トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F21 照明




【発明の名称】 照明器具
【発明者】 【氏名】藤本 佳史

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 円筒状のフードを有し、フード内に反射体及びソケットが設けられた照明器具本体と、フードの先端部内側に装着され、周方向の一部が外周側へ凸状に曲成されると共に、その凸状曲成部が、フードに設けられた周方向のスリットを通ってフードの外側へ突出するリングバネと、フードの先端部外側に先端側から装着され、内側にシールドガラスやスリット或いは金網等の前面部材を保持すると共に、フードに装着された状態でリングバネの凸状曲成部が嵌合する周方向のスリット又は凹部が設けられた円筒状の前面部材保持枠とを具備することを特徴とする照明器具。
【請求項2】 前面部材保持枠は、リングバネの凸状曲成部が嵌合するスリット又は凹部の後端側に、当該保持枠の装着時にリングバネの凸状曲成部をスリット又は凹部に導くべく外周側へ傾斜したバネ案内部を有することを特徴とする請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】 リングバネは、反射体をフード内に固定する固定部材を兼ねることを特徴とする請求項1又は2に記載の照明器具。
【請求項4】 リングバネは、前記フードに係合する凸部が設けられていることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の照明器具。
【請求項5】 円筒状のフードを有し、フード内に反射体及びソケットが設けられた照明器具本体と、フードの先端部内側に先端側から装着され、内側にシールドガラスやスリット或いは金網等の前面部材を保持する円筒状の前面部材保持枠と、前面部材保持枠の内側に装着され、周方向の一部が外周側へ凸状に曲成されると共に、その凸状曲成部が、前面部材保持枠に設けられた周方向のスリットを通って前面部材保持枠の外側へ突出し、且つ、前面部材保持枠がフードの先端部内側に装着された状態で、凸状曲成部が、フードの先端部に設けられた周方向のスリット又は凹部に嵌合するリングバネとを具備することを特徴とする照明器具。
【請求項6】 フードは、リングバネの凸状曲成部が嵌合するスリット又は凹部の先端側に、前面部材保持枠の装着時にリングバネの凸状曲成部をスリット又は凹部に導くべく外周側へ傾斜したバネ案内部を有することを特徴とする請求項5に記載の照明器具。
【請求項7】 リングバネは、前記前面部材を前面部材保持枠内に固定する固定部材を兼ねることを特徴とする請求項5又は6に記載の照明器具。
【請求項8】 リングバネは、前記前面部材保持枠に係合する凸部が設けられていることを特徴とする請求項5、6又は7に記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スポットライトやダウンライト等として使用される局部照明型の照明器具に関し、更に詳しくは、前面に前面部材としてのシールドガラスやスリット或いは金網等を備えた照明器具に関する。
【0002】
【従来の技術】スポットライトやダウンライト等として使用される局部照明型の照明器具では、ランプとして通常ハロゲンランプが使用される。ハロゲンランプを使用する照明器具では、ランプが破裂したときのガラス片の飛散を防止するために、器具前面をシールドガラスで覆うことが、国際規格(IEC)により規定されており、我が国でもこの国際規格に準じた規格変更がなされることから、シールドガラス付きのものが必要となる。
【0003】図11は前面にシールドガラスを備えた従来の局部照明型照明器具の一例を示す斜視図である。この照明器具は、同心状に組み合わされた円筒状のフード1,2と、遮熱フードである内側のフード2内に収容された碗状の反射体3と、反射体3の裏側に位置してフード2内に設けられたソケット4と、反射体3の先端側に位置してフード2内に設けられたグレアカットキャップ5と、フード2の先端部にシールドガラス6を取り付けるために、その先端部に装着される円筒状のガラス保持枠7とを備えている。
【0004】ガラス保持枠7は、フード2の先端部内側に先端側から挿入され、外周面に取り付けられた複数のバネ部8により、その先端部内側に保持される。また、内周面に取り付けられた複数のバネ部9により、内側にシールドガラス6を保持する。
