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【発明の名称】 とうろう
【発明者】 【氏名】青木 勝一

【要約】 【課題】ろうそくの火が風等で消えることを防止し、見栄えのよいとうろうを提供する。

【解決手段】石材を用いて所定の立設形状に製作された石材部40に、該石材部とは別体で形成したろうそく立て20を着脱自在に装着したとうろうであって、前記ろうそく立て20は、ケーシング部をろうそくを立てて収納する箱形に形成し、該ケーシング部の前面全体を開閉扉22に形成するとともに、該開閉扉の略全面と前記ケーシング部の上面の略全面とを通気可能に設け、前記石材部40にろうそく立て20を装着した際に前記ケーシング部で外部に露出する面を格子面とし該面に透明体を装着して通気を閉止するとともに、これら以外の各面の通気を閉止して成り、前記石材部40に前記ろうそく立て20を装着した際に、前記ろうそく立ての上面と石材部に設けたろうそく立ての収納凹部46の内面との間に通気用の隙間を設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 石材を用いて所定の立設形状に製作された石材部に、該石材部とは別体で形成したろうそく立てを着脱自在に装着したとうろうであって、前記ろうそく立ては、ケーシング部をろうそくを立てて収納する箱形に形成し、該ケーシング部の前面全体を開閉扉に形成するとともに、該開閉扉の略全面と前記ケーシング部の上面の略全面とを通気可能に設け、前記石材部にろうそく立てを装着した際に前記ケーシング部で外部に露出する面を格子面とし該面に透明体を装着して通気を閉止するとともに、これら以外の各面の通気を閉止して成り、前記石材部に前記ろうそく立てを装着した際に、前記ろうそく立ての上面と石材部に設けたろうそく立ての収納凹部の内面との間に通気用の隙間を設けたことを特徴とするとうろう。
【請求項2】 前記ろうそく立てはケーシング部を矩形の箱形に設け、該ケーシング部の前面を格子面とする開閉扉に形成するとともに、該ケーシング部の側面を格子面とし該面に透明なガラス板を装着して成り、前記収納凹部を前記ろうそく立ての前面および両側面を露出させて収納する側面形状がコの字形に形成したことを特徴とする請求項1記載のとうろう。
【請求項3】 前記ろうそく立てのケーシング部の開閉扉および上面に蜂の侵入を防止する網を装着したことを特徴とする請求項1または2記載のとうろう。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はろうそくの火が消えにくく、見栄えのよいとうろうに関するものである。
【0002】
【従来の技術】とうろうは、内部にろうそくを立て、火格子を通してろうそくの火が見えるようにしたものである。火格子はろうそくの火を美しく見せると同時にろうそくを灯すための通気口の作用を有している。なお、ろうそくを灯す際には、とうろうの内部に通じる火口から手を差し入れてろうそくを立て、火を灯す。
【0003】とうろうは自然石を用いて、ろうそく立て部分は石をくり抜くようにして製作されている。火格子や火口のデザイン、大きさ等にはさまざまな形態があるが、とうろうは戸外に設置するから、雨、風によってろうそくの火が簡単には消えないようにすることが求められる。火格子も風などによってろうそくの火が消さないように考えられているものであるが、従来のとうろうでは火口が大きく開口していることから、雨風が内部に入りやすい形態になっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように、とうろうの火が消えやすいことから、雨風によってろうそくの火が簡単に消えないようにしたとうろうが考えられてきた。たとえば、とうろうに断面形状がコの字形のろうそく立ての収納部を設けておき、内部を中空に形成したろうそく立てを、鉛直線の回りで回転可能にろうそく立ての収納部に装着し、火口を手前にしてろうそくに火をつけた後、ろうそく立てを180°回転させ、火格子を手前に火口を奥側にして火口がかくれるようにすることにより、火を消えにくくしたもの、ろうそくを立てて火をつけた後、前面に火格子を設けた底のない箱形の覆いでろうそくを囲い、風が入り込まないようにしたものなどがある。
