トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F21 照明




【発明の名称】 反射鏡付き直流点灯型ショートアーク超高圧放電ランプ
【発明者】 【氏名】大山 将允

【氏名】近藤 吉輝

【氏名】釜谷 佳治

【氏名】有本 智良

【氏名】後藤 一浩

【要約】 【課題】失透を生じる発光管上部の温度を下げると同時に、発光管下部の温度低下も防止し、高い動作圧を得ることができる反射鏡付き直流点灯型ショートアーク超高圧放電ランプを提供すること。

【解決手段】一対の電極が2.5mm以下の間隔で対向配置しており、点灯時の水銀蒸気圧が80気圧以上である直流点灯型ショートアーク超高圧放電ランプ1と、この放電ランプ1を取り囲み前面カバー3を有する非磁性体の凹面反射鏡2とを具え、当該放電ランプ1の軸線と凹面反射鏡3の光軸が略一致した状態でランプ1の一方の封止部が凹面反射鏡の中央底部に取り付けられ、他方の封止部が凹面反射鏡の前面カバーのある開口側に向けて延在した反射鏡付き直流点灯型ショートアーク超高圧放電ランプにおいて、前記凹面反射鏡の外側表面、もしくは、外側近傍に一対の永久磁石31、32が、それぞれN極とS極とが対向するように配設され、これら永久磁石同士を結ぶ直線は、当該放電ランプ1の光軸と垂直であることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】一対の電極が2.5mm以下の間隔で対向配置しており、点灯時の水銀蒸気圧が80気圧以上である直流点灯型ショートアーク超高圧放電ランプと、この放電ランプを取り囲み前面カバーを有する非磁性体の凹面反射鏡とを具え、当該放電ランプの軸線と凹面反射鏡の光軸が略一致した状態でランプの一方の封止部が凹面反射鏡の中央底部に取り付けられ、他方の封止部が凹面反射鏡の前面カバーのある開口側に向けて延在した反射鏡付き直流点灯型ショートアーク超高圧放電ランプにおいて、前記凹面反射鏡の外側表面には一対の永久磁石が、それぞれ前記N極とS極とが対向するように配設され、これら永久磁石同士を結ぶ仮想直線は、当該放電ランプの光軸と垂直であることを特徴とする反射鏡付き直流点灯型ショートアーク超高圧放電ランプ。
【請求項2】前記直流点灯型ショートアーク超高圧放電ランプは、水平に配置して点灯され、前記一対の永久磁石はそれぞれ前記N極とS極が対向するように凹面反射鏡の両側面近傍に設けられたことを特徴とする請求項1に記載する反射鏡付き直流点灯型ショートアーク超高圧放電ランプ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電極間距離が2.5mm以下で点灯時の水銀蒸気圧が80気圧以上の水銀を含むランプであって、液晶バックライトなどに使用する反射鏡付きの直流点灯型ショートアーク超高圧放電ランプに関する。
【0002】
【従来の技術】投射型の液晶ディスプレイ装置では、矩形状のスクリーンに対して均一に、しかも十分な演色性をもって照明させることが必要とされる。このため、光源として水銀や金属ハロゲン化物を封入させたメタルハライドランプが使われ、また、このランプを凹面反射鏡に組み込んで光学系としてインテグレータレンズを使ったものなどが広く知られている。さらに、近年は、より明るい投射映像が要求されるため、光の利用効率を高めるために偏光変換板などを用いてP波、S波の両方の光を利用することが実現されている。
【0003】一方、このような偏光変換板を使う場合には、光の平行度をより高めることが必要となり、光源についても、限りなく点に近い高輝度光源を実現するための研究が行われている。
【0004】このような背景のもと、最近では今までにない高い水銀蒸気圧、例えば200バール(約197気圧)以上というランプが提案されている。これは、水銀蒸気圧をより高くすることで、アーク輝点を小さくして高輝度にする(絞り込む)とともに、より一層の光出力の向上も図れるというものである。このような放電ランプは、例えば、特開平2−148561号、特開平6−52830号に開示されている。