【0005】なお、前記国際規格でもクリプトンランプ等では、前面部材としてのシールドガラスを設ける必要はなく、スリットや金網等が前面部材として設けられることもある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】シールドガラス付きの照明器具では、ランプの交換等のために、そのシールドガラスは着脱自在でなければならない。図11に示された従来の照明器具では、レンズ保持枠7をフード2の先端部内側に押し込むことによりシールドガラス6が装着され、そのレンズ保持枠7を先端側へ引き出すことによりシールドガラス6が取り外される。
【0007】しかしながら、この照明器具では、ガラス保持枠7の外周面に取り付けられた複数のバネ部8によって、ガラス保持枠7がフード2内に固定されるため、強い固定力を得ることが本質的に困難であり、その固定力を大きくするために強いバネ部8を用いた場合は、ガラス保持枠7の着脱操作が困難になるという問題もある。
【0008】ガラス保持枠の固定構造については、これ以外にも様々なものが知られているが、確実な固定が可能なものは操作性や経済性が悪く、これらを高次元で満足させるものは殆ど知られていない。例えば、スクリュウ式は、確実な固定が可能であるが、着脱に手間がかかる上に、ネジ部の成形のために経済性も良くない。L形の溝を用いて軸方向に押し込んだ後、周方向に回転させる固定構造もあるが、L形の溝はダイキャスト部材でないと形成が困難という制約があり、そのダイキャスト部材は高コストとなる。周方向の複数位置からネジを使って固定する構造の場合は、操作性が悪い上に、そのネジが外側に突出するという意匠上の致命的な問題がある。
【0009】これらの問題点は、クリプトンランプ等での前面部材としてのスリットや金網等の場合でも同様である。
【0010】本発明はかかる事情に鑑みて創案されたものであり、シールドガラス等の前面部材を保持する前面部材保持枠をフードの先端部に確実に固定でき、しかも操作性及び経済性、更には意匠性が良好な照明器具を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明に係る第1の照明器具は、円筒状のフードを有し、フード内に反射体及びソケットが設けられた照明器具本体と、フードの先端部内側に装着され、周方向の一部が外周側へ凸状に曲成されると共に、その凸状曲成部が、フードに設けられた周方向のスリットを通ってフードの外側へ突出するリングバネと、フードの先端部外側に先端側から装着され、内側にシールドガラス等の前面部材を保持すると共に、フードに装着された状態でリングバネの凸状曲成部が嵌合する周方向のスリット又は凹部が設けられた円筒状の前面部材保持枠とを具備している。
【0012】また、本発明に係る第2の照明器具は、円筒状のフードを有し、フード内に反射体及びソケットが設けられた照明器具本体と、フードの先端部内側に先端側から装着され、内側にシールドガラス等の前面部材を保持する円筒状の前面部材保持枠と、前面部材保持枠の内側に装着され、周方向の一部が外周側へ凸状に曲成されると共に、その凸状曲成部が、前面部材保持枠に設けられた周方向のスリットを通って前面部材保持枠の外側へ突出し、且つ、前面部材保持枠がフードの先端部内側に装着された状態で、凸状曲成部が、フードの先端部に設けられた周方向のスリット又は凹部に嵌合するリングバネとを具備している。
【0013】第1の照明器具では、フードの先端部内側に装着されたリングバネの凸状曲成部が、フードの先端部に設けられた周方向のスリットに嵌合してフード外へ突出ことにより、リングバネは格別の固定部なしに、フードの先端部内側に保持される。
【0014】前面部材保持枠をフードの先端部に取り付けるときは、前面部材保持枠に設けられた周方向のスリット又は凹部を、フードのスリット、即ちリングバネの凸状曲成部に位置合わせした状態で、前面部材保持枠を軸方向に押し込んでフードの先端部外側に嵌め込む。この操作に伴い、リングバネの凸状曲成部が前面部材保持枠により内側に押され、最終的には前面部材保持枠のスリット又は凹部に嵌合する。そうすると、前面部材保持枠は容易には外れない。
【0015】前面部材保持枠を外すためには、前面部材保持枠を周方向に回転させて引き抜く。リングバネはフードの周方向に配設され、前面部材保持枠のスリット又は凹部も周方向に形成されているため、前面部材保持枠を周方向に回転させた場合は、前面部材保持枠による押圧によりリングバネが縮径してその凸状曲成部が内側に移動し、前面部材保持枠のスリット又は凹部から抜け出る。そして、この状態になれば、前面部材保持枠はフードの先端部外側から容易に引き抜くことができる。この際、リングバネにフードに係合する凸部を設けておけば、前面部材保持枠の回転に伴ってリングバネが回転することがないので好都合である。
