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【発明の名称】 太陽光自動追尾装置
【発明者】 【氏名】小林 正二

【要約】 【課題】装置が簡単で且つ正確に作動し、さらに安全に使用することができる太陽光自動追尾装置を提供することを課題とする。

【解決手段】太陽自動追尾装置における追尾装置本体1の上昇開始センサ本体11の複数の縦長スリットa,b,cを縦横方向に位置を変えて形成してなる不透光性の上昇開始センサカバー14で覆い、さらに同上昇開始センサカバー14は内外面を黒色無反射とし、また上昇開始センサの底面に、内面黒色無反射の不導体20を配置して構成してある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】前部の開口部にレンズを配置してなる追尾装置本体と、追尾装置本体の外側に配置し、追尾装置を太陽光の方向に向けるための主センサと、太陽の位置を検出し上昇を開始させる上昇開始センサと、追尾装置本体の後方の天空の明るさを検出する後方センサとを有し、前記、上昇開始センサ本体を複数本の縦長スリットを縦横方向に位置を変えて形成してなる不透光性の上昇開始センサカバーで覆い、さらに同上昇開始センサカバーは内外面を黒色無反射とし、また上昇開始センサの底面に、内面黒色無反射の不導体を配置したことを特徴とする太陽光自動追尾装置。
【請求項2】上昇開始センサ本体を覆ってなる上昇開始センサカバーに三つの縦長スリットa,b,cを形成し、bは水平方向において、ホトトランジスタの前方で、且つ鉛直方向で30°から60°の位置に形成し、cは水平方向において、bの右方向に15°離れ、且つ鉛直方向で0°から30°の位置に形成し、aは水平方向において、bの左方向に15°離れ、且つ鉛直方向で60°から80°の位置に形成し、たえずホトトランジスタの光を検出する構造としたことを特徴とする請求項1記載の太陽光自動追尾装置。
【請求項3】隣合う縦長スリットaとb、bとcは、縦方向において、僅かに重なる長さに構成したことを特徴とする請求項1および請求項2に記載の太陽光自動追尾装置。
【請求項4】上昇開始センサカバーの中央のスリットbと、スリットbの両端に構成してなるスリットaとスリットcは、水平面上15°の角度を有して構成したことを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載の太陽光自動追尾装置。
【請求項5】上昇開始センサカバーのスリットa,b,cは、0.5mmとしたことを特徴とする請求項1乃至請求項4に記載の太陽光自動追尾装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は太陽光自動追尾装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、太陽光を追尾して集光器で太陽光を集光し、光ファイバーで太陽光を例えば地下空間等の所望の箇所に導き照明光として利用する技術が開発され、一部で実施されている。ところで従来、太陽光を追尾するには、太陽の軌跡を予めコンピュータに入力し、コンピュータのみで太陽光を追尾する構造あるいはコンピュータと光センサを組合わせて太陽光を追尾する構造が開発されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで上記したコンピュータのみで太陽光を追尾する構造によると、設置場所の経緯、経度、高度、世界標準時等を正確にコンピュータに入力する必要があり、相当な時間を要する。また地球の自転の速度と同じ速度で集光器を移動させる必要があり装置が高価で複雑となる欠点がある。また太陽光の大気による屈折も考慮しなければならない。
【0004】さらにコンピュータと光センサを併用する構造においては、一時的に太陽が雲の影に入った場合等に、その度にセンサが作動すると、集光器を含めた装置の動きが複雑となり、また装置が早期に劣化し易い欠点がある。
【0005】本発明は上記の点に鑑み発明したものであって、装置が簡単で、正確に作動し、さらに安全に使用することのできる太陽光自動追尾装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記した課題を解決するために次の構成とする。請求項1に記載の発明は、前部の開口部にレンズを配置してなる追尾装置本体と、追尾装置本体の外側に配置し、追尾装置を太陽光の方向に向けるための主センサと、太陽の位置を検出し上昇を開始させる上昇開始センサと、追尾装置本体の後方の天空の明るさを検出する後方センサとを有して構成してある。また上昇開始センサ本体を複数本の縦長スリットを縦横方向に位置を変えて形成してなる不透光性の上昇開始センサカバーで覆い、さらに同上昇開始センサカバーは内外面を黒色無反射として構成してある。さらに上昇開始センサの底面に、内面黒色無反射の不導体を配置して構成してある。
