| 【発明の名称】 |
ねじの仮止め装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】高井 誉
【氏名】遠藤 吉見
【氏名】鳥羽 巌
【氏名】金澤 秀幸
【氏名】大石 崇文
【氏名】稗田 正直
|
| 【要約】 |
【課題】本発明は、ねじを傾くことなく確実に仮止めすることができ、しかも、ねじの挿通作業を容易に行えるとともに、何回も繰り返し使用できるねじの仮止め装置を得ることにある。
【解決手段】仮止め装置は、被取り付け部材4 と;螺旋状に巻かれたねじ山40を有するねじ35と;被取り付け部材の貫通孔36に取り付けられ、ねじを被取り付け部材に仮止めする仮固定具45と;を備えている。仮固定具は、貫通孔に保持され、ねじが挿通可能な筒状の本体46と、本体の内面に周方向に並べて配置され、本体の内側に向けて突出する複数の仮固定片50a 〜50d と、を含んでいる。仮固定片は、ねじ山40の間の谷40a に接する先端縁部51を有し、各仮固定片の先端縁部から本体の内面までの長さは、一つの仮固定片の長さを基準として、ねじの締め付け時の回転方向前方側の仮固定片に進むに従い大きく定められている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 貫通孔を有する被取り付け部材と;所定のピッチで螺旋状に巻かれたねじ山を有し、上記被取り付け部材を据付部に取り外し可能に固定するねじと;上記被取り付け部材の貫通孔に取り付けられ、上記ねじを被取り付け部材に仮止めする合成樹脂製の仮固定具と;を備えており、上記仮固定具は、上記貫通孔に保持され、上記ねじが挿通可能な筒状の本体と、この本体の内面に周方向に並べて配置され、本体の内側に向けて突出する複数の仮固定片と、を含み、これら仮固定片は、夫々上記ねじ山の間の谷に接する先端縁部を有し、各仮固定片の先端縁部から上記本体の内面までの長さは、一つの仮固定片の長さを基準として、上記ねじの締め付け時の回転方向前方側に位置する仮固定片に進むに従い大きく定められていることを特徴とするねじの仮止め装置。 【請求項2】 請求項1の記載において、上記仮固定片は、上記本体の同一円周上に位置されるとともに、夫々本体の内面からこの本体の軸線と略直交する方向に延出されていることを特徴とするねじの仮止め装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、例えば器具本体と、この器具本体にねじを介して固定された反射板とを有する照明器具において、上記ねじを反射板に仮止めするための装置に関する。 【0002】 【従来の技術】天井埋め込み形の照明器具は、天井裏に据え付けられる器具本体と、この器具本体に支持される反射板とを備えている。この反射板は、器具本体を下方から覆い隠す天板を有し、この天板の複数箇所がねじを介して器具本体に取り外し可能に固定されている。 【0003】ところで、器具本体の保守点検時あるいは照明器具の清掃作業時には、ねじを緩めて反射板を器具本体から取り外す必要がある。この際、ねじが反射板から分離されてしまうと、ねじを紛失する恐があるとともに、ねじ緩めたり、締め付ける度にねじを手で保持しておかねばならず、作業性が極めて悪くなる。 【0004】このようなことから、従来、反射板にねじを仮止めする仮固定具を取り付け、ねじが反射板から抜け落ちないようにした照明器具が開発されている。この種の照明器具に用いられる仮固定具として、従来、「実開平4−1714号公報」あるいは「実開平6−58211号公報」に記載されたものが知られている。 【0005】「実開平4−1714号公報」に記載された仮固定具は、合成樹脂製の本体を有している。この本体は、ねじが挿通可能な筒状をなしており、この本体の内面には、複数の係止片が形成されている。係止片は、ねじの挿通方向に傾いた姿勢で本体の内側に突出されており、夫々弾性変形が可能となっている。 【0006】そのため、本体内にねじを挿通すると、ねじ山の谷が係止片の先端に弾性的に引っ掛かり、このことにより、ねじが本体に抜け止め保持されるようになっている。 【0007】また、「実開平6−58211号公報」に記載された仮固定具は、合成樹脂製の本体を有している。この本体は、ねじが挿通可能な筒状をなしており、この本体の内面には、複数の凸部が形成されている。凸部は、本体の周方向に間隔を存して配置されているとともに、夫々本体の軸方向に沿って延びている。 