| 【発明の名称】 |
プラズマデイスプレイパネル用フイルタとこれを用いたプラズマデイスプレイ表示装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】稗田 嘉弘
【氏名】宮内 和彦
【氏名】中野 秀作
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| 【要約】 |
【課題】可視光域で透明であり、かつプラズマデイスプレイパネルから放出される電磁波および熱線をシ―ルドでき、かつ近赤外線を効率的に反射できるプラズマデイスプレイパネル用フイルタを提供する。
【解決手段】透明フイルム基材10上に可視光透過率が50%以上で電磁波および熱線をカツトする金属薄膜層11とその上層および/または下層として無機ないし有機の透明コ―ト層12A,12Bを設けて電磁波・熱線カツトフイルム1を構成し、かつこのフイルム1とともに、近赤外線を反射する高分子液晶の固化層21Aにこれとは逆螺旋軸である上記同様の固化層21Bが透明接着材料層22を介して積層された近赤外線反射フイルム2を具備させて、プラズマデイスプレイパネル用フイルタX1を構成する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 透明フイルム基材上に可視光透過率が50%以上で電磁波および熱線をカツトする金属薄膜層とその上層および/または下層として無機ないし有機の透明コ―ト層が設けられて電磁波・熱線カツトフイルムが構成され、かつこのフイルムとともに、近赤外線を反射する高分子液晶の固化層にこれとは逆螺旋軸である上記同様の固化層が透明接着材料層を介して積層された近赤外線反射フイルムを具備してなるプラズマデイスプレイパネル用フイルタ。 【請求項2】 近赤外線を反射する高分子液晶の固化層が、グランジヤン配向したコレステリツク高分子液晶の固化層からなる請求項1に記載のプラズマデイスプレイパネル用フイルタ。 【請求項3】 近赤外線を反射する高分子液晶の固化層が、少なくとも1種の波長の光に対して円偏光二色性を示す単層または複合層からなる請求項1または2に記載のプラズマデイスプレイパネル用フイルタ。 【請求項4】 電磁波・熱線カツトフイルムと近赤外線反射フイルムとが一体化されて複合フイルムが構成され、その一面側に透明粘着剤層が、他面側に透明反射防止層または透明防眩層が設けられてなる請求項1〜3のいずれかに記載のプラズマデイスプレイパネル用フイルタ。 【請求項5】 透明硬質基板上に電磁波・熱線カツトフイルムと近赤外線反射フイルムとが設けられて硬質複合体が構成され、その一面側に透明反射防止層または透明防眩層が設けられてなる請求項1〜3のいずれかに記載のプラズマデイスプレイパネル用フイルタ。 【請求項6】 プラズマデイスプレイパネルの前面に、請求項4に記載のプラズマデイスプレイパネル用フイルタが、透明反射防止層または透明防眩層が外側となるように、透明粘着剤層を介して貼り付けられているプラズマデイスプレイ表示装置。 【請求項7】 プラズマデイスプレイパネルの前方に、請求項5に記載のプラズマデイスプレイパネル用フイルタが、透明反射防止層または透明防眩層が外側となるように、取り付けられているプラズマデイスプレイ表示装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマデイスプレイパネル用フイルタと、これを用いたプラズマデイスプレイ表示装置とに関するものである。 【0002】 【従来の技術】プラズマデイスプレイパネルは、画像特性が優先されるため、画面に画像を阻害する物体を配置することは極力制限されるが、画面から放出される電磁波と熱線の遮蔽は必要である。すなわち、プラズマデイスプレイパネルから放出される電磁波と熱線は多く、パネル表面温度は80〜100℃にもなり、火傷などの災害のおそれが危惧され、その改善が要望されている。また、上記の熱線以外に、近赤外線(波長:800〜1,100nm)の放出は、家電製品などのリモコン動作を誤動作させる問題があり、その対策が要望されている。 【0003】プラズマデイスプレイパネルから放出される近赤外線は、パネル内に封入されている希ガス、とくにNeガスなどの高電圧イオン化において発生するもので、プラズマデイスプレイの原理上発生するものである。このため、プラズマデイスプレイパネル用フイルタには、近赤外線カツト機能が必要となる。また、この種のフイルタとしては、プラズマデイスプレイ自体が主に大型(40インチ以上)のTV用途を目指しているため、画像特性が重要である。つまり、可視光透過率が高く(50%以上で)かつ色調はできるだけ透明が望ましい。 【0004】特開平7−160201号公報には、表示パネルの温度制御のため、表示パネルに沿つて機能的基板を配設したフラツトパネル表示装置が提案されている。上記の機能的基板は、蒸着やスパツタなどで形成した金属薄膜を所定間隔で多層に積層した光干渉により、可視光域を透過し赤外領域をカツトする光学フイルタを実現させるものである。