トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F21 照明




【発明の名称】 汚れ防止機能付き照明ランプ
【発明者】 【氏名】石川 敬郎

【氏名】嘉本 大五郎

【氏名】大石 知司

【氏名】高橋 研

【要約】 【課題】より優れた汚れ防止機能を有するランプを提供する。

【解決手段】本蛍光ランプ10のガラス管11の表面上には、SiO2相12でTiO2微粒子13を結合させた光触媒膜14が形成されている。この光触媒膜14には、TiO2微粒子13の光触媒反応を促進する助触媒として、原子価1または2以下の元素の内で、イオン半径1.3nm以下且つ電気陰性度1.6以下である元素(Baを除く)、例えば、Na、Li、K、Mg、Ca、Sr及びZnの内の少なくとも1種類等が添加されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】TiO2微粒子を分散させた光触媒膜で被覆された汚れ防止機能付きランプであって、前記光触媒膜は、原子価1または2の元素であって、Baを除く電気陰性度1.6以下且つイオン半径0.3nm以下の元素を含むことを特徴とする汚れ防止機能付きランプ。
【請求項2】請求項1記載の汚れ防止機能付きランプであって、前記光触媒膜は、導電性微粒子を含むことを特徴とする汚れ防止機能付きランプ。
【請求項3】請求項1または2記載の汚れ防止機能付きランプであって、導電性微粒子を含む帯電防止膜を、前記光触媒膜の下層として有していることを特徴とする汚れ防止機能付きランプ。
【請求項4】請求項2または3記載の汚れ防止機能付きランプであって、前記導電性微粒子は、ATO(Sb含有SnO2)微粒子、ITO(Sn含有In23)微粒子及びAg微粒子の内の1種類以上であることを特徴とする汚れ防止機能付きランプ。
【請求項5】請求項2記載の汚れ防止機能付きランプであって、前記光触媒膜は、前記導電性微粒子として、約5wt%以上20wt%以下のATO(Sb含有SnO2)微粒子を含むことを特徴とする汚れ防止機能付きランプ。
【請求項6】請求項1、2、3、4及び5の何れか1項記載の汚れ防止機能付きランプであって、前記元素は、Na、Li、K、Mg、Ca、Sr及びZnの内の少なくとも一種類の元素であることを特徴とする汚れ防止機能付きランプ。
【請求項7】請求項6記載の汚れ防止機能付きランプであって、前記光触媒膜中における前記元素の含有量が、約1wt%以上50wt%以下であることを特徴とする汚れ防止機能付きランプ。
【請求項8】請求項1、2、3、4及び5の内の何れか1項記載の汚れ防止機能付きランプであって、前記TiO2微粒子は、SiO2相によって結合され、前記SiO2相の重量に対する前記TiO2微粒子の総重量の比が約5以上9以下であることを特徴とする汚れ防止機能付きランプ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光触媒反応の応用技術に係り、特に、酸化チタン微粒子を含む光触媒膜で被覆された汚れ防止機能付きランプに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、酸化チタン(TiO2)の光触媒反応を利用した抗菌防臭材等が注目を集めている。例えば、ニューセラミックス(1996)No.2,55には、酸化チタン薄膜によって被覆されたセラミックスタイルが報告されている。また、国際公開番号WO94/11092,WO95/15816には、アナターゼ型酸化チタン結晶が、抗菌防臭材として特に有効であることが報告されいる。更に、W.Choi,A.Termin.,M.R.Hoffmann,J.Phys.Chem.,98,13669-13679(1994)には、バナジウム(V)、鉄(Fe)等の添加によって、酸化チタンの高性能化を達成し得ることが報告されている。
【0003】また、国際公開番号WO96/129375には、通常の光触媒では分解することができない無機物等の汚れを、水で簡単に洗い流すことができる超親水性光触媒が開示されている。
