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【発明の名称】 調色照明装置
【発明者】 【氏名】飯田 和久

【氏名】入江 吉治

【氏名】棚橋 文子

【要約】 【課題】色むらを防止するための設計上の制約を緩和すると共に、ランプの周囲温度の上昇を抑制して器具効率を良くする。

【解決手段】器具本体1と、この器具本体1に保持される光色の異なる複数のランプ2とを備え、これらの各ランプ2を調光させて各ランプ2の光を混合、調色させる調色照明装置において、ランプ2が照射面7側から直接視認可能に形成すると共に、前記器具本体1に各ランプ2の照射領域が照射面7上で略同じとなるように設定する配光制御反射板9を設け、この配光制御反射板9を回動自在として各ランプ2の照射面7上での照射領域を可変とさせて、各ランプ2からの直射光を照射面7で混合して調色するようにさせた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 器具本体と、この器具本体に保持される光色の異なる複数のランプとを備え、これらの各ランプを調光させて各ランプの光を混合、調色させる調色照明装置において、前記ランプが前記照射面側から直接視認可能に形成すると共に、前記各ランプからの直射光が前記照射面で混合されて調色されるように形成したことを特徴とする調色照明装置。
【請求項2】 前記器具本体に、前記各ランプの照射領域が照射面上で略同じとなるように設定する配光制御反射板を設け、この配光制御反射板を回動自在として前記各ランプの前記照射面上での照射領域を可変としたことを特徴とする請求項1記載の調色照明装置。
【請求項3】 前記照射面が作業面とされる直接照明器具であることを特徴とする請求項1、または請求項2記載の調色照明装置。
【請求項4】 前記照射面が天井面とされる間接照明器具であることを特徴とする請求項1、または請求項2記載の調色照明装置。
【請求項5】 前記間接照明器具が、建築化照明であることを特徴とする請求項4記載の調色照明装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、調色照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図4は、従来の調色照明装置を示すもので、この調色照明装置は、天井に埋め込まれて設置され、下方の床面等を照明する直接照明器具であって、一方である下方に開口した略箱状の器具本体1の内部に光色の異なる複数のランプ2を備えてなり、その開口1a側には透光性を有する乳白色の拡散パネル3が開口1aを略塞ぐように枠体4に支持されて配設されている。また、器具本体1の内部には、各ランプ2を点灯させる点灯装置5が収容されると共に、ランプ2と器具本体1の間には、点灯装置5を開口1a側から略隠すように1枚の反射板6が取り付けられている。そして、この反射板6は、各ランプ2から器具本体1の背面側である反射板6側に向かう光を、開口1a側である拡散パネル3側に反射させ、この調色照明装置では、略拡散パネル3上で各ランプ2からの光を混合させて調色を行うようにされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述のように構成された従来の調色照明装置においては、一方である下方に開口した略箱状の器具本体1の開口1aが、各ランプ2からの光を調色させるようにするために拡散パネル3で略塞がれているため、ランプ2や点灯装置5等の発熱部品が収容された器具本体1の内部空間では、空気の流れがほとんどなくなってランプ2の周囲温度が高くなり、ランプ2の発光効率が低下してしまうという問題点があった。
【0004】また、各ランプ2から放射される光は、器具本体1の開口1a側から放出される際に、必ず開口1aに配設された乳白色の拡散パネル3を透過することになるため、その光の一部は拡散パネル3を透過時に吸収されて、さらに器具効率の低下を招くという問題点があった。
【0005】さらには、各ランプ2からの光を調色するために器具本体1の開口1aに配設される拡散パネル3が、ランプ2に比較的近接して配設されるものであるために、拡散パネル3上に色むらが生じ易く、その色むらを抑制するためには、ランプ2と拡散パネル3の位置や、反射板6、及び拡散パネル3等の設計に種々の制約が生ずるという問題点があった。
【0006】本発明は、上記問題点に鑑みてなされもので、その目的とするところは、色むらを防止するための設計上の制約を緩和し、ランプの周囲温度の上昇を抑制した器具効率の良い調色照明装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決するため、請求項1記載の発明にあっては、器具本体と、この器具本体に保持される光色の異なる複数のランプとを備え、これらの各ランプを調光させて各ランプの光を混合、調色させる調色照明装置において、前記ランプが前記照射面側から直接視認可能に形成すると共に、前記各ランプからの直射光が前記照射面で混合されて調色されるように形成したことを特徴とする。