【0005】しかしながら、石材に細かな加工を施すことは技術的に困難であり経費がかかるという問題があった。また、従来のとうろうでは中空に形成したろうそく立ての内側に蜂が巣をつくりやすく、墓前とうろうなどでろうそくを立てようとしたときに蜂に刺されるといった危険もあった。本発明は、このような従来のとうろうでの問題点を解消すべくなされたものであり、その目的とするところは、雨風などによってろうそくの火が消えたりすることなく、また、見栄えがよく、蜂の侵入を防止して安全に使用でき、製造も容易なとうろうを提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成するため次の構成を備える。すなわち、石材を用いて所定の立設形状に製作された石材部に、該石材部とは別体で形成したろうそく立てを着脱自在に装着したとうろうであって、前記ろうそく立ては、ケーシング部をろうそくを立てて収納する箱形に形成し、該ケーシング部の前面全体を開閉扉に形成するとともに、該開閉扉の略全面と前記ケーシング部の上面の略全面とを通気可能に設け、前記石材部にろうそく立てを装着した際に前記ケーシング部で外部に露出する面を格子面とし該面に透明体を装着して通気を閉止するとともに、これら以外の各面の通気を閉止して成り、前記石材部に前記ろうそく立てを装着した際に、前記ろうそく立ての上面と石材部に設けたろうそく立ての収納凹部の内面との間に通気用の隙間を設けたことを特徴とする。また、前記ろうそく立てはケーシング部を矩形の箱形に設け、該ケーシング部の前面を格子面とする開閉扉に形成するとともに、該ケーシング部の側面を格子面とし該面に透明なガラス板を装着して成り、前記収納凹部を前記ろうそく立ての前面および両側面を露出させて収納する側面形状がコの字形に形成したことを特徴とする。また、前記ろうそく立てのケーシング部の開閉扉および上面に蜂の侵入を防止する網を装着したことを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るとうろうの実施形態について、添付図面とともに詳細に説明する。図1、2は本発明に係るとうろうの一実施形態の斜視図、図3は墓前とうろうとして設置した状態を示す。本実施形態のとうろう10は、ケーシング部を箱形に形成したろうそく立て20と、このろうそく立て20を装着する石材部40とから成る。
【0008】図4にろうそく立て20を装着する石材部40の斜視図を示す。図のように、石材部40は柱状部42と柱状部42を支持する台石44とからなる。本実施形態では、柱状部42と台石44をいずれも矩形状とし、柱状部42の高さ、台石44の大きさ等をとうろう全体として見栄えがよくなるように設計している。もちろん、柱状部42、台石44としていろいろな形態を選択することは可能である。たとえば、台石44を複数段にしたり、中台を設けたり、柱状部42の上に笠や宝珠を設けたりすることもできる。
【0009】本実施形態のとうろうは、柱状部42の正面の上部に石材部40とは別体で形成したろうそく立て20を装着するよう構成したことを特徴とする。図4で46は柱状部42の側面を凹設して設けたろうそく立ての収納凹部である。ろうそく立て20は矩形の箱状に形成するから、収納凹部46はろうそく立て20の高さ寸法に合わせて側面形状がコの字状に設けている。
【0010】実施形態では、ろうそく立て20の幅寸法を柱状部42の幅寸法に一致させ、柱状部42に形成する収納凹部46は柱状部42の両側面で開放されるように設けた。また、収納凹部46の深さ寸法をろうそく立て20の前後寸法に一致させ、収納凹部46にろうそく立て20を装着した際に、ろうそく立て20を含めたとうろう全体が1本の柱状体の形態になるようにしている。
【0011】なお、収納凹部46の高さ方向の内寸はろうそく立て20の高さ寸法よりも一cm程度高くする。これは、ろうそく立て20の天井部から気流が流出できるようにし、ろうそく立て20の内部での気流を確保してろうそくの火が消えないようにするためである。
【0012】本実施形態の石材部40のように、柱状部42に側面形状がコの字状の収納凹部46を設けることは、石材の加工としては簡単であり、コストをかけずに容易に加工することができるという利点がある。また、ろうそく立て20をセットする方法も、収納凹部46に単に、ろうそく立て20を差し入れて載せるだけでよく、取扱いが簡単であるという利点もある。
【0013】図5にろうそく立て20の斜視図を示す。前述したように、実施形態で用いるろうそく立て20はケーシング部を箱形に形成し、内部でろうそくを灯すように構成したものである。本実施形態ではケーシング部をステレンス鋼によって形成し、戸外に設置しても充分な耐候性が得られるようにした。ろうそく立て20のケーシング部は前後面、両側面、上底面の6面で囲まれた矩形の箱形をなす。
【0014】ケーシング部のうち、前面はろうそくの出し入れ、点火のための開閉扉22となっている。24は開閉扉22を支持するヒンジである。本実施形態では開閉扉22が右側に開くように取り付けたが、観音開き形式で左右に開くように取り付けてもよく、また、上下に開くように取り付けてもよい。開閉扉22はステンレス鋼により小さな格子状に形成する。実施形態では、さらに、格子部分の内側に網26を張るようにしている。格子は火格子としてろうそくの火の見栄えをよくするものであり、網26はケーシング部内の通気を確保し、かつ蜂などが侵入しないようにするためのものである。
