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【発明の名称】 重水素ランプの出射光パタ―ンに干渉縞環を除去するバッフル
【発明者】 【氏名】ジェームズ エル.カーチス

【要約】 【課題】重水素ランプの電弧で生ずる火球に近接して設けられるバッフルを改良して、重水素ランプの出射光パターンに干渉縞環が発生しないようにする。

【解決手段】重水素ランプの電弧で生ずる火球に近接して設けられる円筒形の一部の形状をしたバッフル24の中心円形部分25は、弾性変形させて平坦部分26とされている。この平坦部分26の中心部分に開口27が設けられている。この平坦部分26と開口27の寸法形状を重水素ランプの出射光パターンに干渉縞環が発生しないように設定するようにして、当該出射光パターンをスムースなものとする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 重水素ランプからの出射光を指向させるバッフルにおいて、円弧状部分として形態付けられた板状部材と、前記部材の中央部を貫通して設けた開口と、を有し、前記部材の前記開口の周囲の部分は、平坦な部分であり、該平坦な部分は、該ランプの出射光バターンから異なる光度の干渉縞環を実質的に除去可能のサイズと面を有しているバッフル。
【請求項2】 請求項1に記載のバッフルにおいて、前記円弧部分は、円筒の一部であるバッフル。
【請求項3】 請求項1に記載のバッフルにおいて、前記平坦な部分は、平面視で円形であるバッフル。
【請求項4】 請求項1に記載のバッフルにおいて、前記ランプは、動作時に火球を有し、該火球に面するバッフルの面は、低反射性となっているバッフル。
【請求項5】 請求項1に記載のバッフルにおいて、前記ランプからの出射光は、前記開口の中心線から縦断距離に逆比例する強度を有するバッフル。
【請求項6】 請求項1に記載のバッフルにおいて、前記開口は、円形であるバッフル。
【請求項7】 請求項1に記載のバッフルにおいて、前記開口は、矩形であるバッフル。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、重水素ランプの技術分野に関し、特に同ランプの出射光パターンから少なくとも一つの干渉縞環を除去するために該ランプに使用されるバッフルの改良に関する。
【0002】
【従来技術】重水素ランプは、重水素雰囲気内で安定した電弧を保持することにより広帯域紫外線を発生させるものである。このように発生される紫外線のスペクトル分布は、160nmから400nmの領域にわたって連続している。この電弧の連続して安定する特性により、重水素ランプを、分光光度計、液体色相分析検出器、医療分析器、公害分析器、熱量計、密度計などの分析機器に使用できる。
【0003】基本的には、重水素ランプは、重水素ガスなどを含む真空ガラス容器内に陰極と陽極とを設けたものである。小さい絞りを陽極の前方に設けて電流を制限している。動作持、熱電子の流れは、陰極から陽極に向かい、陽極の近隣で火球を形成させる。この火球により紫外線領域の光が発生する。
【0004】このため陽極に近接してバッフルを設けてランプからの出射光を成形して指向させるようになっている。従来このバッフルは、円筒形の一部の形状となっており、その球状凹所を開口と隣接して設けている。さらに火球に面するこのバッフルの表面は、研磨され高い反射性のものとなっている。
【0005】このような先行技術のランプは、例えば、Image Sensing Technology Corporation(米国ニューヨーク州14845ホースヘッド)の“紫外線分析機器用重水素ランプおよび電源”のカタログ(発行日不明)および紫外線分析機器の米国特許No.5552669に開示されている。これらで開示される内容も重水素ランプの従来技術を説明するために本明細書で引用する。上記米国特許では、このバッフルは参照番号28を付して説明され、合焦電極26に溶接付けされた開口限定板と称されている。以上の文献から察するに、このような先行技術のバッフルの表面形態は、この先行技術ランプの出射光パターンに望ましからぬ干渉縞環を発生させる原因となっている。したがって、重水素ランプの出射光パターンから干渉縞環を除去し、光の強度を前記開口の中心からの距離に反比例したほぼ連続的に変化する関数となるようにする課題が残されている。
【0006】
【発明が解決しようとしている課題】本発明の目的は、以上の課題を解決するものであり、すなわち重水素ランプの出射光パターンに干渉縞環を生じさせない様にしたバッフルを提供するものである。
【0007】
【課題を解決する手段】本発明によれば、重水素ランプに使用される改良されたバッフルは、円弧部分25とされる板状部材と、板状部材の中心部を貫通する開口27,27‘とで主に構成され、開口に隣接するその周囲の部分26は、平坦であり、この平坦部分は、ランプからの出射光パターンより光強度を異ならせる不連続とするような干渉縞環を除去するようなサイズおよび反射性を有するものとする。