【0008】そのため、本体内にねじを挿入すると、ねじ山の頂が凸部に摺動可能に圧接し、この圧接により、ねじが本体に抜け止め保持されるようになっている。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】「実開平4−1714号公報」に記載された仮固定具によると、複数の係止片は、本体の内側に向けて均等に突出されており、各係止片の先端から本体内面までの距離が略同等に定められている。 【0010】しかしながら、ねじのねじ山は、所定のピッチで螺旋状に巻かれているため、このねじを本体に挿入すると、一つの係止片の先端がねじ山の谷に引っ掛かった状態において、この係止片と向かい合う他の係止片の先端がねじ山の頂に突き当たることがあり得る。このねじ山の頂に突き当たった係止片は、ねじ山に押されて大きく弾性変形するので、ねじに加わる押圧力が周方向に沿う複数箇所において不均等となる。そのため、ねじは、本体に傾いた姿勢で仮止めされることになり、このねじを締め付ける度にねじの姿勢を矯正する作業が必要となる。したがって、ねじを締め付ける際の作業性が悪くなる。 【0011】また、一部の係止片は、ねじ山の谷に引っ掛かることなく、このねじ山の頂に乗り上げた状態となるので、係止片がねじ山から外れ易くなる。このため、ねじが本体から脱落する恐があり、仮止めの信頼性に欠けるといった問題がある。 【0012】一方、「実開平6−58211号公報」に記載された仮固定具では、複数の凸部がねじ山に摺動可能に圧接しているので、ねじを本体に挿入する際に大きな摺動抵抗が発生し、ねじの挿入が妨げられてしまう。また、ねじを容易に挿入し得るように、凸部の圧接力を小さくすると、ねじが本体から脱落し易くなる。そのため、上記構成の仮固定具は、仮固定片とねじ山との圧接力を十分に確保しなくてはならず、ねじを本体に挿入し難くなる。 【0013】しかも、ねじを緩めたり締め付ける際に、ねじ山が凸部に食い込んだり、ねじ山によって凸部が削られてしまうので、ねじの脱着を繰り返すと、凸部がねじ山に強固に圧接することができなくなり、ねじが本体から脱落し易くなる。すると、特に照明器具の反射板は、器具本体から取り外す頻度が比較的多いために、ねじを着脱する度に凸部が削られてしまう上記従来の仮固定具は、反射板のように何回も着脱を繰り返す部分の適用には不向きとなる。 【0014】また、凸部は、ねじの軸方向に延びているので、ねじを本体に挿通した状態では、ねじが本体の軸方向に沿って同軸状に保持される。そのため、ねじの傾きはなくなるものの、逆にねじの姿勢を調整することができなくなる。この結果、ねじが器具本体のねじ込み対象からずれた場合に、ねじを器具本体側に円滑にねじ込むことができなくなり、締め付け作業性が悪くなる。 【0015】本発明の目的は、ねじを傾くことなく確実に仮止めすることができ、しかも、ねじの挿通作業を容易に行えるとともに、何回も繰り返し使用できるねじの仮止め装置を得ることにある。 【0016】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、請求項1に記載されたねじの仮止め装置は、貫通孔を有する被取り付け部材と;所定のピッチで螺旋状に巻かれたねじ山を有し、上記被取り付け部材を据付部に取り外し可能に固定するねじと;上記被取り付け部材の貫通孔に取り付けられ、上記ねじを被取り付け部材に仮止めする合成樹脂製の仮固定具と;を備えている。そして、上記仮固定具は、上記貫通孔に保持され、上記ねじが挿通可能な筒状の本体と、この本体の内面に周方向に並べて配置され、本体の内側に向けて突出する複数の仮固定片と、を含み、これら仮固定片は、夫々上記ねじ山の間の谷に接する先端縁部を有し、各仮固定片の先端縁部から上記本体の内面までの長さは、一つの仮固定片の長さを基準として、上記ねじの締め付け時の回転方向前方側に位置する仮固定片に進むに従い大きく定められていることを特徴としている。 【0017】この構成において、ねじを本体内に挿通すると、ねじのねじ山が複数の仮固定片の先端縁部に接触する。この際、仮固定片の先端縁部は、ねじの締め付け時の回転方向前方側の仮固定片に進むに従い本体の内側に向けて張り出しているので、ねじを締め付けたり緩めたりすると、複数の仮固定片の先端縁部は、夫々同一のピッチ円上のねじ山にガイドされて、このねじ山の谷に接触する。そのため、一部の仮固定片の先端縁部がねじ山の頂に乗り上げることはなく、各仮固定片の先端縁部が同一のピッチ円上のねじ山の谷に略均等の弾性力をもって係止される。この結果、ねじは、本体に対し傾くことなく同軸状に保持される。 