| 【発明の名称】 |
反射ミラー |
| 【発明者】 |
【氏名】蕪木 清幸
【氏名】竹村 哲
【氏名】杉谷 晃彦
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| 【要約】 |
【課題】冷却能力が大きくて反射曲面部の内周面に形成された誘電体多層膜が剥離したり結晶構造が変化することがなく、かつ軽量で強度の大きなセラミックス製の反射ミラーを提供する。
【解決手段】反射曲面部21の内表面に誘電体多層膜からなる反射膜を有し、反射曲面部21の内部に配置されたランプ1を取り囲む凹状のセラミックス製反射ミラー2において、反射曲面部21の外表面に冷却および補強用のリブ24を形成する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 反射曲面部の内表面に誘電体多層膜からなる反射膜を有し、反射曲面部の内部に配置されたランプを取り囲む凹状のセラミックス製反射ミラーにおいて、前記反射曲面部の外表面に冷却および補強用のリブが形成されたことを特徴とする反射ミラー。 【請求項2】 前記リブは、反射ミラーの頂部から開口部に向けて放射状に形成されたことを特徴とする請求項1記載の反射ミラー。 【請求項3】 前記リブは、セラミックス製であって、反射ミラー本体と一体に成形されたことを特徴とする請求項1記載の反射ミラー。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、セラミックスで成形された凹状(お椀状)の反射ミラーに関するものである。 【0002】 【従来の技術】プロジェクターやファイバー照明、それに一般照明用などの光学機器の光源として、放電ランプやハロゲンランプと凹状の反射ミラーを組み合わせた光源装置が使用される。これらの光源装置は小型軽量化が要請されるが、ことに、液晶プロジェクターの場合は、小型軽量化が強く要請され、従って、光源装置も極力小型軽量化する必要がある。このため、口径が小さくて軽量の反射ミラーが使用されるが、口径の小さな反射ミラーの利用立体角を大きくするには、焦点距離を小さくする必要があり、従って、点灯時に高温になるランプと反射ミラーの距離が狭くなるので、反射ミラーの耐熱温度が大きな問題になる。また、最近では、ランプ破損時の部品損傷を避けるために、反射ミラーに前面ガラスを付設することがあり、反射ミラー内部の温度が大きく上昇する。 【0003】また、ランプから放射される可視光とともに赤外線も反射ミラーで反射すると、被照射物の温度が上昇するが、ことに、液晶プロジェクターの場合は、液晶やレンズおよびレンズ保持体など熱に弱い材質のものを反射ミラーの前方に配置するので、反射ミラーの反射曲面部の内周面に、例えば酸化チタンとシリカからなる誘電体多層膜を形成して可視光は反射するが赤外線を後方に透過させるコールドミラーが使用される。 【0004】かかる光源装置に使用される凹状の反射ミラーは、従来は、ガラスやアルミ板などの金属で成形されることが多かった。しかし、ガラス製の反射ミラーは、赤外線の透過能力が大きく、赤外線を後方に透過させるコールドミラーに適しているものの、耐熱性や成形性などに問題がある。 【0005】すなわち、パイレックスガラスなどの耐熱性ガラスを使用しても、耐熱温度は450〜500℃程度が限界であり、前記のとおり、ランプと反射ミラーの距離を狭くしたコンパクトな設計が強く要求される液晶プロジェクター用の反射ミラーには不向きである。また、機械的強度の点からある程度肉厚にする必要があり、重い反射ミラーとなる。そして、ガラス製の反射ミラーは、溶融したガラスをメス金型に流し込みプランジャープレス成形するが、最後に凝固する肉厚の部分にヒケが生じ、表面に凹みがけ生じる不具合もある。 【0006】一方、アルミ板で反射ミラーを成形すると、軽量化は達成できるが、電気的に十分な絶縁距離を取ることが困難であり、光の反射効率や赤外線透過能力がガラスよりも劣る。このため最近では、セラミックス製の反射ミラーが提案され、一部において実用化されている。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】セラミックス製の反射ミラーは、反射ミラー自体の耐熱性はきわめて優れているが、反射曲面部の内周面に誘電体多層膜からなる反射膜を形成した場合、温度が上昇すると、線膨張率の違いで反射膜にクラックが入って剥離することがあり、反射特性が劣化する。また、600℃以上まで温度が上がると、誘電体多層膜に使用される酸化チタンの結晶構造が、アナターゼからルチルに変化するため、屈折率に変化が生じ、所定の分光反射特性が得られなくなる。 【0008】また、点灯動作圧の高い放電ランプは、点灯時にランプが破損する危険性があるが、反射ミラーの強度が低いと、万一ランプが破損したときに、反射ミラーも破損してしまい、周囲の部品も損傷する惧れがある。このため、反射ミラーの肉厚を厚くして強度を大きくする必要があるが、肉厚を厚くすると小型軽量化を阻害し、コスト上昇の要因にもなる。 【0009】このため本発明は、冷却能力が大きくて反射曲面部の内周面に形成された誘電体多層膜が剥離したり結晶構造が変化することがなく、かつ軽量で強度の大きなセラミックス製の反射ミラーを提供することを目的とする。 【0010】 【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するために、本発明は、反射曲面部の内表面に誘電体多層膜からなる反射膜を有し、反射曲面部の内部に配置されたランプを取り囲む凹状のセラミックス製反射ミラーにおいて、反射曲面部の外表面に冷却および補強用のリブを形成する。