しかし、この装置では、可視光透過率が低く、また金属薄膜の耐擦傷性などの耐久性に劣るなどの問題があり、さらに多層積層の高コスト面からも、実用的ではない。しかも、静電気、電磁波シ―ルド能、赤外線とくに近赤外線のカツト性などについては、言及されていない。 【0005】特開平8−55581号公報には、前面ガラス板の前方側に光学フイルタを設けたカラ―表示用プラズマデイスプレイ装置において、光学フイルタとして、一定範囲の可視光を吸収しかつ不要輻射電磁波を吸収する光・電磁波吸収層を設けて、コントラスト改善のため一定範囲の可視光を吸収させるとともに、上記装置で発生する不要輻射電磁波を吸収させることが、またガラス面に防眩用のノングレア層を、光・電磁波吸収層の上に光干渉除去用のノングレア層を設けて、防眩のため一定範囲の可視光の表面反射を減少させる一方、光干渉発生を除去するため一定範囲の可視光を分散させることが提案されている。 【0006】上記の光・電磁波吸収層は、可視光および電磁波を吸収する粒子、たとえば、カ―ボン粒子をバインダ中に分散させた吸収用塗布材料を透明基板の背面側に塗布することにより、形成されている。しかし、一般に、カ―ボンの固有抵抗率は9×10-4Ω・cmであつて、金属(Ag:2.1×10-6Ω・cm、Al:3.6×10-6Ω・cm)に比べて、2桁以上も高い。電磁波シ―ルドには、通常表面抵抗が10Ω/□以下となることが必要で、これを上記のカ―ボン粒子で実現するには、カ―ボン層の厚さを0.9μm以上にしなければならない。このときの可視光透過率は0%となり、カラ―表示用プラズマデイスプレイ装置への適用は不可能となる。また、近赤外線カツトなどについて、なんの記載もない。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような従来技術の問題点に鑑み、可視光域で透明であり、かつプラズマデイスプレイパネルから放出される電磁波および熱線をシ―ルドでき、かつ近赤外線を効率的に反射できる、したがつて、パネル表面の温度上昇や家電製品などの誤動作を防止できるプラズマデイスプレイパネル用フイルタとこれを用いたプラズマデイスプレイ表示装置を提供することを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の目的を達成するため、鋭意検討した結果、透明フイルム基材上に特定の金属薄膜層と無機ないし有機の透明コ―ト層を設けて電磁波・熱線カツトフイルムを構成し、このフイルムとともに、さらに近赤外線を反射する高分子液晶の固化層を含む特定の近赤外線反射フイルムを組み合わせ使用することにより、フイルタ全体として可視光域の透明性が高く、かつプラズマデイスプレイパネルから放出される電磁波および熱線を良好にシ―ルドでき、しかも上記パネルから放出される近赤外線を効果的に反射でき、これによりパネル表面の温度上昇や家電製品などの誤動作を防止できるプラズマデイスプレイパネル用フイルタが得られることを知り、本発明を完成するに至つた。 【0009】すなわち、本発明は、透明フイルム基材上に可視光透過率が50%以上で電磁波および熱線をカツトする金属薄膜層とその上層および/または下層として無機ないし有機の透明コ―ト層が設けられて電磁波・熱線カツトフイルムが構成され、かつこのフイルムとともに、近赤外線を反射する高分子液晶の固化層にこれとは逆螺旋軸である上記同様の固化層が透明接着材料層を介して積層された近赤外線反射フイルムを具備してなるプラズマデイスプレイパネル(以下、PDPという)用フイルタ(請求項1)に係るものであり、このPDP用フイルタにおいて、とくに、近赤外線を反射する高分子液晶の固化層がグランジヤン配向したコレステリツク高分子液晶の固化層からなる態様(請求項2)、近赤外線を反射する高分子液晶の固化層が少なくとも1種の波長の光に対して円偏光二色性を示す単層または複合層からなる態様(請求項3)を、好ましい態様としている。 【0010】また、本発明は、このようなPDP用フイルタとして、上記の電磁波・熱線カツトフイルムと近赤外線反射フイルムとが一体化されて複合フイルムが構成され、その一面側に透明粘着剤層が、他面側に透明反射防止層または透明防眩層が設けられてなるPDP用フイルタ(請求項4)と、透明硬質基板上に上記の電磁波・熱線カツトフイルムと近赤外線反射フイルムとが設けられて硬質複合体が構成され、その一面側に透明反射防止層または透明防眩層が設けられてなるPDP用フイルタ(請求項5)を、それぞれ、提供できるものである。 【0011】さらに、本発明は、プラズマデイスプレイ表示装置として、PDPの前面に、上記前者(請求項4)のPDP用フイルタが、透明反射防止層または透明防眩層が外側となるように、透明粘着剤層を介して貼り付けられているプラズマデイスプレイ表示装置(請求項6)と、PDPの前方に、上記後者(請求項5)のPDP用フイルタが、透明反射防止層または透明防眩層が外側となるように、取り付けられているプラズマデイスプレイ表示装置(請求項7)を、それぞれ、提供できるものである。 【0012】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図1〜図6を参考にして説明する。