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【発明の名称】 照明装置
【発明者】 【氏名】石原田 稔

【氏名】田沼 逸夫

【要約】 【課題】視認性が極めて高く、しかもランプの交換等の保守点検が容易、かつ、安全に行える、実用的価値の高いものを低コストで提供する。

【解決手段】透明なコア材とこのコア材よりも屈折率の小さなクラッド材とを有する光伝送体1と、光伝送体1の一端に着脱可能に接続された光源2と、光伝送体1の光出射端に設けた、出射光を光伝送体1の軸方向に対して直交する側方向に出射させる機能を有する光偏向装置3とを備えた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 透明なコア材とこのコア材よりも屈折率の小さなクラッド材とを有する光伝送体と、この光伝送体の一端に着脱可能に接続された光源と、前記光伝送体の光出射端に設けた、出射光を光伝送体の軸方向に対して直交する側方向に出射させる機能を有する光偏向装置とを備えたことを特徴とする照明装置。
【請求項2】 光伝送体が、出射端面において指向性を有するように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】 光伝送体が、側面発光するように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項4】 光偏向装置が、透明材料からなるプリズム若しくはコーンプリズムであることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項5】 光伝送体が、クラッドとコアとの間にクラッドの長さ方向に沿って帯状の光反射層を備えたことを特徴とする請求項3に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、人や自転車、車、船舶、航空機等の乗物が、危険領域内に侵入するのを防止したり、安全に移動するための標識として使用するのに好適な照明装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、急角度のカーブや霧或いは吹雪等により視認性が低下する所の道路には、道路の形状を表示するために、例えば図11に示す中央分離帯(或いはガードレール等)100に自発式のデリニエータ101等を設置することが行われており、自動車が道路外へ飛び出すのを防止するようになっている。
【0003】このようなデリニエータは、例えば図12に示すように、通常50W程度のランプ102からの光を反射ミラー103等によって集光させ、一方向(車104の正面側のみ)に出射させるように構成してある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この自発光方式のデリニエータは、一方向のみにしか光を出射できないから、例えば図11において、中央分離帯に設ける場合には、上下の車線を運転する車両のためにそれぞれ出射方向を変えたデリニエータを設置する必要があった。
【0005】また、ランプの出射光は、図12に示すように、かなりの広角度に亘って出射されるため、運転者に達する光量成分は小さく、その分視認性が悪いものであった。また、視認性を向上させようとするには、例えばワット数の大きなランプを使用する必要があり、消費電力の点で問題がある。しかも、ランプの交換等を行う際には、車の通行を規制する必要がある等、作業に危険性を伴い安全性の面でも問題がある。
【0006】そこで、この発明は、視認性が極めて高く、しかもランプの交換等の保守点検が容易、かつ、安全に行える、実用的価値の高い照明装置を低コストで提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するため、請求項1にかかる発明は、透明なコア材とこのコア材よりも屈折率の小さなクラッド材とを有する光伝送体と、この光伝送体の一端に着脱可能に接続された光源と、前記光伝送体の光出射端に設けた、出射光を光伝送体の軸方向に対して直交する側方向に出射させる機能を有する光偏向装置とを備えたものである。
【0008】また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、光伝送体が、出射端面において指向性を有するように構成されたものである。
【0009】また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、光伝送体が、側面発光するように構成されたものである。
【0010】また、請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、光偏向装置が、透明材料からなるプリズム若しくはコーンプリズムであるものである。
【0011】また、請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、光伝送体が、クラッドとコアとの間にクラッドの長さ方向に沿って帯状の光反射層を備えたものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、この発明の好適な実施例について添付図面を参照しながら説明する。図1はこの発明の実施例に係る照明装置を示すものであり、この照明装置は、鉛直方向に直立させた光伝送体1と、この光伝送体1を保持するとともに光源2を収めた筐体(ランプハウス)5と、光伝送体1の先端部分に設けた光偏向装置3とを備えている。
【0013】この実施例の光伝送体1には、光伝送チューブが使用されており、図2に示すように、透明な管状クラッド11と、このクラッド11より高屈折率の透明なコア12とから構成されており、先端部から光を出射・発光するようになっている。このような光伝送チューブの構造としては、この他に例えばチューブ保護の目的で、透明な樹脂パイプ等に挿入したり、光伝送チューブの保護とシールのために、透明な熱収縮チューブを被せることも可能である。
【0014】なお、ここで上記管状クラッド11や高屈折率の透明なコア12を形成する具体的な材料については、同一出願人によって既に出願されている公報(例えば、特願平4−140128号等)に詳しいので、これらを参照されたい。