【0016】かくして、第1の照明器具では、前面部材保持枠がフードの先端部外側に確実に固定されるにもかかわらず、その着脱操作が容易である。しかも、周方向のスリットや凹部はプレスにより簡単に形成され、ダイキャスト材を必要としない。従って、経済性も良好である。更に、リングバネはフードの先端部内側に収容されているので、意匠性の悪化も生じない。
【0017】ここで、前面部材保持枠は、リングバネの凸状曲成部が嵌合するスリット又は凹部の後端側に、当該保持枠の装着時にリングバネの凸状曲成部をスリット又は凹部に導くべく外周側へ傾斜したバネ案内部を有するものが、操作性及び安全性の点から好ましい。
【0018】リングバネについては、反射体をフード内に固定する固定部材を兼ねるものが、部品点数低減の点から好ましい。
【0019】また第2の照明器具では、前面部材保持枠の内側に装着されたリングバネの凸状曲成部が、前面部材保持枠に設けられた周方向のスリットに嵌合して保持枠の外へ突出ことにより、リングバネは格別の固定部なしに、前面部材保持枠の内側に保持される。
【0020】前面部材保持枠をフードの先端部に取り付けるときは、前面部材保持枠に設けられた周方向のスリット、即ちリングバネの凸状曲成部を、フードの先端部に設けられた周方向のスリット又は凹部に位置合わせした状態で、前面部材保持枠を軸方向に押し込んでフードの先端部内側に嵌め込む。この操作に伴い、リングバネの凸状曲成部がフードにより内側に押され、最終的にはフードのスリット又は凹部に嵌合する。そうすると、前面部材保持枠は容易には外れない。
【0021】前面部材保持枠を外すためには、前面部材保持枠を周方向に回転させて引き抜く。リングバネは前面部材保持枠の周方向に配設され、フードのスリット又は凹部も周方向に形成されているため、前面部材保持枠を周方向に回転させた場合は、フードによる押圧によりリングバネが縮径してその凸状曲成部が内側に移動し、フードのスリット又は凹部から抜け出る。そして、この状態になれば、前面部材保持枠はフードの先端部外側から容易に引き抜くことができる。この際、リングバネに前面部材保持枠に係合する凸部を設けておけば、リングバネは前面部材保持枠に固定されているため、前面部材保持枠の回転に伴ってリングバネが回転するので好都合である。
【0022】かくして、第2の照明器具でも、前面部材保持枠がフードの先端部外側に確実に固定されるにもかかわらず、その着脱操作が容易である。しかも、周方向のスリットや凹部はプレスにより簡単に形成され、ダイキャスト材を必要としない。従って、経済性も良好である。更に、リングバネは前面部材保持枠の内側に収容されているので、意匠性の悪化も生じない。
【0023】ここで、フードは、リングバネの凸状曲成部が嵌合するスリット又は凹部の先端側に、前面部材保持枠の装着時にリングバネの凸状曲成部をスリット又は凹部に導くべく外周側へ傾斜したバネ案内部を有するものが、操作性及び安全性の点から好ましい。
【0024】リングバネについては、シールドガラス等の前面部材を前面部材保持枠内に固定する固定部材を兼ねるものが、部品点数低減の点から好ましい。
【0025】また、いずれの照明器具においても、前面部材としてのシールドガラスはフィルタを兼ねることが可能である。
【0026】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0027】図1は本発明の第1実施形態に係る照明器具の一部破断斜視図、図2は同照明器具の一部破断側面図、図3は同照明器具に使用される遮熱フードの2面図で、(a)は横断平面図、(b)は縦断側面図、図4は同遮熱フードに装着されるリングバネの正面図、図5は同照明器具に使用される前面部材保持枠の2面図で、(a)は縦断側面図、(b)は正面図である。
【0028】本発明の第1実施形態に係る照明器具は、本発明の第1の照明器具の一例である。この照明器具は、図1及び図2に示すように、照明器具本体10と、その前面に前面部材としてのシールドガラス20を装着するためのリングバネ30及び前面部材保持枠40とを備えている。
【0029】照明器具本体10は、同心状に組み合わされた円筒状のフード11,12を備えている。外側のフード11はケーシングであり、内側のフード12は遮熱フードである。外側のフード11は自在器13を介してフレンジ14に連結されており、フレンジ14を天井面や壁面等に取り付けることにより、照明器具本体10はこれらの取り付け面に固定される。
【0030】遮熱フード12の内側には碗状の反射体15が設けられると共に、反射体15の後方に位置してソケット16が設けられている。ソケット16にはハロゲンランプ50が装着される。ソケット16に装着されたハロゲンランプ50は、反射体15の中心部に設けられた開口部をとおって反射体15の内側に位置する。