【0008】請求項2記載の発明にあっては、請求項1記載の調色照明装置において、前記器具本体に、前記各ランプの照射領域が照射面上で略同じとなるように設定する配光制御反射板を設け、この配光制御反射板を回動自在として前記各ランプの前記照射面上での照射領域を可変としたことを特徴とする。
【0009】請求項3記載の発明にあっては、請求項1、または請求項2記載の調色照明装置において、前記照射面が作業面とされる直接照明器具であることを特徴とする。
【0010】請求項4記載の発明にあっては、請求項1、または請求項2記載の調色照明装置において、前記照射面が天井面とされる間接照明器具であることを特徴とする。
【0011】請求項5記載の発明にあっては、請求項4記載の調色照明装置において、前記間接照明器具が、建築化照明であることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の調色照明装置の第1の実施の形態を示すものであり、この調色照明装置は、照射面7が作業面7aとされる直接照明器具8であって、器具本体1と、ランプ2、及び配光制御反射板9とを備えて構成されている。
【0013】器具本体1は、一方に開口した略箱状であって、開口1aを下方に向けて天井面10に設けられた貫通孔である埋込孔10aに埋め込み取り付け可能に形成されている。また、器具本体1の内部には、光色の異なる複数のランプ2がソケット(図示せず)を介して保持されるようにされると共に、複数のランプ2を点灯させるための点灯装置5が収容されており、この複数のランプ2は、それぞれ調光制御可能に構成されている。
【0014】配光制御反射板9は、1枚の主反射板9aと複数の補助反射板9bとにより構成されている。主反射板9aは、ランプ2と器具本体1の間であって、点灯装置5を開口1a側から略隠すように器具本体1に取り付けられており、各ランプ2から上方に向かう光を開口1a側である照射面7側に反射させるようにされている。
【0015】補助反射板9bは、各ランプ2毎に設けられ、それぞれが略樋状の底部を開口させて開口させた部分近傍にランプ2が配設されてなり、補助反射板9bがランプ2の側面をその光軸に沿って略覆うように主反射板9aの前面側に配設されると共に、器具本体1の両端側の側壁に回動軸(図示せず)を介して取り付けられ、ランプ2と平行な軸を中心として回動自在に構成されている。つまり、器具本体1の開口1a下面側の照射面7とされる作業面7aである、例えば床面11や机上面等の側から器具本体1側を見ると、各ランプ2は主反射板9aの前面側で補助反射板9bの内部にあって、補助反射板9bの前面側の開口を通して直接、視認できるように配設されているのである。そして、補助反射板9bを回動させることにより、各ランプ2の照射方向(補助反射板9bにより決定される各ランプ2の光軸方向)が変化し、これにより、各ランプ2の照射面7となる床面11や机上面等の略水平面上では、各ランプ2の照射領域が可変とされると共に、この各ランプ2の照射領域が照射面7上で略同じとなるように、つまり、照射領域が互いに略重なるように設定自在とされている。
【0016】このように構成された調色照明装置では、補助反射板9bを回動させて各ランプ2の照射方向を照射面7である作業面7aの所定の領域で合わせるように設定し、各ランプ2をそれぞれ調光制御させることにより、各ランプ2からの光を、器具本体1の開口1aから照射面7である作業面7aとされた床面11に直接到達させ、その光を照射面7である作業面7a上で混合させて調色させる。
【0017】このように構成されているため、本実施の形態における調色照明装置においては、器具本体1の開口1aは、照射面7側からランプ2が直接視認可能となるように開口したままとされているために、器具本体1の内部温度が上昇しにくくなってランプ2の発光効率も低下せず、また、ランプ2からの光が拡散パネル等を透過することなく照射面7に直接到達するため、拡散パネル等で吸収されることもなくなって、器具効率を良くすることができる。また、拡散パネルを有する従来の調色照明装置では、ランプに近接した拡散パネル上で色むらなく調色させるためには、拡散パネルとランプとの距離や反射板の配光設計等に制約が多くなるのに対して、本実施の形態では、ランプ2と離れた照射面7上で調色するため、これらの制約が少なくなって設計の自由度が向上する。
【0018】さらには、調色照明装置が直接照明器具8であって、各ランプ2からの光が照射面7である作業面7aで調色されるものであるために、空間において色温度の変化を感じることができ、拡散パネル面上で色温度の変化を感じるものにくらべて、調色照明装置の存在感をなくすこともできる。
【0019】また、各ランプ2の照射領域が照射面7上で略同じとなるように設定可能な配光制御反射板9が、各ランプ2の照射方向(光軸)を変化させるように回動自在とされているため、この配光制御反射板9が回動することにより、各ランプ2の照射方向(光軸)が変化して照射面7上での照射位置を変化させることができ、スポットライト的な照明を得ることもできる。