そして、このリブは、反射ミラーの頂部から開口部に向けて放射状に形成するのが望ましく、また、このリブもセラミックス製であって、反射ミラー本体と一体に成形するのが望ましい。 【0011】 【発明の実施の形態】以下に、図面に基づいて本発明の実施の形態を具体的に説明する。図1は液晶プロジェクターに使用される光源装置の一部切欠き斜視図である。光源用のランプ1は、定格消費電力が250W、バルブ径が14.0mmφ、アーク長が1.8mm、動作圧力が3MPaのショートアークメタルハライドランプである。このランプ1に封入される金属成分としては、ジスプロシウム、インジウム、スズなどが挙げられ、ハロゲン成分としては、ヨウ素、臭素などが挙げられる。このランプ1が凹状の反射ミラー2の反射曲面部21で覆われており、ランプ1のアーク中心が反射ミラー2の焦点と一致するように配置されている。従って、ランプ1の光は、反射ミラー2の中心軸に平行に放射される。そして、ランプ1は反射ミラー2の頂部22の中心孔から一方の閉塞部11が突出した状態で取り付けられている。 【0012】反射ミラー2の開口部23の有効口径は75mmであり、反射曲面部21は焦点距離が10mmの放物面である。また、反射曲面部21の平均肉厚は3.8mmであり、小型軽量の反射ミラーになっている。反射曲面部21の内周面には図示略の反射膜が形成されている。この反射膜は、酸化チタンの薄層とシリカの薄層が交互に積層された誘電体多層膜からなる。 【0013】反射曲面部21の外周面には、複数本、例えば6本のリブ24が、頂部22から開口部23にかけて放射状に形成されている。リブ24の厚さTは3.5mmであり、頂部21におけるリブ24の高さHは10mmであるが、開口部23に向かうにつれて低くなっている。 【0014】反射ミラー2はセラミックスで成形され、リブ24もセラミックスで一体に成形されている。セラミックス素材としては、アルミナ、アルミナ−硼酸系のものなどが使用される。かかるセラミックス素材を溶剤、分散剤、バインダーなどと混合してスラリーとし、リブ用の凹部が形成された型内に高圧注入し、仮硬化させた後に脱型すると、リブ24付の反射ミラー2の形状を得る。これを高温で焼結させて強固な構造体にしている。 【0015】仮にガラス製の反射ミラーにかかるリブを形成すると、リブ裏面の反射面にヒケが発生する不具合が生じるが、セラミックスで成形する本発明の反射ミラーはかかる不具合がなく、容易に形成することができる。また、金属ミラーにかかるリブを形成するとコストが高くなるが、本発明においては、リブを形成することによるコストアップはほとんどない。 【0016】図1に示す光学装置は、反射ミラー2がセラミックスで成形されているので耐熱性に優れているが、反射曲面部21の外周面にリブ24が形成されているので、このリブ24が冷却フィンとして機能し、冷却風による冷却効果が大きく向上する。このため、反射曲面部21の昇温が抑制され、反射曲面部21の内周面に形成された反射膜にクラックが入って剥離したり酸化チタンの結晶構造が変化することを防止することができる。従って、反射特性が劣化したり、屈折率の変化による不具合がなく、所定の分光反射特性が得られる。 【0017】また、反射曲面部21の外周面に形成されたリブ24は補強部材としても機能し、反射曲面部21の平均肉厚を薄くして軽量化しても十分な強度が得られる。従って、点灯中にランプ1が万一破損しても反射ミラー2が破損することがなく、周囲の部品が損傷することを防止することができる。更には、反射ミラー2の頂部22から開口部23に向けて放射状に成形したリブ24は、ミラー焼結時の自重による変形を防止することができる。 【0018】リブ24の本数や大きさ、形状等は図1に示すものに限られるものではなく、要は、リブ24の冷却機能と補強機能およびリブ24による重量増加の関係で適宜定めればよい。そして、図2に示すように、例えば巾Wが8mmの円環板状のリブ24を複数個形成しても良く、或いは、図3に示すように、例えば高さHが8mmの円筒状のリブ24を複数個形成しても良い。これらのリブの形状は、光学機器内の冷却風の流れる方向に応じて適宜選択すればよい。 【0019】 【発明の効果】以上説明したように、本発明のセラミックス製の反射ミラーは、反射曲面部の外表面に冷却および補強用のリブを形成したので、冷却能力が大きくて反射曲面部の内周面に形成された誘電体多層膜が剥離したり結晶構造が変化することがなく、かつ軽量で強度の大きなセラミックス製の反射ミラーとすることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000102212 【氏名又は名称】ウシオ電機株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)3月19日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】田原 寅之助
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| 【公開番号】 |
特開平11−273432 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)10月8日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−89601 |
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