【0031】ここで遮熱フード12の先端部には、図3に示すように、反射体15の先端部が係合する環状の段差部12aが形成されている。段差部12aの先端側には、周方向に延びる左右一対のスリット12b,12bが形成されると共に、最下部に位置して切り起こし片12cが形成されている。これらは後述するリングバネ30の保持、ひいては遮熱フード12の先端部に装着される前面部材保持枠40の保持を行うものである。
【0032】リングバネ30は、図4に示すように、周方向の一部(ここでは上部)が分離された所謂スプリットリング或いはCリングである。リングバネ30の両側部には、外側へ山形に突出する凸状曲成部31,31が形成されている。また、最下部には、下方へ突出する小さい凸部32が曲成されている。すなわち、凸部32は、リングバネ30の中央に形成されているのである。
【0033】このリングバネ30は、図1に示されるように、やや縮径させた状態で遮熱フード12の先端部内側に挿入され、両側の凸状曲成部31,31がスリット12b,12bに嵌合し、凸部32が切り起こし片12cに係合することにより、遮熱フード12の先端部内側に固定される。すなわち、リングバネ30が前面部材保持枠40の回転に伴って回転し、その結果、遮熱フード12から外れることが防止される。この状態で、両側の凸状曲成部31,31はスリット12b,12bを通って遮熱フード12の先端部外側に突出する。
【0034】また、反射体15は遮熱フード12内に先端側から挿入され、先端部を段差部12aに係合させるが、この反射体15は、遮熱フード12の先端部内側に固定されたリングバネ30により固定される。
【0035】前面部材保持枠40は、遮熱フード12の先端部外側に嵌め込むために、この先端部よりやや大径の円筒体とされている。シールドガラス20は、前面部材保持枠40の先端部内側にリングバネ21と共同して保持固定される。この固定のために、前面部材保持枠40の先端は内側へフランジ状に突出している。前面部材保持枠40の両側部には、周方向に延びる左右一対のスリット41,41が設けられている。また、前面部材保持枠40の後縁部には、外周側へ傾斜した左右一対のバネ案内部42,42が、スリット41,41の後方に位置して突設されている。これらは、遮熱フード12の先端部内側に固定されたリングバネ30と共同して、遮熱フード12の先端部への前面部材保持枠40の案内、固定を行う。
【0036】次に、上記照明器具における前面部材保持枠40の取り付け・取り外し方法について説明する。
【0037】前面部材保持枠40を遮熱フード12の先端部に取り付ける場合は、まず、前面部材保持枠40のスリット41,41及びバネ案内部42,42を、遮熱フード12の先端部に設けられたスリット12b,12b、即ちスリット12b,12bを通って遮熱フード12の先端部外側に突出したリングバネ30の凸状曲成部31,31に位置合わせする。次いで、前面部材保持枠40を遮熱フード12の先端部外側に嵌め込むべく、これを軸方向に押し込む。
【0038】このとき、リングバネ30は、凸状曲成部31,31が前面部材保持枠40のバネ案内部42,42に押されることにより内側へ容易に縮径変形する。このため、前面部材保持枠40の押し込み操作は容易である。そして、更に押し込みを続けることにより、凸状曲成部31,31が前面部材保持枠40のスリット41,41に嵌合し、元のように拡径変形する。この状態になると、前面部材保持枠40を先端側へ強く引いても、その前面部材保持枠40は遮熱フード12の先端部から離脱しない。かくして、前面部材保持枠40は遮熱フード12の先端部外側に確実に固定される。
【0039】前面部材保持枠40を押し込む際に、バネ案内部42,42がリングバネ30の凸状曲成部31,31に位置合わせされていない場合は、前面部材保持枠40の後縁が凸状曲成部31,31に当たり、前面部材保持枠40の押し込みが途中で不可能となる。このため、凸状曲成部31,31がスリット41,41に嵌合しない不完全装着が回避される。
【0040】このように、前面部材保持枠40のバネ案内部42,42は、押し込み力を軽減することによる操作性の向上、及び不完全装着を回避することによる安全性の向上の2点から非常に有効なものである。
