期律表の1族、2族、4族、6〜14族元素の酸化物、硫化物、水酸化物、窒素化物、ハロゲン化物、炭酸塩、硫酸塩、酢酸塩、燐酸塩、亜燐酸塩、有機カルボン酸塩、珪酸塩、チタン酸塩、硼酸塩およびそれらの含水化物、それらを中心とする複合化合物、天然化合物などの粒子が挙げられる。
【0050】可塑剤としては、例えば、トリクレジルフォスフェート、トリキシリルフォスフェート、トリフェニルフォスフェート、トリエチルフェニルフォスフェート、ジフェニルクレジルフォスフェート、モノフェニルジクレジルフォスフェート、ジフェニルモノキシレニルフォスフェート、モノフェニルジキシレニルフォスフェート、トリブチルフォスフェート、トリエチルフォスフェートなどの燐酸トリエステル系可塑剤;フタル酸ジメチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸オクチルデシル、フタル酸ブチルベンジル等のフタル酸エステル系可塑剤;オレイン酸ブチル、グリセリンモノオレイン酸エステルなどの脂肪酸一塩基酸エステル系可塑剤;二価アルコールエステル系可塑剤;オキシ酸エステル系可塑剤;などが使用できるが、これらの中でも燐酸トリエステル系可塑剤が好ましく、トリクレジルフォスフェート、トリキシリルフォスフェートが特に好ましい。
【0051】さらに、柔軟化剤ないし可塑剤として、主骨格が主にC−CまたはC=C構造である常温で液状の炭化水素ポリマーが好ましく用いられる。液状炭化水素ポリマーの中でも、主鎖の中に炭化水素環を持たない直鎖状または分岐鎖状の液状炭化水素ポリマーが好ましい。また、得られる成形品(リフレクタ)の耐候性に優れることから、C=C構造を実質的に持たないものが好ましい。この液状炭化水素ポリマーの重量平均分子量は、好ましくは10,000以下、より好ましくは200〜8,000、特に好ましくは300〜4,000の範囲である。液状炭化水素ポリマーの具体例としては、スクアラン(C30H62、Mw=422.8)、流動パラフィン(ホワイトオイル、JIS K2231に規定されるISO VG10、ISO VG15、ISO VG32、ISO VG68、ISO VG100、VG8およびVG21など)、ポリイソブテン、水添ポリブタジエン、水添ポリイソプレン等が挙げられる。これらの中でもスクアラン、流動パラフィンおよびポリイソブテンが好ましい。
【0052】帯電防止剤としては、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコールなどの長鎖アルキルアルコール、グリセリンモノステアレート、ペンタエリスリトールモノステアレートなどの多価アルコールの脂肪酸エステルなどが挙げられるが、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコールが特に好ましい。
【0053】これらの配合剤は単独、2種以上混合して用いることができ、その割合は、本発明の目的を損なわれない範囲で適宜選択される。配合量は、本発明の目的を損なわれない範囲で適宜選択されるが、ポリマー成分100重量部に対して通常0.001〜5重量部、好ましくは0.01〜1重量部の範囲である。
【0054】(4)成形材料および成形方法本発明では、脂環式構造含有重合体は、上記成分を必要に応じて混合して使用される。混合方法は、脂環式構造含有重合体中に、これらの配合剤が十分に分散する方法であれば、特に限定されない。例えば、ミキサー、一軸混練機、二軸混練機、ロール、ブラベンダー、押出機などで樹脂を溶融状態で混練する方法、適当な溶剤に溶解して分散させて凝固法、キャスト法、または直接乾燥法により溶剤を除去する方法などがある。
【0055】二軸混練機を用いる場合、混練後は、通常は溶融状態で棒状に押出し、ストランドカッターで適当な長さに切り、ペレット化して用いられることが多い。
【0056】本発明に係る車両用灯具のリフレクタは、上記の成形材料を成形して得られるものである。成形方法は、従来公知の成形方法に従えば良く、射出成形、プレス成形、押出ブロー成形、射出ブロー成形、多層ブロー成形、コネクションブロー成形、二重壁ブロー成形、延伸ブロー成形、真空成形、回転成形などが挙げられる。成形精度からは、射出成形、プレス成形が好ましい。成形時の樹脂の溶融温度は脂環式構造含有重合体の種類によっても異なるが、通常100〜400℃、好ましくは200〜350℃である。