【0005】ところで、上記公報に開示される超高圧水銀ランプは、高い蒸気圧のために、当然のことながら点灯時における発光管の温度は著しく高くなる。また、この種のランプは、通常、光軸を水平にして点灯させるものであるが、発光空間が小さいことから、著しく高い温度によって発光管上部に失透などの問題を発生させてしまう。一方、発光管を大きくすると上記失透の問題は解消される。しかし、発光管下部の温度が下がってしまい、充分な水銀圧力が得られなくなり、結果として輝度の低下を招いてしまう。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、この発明が解決しようとする課題は、失透を生じる発光管上部の温度を下げると同時に、発光管下部の温度低下も防止し、より高い動作圧を得ることができる反射鏡付き直流点灯型ショートアーク超高圧放電ランプを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、一対の電極が2.5mm以下の間隔で対向配置しており、点灯時の水銀蒸気圧が80気圧以上である直流点灯型ショートアーク型超高圧放電ランプと、この放電ランプを取り囲み前面カバーを有する非磁性体の凹面反射鏡とを具え、当該放電ランプの軸線と凹面反射鏡の光軸が略一致した状態でランプの一方の封止部が凹面反射鏡の中央底部に取り付けられ、他方の封止部が凹面反射鏡の前面カバーのある開口側に向けて延在した反射鏡付き直流点灯型ショートアーク超高圧放電ランプにおいて、前記凹面反射鏡の外側表面、もしくは外側近傍に一対の永久磁石が、それぞれN極とS極とが対向するように配設され、これら永久磁石同士を結ぶ直線は、当該放電ランプの光軸と垂直であることを特徴とする。
【0008】
【作用】本発明は、より点に近い高輝度光源を実現するために電極間距離を2.5mm以下と小さくするとともに、凹面反射鏡の外側表面、もしくは外側近傍に配設されたN極の磁石、S極の磁石による磁力を使っている。すなわち、フレミングの左手の法則に基づいて、アーク中のフレア部分を良好に押し下げて、発光管下部の温度を上昇させ点灯時の水銀の未蒸発をなくすことで水銀蒸気圧を高め、より高い輝度を得るというものである。また、上記先行文献では、水銀蒸気圧が200バール(約197気圧)以上のとき、光出力が著しく向上するとされているが、それよりも低い水銀蒸気圧であっても、実用上は問題がないこと見いだし、なおかつ、発光管を大きくして上部の温度を低温化させることで失透という問題を改善することにある。本発明者の研究によれば、80気圧以上の水銀蒸気圧があれば、実質的に十分な輝度を光出力を得ることが確認されている。
【0009】
【発明の実施の形態】図1は本発明にかかる反射鏡付き直流点灯型ショートアーク超高圧放電ランプを示す。放電ランプ1は凹面反射鏡2の中に配置され、ランプ1の軸線が反射鏡2の光軸に略一致している。そして、ランプ1の一方の封止部が反射鏡2の中央底部に取り付けられる。具体的には、反射鏡2の中央底部に金属またはセラミックスよりなる筒状支持部材21が取り付けられ、この筒状支持部材21と放電ランプ1が固定されるとともに、筒状支持部材21と反射鏡2が接着剤により固定される。放電ランプ1の他方の封止部は反射鏡2の開口側に向けて延在している。反射鏡2の開口には透光性ガラス、例えば硬質ガラスよりなる前面カバー3が配置される。
【0010】放電ランプ1は、石英ガラスよりなり中央の発光部11と両端の封止部12よりなる。発光部11には一対の電極を有し、例えば、1.5mmの間隙を持って配置する。ここで、電極間距離については、2.5mm以下であることが必要である。これは本発明の放電ランプには点光源としての性質が要求されるからである。また、発光部11には発光物質として水銀が封入される。その封入量は、例えば33.6mgであり、点灯中の蒸気圧は125気圧程度にある。また、本発明では発光空間が小さいものが対象になるが、その大きさは、例えば220mm3である。