図1は、本発明のPDP用フイルタの一例を示したものである。このPDP用フイルタX1は、透明フイルム基材10上に可視光透過率が50%以上で電磁波および熱線をカツトする金属薄膜層11とその上層および下層として無機ないし有機の透明コ―ト層12A,12Bが設けられて電磁波・熱線カツトフイルム1が構成され、このフイルム1と、近赤外線を反射する高分子液晶の固化層21Aにこれとは逆螺旋軸(逆巻き、逆捻じれまたは逆キラルともいう)である上記同様の固化層21Bが透明接着材料層22を介して積層された近赤外線反射フイルム2とが一体化されて、複合フイルム102が構成され、その一面側に透明粘着剤層3が、他面側に透明反射防止層または透明防眩層4が設けられている。 【0013】透明フイルム基材10としては、可視光域で透明であり、フレキシブル性を有し、機械的強度にすぐれ、耐熱性の良好なプラスチツクフイルム、たとえば、ポリエステル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリカ―ボネ―ト樹脂、ポリエチレンナフタレ―ト樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエ―テルイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスルフオン、ポリフエニレンサルフアイド、ポリエ―テルスルフオンなどの樹脂からなるフイルムが用いられる。この透明フイルム基材10は、単層であつても、2層以上の複合層であつてもよいが、全体の厚さは5〜600μmであるのがよい。また、この透明フイルム基材10としては、密着性向上のためのコロナ処理や易接着処理を施したものであつてもよい。 【0014】金属薄膜層11には、可視光透過率が50%以上、好ましくは60%以上で、波長25μm以下(通常1μm以上)の熱線を反射し、かつ10〜1,000MHZ の電磁波を遮蔽できるように、材質や厚さなどが決められる。上記熱線の反射は、透過率が通常50%以下、好ましくは30%以下となることを意味する。材質としては、Ag、Al、Pb、Sn、Zr、Ni、In、Au、Cu、Znなどの金属または合金があり、厚さは通常5〜500nmであるのがよい。また、この金属薄膜層11は、単層であつても、2層以上の複合層であつてもよい。形成方法としは、真空蒸着法、スパツタリング法、メツキ法(液相)などがあり、必要により、パタ―ニングなどの加工を行つてもよい。 【0015】透明コ―ト層12A,12Bは、いずれも、無機の透明コ―ト層であつても、有機の透明コ―ト層であつてもよい。無機の透明コ―ト層は、主に金属薄膜層11の可視光域の透明性を向上させるのが目的であり、公知の光干渉法を利用して透過率を向上させる。また、有機の透明コ―ト層は、主に金属薄膜層11の透明性を向上させるとともに、耐久性を向上させるのが目的である。 【0016】無機の透明コ―ト層には、可視光に対して1.3以上、好適には1.4以上の屈折率を有し、かつ可視光透過率が50%以上、好適には70%以上であるものが選択使用される。代表的な材料としては、MgF2 、Si、SiO、SnOx(1≦x≦2)、ZnSなどがあり、SiO2 、Al2 O3 、TiO2 、TiO、In2 O3 、ITOなども使用できる。形成方法としては、真空蒸着法、スパツタリング法、イオンプレ―テング法、ゾル粒子による塗工法などがある。 【0017】有機の透明コ―ト層には、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコ─ン樹脂、フツ素樹脂、ポリイミド樹脂、(メタ)アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂などの熱可塑性樹脂、各種の熱硬化性樹脂、紫外線または電子線硬化型樹脂などがある。形成方法としては、各種の塗工方法があり、厚さは0.01〜50μmであるのがよい。 【0018】電磁波・熱線カツトフイルム1は、図1に示すように、透明フイルム基材10上に金属薄膜層11を設け、その上層として無機ないし有機の透明コ―ト層12Aを、下層として無機ないし有機の透明コ―ト層12Bを設けて構成するほか、金属薄膜層11に対して上層の透明コ―ト層12Aだけか、あるいは下層の透明コ―ト層12Bだけを設けて、構成してもよい。 【0019】近赤外線を反射する高分子液晶の固化層21A(21B)は、可視光透過率が60%以上、好ましくは70%以上の透明性があり、かつ近赤外線(波長:800〜1,100nm)を反射する特性を示すものであり、その代表例として、グランジヤン配向したコレステリツク高分子液晶の固化層が挙げられる。この固化層21A(21B)は、円偏光二色性を示し、螺旋軸に対して平行に入射する(入射角:0度)自然光のうち、ある波長の光の約半分を右(または左)円偏光として反射し、残りの約半分を左(または右)円偏光として透過する。 