【0057】反射膜の形成上記のリフレクタに、アルミ、ニッケル、金、銀、白金、銅、ロジウム(Rh)等の反射率の高い金属を用いて金属膜からなる反射膜を形成する場合、その方法は特に限定されず公知の方法に従えば良く、例えば、通常の蒸着法、すなわち真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等が挙げられる。
【0058】金属膜からなる反射膜を成膜する時の条件は特に限定されないが、例えば、アルミを真空蒸着して反射膜を形成する場合は、以下の条件が好ましい。すなわち、真空度は0.1〜1,000Pa、好ましくは1〜100Paの範囲であり、この範囲にある時、キメが細かく接着力に優れたアルミ膜を蒸着することができる。成形品を加熱しながら製膜しても良く、成形品の表面温度を常温〜100℃の範囲で成膜すると接着力が高まり好ましい。金属膜から成る反射膜の厚みは、5〜10,000nm、好ましくは10〜2,000nm、さらに好ましくは30〜2,000nmであり、膜厚が過度に薄すぎると反射率が低過ぎ、リフレクタとして十分な反射率が得られず、また過度に厚すぎても反射率が上がらず、成膜時間が長くなり生産性が低下する。膜厚が上記の範囲にある時、高い生産性で高反射率の反射膜が得られ、好ましい。
【0059】リフレクタと上述した金属膜から成る反射膜との密着性を向上させるために、リフレクタ表面を改質処理および/またはプライマー処理を施しても良い。表面改質処理の例としては、コロナ放電処理、プラズマ処理、電子線照射処理、紫外線照射処理などのエネルギー線照射処理や重クロム酸カリウム溶液等の酸化剤水溶液と接触させる薬品処理が挙げられる。
【0060】必要に応じて、リフレクタおよび反射膜にキズ、汚れが付かないように、金属膜から成る反射膜の表面に保護膜を設けても良い。保護膜としては、好ましくは1〜300nm、特に好ましくは10〜100nm程度の酸化シリコン膜などを例示することができる。
【0061】保護膜の形成方法は特に限定されない。例えば、紫外線硬化型樹脂、または熱硬化型樹脂を、スピンコート、スプレー塗装、ディッピング、フローコーティング等の方法で成形品表面に塗布後、硬化する方法が挙げられる。
【0062】リフレクタ本発明において、リフレクタとは、ランプユニットの光源からの光を集光または拡散して所望の配光特性を得るためのものであり、その用途は限定されず、車両用灯具、スタジオランプ、懐中電灯、その他の灯具に用いられ、特に車両用灯具のリフレクタとして好適である。
【0063】「車両」とは、二輪自動車、三輪自動車、四輪自動車その他の自動車、鉄道車両、フォークリフトその他の産業用車両等々、広義の車両を意味する。また、「車両用灯具」とは、こうした各種車両に装着された照明用もしくは識別用、標識用の灯具を意味し、特に限定はされないが、前照灯(ヘッドランプ)、尾灯(テールランプ)、制動灯(ストップランプ)、方向指示灯(いわゆるウインカー)、車幅灯、後退灯などが該当する。
【0064】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。図1は本発明の1実施形態に係る車両用灯具の要部断面図、図2は図1に示すリフレクタの要部断面図である。本実施形態の車両用灯具1は、乗用車用ヘッドランプであって、ランプユニット2、エクステンションリフレクタ4およびランプカバー(アウターレンズ)6を有している。
【0065】ランプユニット2は、光源として、たとえばHIDランプ8を有する。HIDランプ8は、低消費電力で高照度の光の照射が可能である。HIDランプ8は、たとえば楕円球状の主リフレクタ10の底にコネクタソケット12で支持されている。この主リフレクタ10の前部には、集光レンズ14が接着またはビス止めなどの手段で保持してある。
【0066】ランプユニット2は、主リフレクタ10の反射特性および集光レンズ14の集光特性によって、ランプユニット単独で所要の配光特性を得ることができる。ランプユニット2の前方に配置してあるエクステンションリフレクタ4は、灯具1を前方外部から観察したときに後ろに位置する灯具ボディの内面が透けて見えるのを防止し、灯室16内の全体を単一の鏡面色に見せることで見栄えを良くして商品性を高める機能を有する。