【0020】図2は、本発明の調色照明装置の第2の実施の形態を示すものであり、前記第1の実施の形態と異なる点は、配光制御反射板9である主反射板9aと補助反射板9bの形状を変えて、器具本体1の開口1aから光を斜め前面側に放出させ、照射面7が作業面7aである略鉛直面をなす壁面12となるようにさせた点であり、他は前記第1の実施の形態と略同様に構成されている。このように構成しても前記第1の実施の形態と同様の効果を奏する。なお、本実施の形態における作業面7aとは、光を必要とする面のことであって、特に何らかの作業をする面である必要はない。
【0021】図3は、本発明の調色照明装置の第3の実施の形態を示すものであり、この調色照明装置は、天井面10を照射面7とした間接照明器具13であるコ−ブ照明と呼ばれる建築化照明であって、器具本体1と、ランプ2、及び器具本体取付部14とを備えて構成されている。
【0022】器具本体1は、細断面で長尺の略箱状であって、両端近傍には複数の光色の異なるランプ2を保持させる少なくとも2対のソケット1bが配設されると共に、内部にはランプ2を点灯させ、調色制御可能な点灯装置が収容されてる構成されている。
【0023】器具本体取付部14は、天井面10と壁面12とがなす角部に近接して壁面12に設けられ、特に限定されるものではないが例えば壁面12と一体で形成されてなり、断面が略L字状をなすものであって、壁面12から天井面10と略平行に突出する突出部14aと、その突出部14aの先端から天井面10側に向かって、天井面10と所定距離まで立ち上がる立ち上がり部14bとを備えて構成されている。
【0024】そして、器具本体取付部14の突出部14a上面に器具本体1が取り付けられ、立ち上がり部14bが作業面7aとされる例えば床面11側からランプ2が直接視認できないようにさせ、ランプ2からの光は、照射面7とされる天井面10で混合されて調色され、その反射光が作業面7aとされる例えば床面11側に到達するようにされている。なお、このとき、天井面10と壁面12及び器具本体取付部14の器具本体1を囲む側の面は、反射率を高くするため白色または白色に近い色とされる。
【0025】このように構成しても前記第1の実施の形態と略同様の効果を奏すると共に、調色照明装置が天井面10を照射面7とした間接照明器具13であるため、やわらかい光を得ることができる。
【0026】なお、前記各実施の形態においては、配光制御反射板9を構成する補助反射板9bが回動可能であるものとしたが、本発明はこれに限らず、照射面上で各ランプの照射領域を略一致させたものであれば、回動しないものであってもよい。
【0027】
【発明の効果】このように構成されているため本発明は、請求項1記載の発明にあっては、器具本体1の開口は、照射面側からランプが直接視認可能となるように開口したままとされているために、器具本体の内部温度が上昇しにくくなってランプの発光効率も低下せず、また、ランプからの光が拡散パネル等を透過することなく照射面に直接到達するため、拡散パネル等で吸収されることもなくなって、器具効率を良くすることができる。また、拡散パネルを有する調色照明装置では、ランプに近接した拡散パネル上で色むらなく調色させるためには、拡散パネルとランプとの距離や反射板の配光設計等に制約が多くなるのに対して、本発明では、ランプと離れた照射面上で調色するため、これらの制約がなくなって設計の自由度が向上する。
【0028】請求項2記載の発明にあっては、請求項1記載の発明の効果に加えて、各ランプの照射領域が照射面上で略同じとなるように設定可能な配光制御反射板が、各ランプの照射方向(光軸)を変化させるように回動自在とされているため、この配光制御反射板が回動することにより、各ランプの照射方向(光軸)が変化して照射面上での照射位置を変化させることができ、スポットライト的な照明を得ることもできる。
【0029】請求項3記載の発明にあっては、請求項1または請求項2記載の発明の効果に加えて、調色照明装置が直接照明器具であって、各ランプからの光が照射面である作業面で調色されるものであるために、空間において色温度の変化を感じることができ、拡散パネル面上で色温度の変化を感じるものにくらべて、調色照明装置の存在感をなくすこともできる。
【0030】請求項4及び請求項5記載の発明にあっては、請求項1または請求項2記載の発明の効果に加えて、調色照明装置が天井面を照射面とした間接照明器具であるため、やわらかい光を得ることができる。
【出願人】 【識別番号】000005832
【氏名又は名称】松下電工株式会社
【出願日】 平成9年(1997)9月30日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 成示 (外1名)
【公開番号】 特開平11−111018
【公開日】 平成11年(1999)4月23日
【出願番号】 特願平9−265509