【0020】図2は、左螺旋軸(左巻きまたは左捻じれともいう)のコレステリツク高分子液晶の固化層21Aについて、円偏光二色性として、ある波長の自然光のうち、左円偏光を反射し、右円偏光を透過する様子を示したものである。これとは逆に、右螺旋軸(右巻きまたは右捻じれともいう)のコレステリツク高分子液晶の固化層21Bの場合は、右円偏光を反射し、左円偏光を透過する。ここで、選択波長λは、λ=n・Pで決定される。上記のnはコレステリツク高分子液晶の平均屈折率、上記のPはコレステリツク高分子液晶の固化層21A(21B)の螺旋(捻じれ)ピツチである。 【0021】上記のコレステリツク高分子液晶としては、ポリエステル系、ポリカ―ボネ―ト系などの主鎖型高分子液晶のメソゲンをつなぐ屈曲鎖に光学活性成分を導入したものや、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリシロキサンなどの骨格主鎖にメチレン鎖のような屈曲鎖を介し側鎖としてコレステリン誘導体や不整炭素原子を含む光学活性なメソゲンを結合した側鎖型高分子液晶などが挙げられる。これらの高分子液晶は、単独重合体に限らず、共重合体であつてもよく、また1種または2種以上の混合物であつてもよい。 【0022】コレステリツク高分子液晶の固化層21A(21B)は、公知の配向処理により形成される。たとえば、基板20上にポリイミドやポリビニルアルコ―ルなどからなる配向膜を形成し、これをレ―ヨンなどの布などでラビング処理し、その上にコレステリツク高分子液晶を展開する。この高分子液晶をそのガラス転移温度以上、等方相転移温度未満に加熱し、上記液晶がグランジヤン配向した状態でガラス転移温度未満に冷却してガラス状態とすると、配向が固定化された固化層が形成される。このように形成される固化層21A(21B)の厚さは、単層で0.5〜20μm、好ましくは1〜10μmである。薄すぎると近赤外線の反射率が低くなり、厚すぎると均一配向性が低下し、配向不良(白化)が発生したり、円偏光二色性が低下し、また配向処理が長時間となるなどの問題がある。 【0023】基板20には、トリアセチルセルロ―ス、ポリビニルアルコ―ル、ポリイミド、ポリアリレ―ト、ポリエステル、ポリカ―ボネ―ト、ポリスルフオン、エポキシ系樹脂などからなるプラスチツクフイルムや、ガラス板などが用いられる。このような基板20上に形成される高分子液晶の固化層21A(21B)は、基板20との一体物としてそのまま使用するか、あるいは基板20より剥離して単独のフイルム状物として使用でき、さらに別の基板へ転写して使用してもよい。図1では、上記の基板20との一体物として使用した例を示している。 【0024】高分子液晶の展開には、加熱溶融による展開、溶剤による溶液展開などの方法がある。後者では、溶剤として、トルエンなどの芳香族系、メチルエチルケトンやシクロヘキサノンなどのケトン系、塩化メチレンやトリクロロエチレンなどの塩素系、テトラヒドラフランなどの1種または2種以上を使用し、これらの溶剤に完全に溶解した系で展開するか、サスペンシヨンのように分散した系で展開する。展開には、スピナ、ロ―ルコ―タなどの方法が用いられる。展開性の向上や膜の安定性の点より、高分子液晶以外に、安定剤、レベリング剤、可塑剤などの無機、有機、金属類などの添加剤を加えてもよい。 【0025】高分子液晶の固化層21A(21B)は、単層では近赤外線を反射する波長域に限度があり、通常は100〜150nmの波長域に限られる。そこで、近赤外線(波長800〜1,100nm)の有効反射のため、異なる波長の光に対し円偏光二色性を示す高分子液晶を2層以上積層、つまり反射円偏光の中心波長が異なる組み合わせで2層以上積層し、複合層としてもよい。複合層は、波長域の拡大化のほかに、斜め入射光の波長シフトに対処する場合にも有効となる。 【0026】ここで、上記高分子液晶の固化層21Aと21Bは、互いに逆螺旋軸(逆巻き、逆捻じれまたは逆キラルともいう)に関係にあり、この両者が透明接着材料層22を介して積層されて、近赤外線反射フイルム2が構成される。このように構成すると、一方の固化層21Aにより、ある波長の光の約半分が右(または左)円偏光として反射され、残りの約半分が左(または右)円偏光として透過するが、この透過光は透明接着材料層22を透過し他方の固化層21Bに達したときに、この固化層21Bが上記の固化層21Aとは逆螺旋軸の関係にあることから、この固化層21Bにより反射され、逆経路を経て外に反射される。つまり、上記高分子液晶の固化層21Aとこれと逆螺旋軸の固化層21Bとを組み合わせることにより、ある波長の全光線を反射することが可能となる。 【0027】図3は、左螺旋軸のコレステリツク高分子液晶の固化層21Aと右螺旋軸のコレステリツク高分子液晶の固化層21Bとを用いて上記近赤外線反射フイルム2を構成させたときの選択反射の様子を示したものであり、最初の固化層21Aにより、ある波長の自然光のうち、まず、左円偏光が反射され、右円偏光は透過するが、これが透明接着材料層22を透過し、つぎの固化層21Bに達したとき、この固化層21Bより反射されて、逆経路を経て外に反射される。 