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【発明の名称】 太陽光集光装置
【発明者】 【氏名】大月 利

【氏名】竹内 純一

【要約】 【課題】施設の大型化,大容量化及び軽量化を達成し、立地スペースを小さくするとともに、風雨,積雪等に対する耐候性を高め、施設の洗浄を容易にする。

【解決手段】太陽光集光装置として、太陽光を集光する複数の凹面ミラーと、該凹面ミラーで集光した太陽光を所望のリアクタまで伝送する光伝送手段と、複数の凹面ミラーを太陽光に向けて追従させる追従手段とを有しているとともに、複数の凹面ミラーが共通の揺動フレームに搭載されており、追従手段の部分が起伏手段及び旋回手段の組み合わせにより構成される技術が採用される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 太陽光を集光する複数の凹面ミラー(11)と、該凹面ミラーで集光した太陽光を所望のリアクタ(6)まで伝送する光伝送手段(2)と、複数の凹面ミラーを太陽光に向けて追従させる追従手段(3)とを有しているとともに、複数の凹面ミラーが共通の揺動フレーム(13)に搭載されていることを特徴とする太陽光集光装置。
【請求項2】 複数個の凹面ミラー(11)を組み付けた集光ユニット(12)を揺動フレーム(13)に複数基まとめて集光パネル(1)が構成され、該集光パネルが追従手段(3)に接続されていることを特徴とする請求項1記載の太陽光集光装置。
【請求項3】 光伝送手段(2)の集光部(21)の高さが、凹面ミラー(11)をミラー押さえ部材(12c)を介して揺動フレーム(13)に組み付けるにより設定されることを特徴とする請求項2記載の太陽光集光装置。
【請求項4】 追従手段(3)の部分が起伏手段(3A)と旋回手段(3B)とにより構成され、該起伏手段が、キングピン(35)を介して起伏可能な状態で集光パネル(1)の加重を支持するための荷重支持フレーム(31)と、集光パネルと荷重支持フレームとの間に配され伸縮により集光パネルを起伏させる揺動機構(34)とを有していることを特徴とする請求項2または3記載の太陽光集光装置。
【請求項5】 旋回手段(3B)が、起伏手段(3A)を介して集光パネル(1)を支持する荷重支持フレーム(31)と、該荷重支持フレームを旋回駆動する旋回駆動機構(39)とを有していることを特徴とする請求項4記載の太陽光集光装置。
【請求項6】 集光パネル(1)に、太陽光の方向を検出する光追尾手段(4)が搭載されていることを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の太陽光集光装置。
【請求項7】 光追尾手段(4)に、太陽光の強弱を検出するための照度センサ(44)が配されていることを特徴とする請求項6記載の太陽光集光装置。
【請求項8】 揺動フレーム(13)に太陽光に向けるための柱状部(42)が搭載されるとともに、該柱状部の基部の回りに柱状部の傾きにより太陽光の方向を検出する複数の指向センサ(43)が配されることを特徴とする請求項7記載の太陽光集光装置。
【請求項9】 各集光ユニット(12)の表面に、透明板(12h)がそれぞれ配されるとともに、該透明板が、集光パネル(1)全体に対して平坦に取り付けられていることを特徴とする請求項2、3、4、5、6、7または8記載の太陽光集光装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、太陽光集光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】太陽光エネルギを利用したクロレラ培養プラントや発電プラントでは、太陽光を追尾して集光部を太陽光に向け、太陽光を効率よく取り込むことが必要になる。
【0003】かかる技術として、例えばフレネルレンズを使用して小型化を図るとともに、フレネルレンズの焦点に太陽光利用リアクタを配する技術や、光ファイバによって太陽光を所望箇所まで伝送する技術が考えられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、フレネルレンズの焦点等の集光箇所に、太陽光利用リアクタを配する技術では、太陽光の向きにプラントを合わせることが困難になり易く、また光ファイバによって太陽光を所望箇所まで伝送する技術では、太陽光を効率よく取り込むことに加えて、集光部の一層の軽量化が望まれている。
【0005】本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、以下の目的を達成するものである。
■ 施設の大容量化を達成すること。