【0067】本実施形態では、図2に示すように、主リフレクタ10およびエクステンションリフレクタ4を構成する基板20を、各々、ノルボルネン系重合体、単環の環状オレフィン系重合体、環状共役系ジエン系重合体、ビニル脂環式炭化水素重合体、およびこれらの水素添加物などの、脂環式構造含有重合体樹脂で成形してあり、それらの表面(ランプ8側の面)に、アルミニウムから成る金属膜22を蒸着し、反射面を形成している。なお、必要に応じて、金属膜22の表面には、保護膜を成膜してある。
【0068】なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
【0069】たとえば、上述した実施形態では、主リフレクタ10およびエクステンションリフレクタ4は、ビスやボルトなどの締結具により連結してあるが、本発明では、これらの一部または全てを、上述した脂環式構造含有重合体樹脂で一体に成形しても良い。また、集光レンズ14をも、エクステンションリフレクタ4または主リフレクタ10と、上述した脂環式構造含有重合体樹脂で一体に成形しても良い。ただし、この場合、集光レンズ14は、透明性が要求されるため、このレンズ部分をマスクして、エクステンションリフレクタ4または主リフレクタ10の内面に、アルミニウムなどの金属膜を蒸着し、反射面を形成する必要がある。また、集光レンズ14の種類は、特に限定されず、フレネルレンズであっても良い。
【0070】集光レンズ14を一体成形することで、別部品である集光レンズをエクステンションリフレクタ4または主リフレクタ10に組み付ける工程が不要となる。またこれに加え、集光レンズ14を上述した脂環式構造含有重合体樹脂で成形することで、通常の樹脂レンズに比較して、複屈折が小さく、環境変化に対する変形も小さいという効果が期待できる。しかも成形性が良好で面精度にも優れたものとなる。
【0071】また、本発明に係るリフレクタが適用される車両用灯具の具体的構造は、図1に示すものに限定されず、種々に改変することができる。たとえば主リフレクタ8の前面に、すれ違いビームのカットオフラインを形成するための部材であるシェードを装着しても良い。
【0072】また、本発明のリフレクタは、ヘッドランプ以外にも、リアランプその他の車両用灯具に適用することができると共に、車両用の用途以外にも用いることができる。
【0073】
【実施例】以下、本発明について、実施例および比較例を挙げて、より具体的に説明する。ただし本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。以下の実施例および比較例において、部または%は、特に断りがない限り、重量基準である。
【0074】以下の実施例および比較例において、各種物性の測定法は次のとおりである。
(1)主鎖水素添加率および芳香環の水素添加率(核水素添加率)は、 1H−NMRにより測定した。
(2)ガラス転移温度は、 JIS K7121に基づいて測定した値とする。
【0075】(3)試験片表面の精度は、最大高さRmax値が10μm以下のものを「○」、10μm以上のものを「×」と判断した。
(4)試験片の外観は、ひけ、反り、シルバー、ヤケおよび着色の有無を目視で観察し、これらの不良の無い物を「○」、不良の発生したものを「×」と判断した。
(5)機械的強度は、耐衝撃性により判断した。耐衝撃性は、試験片に3/4インチ半径のミサイル型の重り(重さ50g)を1.5mの高さより自然落下させ、割れや亀裂の無いものを「○」、割れや亀裂の生じたものを「×」とした。
【0076】(6)耐熱性試験は、長さ200mm×幅100mm×奥行き400mmのステンレス製の箱の一面に蒸着面が箱の内側を向くように試験片をはめ、箱の中央に100Wの白熱灯を置き、24時間の点灯試験を行った後、試験片の反りを目視で観察した。試験前に比べて試験後の反りが0.3mm以下のものを「○」、0.3mm以上のものを「×」とした。
【0077】(7)反射率の測定は、JIS5705に準じて行い、反射率が70%以上である場合を○とし、70%未満である場合を×とした。
【0078】[製造例1](重合)窒素雰囲気下、脱水したシクロヘキサン500重量部に、1−ヘキセン0.56重量部、ジブチルエーテル0.11重量部、トリイソブチルアルミニウム0.22重量部を室温で反応器に入れ混合した後、45℃に保ちながら、8−メチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ-3-エン200重量部および六塩化タングステン0.70重量%トルエン溶液30重量部を2時間かけて連続的に添加し、重合した。シクロヘキサンを移動層とした高速液体クロマトグラフィー(ポリスチレン換算)より、得られたポリマーの数平均分子量(Mn)は、18,000、重量平均分子量(Mw)は、36,200、分子量分布(Mw/Mn)は2.01であった。