【0028】なお、上記のように、高分子液晶の固化層21Aと21Bとを、互いに逆螺旋軸の関係に設定するには、たとえば、後記の実施例に示すコレステリツク側鎖型高分子液晶において、b成分モノマ―のキラル部がR体であれば右螺旋軸となり、S体であれば左螺旋軸となるというように、上記液晶のキラル部のR体,S体の選択により、容易に右または左螺旋軸の設定ができる。 【0029】透明接着材料層22は、濡れ性、凝集性、接着性を有するポリマ―からなり、透明性にすぐれ(可視光透過率が70%以上)、耐候性、耐熱性にすぐれるものであれば種々の接着材料が使用可能であり、粘着剤であつても、粘着剤以外の接着剤であつてもよい。粘着剤の場合は、厚さが5〜100μm、好ましくは5〜50μmであるのがよく、また粘着剤以外の接着剤の場合は、厚さは5〜100μm、好ましくは5〜50μmであるのがよい。 【0030】粘着剤には、アクリル系、ゴム系、ポリエステル系などがあり、とくにアクリル系粘着剤を用いるのが好ましい。アクリル系粘着剤は、アクリル系ポリマ―、つまり、粘着剤に主として適度な濡れ性および柔軟性を付与する単量体として、ホモポリマ―のガラス転移点が−10℃以下となるアクリル酸アルキルエステルまたはメタクリル酸アルキルエステルの1種または2種以上を使用したアクリル系共重合体を用い、これに適宜公知の各種添加剤を含ませたものが用いられる。熱架橋タイプ、光(紫外線、電子線)架橋タイプなどであつてもよい。 【0031】粘着剤以外の接着剤には、天然高分子系のニカワ、デンプン、半合成高分子系の酢酸セルロ―ス、合成高分子系のポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリクロロプレン、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(NBR)、メラミン樹脂、アクリル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂などを用いたものがある。また、これらは、常温硬化、加熱硬化、紫外線、電子線、レ―ザ照射硬化タイプなどの各種硬化タイプの接着剤として、使用することができる。 【0032】このような近赤外線反射フイルム2は、電磁波・熱線カツトフイルム1と一体化されて、複合フイルム102とされる。その際、図1に示すように、近赤外線反射フイルム2を、透明粘着剤層31を介して、電磁波・熱線カツトフイルム1の透明フイルム基材10側に接着一体化させるのが望ましい。しかし、場合により、上記フイルム1の金属薄膜層11(および透明コ―ト層12A,12B)側に接着一体化させることもできる。 【0033】複合フイルム102の一面側、つまり近赤外線反射フイルム2側に、透明粘着剤層3が設けられ、他面側、つまり電磁波・熱線カツトフイルム1側に、透明反射防止層または透明防眩層4が設けられる。両層3,4は、上記と逆の配置構成で設けてもよい。透明粘着剤層3としては、濡れ性、凝集性、接着性を有するポリマ―からなり、透明性にすぐれ(可視光透過率が70%以上)、耐候性、耐熱性にすぐれるものが好ましく、具体的には、前記の透明接着材料層22における粘着剤と同様構成のものが用いられ、とくにアクリル系粘着剤が好ましく用いられる。厚さは5〜100μm、好ましくは5〜50μmである。前記の透明粘着剤層31についても、これと同様のものが用いられる。 【0034】透明反射防止層または透明防眩層4は、透明支持基材40上に形成されて、この支持基材40と一体に透明粘着剤層32を介して、複合フイルム102の他面側に設けられる。ここで、上記の透明支持基材40および透明粘着剤層32は、それぞれ、前記の透明フイルム基材10および透明粘着剤層3と同様のものが用いられる。 【0035】このような透明反射防止層4は、可視光透過率が70%以上で、外光の反射が5%以下となるように構成されておればよく、単層でも複合層でもよい。また、上記の反射特性に加えて、ハ―ドコ―ト層(硬度2H以上)や帯電防止性、耐汚染性、耐候性、耐光性などの機能を付与したものであつてもよい。 【0036】光干渉法を利用した無機ないし有機の透明反射防止層4には、可視光に対して1.3以上、好ましくは1.4以上の屈折率を有するものが選択使用される。代表的な材料には、MgF2 、Si、SiO、SnOx(1≦x≦2)、ZnSなどがあり、その他、SiO2 、Al2 O3 、TiO2 、TiO、In2 O3 なども使用できる。形成方法には、真空蒸着法、スパツタリング法、イオンプレ―テング法や、ゾル粒子による塗工法、上記の無機材料(微粒子)を可視光透過率が70%以上である透明樹脂に分散した組成物の塗工法などがある。上記の透明樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、放射線硬化性樹脂(紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂)などの各種樹脂が用いられる。 【0037】また、透明防眩層4は、可視光透過率が70%以上で、ヘイズ値が20%以下となるように構成されておればよい。