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【発明の名称】 天井固定型照明装置
【発明者】 【氏名】黒川 雅之

【要約】 【課題】比較的簡単な工事で設置することができ、室内に大きな突出部が形成されることがなく、保守や交換も容易である天井固定型照明装置の提供。

【解決手段】上下方向に伸び、下端に開口する筒状部の下端縁に鍔部が形成されてなり、筒状部が天井壁に形成された穴を介して上方に挿入された状態で天井壁に装着されたケース11と、このケースの下方に位置され、ケースに着脱自在に保持された透光性のランプカバー12と、ケースに固定して設けられたケースの内部空間およびこれに連通するランプカバー内空間を上下に区画する反射板25と、反射板の下方のランプ配置用空間30内に配置された照明ランプ13と、ランプ支持部材34および点灯用回路装置45とを有してなり、反射板の上方の上部空間40にはランプ支持部材および点灯用回路装置の少なくとも一部が配設されている。ケースの筒状部および反射板には放熱用貫通孔Tが形成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 上下方向に伸び、下端に開口を有する筒状部の下端縁に外方に突出する鍔部が形成されてなり、当該筒状部が天井壁に形成された穴を介して上方に挿入された状態で天井壁に装着されたケースと、このケースの下方に位置され、当該ケースに保持された透光性のランプカバーと、前記ケースに固定して設けられた、当該ケースの内部空間およびこれに連通するランプカバー内空間を上下に区画する反射板と、この反射板の下方において区画されたランプ配置用空間内に配置された照明ランプと、この照明ランプを支持するランプ支持部材および点灯用回路装置とを有してなり、前記反射板の上方において区画された上部空間には、前記ランプ支持部材および点灯用回路装置の少なくとも一部が配設されていることを特徴とする天井固定型照明装置。
【請求項2】 ケースの筒状部には放熱用貫通孔が形成され、これにより上部空間が天井壁の上方空間に連通されていることを特徴とする請求項1に記載の天井固定型照明装置。
【請求項3】 反射板に放熱用貫通孔が形成され、これによりランプ配置用空間が室内の空間に連通されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の天井固定型照明装置。
【請求項4】 上部空間内に、照明ランプの点灯用回路装置を構成する安定器が配設されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一に記載の天井固定型照明装置。
【請求項5】 ランプ配置用空間内に、複数の照明ランプが配設されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一に記載の天井固定型照明装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建造物の室の天井に固定されて室内を照明するための天井固定型照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、室内を照明するために天井に照明装置を設置することが広く行われている。このような天井固定型照明装置としては、いわゆるダウンライト型照明装置と、シーリングライト型照明装置が知られている。
【0003】ダウンライト型照明装置は、天井壁に形成された開口を利用して発光ランプを含む照明器具および点灯用回路装置を天井壁の上部空間すなわち天井裏空間に収納してなり、発光部あるいは発光面のみが天井壁表面に配置されるために室内に大きな空間占領部が形成されることがない点で好ましいものである。一方、シーリングライト型照明装置は、照明装置の全部を天井壁の表面に設置するので、その設置工事が容易であり、また室内装飾機能を発揮させることが可能である。
【0004】しかしながら、従来の天井固定型照明装置においては、いずれも、次のような問題点がある。すなわち、ダウンライト型照明装置においては、天井壁という建築構造体に当該照明装置に応じた大きな面積の穴を形成することが必要であるために大掛かりな工事が必要となる、という問題点がある。
【0005】一方、シーリングライト型照明装置においては、天井壁に開口を形成するなどの構造的な工事は不要であって設置工事が簡単でよい利点があるが、当該照明装置の全体が室の空間内に配置されることから、室内に大きな空間占領部が形成されることが避けられない、という問題点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、その目的は、比較的簡単な工事で設置することができ、しかも室内に大きな空間占領部が形成されることがなく、保守や交換もきわめて容易である天井固定型照明装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の天井固定型照明装置は、上下方向に伸び、下端に開口を有する筒状部の下端縁に外方に突出する鍔部が形成されてなり、当該筒状部が天井壁に形成された穴を介して上方に挿入された状態で天井壁に装着されたケースと、このケースの下方に位置され、当該ケースに保持された透光性のランプカバーと、前記ケースに固定して設けられた、当該ケースの内部空間およびこれに連通するランプカバー内空間を上下に区画する反射板と、この反射板の下方において区画されたランプ配置用空間内に配置された照明ランプと、この照明ランプを支持するランプ支持部材および点灯用回路装置とを有してなり、前記反射板の上方において区画された上部空間には、前記ランプ支持部材および点灯用回路装置の少なくとも一部が配設されていることを特徴とする。