【0079】(水素添加)作成した重合反応液を耐圧の水素化反応器に移送し、珪藻土担持ニッケル触媒(日産ガードラー社製;G−96D、ニッケル担持率58重量%)10重量部及び200重量部を加え、180℃、水素圧45kgf/cm2 で10時間反応させた。この溶液を、珪藻土をろ過助剤としてステンレス製金網をそなえたろ過器によりろ過し、触媒を除去した。得られた反応溶液を3000重量部のイソプロピルアルコール中に撹拌下に注いで水素添加物を沈殿させ、ろ別して回収した。さらに、アセトン500重量部で洗浄した後、1torr以下、100℃に設定した減圧乾燥器中で48時間乾燥し、開環重合体水素添加物190重量部を得た。
【0080】(重合体物性)得られた開環重合体水素添加物の主鎖水素添加率は99.9%、数平均分子量(Mn)は、20,400、重量平均分子量(Mw)は、41,200、分子量分布(Mw/Mn)は2.02であった。280℃におけるメルトフローレートは、20g/10min.であり、ガラス転移温度は140℃、比重は1.01であった。
【0081】[製造例2]撹拌翼を備えた1m3 重合器上部からTCDのシクロヘキサン溶液を、重合器内におけるTCDの供給濃度が60kg/m3 となるように、連続的に供給した。また重合器上部から触媒として、VO(O・C2 5 )Cl2 のシクロヘキサン系溶液を、重合器内のバナジウム濃度が0.9mol/ m3となるように、エチルアルミニウムセキスクロリド(Al(C2 51.5Cl1.5 )のシクロヘキサン溶液を重合器内のアルミニウム濃度が7.2mol/ m3となるようにそれぞれ重合器内に連続的に供給した。また重合系にバブリング管を用いてエチレンを85 m3 /時間、窒素を45 m3 /時間、水素を6 m3/時間の量で供給した。
【0082】重合器外部に取り付けられたジャケットに熱媒体を循環させた重合系を10℃に保持しながら共重合反応を行った。上記共重合反応によって生成する共重合体の重合溶液を重合器上部から、重合器内の重合液が常に1m3 になるように(すなわち平均滞留時間が0.5時間となるように)連続的に抜き出した。この抜き出した重合液に、シクロヘキサン/イソプロピルアルコール(1:1)混合液を添加して重合反応を停止させた。その後、水1m3 に対し濃塩酸5リットルを添加した水溶液と1:1の割合で強撹拌下に接触させ、触媒残渣を水相へ移行させた。この接触混合液を静置したのち、水相を分離除去し、さらに水洗を2回行い、重合液相を精製分離した。
【0083】次いで精製分離された重合液を3倍量のアセトンと強撹拌下で接触させ、共重合体を析出させた後、固体部(共重合体)を濾過により採取し、アセトンで十分洗浄した。さらに、ポリマー中に存在する未反応のモノマーを抽出するため、この固体部を40kg/m3 となるようにアセトン中に投入した後、60℃で2時間の条件で抽出操作を行った。抽出処理後、固体部を濾過により採取し、窒素流通下、130℃、350mmHgで12時間乾燥した。
【0084】以上のようにして、得られたエチレン・TCD共重合体は、130℃、デカリン溶液での極限粘度[η];0.42dl/g、Tg;140℃であり、TCD含量は31モル%であった。
【0085】[製造例3]シクロヘキサン258リットルを装入した反応容器に、常温、窒素気流下でビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(以下NBと略す)(118kg)を加え、5分間撹拌を行った。さらにトリイソブチルアルミニウムを系内の濃度が1.0ml/リットルとなるように添加した。続いて、撹拌しながら常圧でエチレンを流通させ系内をエチレン雰囲気とした。オートクレーブの内温を70℃に保ち、エチレンにて内圧がゲージ圧で6kg/cm2 となるように加圧した。10分間撹拌した後、予め用意したイソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリドおよびメチルアルモキサンを含むトルエン溶液5.0リットルを系内に添加することによって、エチレン、NBの共重合反応を開始させた。このときの触媒濃度は、全系に対してイソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリドが0.015mmol/リットルであり、メチルアルモキサンが7.5mmol/リットルである。
