トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F21 照明




【発明の名称】 導光装置および照明システム
【発明者】 【氏名】小平 真二

【要約】 【課題】太陽光を室内に導入する照明システムの保守管理を容易にする。

【解決手段】採光装置12と導光装置14とを接続して、照明システム11を構成する。採光装置12は、光学系21をカバー体22で密閉する。光学系21の前方に、赤外域光を反射する光干渉多層膜を備えた光学フィルタを備える。カバー体22の表面に、二酸化チタンを主成分とした膜28を設ける。光ダクト33の筒状の導光体32は、開口した入光部36および出光部37を入光部カバー41および出光部カバー42で覆って密閉する。光ダクト33を断熱材46で包む。光ダクト33の内部の汚れや結露を抑制できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 光を伝送する筒状の導光体、この導光体に開口して設けられた入光部、およびこの導光体に開口して設けられた出光部を備えた光ダクトと;光ダクトを包囲するように配設された断熱材と;入光部を密閉して覆う透光性を有する入光部カバーと;出光部を密閉して覆う透光性を有する出光部カバーと;を具備したことを特徴とする導光装置。
【請求項2】 光を伝送する筒状の導光体、この導光体に開口して設けられた入光部、およびこの導光体に開口して設けられた出光部を備えた光ダクトと;光ダクトを包囲するように配設された断熱材と;光を採光して出射する光学系、および、この光学系の光路上に設けられ、赤外域光を反射または吸収する光学フィルタを有する採光装置と;出光部を密閉して覆う透光性を有する出光部カバーと;を具備したことを特徴とする照明システム。
【請求項3】 光学系の全体を覆い、光学フィルタを一体的に設けたカバー体を備えたことを特徴とする請求項2記載の照明システム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、筒状の導光体で光を伝送する導光装置および照明システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、実公平4−55365号公報記載の照明システムが知られている。この照明システムでは、採光装置(太陽光集光装置)により太陽光を採光し、角筒状の光ダクトに入光させ、照明を行うようになっている。また、採光装置は、太陽を追尾する平面鏡と、この平面鏡により鉛直方向に方向変換された平行な太陽光を光ダクトに入射させる凹面鏡および凸面鏡となどを備えている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来の構成では、屋外に設置した採光装置と屋内の出光部との間を、筒状の光ダクトを通って換気ダクトのように空気が流れ、光ダクト内に汚れが付着し、あるいは冬場は結露が生じて、光の伝送の効率が低下する一方、建築物内に設置された光ダクト内側の清掃は困難である問題を有している。また、凹面鏡により集光される光には、可視光線の他、赤外域光や紫外域光なども含まれるため、集光された光で照射された部分が高温になる場合には、光ダクトに耐熱材料や不燃材料を用いる必要があり、コストが上昇する問題を有している。特に筒状の光ダクトを用いる構成では、導光された光が室内に照射されると、室内の熱量負荷が増大し、空調負荷が大きくなる問題を有している。さらに、採光装置は屋外に設置され、汚れなどにより採光効率が低下するため、清掃作業が必要になり、特に、採光装置の設置場所によっては、安全性の確保などのために、煩雑な清掃作業が必要になる問題を有している。
【0004】本発明は、このような点に鑑みなされたもので、光を効率よく伝送あるいは採光できるとともに、保守管理も容易な導光装置および照明システムを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の導光装置は、光を伝送する筒状の導光体、この導光体に開口して設けられた入光部、およびこの導光体に開口して設けられた出光部を備えた光ダクトと;光ダクトを包囲するように配設された断熱材と;入光部を密閉して覆う透光性を有する入光部カバーと;出光部を密閉して覆う透光性を有する出光部カバーと;を具備したものである。
【0006】そして、この構成では、筒状の導光体により光が入光部から出光部へ伝送される。導光体の開口した入光部は入光部カバーで密閉して覆われ、開口した出光部は出光部カバーで密閉して覆われるとともに、光ダクトは断熱材で包囲されるので、導光体の内側の中空部の汚れや結露が防止され、光が効率よく伝送されるとともに、保守管理も容易になる。
【0007】請求項2記載の照明システムは、光を伝送する筒状の導光体、この導光体に開口して設けられた入光部、およびこの導光体に開口して設けられた出光部を備えた光ダクトと;光ダクトを包囲するように配設された断熱材と;光を採光して出射する光学系、および、この光学系の光路上に設けられ、赤外域光を反射または吸収する光学フィルタを有する採光装置と;出光部を密閉して覆う透光性を有する出光部カバーと;を具備したものである。
【0008】そして、この構成では、採光装置により採光された光が、入光部から光ダクトに入光され、筒状の導光体により伝送され、出光部から出光されて照明が行われる。そして、光学系から出射される光について、可視域光以外の光が低減されるので、この採光装置が備えられる照明システムの導光装置あるいは照明される部分の温度上昇が容易に抑制され、コストの低減が可能になる。さらに、導光体の開口した入光部を採光装置で覆い、開口した出光部は出光部カバーで密閉して覆うとともに、光ダクトを断熱材で包囲することにより、導光体の内側の中空部の汚れや結露が防止され、光が効率よく伝送されるとともに、保守管理も容易になる。