【0008】以上において、ケースの筒状部には放熱用貫通孔が形成され、これにより上部空間が天井壁の上方空間に連通されていることが好ましい。また、反射板に放熱用貫通孔が形成され、これによりランプ配置用空間が室内の空間に連通されていることが好ましい。
【0009】また、上部空間内には、照明ランプの点灯用回路装置を構成する安定器を配設することができ、ランプ配置用空間内には、複数の照明ランプを配設することができる。
【0010】
【作用】本発明の天井固定型照明装置によれば、実質上、照明ランプが配置されるランプ配置用空間の一部または全部が天井壁の下面に位置され、点灯用回路装置およびランプ支持部材の少なくとも一部が、天井壁に固定されて実質上天井裏空間内に位置されたケースの筒状部内に配置されるため、天井壁に対する比較的簡単な工事で設置することができ、しかも室内に大きな空間占領部が形成されることがなくて実質上ダウンライト型照明装置と同様の照明効果と外観が得られ、しかも点灯用回路装置の保守や照明ランプの交換もきわめて容易である。また、放熱用貫通孔を形成することにより、照明ランプおよび点灯用回路装置から放出される熱を良好に放散させることができるので、長い使用寿命が得られる。更に、上部空間内に点灯用回路装置を配置する構成によれば、照明装置の全体がケースによって支持された状態となるので、その取扱いが容易となる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1は、本発明の一実施例に係る天井固定型照明装置10の構成を、天井壁に装着された状態で示す説明用縦断面図であり、図2は、ランプカバーの一部を除去して下方から見た状態の説明図、図3は、ケースの筒状部内を示す平面図である。
【0012】図において、11はケース、12はランプカバー、13は照明ランプ、Cは天井壁を示す。ケース11は例えばステンレス鋼などの金属製であって、上下方向に伸びて下端に開口16を有する円筒状の筒状部15と、この筒状部15の下端開口縁から外方に屈曲されて断面U字状に折り返された鍔部17と、この鍔部17の先端縁に形成された固定縁部18とにより構成されている。19は筒状部15の上端の底板、20は、必要に応じて使用される吊りボルト用孔である。
【0013】このケース11は、天井壁Cに形成された穴Hを介してその筒状部15が上方に挿入され、鍔部17の先端の固定縁部18が穴Hの周辺において天井壁Cの下面に対接した状態で当該天井壁Cに装着されている。この装着の手段は特に限定されるものではないが、この例では、筒状部15の外周部に、各々下方に向かって開脚する複数の弾性脚片22が設けられており、この弾性脚片22の下端と前記固定縁部18とによって天井壁Cを挟圧することにより、当該ケース11が固定されている。
【0014】ケース11の鍔部17には、ビス24を介して円形の反射板25が固定されている。この反射板25は中央が下方に僅かに膨出した形態を有し、周縁には上方に屈曲する屈曲縁部26が形成されているが、この屈曲縁部26の先端と、天井壁Cの下面との間にはギャップ28が形成されている。
【0015】ランプカバー12は、透光性材質よりなるドーム状であって、その円形周縁部が反射板25の屈曲縁部26に嵌合固定されることにより反射板25に着脱自在に支持されている。そして、これにより、反射板25とランプカバー12とによりランプ配置用空間30が形成され、このランプ配置用空間30内に位置するよう、この例では棒状の螢光ランプ33よりなる照明ランプ13が左右一対となる配置で、反射板25から伸びるランプ支持部材34によって保持されている。
【0016】ケース11の内部と反射板25によって区画された上部空間40内には、例えば上下方向に伸びる基板部材42が筒状部15の底板19にビス41により固定されており、この基板部材42上に、螢光ランプ33の点灯用回路装置を構成するインバータよりなる安定器45が、適宜の支持部材43により固定して配置されている。
【0017】そして、ケース11の筒状部15並びに鍔部17の折り返された内側スリーブ部分および外側スリーブ部分、反射板25の外周辺部にそれぞれ放熱用貫通孔Tが形成されており、これにより、ランプ配置用空間30は反射板25の放熱用貫通孔Tによりギャップ28を介して当該天井壁Cに係る室内空間に連通した状態とされ、上部空間40は、ギャップ28および鍔部17の放熱用貫通孔Tにより室内空間と連通し、かつ、筒状部15の放熱用貫通孔Tにより天井裏空間と連通した状態とされている。なお、吊りボルト用孔20は、これが塞がれないときは放熱用貫通孔としての作用が得られる場合がある。