【0011】このような放電ランプのその他の具体例をあげると、以下のとおりである。
発光管外径:Φ11mm発光管肉厚:2mmランプ電力:150Wランプ電圧:80V発光効率:65lm/W管壁負荷:80W/cm2【0012】図2は放電ランプ1から放射される分光スペクトルを示す。縦軸は放射強度の最大値を100としたときの相対値を表し、横軸は放射波長を表す。図より波長400〜600nmに強い放射強度を示していることがわかる。また、図3は、200気圧近い動作圧を有する放電ランプによるスクリーン照度と、それよりも低い80気圧程度の動作圧を有する放電ランプによるスクリーン照度を示す。すなわち、動作圧が80気圧以上であれば200気圧に近い動作圧のランプとほぼ同じ、あるいはそれ以上のスクリーン照度を示すことがわかる。
【0013】反射鏡2の外面にはN極磁石31、S極磁石32の2つの永久磁石が配置される。この磁石31、32を結ぶ仮想直線は放電ランプ1の軸線と直交するようになっており、かつ、その交点はアーク輝点にほぼ一致している。また、本発明の反射鏡付き放電ランプがその軸線を水平に配置して点灯されるとき、当該2つの磁石は反射鏡2の側面に位置するように設けられる。すなわち、当該磁石同士を結ぶ仮想直線も地面に対して平行となる。
【0014】これら磁石31,32は、電極間のアーク周辺に形成されるフレアに対して影響を及ぼす。つまり、N極磁石31からS極磁石32に向かって形成される磁力と、電極間に形成される電流によってフレミングの左手の法則により決まる力が働き、これにより上記フレアを下方に下げる。図4はこの状態を示す図である。すなわち、放電ランプ1の軸線方向に電流は流れ、その方向に直交するように磁場が形成される。この結果、フレミングの左手の法則により、発光管上部から下部に向けて力(フレアを抑える力)が働く。ここで、図5に示すように、アークとは電極先端間に形成される電流密度の高い部分であり、フレアとはアークの周辺に形成される部分である。
【0015】本発明によるマグネットは、例えばサマリウム、コバルトであり、寸法は、例えば、Φ8×長さ5mmであり、磁力として約3000ガウスの大きさを持つ。
【0016】図6に本発明のマグネットを使った反射鏡付き直流点灯型ショートアーク超高圧放電ランプと従来のマグネットを使わないものとの比較を示す。すなわち、同図においては、反射鏡にマグネットを設けたこと以外はすべて同じ条件でランプを点灯させた。従って、ランプも同一のものである。この結果、マグネット有りは、アーク上方に形成されるフレアを下方に押し下げるので、水銀動作圧を高め、スクリーン照度も良好に上昇させることができる。すなわち、マグネットのないものは、発光管下方に未蒸発の水銀が溜まってしまい、動作圧が不十分で輝度が低いが、マグネットを有するものは、発光管の内部の水銀をより多く蒸発させることを可能とし、これにより、動作圧を高めて、さらに、スクリーン照度も高められることが示される。
【0017】図7は第2の実施例を示す。本実施例においてマグネットは反射鏡の外面に付着されるのではなく、マグネットを保持する部材を使っている。
【0018】本実施例では放電ランプとして水銀ランプを使って説明したが、水銀以外の金属を封入する、いわゆるメタルハライドランプであってもかまわない。
【0019】
【発明の効果】この発明は、失透が生じる発光管上部の温度を下げると同時に発光管下部の温度低下を防止し、高い動作圧を得ることができる反射鏡付き直流点灯型ショートアーク超高圧放電ランプを提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000102212
【氏名又は名称】ウシオ電機株式会社
【出願日】 平成9年(1997)8月22日
【代理人】
【公開番号】 特開平11−66927
【公開日】 平成11年(1999)3月9日
【出願番号】 特願平9−265194