【0018】また、全ての仮固定片の先端縁部がねじ山の谷に引っ掛かるので、本体内に挿入されたねじを周方向の複数箇所で確実に保持することができる。このため、ねじが本体から脱落し難くなり、仮止めの信頼性が向上する。 【0019】しかも、仮固定片は、同一のピッチ円上のねじ山の谷に係止されるので、仮固定片がねじ山に食い込んだり、仮固定片とねじ山との接触部分がねじの軸方向に延びることはない。このため、ねじを本体内に挿入する際に、この挿入を妨げるような大きな抵抗力が働くことはなく、ねじを本体に容易に挿入することができる。 【0020】それとともに、仮固定片の先端縁部は、ねじを回転させた時にねじ山の谷に沿って移動するので、仮固定片の縁部がねじ山によって削られたり、無理に変形されることはない。よって、ねじの着脱を頻繁に行っても、仮固定片が損傷し難くなり、仮固定具を何回も繰り返して使用することができる。 【0021】請求項2によれば、上記請求項1に記載された仮固定片は、本体の内面の同一円周上に位置されるとともに、夫々本体の内面からこの本体の軸線と略直交する方向に延出されていることを特徴としている。 【0022】この構成によると、仮固定片は、本体内において平面的に配置されるので、本体の軸方向の長さ寸法を小さくすることができる。そのため、仮固定具を薄くコンパクトに形成することができ、被取り付け部材上に広い取り付けスペースを確保する必要はない。 【0023】 【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を、蛍光ランプ用の照明器具に適用した図面にもとづいて説明する。 【0024】図1および図2は、天井板1に埋め込まれた二灯式の照明器具2を示している。この照明器具2は、器具本体3と、被取り付け部材としての反射板4と、直管形の蛍光ランプ5とを備えている。器具本体3は、上壁3aと、この上壁3aの側縁部から下向きに延びる一対の側壁3b,3cおよび端壁3dとを有している。この器具本体3は、蛍光ランプ5の軸方向に延びるとともに、下向きに開放された細長い箱状をなしている。この器具本体3の内部には、安定器や端子台を含む点灯装置(図示せず)が収容されている。 【0025】器具本体3は、天井板1に開けた器具取り付け孔1aを通じて天井裏に収められている。この器具本体3の上壁3aには、挿通孔6が開口されている。挿通孔6は、天井裏から延びる吊りボルト7に対応している。吊りボルト7の先端部は、挿通孔6に差し込まれており、この吊りボルト7の先端部には、ナット8がねじ込まれている。ナット8は、上壁3aの内面に係止されており、このことにより、器具本体3が天井裏に吊り下げ保持されている。 【0026】器具本体3の長手方向に沿う両端部には、夫々ソケットホルダ10が取り付けられている。ソケットホルダ10は、器具本体3と直交する方向に沿って水平に延びている。このソケットホルダ10は、器具本体3の両側に導出された第1の端部10aと第2の端部10bとを有している。第1および第2の端部10a,10bの下面には、夫々ランプソケット11が支持されている。ランプソケット11は、図示しない配線を介して点灯装置に接続されており、このランプソケット11に蛍光ランプ5の口金が取り外し可能に接続されている。 【0027】そのため、蛍光ランプ5は、器具本体3の下方において互いに平行に配置されており、これら蛍光ランプ5は、天井板1の器具取り付け孔1aの内側に位置されている。 【0028】反射板4は、天板13と、この天板13の周縁部から下向きに延びる四つの側板14とを備え、全体として下方に向けて開放された皿状をなしている。反射板4は、天井板1の器具取り付け孔1aに下方から取り外し可能に嵌め込まれており、この器具取り付け孔1aを閉じている。天板13は、蛍光ランプ5と器具本体3との間に位置され、器具本体3を下方から覆い隠している。この天板13の両端部には、複数の貫通孔13aが開口されており、これら貫通孔13aを通じてランプソケット11が天板13の下方に導出されている。側板14は、天板13に連続して蛍光ランプ5の周囲を取り囲んでいる。そのため、蛍光ランプ5から放射された光は、反射板4によって下向きに反射されるようになっている。 【0029】図1および図2に示すように、上記器具本体3は、据付部としての板金製のブラケット16を備えている。ブラケット16は、反射板4を支持するためのもので、主部17と、一対の脚部18a,18bとを有している。 【0030】主部17は、器具本体3と直交する方向に沿って水平に延びている。