■ 施設の軽量化を図ること。
■ 立地スペースを小さくすること。
■ 風雨,積雪等に対する耐候性を高めること。
■ 施設の洗浄を容易にすること。
【0006】
【課題を解決するための手段】太陽光集光装置として、太陽光を集光する複数の凹面ミラーと、該凹面ミラーで集光した太陽光を所望のリアクタまで伝送する光伝送手段と、複数の凹面ミラーを太陽光に向けて追従させる追従手段とを有しているとともに、複数の凹面ミラーが共通の揺動フレームに搭載される技術が採用される。凹面ミラーにあっては、複数個を集合させて組み付けることにより、集光ユニットとされているとともに、該集光ユニットを揺動フレームに所望数まとめることにより集光パネルが構成され、該集光パネルが追従手段に接続されて、起伏及び旋回操作がなされる。集光ユニットには、凹面ミラーの反射光を集光する集光部が配されるとともに、該集光部に光伝送手段の先端が光学的に接続され、凹面ミラーをミラー押さえ部材を介して取り付けることにより集光部の位置が設定されており、集光した太陽光が光ファイバ等の光伝送手段を経由して、太陽光利用の微細藻類、例えばクロレラ培養槽等のリアクタに伝送される。追従手段の部分は、起伏手段と旋回手段とにより構成され、該起伏手段が、頂部でキングピンを介して起伏可能な状態で集光パネルの荷重を支持するための荷重支持フレームと、集光パネルと荷重支持フレームとの間に配され伸縮により集光パネルを起伏させる揺動機構とを有している技術が採用され、揺動機構の部分は、傾動駆動源により作動させられるボールねじ機構を有するものが適用されている。起伏手段は、旋回手段により旋回可能に支持されており、旋回手段が、起伏手段を介して集光パネルを旋回可能に支持する荷重支持フレームと、該荷重支持フレームを旋回駆動する旋回駆動機構とを有している。集光パネルには、太陽光の方向を検出する光追尾手段が搭載されて、該光追尾手段の検出信号により追従手段を作動させて、凹面ミラーを太陽光に向ける操作が行なわれる。光追尾手段には、太陽光の強弱を検出するための照度センサと、太陽光の方向を検出するための指向センサとが配される。揺動フレームには、太陽光に向けるための柱状部が搭載されるとともに、該柱状部の基部の回りに、柱状部の傾きにより太陽光の方向を検出する複数の指向センサが配されて、指向センサに光が当たっているか否かにより、集光パネルを正しく太陽に向ける操作が行なわれる。各集光ユニットの表面は、これを覆う透明板により保護されているとともに、該透明板が、集光パネル全体に対して平坦に取り付けられて、メンテナンス時における洗浄作業等を容易にしている。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る太陽光集光装置の第1実施形態について、図面を参照して説明する。図1及び図2は、太陽光集光装置の全体構成を示している。
【0008】太陽光集光装置Xは、図1,図2,図12及び図13に示すように、太陽光を集光するための集光パネル1と、該集光パネル1で集光した太陽光を所望箇所まで伝送するための光伝送手段2と、集光パネル1を太陽光に向けて追従させるための追従手段3と、太陽の位置を検出するための光追尾手段4と、集光パネル1,光伝送手段2,追従手段3等を支持するための建物等の支持構造物5等とを具備しており、光伝送手段2には、太陽光利用の微細藻類、例えばクロレラ培養槽等のリアクタ6が接続される。
【0009】集光パネル1は、図1ないし図6及び図14ないし図17に示すように、太陽光を集光するための多数の凹面ミラー11と、該凹面ミラー11を複数(例えば4個)まとめた状態の集光ユニット12と、該集光ユニット12を所望数集積させて一体に支持するためのトラス構造をした共通の揺動フレーム13とを有している。
【0010】前記凹面ミラー11は、図15に示すように、集光ユニット12の内部に、凹面部を太陽光に向けるように複数収納されるとともに、凹面部を鏡面仕上げした金属鏡等とされている。
【0011】前記集光ユニット12は、図14ないし図17に示すように、揺動フレーム13に固定される固定フレーム12aと、該固定フレーム12aに間隔を空けて複数配され凹面ミラー11を受けるための支持リング12bと、該支持リング12bに凹面ミラー11を取り付けるためのミラー押さえ部材12cと、該ミラー押さえ部材12cを固定しかつ光伝送手段2における光ファイバの取り付け位置を設定するための高さ設定フレーム12dと、該高さ設定フレーム12dを介して凹面ミラー11等を組み付けるための押さえボルト12eと、外側を囲み凹面ミラー11等を隔離するためのユニット側板12fと、該ユニット側板12fの上方開口に配される上部フレーム12gと、該上部フレーム12gに上部開口を閉塞した状態に取り付けられる透明板12hと、該透明板12hを固定するための取り付けボルト12iと、全体を揺動フレーム13に固定した状態に組み付けるための組み付けボルト12jとを有している。なお、各集光ユニット12の透明板12hは、集光パネル1の全表面を覆うようにかつ平坦面をなすように取り付けられている。