【0007】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の上昇開始センサ本体を覆ってなる上昇開始センサカバーに三つの縦長スリットa,b,cを形成して構成してある。またbは水平方向において、ホトトランジスタの前方で、且つ鉛直方向で30°から60°の位置に形成し、cは水平方向において、bの右方向に15°離れ、且つ鉛直方向で0°から30°の位置に形成し、aは水平方向において、bの左方向に15°離れ、且つ鉛直方向で60°から80°の位置に形成してある。そして、たえずホトトランジスタの光を検出する構造としてある。
【0008】請求項3に記載の発明は、請求項1および請求項2に記載の縦長スリットaとb、bとcは、縦方向において、僅かに重なる長さに構成してある。
【0009】請求項4に記載の発明は、請求項2乃至請求項3に記載の上昇開始センサカバーの中央のスリットbと、スリットbの両側に構成してなるスリットaとスリットcを、水平面上15°の角度を有して構成してある。
【0010】請求項5に記載の発明は、請求項2乃至請求項4に記載の上昇開始センサカバーのスリットa,b,cを、0.5mmとして構成してある。
【0011】
【発明の実施の形態】以下本発明を図1乃至図5について説明する。図1及び図2において、1は追尾装置本体であって、例えば角形箱状に構成してある。2は追尾装置本体1の前部開口部に配置してなるレンズであって、例えばフレネルレンズを用いて構成してある。
【0012】図1及び図2において、Aは追尾装置本体の外側適所に配置してなる主センサを収納してなる主センサボックスであって、追尾装置を太陽光の方向に向ける機能を有する。Bは内部に上昇開始センサを収納してなる補助ボックスであって、追尾装置本体1の外側適所に配置し、追尾装置本体を太陽の方向に向けて上昇させる機能を有する。Cは下降用センサであって、追尾装置本体を太陽の方向に向けて下降させる機能を有する。Dは追尾装置本体1の内部に配置してなる上昇用センサであって、追尾装置本体を太陽の方向に向けて上昇させる機能を有する。Eは追尾装置本体の内部に配置してなる停止追尾用センサであって、追尾装置本体を所定の角度で停止させる。Fは集光部下降用センサであって、追尾装置本体の内部に配置して構成してある。Gは微調整用センサであって、ファイバーの中心に太陽光を入れるために上下水平を微調整し、さらに装置を進め、あるいは停止させる。
【0013】上記した太陽光自動追尾装置によると、主センサで大方の位置決めをした後、水平に回転させ、さらに内部上昇センサと下降センサで追尾装置本体を鉛直方向の位置を決める。かかる後、停止追尾用センサで水平回転を停止させ、集光部下降用センサで微調整センサの制御範囲内に引き継ぐ。上昇開始センサの役割は、主センサや後方センサ、天気判断用センサで天空の明るさを検知し水平回転している集光器を、太陽からの適切な角度から適切な時間上昇させ、主センサの鉛直上下方向の制御範囲に引き継ぐことである。そして集光した光は例えば光ファイバーで所望の箇所に導き照明として利用し、または太陽集光熱として利用する。
【0014】また補助ボックスBは図4及び図5に示すように構成してある。11は上昇開始センサを構成する上昇開始センサ本体、12はセンサ素子であって、ホトトランジスタを用いて構成してある。また同センサ素子12は例えば45°鉛直上向きに構成してある。13はリード線、14はセンサ素子12を覆う黒色無反射不透光性のセンサカバーであって、図3に示すように、複数本の縦長スリットを縦横方向に位置を変えて形成してある。同スリットは、上昇開始センサカバーに三本の縦長スリットa,b,cを形成して構成してある。またbは水平方向において、センサ素子を基準とし、前方で、且つ鉛直方向で30°から60°の位置に形成し、cは上方から見た水平角度において、bの右方向に15°離れ且つ鉛直方向で0°から30°の位置に形成し、aは上方から見た水平角度において、bの左に15°離れ且つ鉛直方向で60°から80°の位置に形成して構成してある。水平方向、鉛直方向に上記の角度を設けた理由は、主センサの上下方向を制御する光センサ素子に、水平上昇回転を続けながら的確に次の制御を引き継ぐためであり、モータの回転角度に一致させて構成してある。すなわち太陽の位置からの水平方向の上昇開始角度をスリットで自動的に変えることにより、水平回転をしながらの上昇に費やす時間を変え、主センサに引き継いでいる。制御回路にも同じ効果のタイマーがあり、制御効果が大きい。またスリットの寸法は、例えば0.5mm程度の幅で、長さはa,b,cの順で4mm、4mm、10mm程度に構成してある。a,b,cのスリットは縦方向において数ミリメートル重なる長さとし太陽光その他の平行光源装置等を利用して、黒色接着剤で基本を作る方法である。幅は0.5ミリメートルより狭いとセンサ素子が回転しながら太陽光を検出せず、幅が広いと太陽の水平方向の位置の検出に誤差がでる。狭い幅とは例えば0.1mm乃至0.2mmをいい、広い幅とは例えば1mm乃至2mmである。