【0015】なお、この実施例の他に、例えば図3に示すように、光反射層13をクラッド11の他側部側(半周面程度の領域1/20〜5/20周程度の領域)の外周面(若しくはクラッド11内周面とコア12との間)に半周面程度設け、先端部のみならず側面発光も行う構成でもよい。また、この場合には、図3に示すように、光反射層13を覆って(若しくはクラッド11の他側部外表面)に反射性保護層14を形成してあれば、さらに側方反射効率を高めることができる。
【0016】光反射層13としては、クラッド11の長さ方向に帯状に形成してあるが、光を散乱する散乱性粒子等で形成してもよい。この場合、散乱性粒子としては、例えばシリコーン樹脂粒子、ポリスチレン樹脂粒子等の有機ポリマー粒子、Al23 、TiO2 、SiO2 等の金属酸化物粒子、BaSO4 等の硫酸塩粒子、CaCO3 等の炭酸塩粒子などが挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上併用して使用することができる。
【0017】反射性保護層14は、上記光反射層13から光が漏れた場合において、この光を外部に透過させないものであればよく、またこの場合、この漏れた光を吸収せず、反射させるものが好ましく、具体的には、銀、アルミニウム等の金属箔や金属シート、反射テープ、蒸着テープ或いは光を散乱する上記したような散乱性粒子を分散した塗膜などを用いることができる。
【0018】この反射性保護層14は、図4に示したように、光反射層13を覆うだけでもよく、或いは図5に示すように、光反射層13より大きく一側部側に延出して光放射部15を残すようにクラッド11の外面に形成してもよい。
【0019】なお、この光伝送チューブ1のコア径は特に制限されないが、例えば光源2として1個のLEDを使用する場合には2〜30mm程度であるが特に4〜15mm、また長さは0.2〜10m程度特に0.5〜2mが好ましい。
【0020】光源2は、光伝送チューブ1の基端部(入射部)に接近して配設されており、LED(発光ダイオード)が使用されている。この発光ダイオードの発光色は、赤、青、緑、黄、橙、白等であるが、目的・用途等に応じて適宜選択使用することができる。また、このLEDの設置個数は、1個でもよいし、複数個設置して光量を増大させてもよい。このLEDの発光色については、単色でもよいし、カラーフィルタ等で適宜変化させてもよいが、自動車などの運転者が雨天や夜間等に素早く、しかも確実に危険領域の存在に気付くことができる最適な波長の光を出射するものが好ましい。またこのLEDの発光方式は常時点灯でも、点滅でもよい。光源はLEDの他に白熱ランプ、ハロゲンランプ、放電灯などを用いることができる。
【0021】なお、このLEDを用いた光源は防水性を考慮して適宜のジョイント部材を介して光伝送チューブと一体に(但し、簡単に着脱できる構成とする)接続させてもよい。またジョイント部材は、図示外の配線コードと光源との接続個所での絶縁を図るために、及び水や水蒸気、或いは可燃性ガスや液体の侵入を防ぐために、ポッテイング材、例えばエポキシ樹脂、シリコーンゴム等の材料で充填させてもよい。なお、配線コードには、保護や防水のために、金属や樹脂製のフレキシブル管、或いはゴムやプラスチックパイプ中に通すこともできる。
【0022】光源2を収めたランプハウス5は、図1に示すように、略箱状のものからなり、光源2のほかに、この光源2からの光を集光する反射板21が設置されており、集光された光が光伝送チューブ1の基端部に入射するようになっている。なお、この実施例のランプハウス5は、上面に設けた着脱部50で光伝送チューブ1を容易に着脱できるようになっている。
【0023】この実施例の光偏向装置3には、図10に示すように、屋根型のプリズムを使用しており、頂角の値に応じて所定の角度分布で発光領域を制限することができる。この場合、水平方向については2方向に光が出射される。なお、この発明に係る光偏向装置としては、この実施例の他に、例えば図6及び図7に示すように、コーンプリズム4を使用してもよい。この場合には、高さ(上下)方向については、先の屋根型プリズム3と同様の角度分布(図9参照)で発光するが、水平方向については全方位にわたった発光分布になる。
【0024】従って、この実施例によれば、光源2からの光は、光伝送チューブを通して先端部に導かれ、これによって効率のよい先端部での発光を行っているが、光伝送チューブ1の先端部(上端部)での発光については、図8に示すように、コーンプリズム4の頂角をαとすると、高さ(上下)方向については角度θ、つまり(π−α)/2の角度分布(頂角αに応じて角度分布は自由に設定できる)に限って発光するから、従来の天頂方向への発光分布角度θ′(図13参照)での発光に比べて格段と視認性が高まり、運転者の目の高さに対応する範囲に狭めて効率よく発光させることができるようになる。しかも図10に示すように、2方向に発光させることができる。従って、例えば中央分離帯などでの使用の場合には、上下両方向に別々の向きで2個ずつ設置する必要がない。また全方位に発光させたい時は、コーンプリズム4を用いることで、1ケで効率良く視認性の高い発光が得られる。
【0025】さらに、図3に示すような構成とすれば、光伝送チューブ1の先端部での発光ばかりか、側面でのライン発光も行えるから、一層視認性の向上につながる。
【0026】
【発明の効果】以上、説明してきたように、この発明によれば、透明なコア材とこのコア材よりも屈折率の小さなクラッド材とを有する光伝送体と、この光伝送体の一端に接続された光源と、光伝送体の光出射端に設けた、出射光を光伝送体の軸方向に対して直交する側方向に出射させる機能を有する光偏向装置とを備えたから、従来の照明装置とは異なり、角度分布を狭く規制した、所望の対象方向に向けて指向性の高い照明・発光が単一光源で実現できるから、低コストのもので視認性を飛躍的に向上させることができる。
【0027】しかも、この発明によれば、光源と光伝送体とを分離・分割できるから、光源ランプの交換等のような保守・点検が容易、かつ、安全に行え、特に交通標識等での使用の場合には、安全な場所での交換作業が実現できる。
【0028】また、側面発光型の照明装置にあっては、先端部ばかりか、側方からの照明・発光も同時に利用できるから、さらに視認性が向上する。
【出願人】 【識別番号】000005278
【氏名又は名称】株式会社ブリヂストン
【出願日】 平成9年(1997)12月19日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】増田 竹夫
【公開番号】 特開平11−185514
【公開日】 平成11年(1999)7月9日
【出願番号】 特願平9−365120