【0012】前記光伝送手段2は、例えば光ファイバとされて、集光パネル1で集光した太陽光をリアクタ6まで伝送するものであり、その集光部21が、図15に示すように、集光ユニット12の高さ設定フレーム12dにより位置決めされ、凹面ミラー11の焦点の位置に設定されている。なお、光ファイバは、図15に示すように、曲率を大きくして伝送損失を低減するために対角位置まで導かれるとともに、図1に示すように、旋回手段3Bの回転中心部を通してリアクタ6に接続されている。
【0013】前記追従手段3は、図1ないし図5に示すように、集光パネル1と支持構造物5との間に介在して、集光パネル1における各凹面ミラー11を、望ましくは常時太陽光に向けるようにしており、ここでは、集光パネル1を水平ないし垂直の起伏角度内で、通常は表面を太陽光に対向させるための起伏手段3Aと、集光パネル1を例えば270度±135度の範囲内で水平旋回させるための旋回手段3Bとにより構成されている。
【0014】前記起伏手段3Aは、旋回手段3Bに搭載されている荷重支持フレーム31と、該荷重支持フレーム31における中心から離れた位置に搭載されている支持スタンド部32と、該支持スタンド部32と反対方向に離れた位置に荷重支持フレーム31に対して垂直方向に揺動可能に配される揺動ブラケット33と、集光パネル1と荷重支持フレーム31との間に配され伸縮作動により集光パネル1を起伏させる揺動機構34と、集光パネル1を支持スタンド部32に起伏可能に取り付けるためのキングピン35とを有している。
【0015】また揺動機構34の部分は、図1,図4,図5,図7等に示すように、揺動ブラケット33に搭載される傾動駆動源34aと、該傾動駆動源34aの回転力を伝達するための回転軸,スプロケット,チェーン等からなる回転伝達系34bと、該回転伝達系34bに接続されて回転させられるおねじ部34cと、該おねじ部34cに螺合して回転運動を直線運動に変換するためのボール等からなるめねじ部34dと、おねじ部34cを回転可能に支持するための軸受け部34eと、該めねじ部34dを集光パネル1に接続するジョイントピン34fとを具備している。
【0016】旋回手段3Bは、図1及び図8ないし図11に示すように、起伏手段3Aの部分を旋回可能に支持して、集光パネル1の水平旋回を行なうものであり、支持構造物5の上に水平状態に配される架台36と、該架台36に配され集光パネル1や追従手段3等を旋回可能に支持するためのリング状のガイドレール37と、荷重支持フレーム31の下部に配されてガイドレール37に沿って転動するベアリング等によって水平旋回可能に支持される旋回台38と、荷重支持フレーム31に搭載される旋回駆動機構39と、架台36を支持構造物5に固定するためのアンカーボルト40とを具備している。
【0017】そして、旋回駆動機構39部分は、図1及び図8ないし図11に示すように、荷重支持フレーム31に搭載される旋回駆動源39aと、旋回駆動源39aの回転力を伝達する回転伝達系39bと、該回転伝達系39bに接続されて回転させられるスプロケット39cと、該スプロケット39cに噛み合うとともに架台36の外周に配されるチェーン39dとを有している。
【0018】前記光追尾手段4は、集光パネル1の一部に集光ユニット12に代えて例えば2箇所設置され、図13に示すように、電子部品等を収納している基板収納部41と、該基板収納部41の上面に太陽に向けて配される柱状部42と、該柱状部42の基部の回りに例えば90度間隔で配され柱状部42の陰になっているか否かにより太陽の位置を検出するための複数の指向センサ43と、柱状部42の先端に配され太陽光の強弱を検出するための照度センサ44と、これら柱状部42,指向センサ43及び照度センサ44を囲んだ状態に配される円筒部45とを有している。
【0019】前記支持構造物5は、図2に示すように、建物の屋上等であって、太陽光集光装置Xの全体重量を支持し得るとともに、日の出から日没までの間に、周囲の建造物や自然環境により日陰とならないような立地条件であることが望ましい。
【0020】前記リアクタ6は、この実施形態では太陽光を支持構造物(建屋)5の中に導いて、屋内でクロレラ等の微細藻類の培養を行ない、例えば炭酸ガスの固定化を行なうものとしているが、太陽光の熱エネルギ利用プラントや、光エネルギ利用による発電プラントに応用することや、これらのプラントを並行して稼働させることも可能である。