【0041】前面部材保持枠40を取り外すときは、その前面部材保持枠40を周方向に回転させた後、先端側へ引き抜く。ここで、リングバネ30は遮熱フード12の先端部内に周方向に配置されており、リングバネ30の凸状曲成部31,31が嵌合する前面部材保持枠40のスリット41,41も周方向に形成されている。このため、前面部材保持枠40は先端側へ引いても移動しないが、周方向に回転させた場合は凸状曲成部31,31が前面部材保持枠40に押されてリングバネ30が前記凸部32を支点として内側に変位することで容易に縮径することにより、周方向へ容易に移動し、その結果、スリット41,41から凸状曲成部31,31が抜け出て、前面部材保持枠40は先端側へ容易に引き抜くことができる。そして、前面部材保持枠40を取り外すために回転させても、凸部32は切り起こし片12cに係合しているので、リングバネ30は回転することがない。すなわち、リングバネ30は遮熱フード12から外れることがないのである。
【0042】従って、前面部材保持枠40を取り外す操作も容易である。
【0043】図6は本発明の第2実施形態に係る照明器具の一部破断斜視図、図7は同照明器具の一部破断側面図、図8は同照明器具に使用される遮熱フードの横断平面図、図9は同照明器具に使用される前面部材保持枠の縦断側面図、図10は同前面部材保持枠に装着されるリングバネの正面図である。
【0044】本発明の第2実施形態に係る照明器具は、本発明の第2の照明器具の一例である。この照明器具は、図1及び図2に示すように、前面部材保持枠40が遮熱フード12の先端部内側に装着される点、リングバネ30が前面部材保持枠40の内側に装着されている点が、上述した本発明の第1実施形態に係る照明器具とは主に相違する。
【0045】以下、相違点について詳細に説明し、同一部分については同一番号を付して詳細な説明を省略する。
【0046】照明器具本体10の遮熱フード12は、図8に示すように、反射体15の先端部が係合する環状の段差部12dを先端部に有し、その更に先端側には、周方向に延びる左右一対のスリット12e,12eを有する。また、遮熱フード12の先端側の縁部には、外周側へ傾斜したバネ案内部12f,12fが、スリット12e,12eに位置して形成されている。
【0047】なお、バネ案内部12f,12fは、ここでは遮熱フード12の縁部を部分的に外周側へ膨出させて形成されているが、第1実施形態に係る照明器具におけるバネ案内部42,42のような突片であってもよい。逆に、第1実施形態に係る照明器具におけるバネ案内部42,42をバネ案内部12f,12fのような膨出加工部とすることも可能である。
【0048】遮熱フード12の先端部内側に装着される前面部材保持枠40は、遮熱フード12の先端部よりやや小径の円筒体である。この前面部材保持枠40には、図9に示すように、周方向に延びる左右一対のスリット43,43が設けられると共に、最下部に位置して小さい開口部44が設けられている。
【0049】前面部材保持枠40の内側に装着されるリングバネ30は、図10に示すように、周方向の一部(ここでは上部)が分離された所謂スプリットリング或いはCリングである。リングバネ30の両側部には、外側へ山形に突出する凸状曲成部31,31が形成されている。また、最下部には、凸部としてのM状曲成部33が曲成されている。すなわち、このリングバネ30は中央にM状曲成部33が形成されているのである。このリングバネ30は、図6に示されるように、やや縮径させた状態で前面部材保持枠40の内側に挿入され、両側の凸状曲成部31,31がスリット43,43に嵌合し、M状曲成部33の下端部が開口部44に係合することにより、前面部材保持枠40の内側に固定される。この状態で、両側の凸状曲成部31,31はスリット43,43を通って前面部材保持枠40の外側に突出する。
【0050】ここで、リングバネ30は、図7に示すように、前面部材保持枠40の先端部内側に挿入されるシールドガラス20の固定部材を兼ねている。即ち、前面部材保持枠40の内側に装着されたリングバネ30は、円筒状のスペーサ60を介して、前面部材保持枠40の先端部内側に挿入されたシールドガラス20を後方から保持する。また、前面部材保持枠40の内側に装着されたスペーサ60は、グレアカットキャップ61(図11参照)を支持するステー62の支持部材を兼ね、前面部材保持枠40が遮熱フード12の先端部内側に装着された状態で、反射体15の内側中心部にグレアカットキャップ61を保持する。
【0051】なお、遮熱フード12内の反射体15はリングバネ17により固定される。
【0052】次に、上記照明器具における前面部材保持枠40の取り付け・取り外し方法について説明する。
【0053】前面部材保持枠40を遮熱フード12の先端部に取り付ける場合は、まず、前面部材保持枠40のスリット43,43、即ちスリット43,43を通って前面部材保持枠40の外側に突出したリングバネ30の凸状曲成部31,31を、遮熱フード12のスリット12e,12e及びバネ案内部12f,12fに位置合わせする。次いで、前面部材保持枠40を遮熱フード12の先端部内側に嵌め込むべく、これを軸方向に押し込む。