主部17は、その両側縁部から上向きに延びる一対の立上がり壁19a,19bを有し、これら立上がり部19a,19bの中央部には、夫々係止部20が形成されている。係止部20は、器具本体3の内側に入り込み、この器具本体3の側壁3b,3cの間に位置されている。係止部20は、夫々一対の係止片21a,21bを有している。係止片21a,21bは、器具本体3 の側壁3b,3cに開けた係合孔22に取り外し可能に係合されており、この係合により、ブラケット16が器具本体3に結合されている。 【0031】主部17は、一対の嵌合孔23を有している。各嵌合孔23には、ねじ受け金具25が取り付けられている。図5に示すように、ねじ受け金具25は、嵌合孔23を塞ぐ底板26と、この底板26の両側部から上向きに延びる弾性変形が可能な一対の係合片27,28とを備えている。底板26は、ねじ挿通孔29を有し、このねじ挿通孔29は、嵌合孔23の内側に位置されている。係合片27,28は、互いに向かい合うとともに、上方に進むに従い互いに近接する方向に傾斜されている。そのため、係合片27,28の上端縁部27a,28aは、所定の隙間Sを存して互いに向かい合っており、この隙間Sは、ねじ挿通孔29の上方に位置されている。 【0032】ブラケット16の脚部18a,18bは、上記主部17の両端部から下向きに延びている。脚部18a,18bの先端は、器具取り付け孔1aの開口縁部に引っ掛かっており、このことにより、天井板1に対する器具本体3の位置が規定されている。 【0033】図1および図2に示すように、反射板4は、一対のねじ35を介してブラケット16の主部17に取り外し可能に支持されている。すなわち、反射板4の天板13は、ブラケット16の主部17と向かい合う部分に一対の貫通孔36を有している。貫通孔36は、上記ねじ挿通孔29の下方に位置されており、この貫通孔36に天板13の下方から上記ねじ35が挿通されている。 【0034】ねじ35は、軸部38と、この軸部38の基端に連なるヘッド部39とを有している。軸部36は、所定のピッチPで螺旋状に巻かれたねじ山40を有するねじ部41と、このねじ部41とヘッド部39とを結ぶ円柱状の胴部42とで構成されている。 【0035】ねじ35のねじ部41は、上記ねじ挿通孔29を通じてねじ受け金具25の係合片27,28の間に導かれている。そして、このねじ35を上向きに押圧しつつ締め付け方向に回転させると、ねじ部41の先端が隙間Sに臨み、係合片27,28を互いに遠ざかる方向に弾性変形させるとともに、これら係合片27,28の上端縁部27a,28aの間に介在される。そのため、ねじ部41のねじ山40が係合片27,28の上端縁部27a,28aに噛み合い、ねじ35がねじ受け金具25にねじ込まれる。 【0036】図5ないし図7に示すように、反射板4の貫通孔36には、ねじ35を反射板4に仮止めする仮固定具45が取り付けられている。仮固定具45は、合成樹脂製の本体46を有している。本体46は、上記貫通孔36に挿通可能な外径を有するとともに、上記ねじ35の軸部38が挿通可能な内径を有する中空円筒状をなしている。 【0037】本体46の外周部には、フランジ部47と複数の係止爪48とが一体に形成されている。フランジ部47は、本体46の一端において径方向外側に張り出している。このフランジ部47の径は、反射板4 の貫通孔36の径よりも大きく定められている。係止爪48は、本体46の他端において、その周方向に間隔を存して配置されている。これら係止爪48は、フランジ部47に向けて延びるとともに、このフランジ部47に近づくに従い本体46の外周面から遠ざかる方向に傾斜されている。そして、係止爪48は、本体46の外周面に近づいたり遠ざかる方向に弾性変形が可能となっている。 【0038】本体46は、天板13の下方から貫通孔36に挿入されている。本体46を貫通孔36に挿入すると、係止爪48が弾性変形しつつ貫通孔36を通過するとともに、これら係止片48は、貫通孔36を通過した時点で本体46の径方向外側に向けて広がるように弾性的に復帰する。そのため、係止片48の先端とフランジ部47との間で貫通孔36の開口周縁部が挟み込まれ、仮固定具45が反射板4の天板13に保持されるようになっている。 【0039】図3および図4に示すように、本体46の内周面には、フランジ状をなす第1ないし第4の仮固定片50a〜50dが一体に形成されている。仮固定片50a〜50dは、本体46の径方向内側に向けて突出されており、夫々本体46の軸線と略直交する方向に沿って水平に延びている。