【0008】好適実施例においては、円弧部分は、円筒形の一部分であり、平坦な部分は、平面視で円形である。火球に面するバッフルの部分は、低反射性であり、すなわち例えば、ショットピーニング、化学的エッチング、暗色処理などが施されている。改良バッフルでは、出射光の強度が開口からの縦断距離の逆数のほぼ連続関数となる。開口は、円形でも、矩形などのいろいろな形状を取りうる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の好適実施例を添付図を参照して説明する。下記詳細なる説明を含む本明細書において、説明される同様の構造の要素、部分及び面は、全図を通して同じ参照番号を付することとする。特記せぬ限り、図面は明細書の説明に付随するものであり、クロスハッチング、部品の配置、割合、大きさなどは明細書の説明によるものとする。以下の記載の“水平”、“垂直”、“右”、“左”、“上”、“下”、およびその形容詞、副詞(“水平に”、“右に”、“上に”など)は、読者が図面向かった見た場合における方向とする。同様に、“内方に”および“外方に”なる語句は、長手方向に関する面の向きを基準とするものである。なほ、図面に示す実施例の部品、部分ならびに表面は、本発明の説明を明確化するものであり、これにより本発明の重水素ランプの改良バッフルが限定されるものでない。
【0010】本発明の重水素ランプ、具体的には、このランプに使用される改良バッフルを図示する図面を参照して本発明をこれから説明することにするが、その前に、まず断面図である図1を参照して重水素ランプに使用される従来のバッフル(参照番号20で総称する)を説明する。バッフルは、矩形の外形を有し、上面から見た場合、図示していないが芯軸の周りで曲げ加工され、半径R1の円筒形の一部分21の形状となっている。図示せぬ成形工具でバッフルの中心部分に半径R2の球状凹みすなわち凹所22が形成させられている。円形の穴あるいは開口23は、バッフルの中心部分を貫通している。
【0011】重水素ランプを動作させると、凹所に隣接して火球(図示せず)が形成される。この火球は、上記米国特許No.5552669の図4に図示されていると火球292と同様に形成できる。この電弧球すなわち火球は、点光源でなく、またバッフルの凹所が放物面を有していないため、先行技術のランプはの出射光のパターンには、ひとつあるいは複数の同心干渉縞環が生じている。この様子を図2に示す。図3は、開口の中心から縦断方向の距離(x)における光強度(f)をプロットしてある。この図からバッフルの中心からの様々な距離で干渉縞環が生じ、その所で光強度が低下していることが理解される。
【0012】図4は、改良バッフルの断面図であり、参照番号24で総称して示す。この改良バッフルも平面視で矩形の外形となっている(図7から図8)。さらにこのバッフルも、半径R1の円筒形の一部25の形状を有する。しかしながら、図1に図示の先行技術のバッフルとと異なり、改良バッフルは、開口27に隣接するその周囲に平坦な部分26が設けられている。平坦部分26は、円弧円筒形の一部の形状とした後に弾性変形させて形成される。図5は、改良バッフルを使用したランプの出射光の強度を平面視で見た場合の概略図であり、開口の中心からの半径方向距離に反比例して連続して変化する光強度を示す点描密度が示されている。図6には、開口の中心線からの距離(x)に対する光強度(I)がプロットされている。この図から理解できるように、改良バッフルでは、開口の中心線から距離との関係では、逆数的にスムースに光強度が変化している。
【0013】図7は、図4に図示の改良バッフルの上面図であり、この例では、バッフルには円形の開口が設けられている。図8は、改良バッフルの第2の形式のものであり、この例では、改良バッフルには矩形の開口が設けられている。
【0014】図9は、波長(λ)に対する光強度(I)をプロットしたものであり、図11に図示の従来のバッフルと図4に図示の改良バッフルを使用した従来の重水素ランプの前方及び後方光出力を図示したものである。この場合、後方ビーム強度に対する前方ビーム強度の比は、波長の関数としてかなり変化する(2000Åで約6.5から3500Åで約3.5まで)。図10には、図に示す機能を有する従来の重水素ランプで、この場合本発明にによる改良バッフルを使用したものの波長(λ)に対する光強度(I)がプロットしてある。前方ビームと後方ビームとの比は、2000Åと3500Åとで非常の近い値となっている。以上に鑑みて、本発明は、重水素ランプ用として出射光パターンから干渉縞環をほとんど除去する改良バッフルを提供するものである。
【0015】本発明は構成には、各種の変更が可能であり、例えば、バッフルは、円筒形の一部たる形状としたか、その他の弧状の形状とし得る。バッフルは矩形やその他の矩形の断面を有しても良い。平坦部分は、上面視で円形でも、楕円でも、その他の外形でも良い。同様に開口も円形でも、矩形でもその他の形状でも良い。好ましくは、バッフルは、モリブデン製賭とすると良いが、この材料にのみ限定されるものでない。よって、上記の図示説明した改良バッフルにのみ限定されず、当業者であれば、当該バッフルは、請求項に示す本発明の概念を逸脱することなく、種々様々の変更されおよび修正がなされうるものとする。
【出願人】 【識別番号】599009891
【氏名又は名称】イメージング アンド センシング テクノロジー コーポレイション
【出願日】 平成11年(1999)1月29日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】浅村 皓 (外3名)
【公開番号】 特開平11−273440
【公開日】 平成11年(1999)10月8日
【出願番号】 特願平11−21475