【0018】以上のような構成によれば、ランプ配置用空間30内の螢光ランプ33よりの光がランプカバー12を介して投射されて室内が照明されるが、室内に突出する部分が実質上ランプカバー12のみであって大きな空間占領部が形成されることがなく、しかもランプカバー12は天井壁Cに接近して配置されているため、実質上ダウンライト型照明装置と同様の照明効果を得ることが可能であり、外観もダウンライト型照明装置に近似したものとなる。これは、ケース11の筒状部15が天井壁Cの穴Hを介して挿入されて実質上天井裏空間内に位置され、この筒状部15によって区画される上部空間40内に点灯用回路装置を構成する安定器45が、螢光ランプ33と分離されて配置されているからである。
【0019】また、ケース11の筒状部15は小径のものでよいから、当該天井固定型照明装置10を装着するために必要な天井壁Cの工事は単に小径の穴Hを形成することのみであり、従って大掛かりな工事が不要であってコストが非常に低いものとなる。
【0020】更に、ケース11および反射板25の適宜の個所に放熱用貫通孔Tを形成してランプ配置用空間30を室内空間と連通させ、また上部空間40を室内空間および天井裏空間と連通させることにより、螢光ランプ33からの熱の放散および安定器45からの熱の放散を確実に行うことができるので、それらが過熱状態となることが防止され、螢光ランプ33および安定器45の使用寿命が長いものとなり、火災の危険もない。
【0021】そして、上部空間40内に安定器45が配置されているため、螢光ランプ33を含めた照明装置の全体がケース11によって支持されることとなり、従ってその取扱いが容易となる。
【0022】また、ケース11の一部である固定縁部18と弾性脚片22とによる装着方式によれば、例えば弾性脚片22を閉じた状態で下方から穴H内に挿入すれば、弾性脚片22がその弾性によって開脚することにより、いわば自動的に当該天井固定型照明装置10の装着が達成されるので、きわめて便利である。しかし、装着手段がこれに限定されるものではない。
【0023】以上、本発明の実施の一形態について説明したが、本発明は上記の構成に限定されるものではなく、種々の変更を加えることが可能である。例えば、図4は他の実施例に係る天井固定型照明装置50の構成を、天井壁に装着された状態で示す説明用縦断面図であり、図5は、ランプカバーの一部を除去して下方から見た状態の説明図、図6は、ケースの筒状部内を示す平面図である。
【0024】この例では、図1の例と同様の部分を同様の符号で示すが、基本的に、ケース11の形状、反射板25の形状および照明ランプが異なり、また上部空間40内に配置されているものが異なること以外は、図1の例と同様である。具体的に説明すると、ケース11は、筒状部15の上下方向の長さが短いものとされている。反射板25は、その中央部が円錐台状に上方に突出した凹状形態を有しており、照明ランプとしては、反射板25の周辺部に沿って伸びる環状螢光ランプ33Aと、中央において下方に伸びる棒状螢光ランプ33Bがランプ配置用空間30内に配置されている。なお、棒状螢光ランプ33Bの代わりにクリプトン電球33Cを用いることもできる。
【0025】そして、ケース11の筒状部15と反射板25とによって区画された上部空間40内には、照明ランプを支持するためのランプ支持部材34の大部分が収容されており、安定器45は天井壁Cの上面に固定されている。
【0026】この例においても既述の例と同様の作用効果が奏されるが、特に、反射板25が中央に凹状形態を有しているため、その空間を利用して照明ランプ(33Bまたは33C)を配置することができ、その結果、ランプカバー12として下方に膨出する程度が小さいものを用いることができるため、室内からの照明状態および外観は、図1のものよりも、一層ダウンライト型照明装置に近似したものとなる。
【0027】本発明においては、照明ランプは特に制限されるものではなく、種々のものを用いることができるが、特に高輝度の光源ランプを用いると、当該照明ランプ自体が小型であるため、照明装置全体を小型にすることができて好ましい。
【0028】
【発明の効果】本発明の天井固定型照明装置によれば、実質上、照明ランプが配置されるランプ配置用空間の一部または全部が天井壁の下面に位置され、点灯用回路装置およびランプ支持部材の少なくとも一部が、天井壁に固定されて実質上天井裏空間内に位置されたケースの筒状部内に配置されるため、天井壁に対する比較的簡単な工事で設置することができ、しかも室内に大きな空間占領部が形成されることがなくて実質上ダウンライト型照明装置と同様の照明効果および外観が得られ、しかも点灯用回路装置の保守や照明ランプの交換もきわめて容易である。また、放熱用貫通孔を形成することにより、照明ランプおよび点灯用回路装置から放出される熱を良好に放散させることができるので、長い使用寿命が得られる。更に、上部空間内に点灯用回路装置を配置する構成によれば、照明装置の全体がケースによって支持された状態となるので、その取扱いが容易となる。
【出願人】 【識別番号】591051210
【氏名又は名称】株式会社黒川雅之建築設計事務所
【出願日】 平成9年(1997)8月14日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】大井 正彦
【公開番号】 特開平11−66920
【公開日】 平成11年(1999)3月9日
【出願番号】 特願平9−219379