これら仮固定片50a〜50dは、本体46の内周面において周方向に並べて配置されており、本実施形態の場合は、同一円周状に位置されている。そして、これら仮固定片50a〜50dは、ねじ35の挿通方向に沿って弾性変形が可能となっている。 【0040】第1ないし第4の仮固定片50a〜50dは、本体46にねじ35を挿通した時に、上記ねじ山40の間の谷40aに接する先端縁部51を有している。各仮固定片50a〜50dの先端縁部51は、円弧状に湾曲されており、これら先端縁部51は、互いに協働して上記本体46の内側にねじ部41の先端が導かれるガイド孔52を構成している。 【0041】第1ないし第4の仮固定片50a〜50bは、ねじ35の締め付け時の回転方向に沿って順番に並べられている。これら第1 ないし第4 の仮固定片50a〜50dにおいて、その先端縁部51から本体46の内面までの長さL1 〜L4 は、第1の仮固定片50aを基準として、ねじ35の締め付け時の回転方向X1 の前方側に位置する第2ないし第4の仮固定片50b〜50dに進むに従い大きく定められている。そして、隣り合う仮固定片50b〜50dの長さの差は、ねじ35のピッチPの値を仮固定片50b〜50dの数(4)で割った値に規定されている。 【0042】このため、図5に示すように、ねじ35が本体46に挿通された状態では、第1ないし第4の仮固定片50a〜50dの先端縁部51が、ねじ山40の間の谷40aに弾性的に係止されており、このことにより、ねじ35が反射板4の天板13に抜出不能に仮止めされている。 【0043】このような構成の照明器具1において、反射板4を器具本体3に取り付けるには、図1あるいは図5に示すように、反射板4の天板13をブラケット16の主部17と対向させる。次に、反射板4に仮止めされたねじ35を押し上げる。すると、仮固定具45の第1ないし第4の仮固定片50a〜50dは、ねじ35の挿通方向に弾性変形が可能であるから、ねじ山40が仮固定片50a〜50dの先端縁部51を順次乗り越えていくことになる。そのため、図6に示すように、ねじ部41の先端がねじ挿通孔29を通じてねじ受け金具25の係合片27,28の間に導かれる。 【0044】次に、ねじ35を押し上げながら締め付け方向に回転させる。すると、ねじ部41の先端は、ねじ35の押し上げ動作に伴い係合片27,28を互いに遠ざかる方向に変形させつつ、これら係合片27,28の上端縁部27a,28aの間に入り込む。この結果、ねじ山40が係合片27,28の上端縁部27a,28aに順次噛み合い、ねじ35がねじ受け金具25にねじ込まれていく。 【0045】図7に示すように、ねじ35がねじ受け金具25に完全にねじ込まれると、ねじ35のねじ部41が仮固定具45の第1ないし第4の仮固定片50a〜50dから離脱するとともに、ねじ部41に連なる胴部42が仮固定片50a〜50dの先端縁部51に摺動可能に接触し、ねじ35のヘッド部39が仮固定具45のフランジ部47に突き当たる。これにより、ねじ35のねじ込みが制限され、反射板4が器具本体3に結合される。 【0046】反射板4を器具本体3から取り外すには、ねじ35を逆向きに回転させ、ねじ部41とねじ受け金具25との噛み合いを解除する。これにより、ねじ35がねじ受け金具25から離脱し、反射板4とブラケット16との結合が解除される。ねじ部41とねじ受け金具25との噛み合いが解除されても、ねじ部41は、仮固定具45の本体46を貫通した状態あり、そのねじ山40の間の谷40aに第1ないし第4の仮固定片50a〜50dの先端縁部51が係止されている。そのため、ねじ35は、仮固定具45を介して反射板4に仮止めされており、ねじ35が反射板4から抜け落ちることはない。 【0047】ところで、上記構成の仮固定具45によると、ねじ山40の間の谷40aに係止される第1ないし第4の仮固定片50a〜50dの先端縁部51は、本体46の内周面からの距離L1 〜L4 がねじ35の締め方向の前方側に位置する仮固定片50b〜50dに進むほどに大きくなっており、隣り合う仮固定片50a〜50dの長さの差は、ねじ35のピッチPの値を仮固定片50a〜50dの数(4)で割った値に定められている。 【0048】このため、ねじ35のねじ部41を本体46に挿通すると、第1ないし第4の仮固定片50a〜50dの先端縁部51は、夫々同一のピッチ円上のねじ山40にガイドされて、このねじ山40の谷40aに接触する。