このような防眩層は、従来公知の微粒子分散タイプやそれ以外の微細な表面凹凸からなるものなどが用いられる。また、上記の防眩性に加えて、ハ―ドコ―ト層(硬度2H以上)や帯電防止性、耐汚染性、耐候性などの機能を付与したものであつてもよい。 【0038】上記構成のPDP用フイルタX1は、全体として可視光域で透明であり、使用に際し、比較的薄くて軽量なフイルタとして、図4に示すように、PDP6の前面に、透明粘着剤層3を介して直接貼り付けられる。その際、金属薄膜層11には、電磁波シ―ルド性を出すために、導電性ペ―スト材料、たとえばAgペ―ストなどによるア―スを設置することができ、必要によりア―ス構造を2辺、4辺などに設定してもよい。PDP側にア―スをとる構造では、PDPに対して電磁波・熱線カツトフイルム1と近赤外線反射フイルム2との位置関係を逆にして、上記フイルム1の金属薄膜層11(および透明コ―ト層12A,12B)がPDP側に位置する構成としてもよい。 【0039】このように作製されるプラズマデイスプレイ表示装置は、上記フイルタX1により視認性が阻害されることはなく、透明反射防止層4によりフイルタ最表面の外光の反射を5%以下に抑えれるため、または透明防眩層4による防眩効果を期待できるため、高度の視認性が得られる。また、PDP内部より放出される電磁波および熱線を電磁波・熱線カツトフイルム1の金属薄膜層11(および透明コ―ト層12A,12B)により反射シ―ルドでき、さらに、近赤外線反射フイルム2における高分子液晶の固化層21Aとこれと逆螺旋軸の固化層21Bとの組み合わせに基づく前記選択反射により、PDP内部より放出される近赤外線を効果的に反射でき、これと金属薄膜層11(および透明コ―ト層12A,12B)により、上記の近赤外線を通常15%以下、好ましくは10%以下にまでカツトできる。このため、パネル表面の過度な温度上昇を回避でき、また家電製品などのリモコンの誤動作も生じない。 【0040】図5は、本発明のPDP用フイルタの他の例を示している。このPDP用フイルタX2は、透明フイルム基材10上に金属薄膜層11とその上層および下層として無機ないし有機の透明コ―ト層12A,12Bを設けて電磁波・熱線カツトフイルム1を構成し、また高分子液晶の固化層21A(およびその基板20)にこれとは逆螺旋軸の上記同様の固化層21B(およびその基板20)を透明接着材料層22を介して積層して近赤外線反射フイルム2を構成している点は、前記のPDP用フイルタX1と同じである。しかし、上記の電磁波・熱線カツトフイルム1と、上記の近赤外線反射フイルム2とが、透明硬質基板5上に設けられて、硬質複合体125が構成され、その一面側に透明反射防止層または透明防眩層4が設けられている点で、PDP用フイルタX1と異なつている。 【0041】このPDP用フイルタX2において、電磁波・熱線カツトフイルム1を構成する透明フイルム基材10、金属薄膜層11および無機ないし有機の透明コ―ト層12A,12Bと、近赤外線反射フイルム2を構成する高分子液晶の固化層21A,21B(およびそれらの各基板20)および透明接着材料層22は、いずれも、前記のPDP用フイルタX1の場合と同様のものが用いられる。一方、透明硬質基板5は、PDP用フイルタの強度を向上させるためのものであり、可視光透過率が70%以上という高い透明性を有する、厚さが1〜10mm程度の硬質板、たとえば、ガラス板や、(メタ)アクリル板、ポリカ―ボネ―ト板、ポリエステル板、エポキシ板、ポリイミド板などの樹脂板などが用いられる。軽量化の点からは、ガラス板よりも樹脂板を用いた方がより好ましい。 【0042】硬質複合体125は、図5に示すように、電磁波・熱線カツトフイルム1と近赤外線反射フイルム2とを、透明粘着剤層33により接着一体化し、これをさらに透明粘着剤層34を介して、近赤外線反射フイルム2が内側となるように、透明硬質基板5上に接着一体化させることにより、構成される。ここで、上記の両フイルム1と2とは、両者の位置関係が逆になつてもよく、また透明硬質基板5の両面側に別々に接着一体化させることもできる。 【0043】このような硬質複合体125の一面側(この例では、透明硬質基板5の露出表面側)には、PDP用フイルタX1の場合と同様構成の透明反射防止層または透明防眩層4(およびその透明支持基材40)が、透明粘着剤層35を介して、設けられる。なお、透明反射防止層または透明防眩層4は、透明支持基材40を用いないで、透明硬質基板5の露出表面に対して直接形成してもよい。また、透明反射防止層または透明防眩層4(およびその透明支持基材40)は、図5に示す電磁波・熱線カツトフイルム1(の透明コ―ト層12A)上に透明粘着剤層を介して設けるようにしてもよい。上記の透明粘着剤層35および前記の透明粘着剤層33,34は、いずれも、PDP用フイルタX1に用いた透明粘着剤層3と同様構成のものが用いられる。 【0044】上記構成のPDP用フイルタX2は、全体として可視光域で透明で、使用に際し、図6に示すように、PDP6の前方側1〜10mm離れた位置に、透明反射防止層または透明防眩層4が外側となるように配設し、公知の手段により取り付け固定される。