【0004】ところで、酸化物薄膜の成膜法としては、(1)真空装置等を用いて低温下で成膜可能なスパッタリング等の物理的成膜法、(2)スピンコートやスプレー等による塗膜の形成後に、TiO2を結晶化させるための高温熱処理(通常、400℃程度)を必要とするゾルゲル法等の化学的成膜法が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の光触媒は、何れも、蛍光灯等のランプの汚れ防止用としては不向きである。即ち、通常の触媒は、有機物の分解速度が遅く、しかも無機物の汚れを防止する機能を有していないため、埃、タバコのヤニ等の様々な汚れが付着するランプの汚れ防止用には不適当である。また、超親水性光触媒は、無機物の汚れを除去するために水洗浄を必要とするため、室内等に設置される電化製品であるランプの汚れ防止には不適当である。
【0006】一方、上記従来の成膜法は、何れも、ガラスランプ表面の酸化チタン成膜工程への適用に際しての難点を有している。即ち、ゾルゲル法等の化学的成膜法を適用すると、10分以上にわたる高温熱処理によって蛍光体等が悪影響を受け、ランプ寿命が短くなる可能性があり、スパッタリング等の物理的成膜法を適用すると、真空装置等の大がかりな設備が必要となり、生産コストが増加する。
【0007】そこで、本発明は、寿命が長く、しかも優れた汚れ防止機能を有するランプを安価に提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すべく、本発明では、事前に基礎実験を繰り返し、その実験結果に基づく試行錯誤によって、電気陰性度1.6以下且つイオン半径0.3nm以下である原子価1または2の元素(ただし、Baを除く)が、TiO2微粒子の光触媒反応を促進させる助触媒として極めて有効であることを見出した。
【0009】このような元素が優れた助触媒として機能するのは、このような元素は、(1)電子を引き付けやすい性質を有しているため、バンドキャップ以上のエネルギーを有する光(特に、紫外線)照射下においてTiO2が生成する電子とホールの再結合を抑制し、且つ、(2)イオン半径がTiに近いため、光触媒膜表面のTi欠陥に侵入し、再結合点を減少させるからと推定される。尚、光照射下において生成される電子及びホールは、TiO2微粒子に付着した水を分解し、Hラジカルと、有機物の分解作用を有するOHラジカルとを生成する。
【0010】そこで、この発見を基礎として、本発明は、TiO2微粒子を分散させた光触媒膜で被覆された汚れ防止機能付きランプであって、前記光触媒膜は、原子価1または2の元素であって、Baを除く電気陰性度1.6以下且つイオン半径0.3nm以下の元素を含むことを特徴とする汚れ防止機能付きランプを提供する。
【0011】このように、光触媒反応の助触媒となるべき元素を光触媒膜に含有させれば、上述の理由から、光照射下においてTiO2が生成した電子及びホールをより有効に活用することができる。従って、ランプに付着しやすい有機物の汚れの分解除去性能を一層向上させることができる。
【0012】そして、この光触媒膜には、生産コストを増加させる真空装置等の大がかりな設備を用いることなく、蛍光体等に悪影響を及ぼさない程度の温度下で成膜することができるという利点がある。従って、この光触媒膜の成膜によって、ランプ性能の低下及び生産コストの増加をきたすことはない。
【0013】また、このような光触媒膜に導電性微粒子を分散させることにより、光触媒膜の抵抗値を減少させれば、有機物の汚れの分解除去のみならず、空気中を浮遊している埃等の無機物の付着を防止することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面を参照しながら、本発明に係る実施の一形態について説明する。
【0015】最初に、図1により、本実施の形態に係る蛍光灯のガラス管表面の膜構造について説明する。