したがって、各仮固定片50a〜50dの先端縁部51が同一のピッチ円上のねじ山40の谷40aに略均等の弾性力をもって係止され、それ故、ねじ35は、本体46に対し傾くことなくこの本体46の軸線に沿って同軸状に保持される。 【0049】この結果、ねじ35を締め付ける際に、このねじ35の傾きを矯正する必要はなく、従来に比べて締め付け作業を容易に行うことができる。 【0050】また、全ての仮固定片50a〜50dの先端縁部51がねじ山40の谷40aに係止されるので、本体46に挿通されたねじ35を周方向に沿う複数箇所で確実に保持することができる。このため、ねじ35が本体46から脱落し難くなり、仮止めの信頼性が向上する。 【0051】しかも、上記構成によると、第1ないし第4の仮固定片50a〜50dは、同一のピッチ円上のねじ山40の谷40aに係止されるので、これら仮固定片50a〜50dがねじ山40の頂に食い込んだり、仮固定片50a〜50dとねじ山40との接触部分がねじ35の軸方向に延びることはない。このため、ねじ35を本体46に挿入する際に、この挿入を妨げるような大きな抵抗力が働くことはなく、ねじ35を本体46に容易に挿入することができる。 【0052】さらに、ねじ35と第1 ないし第4 の仮固定片50a〜50dとの接触部分が本体46の同一円周上に位置することから、この接触部分を支点としてねじ35を傾斜させることができる。このため、照明器具2の寸法公差の影響により、ねじ35のねじ部41とブラケット16側のねじ受け金具25との位置にずれが生じた場合でも、ねじ部41がねじ受け金具25のねじ挿通孔29を指向するように、ねじ35の仮止め姿勢を調整することができる。したがって、ねじ35の締め付け作業を容易に行うことができ、照明器具2の組み立て作業性が良好となる。 【0053】加えて、上記仮固定具45によると、第1ないし第4の仮固定片50a〜50dの先端縁部51は、ねじ35を回転させた時にねじ山40の谷40aに沿って移動するので、先端縁部51がねじ山40によって削られたり、無理に変形されることはない。よって、ねじ35の着脱を頻繁に行っても、仮固定片50a〜50dが損傷を受け難くなり、何回も繰り返して使用することができる。 【0054】また、フランジ状の第1ないし第4の仮固定片50a〜50dは、本体46の内周面の同一平面上に位置され、本体46の軸線と直交するように平面的に配置されているので、これら仮固定片50a〜50dが本体46の軸方向に延びることはない。このため、本体46の軸方向の寸法を小さくすることができ、その分、仮固定具45を薄くコンパクトに形成することができる。 【0055】なお、本発明に係る仮固定具は、照明器具用に特定されるものではなく、その他の種々な分野に適用可能であることは勿論である。 【0056】 【発明の効果】以上詳述した本発明によれば、複数の仮固定片の先端縁部が同一のピッチ円上のねじ山の谷に略均等の弾性力をもって係止されるので、本体内でのねじの傾きを防止することができる。このため、ねじの傾きを矯正する必要もなく、ねじの締め付け作業を容易に行うことができる。また、全ての仮固定片の先端縁部がねじ山の谷に係止されるので、ねじを本体に挿入された状態に確実に抜け止め保持することができ、仮止めの信頼性が向上する。しかも、仮固定片がねじ山の頂に食い込んだり、仮固定片とねじ山との接触部分がねじの軸方向に延びることはないので、ねじを本体に挿通する際に、この挿通を妨げるような大きな抵抗力が働くことはなく、ねじの仮止め作業を容易に行うことができる。それとともに、仮固定片の先端縁部は、ねじを回転させた時にねじ山の谷に沿って移動するので、仮固定片の先端縁部がねじ山によって削られたり、無理に変形させられることはない。よって、ねじの着脱を頻繁に行っても、仮固定片が損傷し難くなり、何回も繰り返して使用できるといった利点がある。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000003562 【氏名又は名称】株式会社テック
|
| 【出願日】 |
平成9年(1997)6月30日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】鈴江 武彦 (外6名)
|
| 【公開番号】 |
特開平11−25731 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)1月29日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−174712 |
|