【0054】このとき、リングバネ30は、凸状曲成部31,31が遮熱フード12のバネ案内部12f,12fに押されることにより内側へ容易に縮径変形する。このため、前面部材保持枠40の押し込み操作は容易である。そして、更に押し込みを続けることにより、凸状曲成部31,31が遮熱フード12のスリット12e,12eに嵌合する。この状態になると、前面部材保持枠40を先端側へ強く引いても、その前面部材保持枠40は遮熱フード12の先端部から離脱しない。かくして、前面部材保持枠40は遮熱フード12の先端部内側に確実に固定される。
【0055】前面部材保持枠40を押し込む際に、リングバネ30の凸状曲成部31,31がバネ案内部12f,12fに位置合わせされていない場合は、凸状曲成部31,31が遮熱フード12の前縁に当たり、前面部材保持枠40の押し込みが途中で不可能となる。このため、凸状曲成部31,31がスリット12f,12fに嵌合しない不完全装着が回避される。
【0056】このように、遮熱フード12のバネ案内部12f,12fは、押し込み力を軽減することによる操作性の向上、及び不完全装着を回避することによる安全性の向上の2点から非常に有効なものである。
【0057】前面部材保持枠40を取り外すときは、その前面部材保持枠40を周方向に回転させた後、先端側へ引き抜く。ここで、リングバネ30は 前面部材保持枠40の内側に周方向に配置されており、リングバネ30の凸状曲成部31,31が嵌合する遮熱フード12のスリット12e,12eも周方向に形成されている。このため、前面部材保持枠40は先端側へ引いても移動しないが、周方向に回転させた場合は凸状曲成部31,31がM状曲成部33を支点として遮熱フード12に押されてリングバネ30が容易に縮径することにより、周方向へ容易に移動し、その結果、スリット12e,12eから凸状曲成部31,31が抜け出て、前面部材保持枠40は先端側へ容易に引き抜くことができる。この際、リングバネ30はM状曲成部33が、前面部材保持枠40の開孔部44に係合しているので、前面部材保持枠40を回転させてもリングバネ30が前面部材保持枠40から外れることはない。
【0058】従って、前面部材保持枠40を取り外す操作も容易である。
【0059】また、いずれの照明器具においても、シールドガラス20は着色ガラスとすることによりフィルタを兼ねることができる。そして、このフィルタも照明機器の前面に確実に装着され、且つその着脱が容易である。また、前面部材としては、シールドガラス20のみならず、スリットや金網等であってもよいことは勿論である。
【0060】なお、リングバネ30の凸状曲成部31,31が嵌合する部分、即ち遮熱フード12のスリット12e,12e又は前面部材保持枠40のスリット41,41は遮熱フード12又は前面部材保持枠40にプレス加工した凹部であってもよい。
【0061】
【発明の効果】以上に説明したとおり、本発明に係る照明器具は、フードの先端部内側、或いはその先端部に装着される前面部材保持枠の内側にリングバネを設け、その周方向の一部を外部へ突出させて、スリット或いは凹部に嵌合させることにより、前面部材保持枠をフードの先端部に確実に固定することができ、しかも、その着脱操作が容易である。また、スリット或いは凹部をプレスにより簡単に形成することができ、ダイキャスト材を必要としないので、経済性が良好である。スリットを利用してリングバネが固定され、その固定部材を必要としないので、この点からも経済性が良好である。更に、リングバネが外側から殆ど見えないので、ネジ止めの場合のような意匠性の悪化も生じない。
【0062】前面部材保持枠或いはフードの先端部にバネ案内部を設けた場合は、押し込み力を軽減することによる操作性の向上、及び不完全装着を回避することによる安全性の向上を図るこことができる。
【0063】リングバネが反射体や前面部材としてのシールドガラス等の固定部材を兼ねる場合は、部品点数を低減し、コストダウンを図ることができる。
【0064】また、リングバネの凸部(M状曲成部)を設けておくと、前面部材保持枠を取り外しても、リングバネがフード又は前面部材保持枠に固定されたままの状態を保持するので、前面部材保持枠の取り外しの際のリングバネの脱落等を防止することができる。
【出願人】 【識別番号】000140269
【氏名又は名称】株式会社遠藤照明
【出願日】 平成9年(1997)11月22日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】大西 孝治 (外1名)
【公開番号】 特開平11−162229
【公開日】 平成11年(1999)6月18日
【出願番号】 特願平9−337756