【0086】重合中、系内にエチレンを連続的に供給することにより、温度を70℃内圧をゲージ圧で6kg/cm2 に保持した。60分後、重合反応をイソプロピルアルコールを添加することにより停止した。脱圧後、ポリマー溶液を取り出し、その後、水1m3 に対し濃塩酸5リットルを添加した水溶液と1:1の割合で強撹拌下に接触させ、触媒残渣を水相へ移行させた。この接触混合液を静置したのち、水相を分離除去し、さらに水洗を2回行い、重合液相を精製分離した。
【0087】次いで精製分離された重合液を3倍量のアセトンと強撹拌下で接触させ、共重合体を析出させた後、固体部(共重合体)を濾過により採取し、アセトンで十分洗浄した。さらに、ポリマー中に存在する未反応のモノマーを抽出するため、この固体部を40kg/m3 となるようにアセトン中に投入した後、60℃で2時間の条件で抽出操作を行った。抽出処理後、固体部を濾過により採取し、窒素流通下、130℃、350mmHgで12時間乾燥し、エチレン・NB共重合体を得た。
【0088】以上のようにして、得られたエチレン・NB共重合体は、130℃、デカリン溶液での極限粘度[η];0.60dl/g、Tg;140℃であり、NB含量は53モル%であった。
【0089】[実施例1]製造例1で作製した開環重合体水素添加物100重量部に酸化防止剤(チバガイギー社製;イルガノックス1010、テトラキス〔メチレン-3-(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン)0.1重量部を加え、2軸混練機で混練し、ペレット化した。このペレットを、片面を鏡面加工した厚さ1mm×長さ200mm×幅100mmの金型を用いて、樹脂温度320℃、型温度120℃で射出成形し、試験片Aを作成した。さらに、この試験片Aの鏡面側に真空蒸着法で厚さ400nmのアルミ反射膜を形成し、試験片Bを作成した。
【0090】[実施例2]製造例2で作製したエチレン・TCD系共重合体を実施例1と同様にしてペレット化、射出成形およびアルミ膜の蒸着を行い、試験片AおよびBを作成した。
【0091】[実施例3]製造例3で作製したエチレン・NB系共重合体を実施例1と同様にしてペレット化、射出成形およびアルミ膜の蒸着を行い、試験片AおよびBを作成した。
【0092】[実施例4]製造例3で作製したエチレン・NB系共重合体を実施例1と同様にしてペレット化、射出成形を行い、試験片Aを作成した。さらに、この試験片Aの鏡面側に真空蒸着法で厚さ100nmのTiO2 層、厚さ200nmのアルミ反射膜層、厚さ300nmのSiO2 層、厚さ200nmのアルミ反射膜層の順に積層し、試験片Bを作成した。
【0093】[比較例1]製造例3で作製したエチレン・NB系共重合体を実施例1と同様にしてペレット化、射出成形を行い、試験片Aを作成した。さらに、この試験片Aの鏡面側に真空蒸着法で厚さ100nmのTiO2 層と厚さ300nmのSiO2 層とを積層し、試験片Bを作成した。
【0094】実施例1、2、3、4および比較例1で成形した試験片Aを用い、試験品表面の平滑性、外観および耐衝撃性試験、試験片Bを用いた耐熱性試験および反射率の結果を表1に示す。
【0095】
【表1】

【0096】表1に示した反射率の評価で、実施例1、2、3、4は70%以上の反射率であるが、比較例1は70%未満の反射率であった。この結果より、本発明の脂環式構造含有重合体に金属膜を設けてなるリフレクタは、脂環式構造含有重合体に誘電体膜を設けてなるリフレクタに比較し反射性に優れていることが分かる。
【0097】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれば、軽量且つ、耐熱性、成形加工性、機械的強度特性および反射特性に優れたリフレクタを提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000229117
【氏名又は名称】日本ゼオン株式会社
【出願日】 平成10年(1998)5月29日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】前田 均 (外1名)
【公開番号】 特開平11−339525
【公開日】 平成11年(1999)12月10日
【出願番号】 特願平10−166343