【0015】ケーシング部の天井部28もステンレス鋼により小さな格子状に形成し、かつ格子部分の内側に網を張る。天井部28にも網を張るのは、ケーシング部と外部とを通気させるためと、蜂などがろうそく立て20の内側に侵入しないようにするためである。ろうそく立て20のケーシング部で外部と通気するのは前面の開閉扉22と天井部28のみであり、これによって開閉扉22から天井部28へ向けて空気の流れをおこし、ろうそくの火が安定して消えないようにすることができる。
【0016】ケーシング部の側面部30もステンレス鋼により小さな格子状に形成する。そして、側面部30には網にかえて透明なガラス板32を装着し、火格子を介してろうそく立て20の内部が透視できるようにする。透明なガラス板32を装着するのは、ろうそく立て20の内部が視認できるようにするためと、ろうそく立て20の側面から雨風が入り込まないようにするためである。なお、図2に示すように、ろうそく立て20のケーシング部の底部34と背面部36については、ステンレス鋼の平板によって形成し、外気が進入しないように密閉する。背面部36を鏡面とするとろうそくの火が背面部36に反射してきれいに見える。
【0017】以上説明したように、ろうそく立て20は前面の開閉扉22と天井部28のみ網が張られて通気性を有している。図1に示すように、石材部40にろうそく立て20をセットした状態ではろうそく立て20の正面部分がひろく開放しているのに対して、天井部28については収納凹部46の内面との間で若干隙間があいているに過ぎない。しかし、開閉扉22の全面から通気させ、天井部28からある程度の通気を確保しておけば、ろうそくの火を灯しておくには十分である。
【0018】図2は開閉扉22を開いて、ろうそく立て20の内部にろうそく38をセットした状態を示す。39はろうそく台である。ろうそく立て20の内部にろうそく38をセットし、火をつけ、開閉扉22を閉じることによってろうそく38が灯される。本実施形態のとうろう10はろうそく立て20の側面部30と前面の開閉扉22が外部にそのままあらわれたかたちで装着されるから、ろうそくの火が前面からも側面からも小格子をとおしてきれいに見ることができ、きわめて見栄えのよいとうろうとなる。
【0019】また、ろうそく立て20の前面全体が開閉扉22になっていて、広く開くから、ろうそく立て20にろうそくを差し入れたり、ろうそくに点火する操作が容易で取扱い性が良いという利点がある。また、ろうそく立て20のケーシング部、ガラス板32などが汚れた場合には、ろうそく立て20だけを取り外してきれいにすることができる。また、ステンレス鋼のような耐候性のある素材によって形成すれば、十分な耐久性を有するとともに、いつまでも外観のきれいな状態で維持することができる。また、ろうそく立て20は網を張ることによって蜂などが進入しないように形成しているから、ろうそくを灯す際に蜂に刺されるといった危険を防止することができる。また、開閉扉22に鍵をかけるようにしておくこともできる。
【0020】なお、本実施形態ではろうそく立て20のケーシング部はステンレス鋼によって形成したが、もちろんステンレス鋼以外の素材を用いることも可能である。ケーシング部の素材としては、内部でろうそくを灯すから一定程度の耐熱性を有し、また耐候性を有する素材であればよい。また、本実施形態ではろうそく立て20の側面に透明体としてガラス板32を装着したが、一定の耐熱性等を有する素材であればよく、ガラス素材に限定されるものではない。
【0021】また、ろうそく立て20の全体形状も必ず矩形の箱形でなければならないものではなく、ケーシング部を六角形等の他の形態に形成したものであってもよい。その場合も、ケーシング部の前面を開閉扉としてろうそくの差し入れ、点火等が容易にできるようにし、前面と上面を格子あるいは網等により通気性を有するよう形成し、その他の面を閉止するようにする。また、外部に露出する側面部分については格子状としガラス板等の透明体によって内部が透視できるようにするのがよい。
【0022】
【発明の効果】本発明に係るとうろうは、上述したように、ろうそく立てを石材部とは別体に形成したことによって、石材部の加工を容易にすることができる。ろうそく立ては内部に雨風が侵入しないケーシング部の構成とすることによって、ろうそくの火が風などで消えないようにすることができる。また、ケーシング部の前面と上面の通気性を確保することによってろうそくを安定させて灯すことができる。また、ろうそく立てを石材部の収納凹部に装着した際に外部に露出する面を格子面とすることによって、ろうそくの火を灯したときの見栄えをよくすることができる等の著効を奏する。
【出願人】 【識別番号】398011262
【氏名又は名称】有限会社青木石材工業
【出願日】 平成10年(1998)3月3日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】綿貫 隆夫 (外1名)
【公開番号】 特開平11−250709
【公開日】 平成11年(1999)9月17日
【出願番号】 特願平10−50887