【0016】本蛍光灯10のガラス管11の表面上には、SiO2相12でTiO2微粒子13を結合させた光触媒膜14が形成されている。この光触媒膜14のSiO2相12の重量に対するTiO2微粒子13の総重量の比(以下、TiO2/SiO2とする)は、約5以上9以下の範囲内に制限されている。尚、本実施の形態において、このような数値制限を設けた理由は、後述の比較実験1の結果から、光触媒膜14のTiO2/SiO2を約5以上9以下の範囲内に制限することによって、光触媒膜14の膜強度を低下させることなく、その有機物分解作用を促進しうることが確認されたことにある。
【0017】また、この光触媒膜14には、TiO2微粒子13の光触媒反応を促進する助触媒として、イオン半径1.3nm以下且つ電気陰性度1.6以下である原子価1または2以下の元素(ただし、Baを除く)、例えば、Na、Li、K、Mg、Ca、Sr及びZnの内の少なくとも1種類の元素等が添加されている。特に、光触媒膜中における助触媒含有量が約1wt%以上50%以下となるようにすることが望ましい。尚、本実施の形態において、このような元素を選択的に添加することとした理由は、後述の比較実験2の結果から、原子価1または2以下の元素の内、Baを除くイオン半径1.3nm以下且つ電気陰性度1.6以下の元素が、TiO2微粒子13の光触媒反応を促進する助触媒として極めて有効に機能することが確認されたことにある。
【0018】ここで、本汚れ防止機能付きランプ10の光触媒膜14の優れた汚れ防止機能の立証となる前述の比較実験1,2の結果について説明する。
【0019】(1)比較実験1互いにTiO2/SiO2の異なる光触媒膜(助触媒:Li添加)を有する複数の蛍光灯に、それぞれ、有機色素(赤紫系)をコーティングし、点灯中の色素の経時変化を観察した。
【0020】その結果、図2に示すように、光触媒膜中へのLi添加量を約1wt%以上50%以下とした場合に、特に優れた有機物分解性能が発揮されることが確認された。また、光触媒膜へのLi添加量の多少を問わず、TiO2/SiO2を約5以上とした場合に、優れた有機物分解性能が発揮される傾向があることも確認された。但し、現段階においては、TiO2/SiO2が約9までの範囲について、このような傾向があることを確認している。
【0021】また、互いにTiO2/SiO2の異なる光触媒膜(助触媒:Li添加)を有する複数の蛍光灯を同一環境下に所定期間だけ放置した後、それぞれの光触媒膜の膜状態を観察した結果、TiO2/SiO2が9よりも大きな光触媒膜には剥離が認められたのに対し、TiO2/SiO2が約9以下の光触媒膜には、何れも、剥離の発生が認められなかったことから、TiO2/SiO2が約9以下の光触媒膜は、通常の使用に耐える十分な膜強度を有していることが確認された。また、Liの添加量が約50%を超えると、光触媒膜の膜強度が低下する傾向にあることも確認された。
【0022】そして、Liを添加した光触媒膜に限らず、前述した他の元素Na,Li,K,Mg,Ca,Sr,Znを添加した光触媒膜についても、以上述べたと同様な結果が得られている。
【0023】そこで、以上の比較実験1の結果に基づき、本実施の形態では、前述したように、適当な膜強度を維持し、且つ、優れた有機物分解性能を発揮することが実証された光触媒膜、即ち、TiO2/SiO2を約5以上9以下とした光触媒膜を採用すると共に、光触媒膜中における助触媒添加量を約1wt%以上50%以下とすることを推奨したのである。
【0024】(2)比較実験2互いに異なる硝酸塩が添加された光触媒膜を有する複数の蛍光灯、及び、無添加の光触媒膜を有する蛍光灯に、それぞれ、有機色素(赤紫系)をコーティングし、点灯中の色素の経時変化を観察した。その結果、表1に示すように、無添加の光触媒膜よりも優れた有機物分解性能を発揮する光触媒膜が、1価または2価の陽イオン(Na+,Li+,K+,Mg2+,Ca2+,Sr2+,Zn2+)が添加されたものに限られることが確認された。尚、Fe3+,Al3+,Zr3+が添加された光触媒膜は、その有機物分解活性を失うことが確認された。
【0025】
【表1】