このように作製されるプラズマデイスプレイ表示装置は、高度の視認性を示し、かつPDP内部より放出される電磁波、熱線および近赤外線を前記同様に良好に反射カツトでき、とくにパネル側に配置した金属薄膜層11などにより電磁波と熱線のカツト効果が大きく、パネル表面の過度な温度上昇が効果的に抑制され、さらに家電製品などのリモコンの誤動作を防ぐことができる。 【0045】 【実施例】つぎに、本発明の実施例を記載して、より具体的に説明する。なお、以下において、透過率および全反射率は、日立(株)製の分光光度計U−3410で測定した。また、可視光透過率および反射率は、波長550nmでの測定値である。さらに、表面抵抗は、三菱化学(株)製の低抵抗率計ロレスタ―SPを用いて、四探針法で測定した。 【0046】実施例1透明フイルム基材として、厚さが50μmのポリエチレンテレフタレ―トフイルム(以下、PETフイルムという)を用い、その片面に、金属薄膜層および無機ないし有機の透明コ―ト層として、ポリウレタン層(厚さ0.5μm)/SnO2 層(厚さ500nm)/Ag層(厚さ100nm)/SnO2 層(厚さ500nm)/熱硬化アクリルウレタン層(厚さ0.1μm)を、この順に形成して、電磁波・熱線カツトフイルムとした。このフイルムの表面抵抗は約6Ω/□であり、可視光透過率は80%、近赤外線透過率は65%(800nm)、54%(900nm)、44%(1,000nm)であつた。 【0047】これとは別に、基板として厚さが50μmのトリアセチルセルロ―スフイルムを使用し、これに厚さが0.1μmのポリビニルアルコ―ル層を設け、この層をレ―ヨン布でラビング処理した。この処理面に、下記のa成分モノマ―89ミリモルと、キラル部がS体である下記のb成分モノマ―11ミリモルとのアクリル系共重合体からなるコレステリツク側鎖型高分子液晶(ガラス転移温度約80℃、等方相転移温度230℃、重量平均分子量8,000)を溶解したシクロヘキサノン溶液を、ワイヤ―バで塗布し、150℃で15分間乾燥および配向処理を行つたのち、室温に冷却して、厚さが4μmの上記高分子液晶の固化層(S体、左螺旋軸)を形成した。 【0048】<a成分モノマ―> (式中、φはp−フエニレン基である) 【0049】<b成分モノマ―> (式中、φはp−フエニレン基、Yはα−ナフチル基であり、*は不整炭素原子であることを意味する) 【0050】なお、上記のa成分モノマ―とb成分モノマ―とのアクリル系共重合体は、b成分モノマ―の共重合比率により、コレステリツク側鎖型高分子液晶分子としての螺旋ピツチが変化する。図7は、この変化に基づいた、b成分モノマ―の共重合比率と円偏光二色性を示す中心波長との関係を示したものである。同図から、上記の実施例で用いたa成分モノマ―89ミリモルとb成分モノマ―11ミリモルとのアクリル系共重合体は、およそ900nmの中心波長を反射するコレステリツク側鎖型高分子液晶となることがわかる。 【0051】つぎに、基板として厚さが50μmのトリアセチルセルロ―スフイルムを使用し、これに厚さが0.1μmのポリビニルアルコ―ル層を設け、この層をレ―ヨン布でラビング処理した。この処理面に、上記のa成分モノマ―89ミリモルと、キラル部がR体である上記のb成分モノマ―11ミリモルとのアクリル系共重合体からなるコレステリツク側鎖型高分子液晶(ガラス転移温度約80℃、等方相転移温度230℃、重量平均分子量8,000)を溶解したシクロヘキサノン溶液を、ワイヤ―バで塗布し、150℃で15分間乾燥および配向処理を行つたのち、室温に冷却して、厚さが4μmの上記高分子液晶の固化層(R体、右螺旋軸)を形成した。 【0052】このように基板上に形成した左螺旋軸のコレステリツク側鎖型高分子液晶の固化層と、右螺旋軸のコレステリツク側鎖型高分子液晶の固化層とを、両者間に厚さが20μmのアクリル系の透明粘着剤層を介在させて、貼り合わせ積層して、近赤外線反射フイルムとした。この近赤外線反射フイルムを、アクリル系の透明粘着剤層を介して、前記の電磁波・熱線カツトフイルムの透明フイルム基材側に貼り付けた。この貼り付け体を、近赤外線反射フイルムが内側となるように、アクリル系の透明粘着剤層を介して、厚さが4mmのポリメチルメタクリレ―トからなる透明硬質基板に貼り合わせて、硬質複合体とした。 【0053】ついで、厚さが50μmのPETフイルムの片面に、TiO2 層/SiO2 層からなる厚さが0.2μmの透明反射防止層を形成し、その上に紫外線硬化性アクリル樹脂からなるハ―ドコ―ト層を形成した反射防止処理フイルムを使用し、これをアクリル系の透明粘着剤層を介して、前記の硬質複合体の透明硬質基板側に貼り合わせて、図5に示す構造のPDP用フイルタを作製した。 【0054】実施例2PETフイルム(厚さ50μm)の片面に、In2 O3 層(厚さ400nm)/Ag層(厚さ100nm)/In2 O3 層(厚さ400nm)/Ag層(厚さ100nm)/In2 O3 層(厚さ400nm)を、この順に形成して、電磁波・熱線カツトフイルムとした。