【0015】上記スリットは、例えば3本有して構成してある。これは本数が多いと、天空の雲の反射光を拾い、太陽の位置を的確に検出できなくなるためである。また本数が1本から2本であると、地域、季節、時刻により太陽仰角が異なるのに太陽光からの水平角度に差が設けられず、上昇時間が一様になり、主センサの鉛直上下方向のセンサ素子に太陽光が入らず追尾できなくなるためである。この場合、主センサのセンサ素子を増やすか、レンズを使用し、光学的に検出角度を広げるとることが考えられる。スリットが3本の場合例えば日本で夏の仰角の高い70°乃至80゜の時aのスリットで上昇を開始させ、冬の仰角の低い20°乃至30゜でcのスリットで上昇を開始させる。上記した本発明によると、地域、季節、時刻を問わず太陽の仰角により、自動的にスリットを選択し、太陽を追尾する。
【0016】20は上昇開始センサを収納してなる金属性の覆体であって、彩光窓21と22を有して構成してある。23は覆体20を支持する板状不導体である、例えばゴム材で構成する。また20の覆体を金属性としたことにより落雷による上昇開始センサ、他のセンサの被害を防止することができる。
【0017】24は反転停止スイッチであって、板状不導体23に埋め込んであり、集光器が90°上方を向いたときにオフする構造となっている。小形で頑丈な水銀スイッチを使用している。25は板状不導体23に支持してなる後方センサであって、光検出窓22に対応して配置し構成してある。集光器後方の天空の明るさを検出し、天気判断用センサと連係して集光器を始動させる。主センサの進み側ホトトランジスタで太陽光が検出できるときは主センサと天気判断用センサと連係で、それ以外は、後方センサと天気判断用センサと連係で広い角度で水平回転をさせる。26は板状不導体23に埋め込むセンサケーブル用ターミナルである。
【0018】次に上記した上昇開始センサを使用した太陽光自動追尾装置における太陽光の追尾方法について説明する。仰角80°を仮定して太陽から水平105°以上手前に設置した始動開始位置より、時計回りに水平回転し始め、仰角が60°〜80°のとき、太陽から105°手前よりaのスリットで上昇を開始し、主センサ、内部センサの順で太陽光が入り集光する。また仰角が30°〜60°のとき水平角度90°手前よりbのスリットで上昇を開始し、同様に主センサ、内部主センサの順で集光する。仰角が0°〜30°のとき、水平角度で手前75°付近よりcセンサで上昇し始め、主センサ、内部センサの順で光が入り集光させる。上昇開始センサには前述の角度を基準に縦方向に数mm重なるようにスリットを切り、ホトトランジスタを頑丈に固定してある。またスリットを形成するには、センサカバーに切ってあるスリットの長さを黒色接着剤を用いて調整し、基本形を構成する。後は複製して製造する。調整する装置は例えば上昇開始センサを取付板に固定し、光源との鉛直角度、水平角度を調整できるようにし、トランジスタやリレーを利用した回路に接続して音や光で動作を確認するものでもよい。
【0019】
【発明の効果】上記した請求項1と請求項2に記載の発明によると、地域、季節、時刻を問わず上昇開始センサで正確に主センサを太陽方向に向け、集光器内部センサ、内部微調整センサで太陽光を集光し、光ファイバーで光として利用するか、太陽集光熱を利用する熱源としての特有な効果を有する。また主センサを横に広けず小形のまま使用でき集光器全体の外観がよくなり、センサ素子の受光角度、センサ素子が単体でよいとの関係で、主センサの精度、耐久性も向上する特別な効果を有する。
【0020】請求項3乃至請求項5に記載の発明によると、簡単な構成で、正確に作動し、安全に使用することのできる特別な効果がある。
【出願人】 【識別番号】000000192
【氏名又は名称】岩崎電気株式会社
【出願日】 平成10年(1998)2月26日
【代理人】
【公開番号】 特開平11−250708
【公開日】 平成11年(1999)9月17日
【出願番号】 特願平10−60305