【0026】そして、ここで有機物分解活性の向上作用を有することが確認された元素(Na,Li,K,Mg,Ca,Sr,Zn)を含む光触媒膜は、タバコのヤニ、アセトアルデキド、尿素、大腸菌等の分解速度が、何も添加されていない光触媒膜の5倍以上であることも確認された。
【0027】これら有用な元素(Na,Li,K,Mg,Ca,Sr,Zn)の共通性を検討したところ、図3及び図4に示すように、何れも、電気陰性度が約1.6以下であり、且つ、イオン半径が約0.3nm以下であることが見出された。
【0028】そこで、以上の比較実験2の結果に基づき、本実施の形態では、前述したように、光触媒膜の有機物分解性能を高めることができることが実証された元素、即ち、原子価1または2の元素の内で、Baを除く電気陰性度約1.6以下かつイオン半径約0.3nm以下の元素を助媒膜として採用したのである。
【0029】次に、図1の光触媒膜14の成膜方法について説明する。但し、ここでは、光触媒膜14のTiO2/SiO2を9とし、光触媒膜14の約10wt%に相当する量のLiを助触媒として用いることとする。
【0030】水−エタノール−プロパノール3:27:70(体積比)混合液100mlに、テトラエトキシシラン5gを溶解させる。その後、これを、40℃で約5時間撹伴してから、室温で2週間放置することによって、SiO2ゾル原液を調製する。
【0031】そして、このSiO2ゾル原液に、その約9倍の重量のTiO2微粒を添加してから、固形分濃度が4wt%となるように適量の水を加える。更に、予め定めた量のLiNO3を添加してから、ジルコニアボール(5mmφ)を用いて24hrボールミルで混練する。これにより、蛍光灯10のガラス管11の表面に塗布するためのコーティング液が調製される。
【0032】そして、予め清浄にしておいた蛍光灯10のガラス管11の表面に、スピンコート等を用いて、このコーティング液を塗布する。これにより形成された塗膜に、約5分間、120℃で低圧水銀ランプ(強度:15mW/cm2)の光を照射し、これを硬化させる。これにより、ガラス管11上に、図1に示したような光触媒膜14が成膜される。
【0033】このように、本光触媒膜14は、蛍光灯の蛍光体等に悪影響を及ぼさない温度下において短時間内に成膜可能である。従って、成膜工程中に、蛍光灯の寿命が低下することはない。また、本光触媒膜14は、成膜処理上、真空処理装置等の大がかりな設備を必要としない。従って、本光触媒膜14を採用すれば、蛍光灯の生産コストを抑制することができる。
【0034】ところで、以上説明した光触媒膜の表面抵抗値を低下させれば、一旦付着した有機物汚れの分解除去のみならず、空気中を浮遊している埃等の無機物汚れの付着を防止することもできる。具体的には、図5の蛍光灯10Bのように、ガラス管11上の光触媒膜54に更に導電性微粒子55を分散させればよい。あるいは、図6の蛍光灯10Cのように、光触媒膜14とガラス管11との間に、導電性微粒子55を含む帯電防止膜60を介在させてもよい(以下、光触媒膜14と帯電防止膜60とをあわせて積層膜61と呼ぶ)。但し、何れの場合にも、導電性微粒子55としては、TiO2微粒子の光触媒活性を失わせないもの、例えば、ATO(Sb含有SnO2)微粒子、ITO(Sn含有In23)微粒子及びAg微粒子の内の1または複数種類を使用することが望ましい。尚、ATOとは、約2mol〜10molのSb25をSnO2に添加した酸化物半導体であり、ITOとは、約8mol〜12molのSbO2をIn23に添加した酸化物半導体である。
【0035】図5の蛍光灯10B(ATO微粒子添加、ITO微粒子添加、Ag微粒子添加の各種)と、図1の蛍光灯10A(導電性微粒子を含まない光触媒膜を有するもの)とを室内に設置し、20日間後に、それぞれの表面状態を観察した。その結果、表2に示すように、図1の蛍光灯10A以外の蛍光灯10Bには、何れも、ガラス管に埃等の付着が認められなかったことから、図5の蛍光灯10Bが、静電気を帯びた空中浮遊物の付着を防止する帯電防止機能を有することが確認された。また、これらの蛍光灯10Bに、それぞれ、有機色素(赤紫系)をコーティングし、点灯中の色素の経時変化を観察したところ、約5wt%以上20%以下のATO微粒子が添加された光触媒膜54は、その有機物分解性能が特に優れていることが確認された。
【0036】
【表2】