表面抵抗は約3Ω/□、可視光透過率は75%、近赤外線透過率は40%(800nm)、15%(900nm)、6%(1,000nm)であつた。この電磁波・熱線カツトフイルムを使用した以外は、実施例1と同様にして、図5に示す構造のPDP用フイルタを作製した。 【0055】実施例3PETフイルム(厚さ50μm)の片面に、ITO層(厚さ400nm)/Ag層(厚さ150nm)/ITO層(厚さ400nm)を、この順に形成して、電磁波・熱線カツトフイルムとした。表面抵抗は約5Ω/□、可視光透過率は78%、近赤外線透過率は45%(800nm)、30%(900nm)、15%(1,000nm)であつた。この電磁波・熱線カツトフイルムを用いた以外は、実施例1と同様にして、図5に示す構造のPDP用フイルタを作製した。 【0056】比較例1左螺旋軸と右螺旋軸のコレステリツク側鎖型高分子液晶の固化層を透明粘着剤層を介して貼り合わせ積層した近赤外線反射フイルムの使用を省き、電磁波・熱線カツトフイルムの透明フイルム基材側を、アクリル系の透明粘着剤層を介して、透明硬質基板に貼り合わせ、さらにこの透明硬質基板の反対面側に、アクリル系の透明粘着剤層を介して、反射防止処理フイルムを貼り合わせるようにした以外は、実施例1と同様にして、PDP用フイルタを作製した。 【0057】比較例2電磁波・熱線カツトフイルムの使用を省き、左螺旋軸と右螺旋軸のコレステリツク側鎖型高分子液晶の固化層を透明粘着剤層を介して貼り合わせ積層した近赤外線反射フイルムを、アクリル系の透明粘着剤層を介して、透明硬質基板に貼り合わせ、さらにこの透明硬質基板の反対面側に、アクリル系の透明粘着剤層を介して、反射防止処理フイルムを貼り合わせるようにした以外は、実施例1と同様にして、PDP用フイルタを作製した。 【0058】比較例3基板上に形成した左螺旋軸のコレステリツク側鎖型高分子液晶の固化層を、これに右螺旋軸のコレステリツク側鎖型高分子液晶の固化層を貼り合わせずに、電磁波・熱線カツトフイルムの透明フイルム基材側に、アクリル系の透明粘着剤層を介して、貼り付けた。この貼り付け体を、上記固化層が内側となるように、透明硬質基板に貼り合わせ、さらにこの透明硬質基板の反対面側に、アクリル系の透明粘着剤層を介して、反射防止処理フイルムを貼り合わせるようにした以外は、実施例1と同様にして、PDP用フイルタを作製した。 【0059】以上の実施例および比較例の各PDP用フイルタについて、表面抵抗、可視光透過率、近赤外線透過率、可視光全反射率を調べた。結果は、表1に示されるとおりであつた。近赤外線透過率は800〜1,000nmでの透過率の最大値を示し、近赤外線透過率30%は70%の反射率であることを意味する。家電製品の誤動作を防ぐには、近赤外線透過率が30%以下、望ましくは15%以下、さらに望ましくは10%以下であるのがよい。可視光全反射率は7゜入射で、測定面の裏面を黒板で遮蔽した形態で測定した。 【0060】
【0061】上記の表1の結果から明らかなように、実施例1〜3のPDP用フイルタは、いずれも、72%以上という高い可視光透過率を示し、しかも外光の全反射率も2%以下と低く、良好な視認性が得られている。また、電磁波・熱線カツトフイルムに基づく6Ω/□以下という小さな表面抵抗より、電磁波および熱線を良好にカツトシ―ルドできるとともに、近赤外線透過率を15%以下、とくに実施例2,3では10%以下に抑えれるものであることがわかる。 【0062】 【発明の効果】以上のように、本発明においては、透明フイルム基材上に特定の金属薄膜層と無機ないし有機の透明コ―ト層を設けた電磁波・熱線カツトフイルムと、近赤外線を反射する高分子液晶の固化層にこれとは逆螺旋軸の上記同様の固化層を積層した近赤外線反射フイルムとを具備する構成としたことにより、可視光域の透明性が高く、かつPDPから放出される電磁波および熱線を良好にシ―ルドでき、しかもPDPから放出される近赤外線を効果的に反射でき、したがつて、パネル表面の温度上昇や家電製品などの誤動作を防止できるPDP用フイルタと、これを用いたプラズマデイスプレイ表示装置を提供することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003964 【氏名又は名称】日東電工株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)8月12日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】祢▲ぎ▼元 邦夫
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| 【公開番号】 |
特開平11−66933 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)3月9日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−217909 |
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