【0021】このような太陽光集光装置Xでは、集光パネル1を太陽に対向(正対)させることにより、太陽光を効率良く取り込んで、光伝送手段2により所望の位置のリアクタ6まで伝送し、太陽光の有効利用を図ることができる。
【0022】光追尾手段4が作動状態となっている場合には、照度センサ44により、柱状部42の先端に達している太陽光の強弱(照度)の検出が行なわれて、例えば利用可能な日照が得られる場合には、指向センサ43の併用により、4個の指向センサ43がすべて柱状部42の陰になっていない場合に、集光パネル1が正確に太陽に向けられているとされて、太陽光を集光パネル1における凹面ミラー11で集光させ、集光部21から光伝送手段2によりリアクタ6まで太陽光を伝送してその有効利用が図られる。
【0023】利用可能な日照が得られる場合にもかかわらず、例えば4個の指向センサ43のいずれかが柱状部42の陰になっている場合には、指向センサ43の検出データに基づいて、追従手段3における起伏手段3A及び旋回手段3Bを作動させて、集光パネル1を水平旋回または起伏させることにより、指向センサ43が柱状部42の陰にならない方向に移動するように制御して、集光パネル1を正確に太陽に向けらるように修正する操作が行なわれる。なお、このような集光パネル1の向きを修正する操作は、光追尾手段4の検出データをコンピュータに伝送して演算することにより自動的に実施し得ることは言うまでもない。
【0024】一方、利用可能な日照が得られない場合には、日中であるか日没後であるかにより集光パネル1の向きの設定が行なわれる。日中である場合には、集光パネル1の向きをそのままの状態で維持するか、あるいは、太陽の移動に合わせて集光パネル1の向きを徐々に修正する等の制御を行なうことが有効である。日没後である場合には、集光パネル1の向きを、夜間の間に東に徐々に向ける操作が行なわれ、翌日の日の出に対処しておく。
【0025】また、かかる太陽光集光装置Xにおいては、自然環境変化やメンテナンス時等に応じて、集光パネル1の姿勢を変更する操作が有効になる。
【0026】台風等の強風時には、集光パネル1の姿勢を、図5に示すように設定して、風圧による影響を最小限にすることができる。
【0027】積雪等においては、集光パネル1の姿勢を、図4に示すように設定することにより、集光パネル1の表面への積雪を低減することができる。同様に、メンテナンス時等に、集光パネル1の表面(集光ユニット12における透明板12h)を洗浄する際には、集光パネル1の姿勢を、図4に示すように設定して、洗浄水等の洗浄液が流れ易いようにして、作業性を高めることもできる。例えば、ガソリンスタンドにおける洗車設備や、バス(乗合自動車)及び列車の車両基地における洗車設備のように、長い回転ブラシでガラス面に水をかけながら洗浄する技術を適用してもよい。
【0028】なお、集光パネル1の表面は、各集光ユニット12における透明板12hが、全体として平坦面を形成するように設定されているために、自動洗浄機等を走行させて自動洗浄を実施する可能性を有している。
【0029】
【発明の効果】本発明に係る太陽光集光装置によれば、以下の効果を奏する。
(1) 複数個の凹面ミラーを集合させて集光ユニットを形成しておいて、集光ユニットを複数基まとめて集光パネルとすることにより、集光施設の大容量化を容易に達成することができる。
(2) 凹面ミラーにより集光を行ない、集光した太陽光を光伝達手段により離れたリアクタまで伝送することにより、施設の軽量化を図ることができる。
(3) 集光パネルを太陽に向ける追従手段を、起伏手段と旋回手段との組み合わせで構成することにより、立地スペースを小さくすることができる。
(4) 起伏手段と旋回手段とを個々に、あるいは連動して作動させることにより、太陽の追従を高い精度で行なうことができる。
(5) 起伏手段を作動して集光パネルの姿勢を適宜選択することにより、強風,積雪時等の自然環境に対する適用性を高めることができる。
(6) 集光パネルの表面を平坦なものとすることにより、起伏姿勢の選択と相まって、汚損時の洗浄を容易に実施することができる。
【出願人】 【識別番号】591178012
【氏名又は名称】財団法人地球環境産業技術研究機構
【識別番号】000000099
【氏名又は名称】石川島播磨重工業株式会社
【識別番号】000000044
【氏名又は名称】旭硝子株式会社
【出願日】 平成10年(1998)3月19日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武 (外1名)
【公開番号】 特開平11−273424
【公開日】 平成11年(1999)10月8日
【出願番号】 特願平10−70866