【0037】尚、ITO微粒子またはAg微粒子が光触媒膜に添加されると、表3に示すように光触媒膜の有機物分解性能が低下する傾向にあるが、その傾向も、表2に示すように、前述の助触媒の添加によって改善されることが確認された。
【0038】
【表3】

【0039】一方、図6の蛍光灯10C(ATO微粒子添加、ITO微粒子添加、Ag微粒子添加の各種)を室内照明として設置し、それぞれの20日間後の表面状態を観察した。その結果、表4に示すように、何れの蛍光灯10Cにも、ガラス管に埃等の付着が認められなかったことから、図6の蛍光灯10Cが、静電気を帯びた空中浮遊物の付着を防止する帯電防止機能を有することが確認された。また、これらの蛍光灯10Bに、それぞれ、有機色素(赤紫系)をコーティングし、点灯中の色素の経時変化を観察したところ、何れも、図5の蛍光灯10Bと同程度の有機物分解性能を発揮することが確認された。
【0040】
【表4】

【0041】尚、図5の光触媒膜54及び図6の積層膜61も、図1の光触媒膜と同様に、コストのかさむ設備を用いることなく、蛍光灯の蛍光体等に悪影響を及ぼさない温度下において短時間内に成膜可能である。最後に、これらの成膜方法について、それぞれ説明しておく。但し、ここでは、導電性微粒子65としてATO微粒子を用い、光触媒膜64の約10wt%に相当する量のLiを助触媒として用いることとする。また、光触媒膜64のTiO2/SiO2を9とする。
【0042】図5の光触媒膜54は、以下のようにして成膜される。
【0043】エタノール−プロパノール2:1(体積比)混合液に、ATO微粒子と非イオン性界面活性剤(1wt%)とを添加て、ATO微粒子分散溶液を調製しておく。また、水−エタノール−プロパノール3:27:70(体積比)混合液100mlとテトラエトキシシラン5gとからSiO2ゾル原液を調製しておく。
【0044】そして、適量のSiO2ゾル原液に、その約9倍の重量のTiO2微粒を投入し、固形分濃度が4wt%となるように適量の水を加える。その後、このSiO2ゾルに、LiNO3及びATO微粒子分散溶液をそれぞれ既定量添加してから、これを、ジルコニアボール(5mmφ)を用いて24hrボールミルで混練する。このようにして調製されたコーティング液を、予め清浄にしておいた蛍光灯のガラス管11の表面に塗布する。そして、形成された塗膜に、約5分間、120℃で低圧水銀ランプ(強度:15mW/cm2)の光を照射し、これを硬化させる。これにより、ガラス管11上に、図5に示したような帯電防止機能付きの光触媒膜54が形成される。
【0045】一方、図6の積層膜60は、以下のようにして成膜される。
【0046】エタノール−プロパノール2:1(体積比)混合液に、ATO微粒子と非イオン性界面活性剤(1wt%)とを添加し、ATO微粒子分散液を調製する。そして、このATO微粒子分散液を、予め清浄にしておいた蛍光灯のガラス管11の表面に塗布する。これにより形成された塗膜に、約2分間、80℃で低圧水銀ランプ(強度:15mW/cm2)の光を照射して、これを硬化させる。これにより、ガラス管11上に帯電防止膜61が成膜される。その後、更に、図1の光触媒膜の成膜方法に従って、その上に光触媒膜を成膜すれば、ガラス管11上に、図6に示したような積層膜61を形成することができる。尚、以上の処理を繰り返し、積層膜61を更に多層化しても構わない。
【0047】以上、蛍光灯を例に挙げて説明したが、本実施の形態に係る光触媒膜は、蛍光灯以外のランプ、例えば、白熱ランプ、水銀灯等の汚れ防止用としても、蛍光灯の場合と同様な優れた性能を発揮することは言うまでもない。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、寿命が長く、しかも、より優れた汚れ防止機能を有する汚れ防止機能付きランプを提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
【出願日】 平成10年(1998)3月24日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】富田 和子
【公開番号】 特開平11−273427
【公開日】 平成11年(1999)10月8日
【出願番号】 特願平10−75653