【0009】請求項3記載の照明システムは、請求項2記載の照明システムにおいて、光学系の全体を覆い、光学フィルタを一体的に設けたカバー体を備えたものである。
【0010】そして、この構成では、光学系の全体をカバー体で覆ったので、光学系の汚れが抑制され、保守管理が容易になる。また、カバー体に光学フィルタを一体的に設けることにより、構成が簡略化され、コストが低減される。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の導光装置および照明システムの一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0012】図1は、本発明の導光装置を備えた照明システムの一実施の形態を示す構成図、図2は、同上照明システムの構成図、図3は、同上採光装置の構成図、図4は、本発明の採光装置の他の実施の形態を示す構成図である。
【0013】図2において、1は建築物で、この建築物1の屋内には、地上および地下に複数の部屋3が設けられている。
【0014】また、図1および図2において、11は照明システムで、この照明システム11は、採光装置12と導光装置(光伝送装置)14となどを接続して構成され、太陽光などの自然光を採光し、室内照明光として導入した太陽光により各部屋の照明を行うようになっている。
【0015】そして、採光装置12は、図1ないし図3に示すように、建築物1の屋外に備えられ、鏡体およびレンズなどを適宜組み合わせた光学系(太陽光集光部)21と、ドーム状のカバー体(採光部カバー)22と、光学系21を駆動および制御する図示しない制御装置となどを備えている。
【0016】そして、光学系21は、凹面鏡である集光用光学素子(集光ミラー)24と、この集光用光学素子24の焦点近傍に設けられ、集光された光を平行光に変換する凸面鏡である平行光変換素子(平行光変換ミラー)25と、平行光変換素子25で反射された平行光の方向を変える平面鏡である方向変換素子(方向変換ミラー)26となどを備えている。そして、制御装置により、集光用光学素子24の正面開口部24aが光源である太陽に向かうように光学系21は制御され、この正面開口部24a から入射した平行光である太陽直射光は、集光用光学素子24で集光され、平行光変換素子25で再度平行光に変換され、集光用光学素子24の背面開口部24b を通り、方向変換素子26で略垂直下方に向かう光に変換され、導光装置14に出射される。
【0017】さらに、カバー体22は、採光装置(太陽光集光装置)12全体を覆い、少なくとも光学系21を気密および液密に覆うドーム状の透明保護カバーである。また、このカバー体22の外表面には、光学フィルタを構成する膜28が形成されている。そして、この膜28は、二酸化チタン(TiO2 )を主成分とし、紫外線吸収層として機能し、紫外域光を吸収するようになっている。
【0018】さらに、光学系21の集光用光学素子24の正面開口部24a の前方には、光学フィルタ29が設けられ、この光学フィルタ29には、波長選択反射層として機能し、赤外域光を反射する光干渉多層膜30が形成されている。そこで、カバー体22表面の膜28および集光用光学素子24前面の光干渉多層膜30により、集光用光学素子24には、可視域光の光のみが当たり、可視域光の光のみが導光装置14に出射されるようになっている。
【0019】また、導光装置14は、採光装置12と各部屋3との間を連結して、太陽光を伝送する円筒状の導光体32を備えた光ダクト(光伝送ダクト)33と、図示しない制御装置となどを備えている。そして、導光体32は、例えば、プリズムシートを内面に巻き付けた管体であり、この導光体32の内側は、光が伝送される光路である中空部35となる。
【0020】そして、この導光体32の一端部に開口して、入光部36が設けられるとともに、導光体32の中間部および他端部が各部屋3に分岐して開口し、出光部37が形成されている。
【0021】さらに、入光部36には、この入光部36を密閉して覆う透光性を有する入光部カバー41が備えられているとともに、各出光部37には、これら出光部37を密閉して覆う透光性を有する出光部カバー(光ダクト端部カバー)42が備えられ、光ダクト33が気密および液密に密閉されている。
【0022】また、光ダクト33の導光体32の中空部35には、屈曲部分あるいは分岐部分に位置して、適宜鏡体などからなる屈曲手段44あるいは分岐手段45が設けられている。そして、各分岐手段45は、適宜制御手段により制御され、各部屋3に必要な光量を伝送するようになっている。
【0023】さらに、光ダクト33の周囲には、この光ダクト33を包囲するようにして、断熱材46が備えられている。
【0024】そして、本実施の形態によれば、光ダクト33は、プリズムシートを内面に巻き付けた導光体32を備え、導光体32の内側を、光が伝送される中空部35としたため、採光装置12により採光された太陽光を効率良く伝送し、照明することができる。そして、この導光体32は、開口した入光部36が入光部カバー41で密閉して覆われ、開口した出光部37が出光部カバー42で密閉して覆われ、光ダクト33が密閉されているとともに、光ダクト33の周囲には、この光ダクト33を包囲するようにして断熱材46を備えたため、導光体32の内側の中空部35の汚れや結露を低減でき、光を効率よく伝送できるとともに、清掃作業を不要にして、保守管理を容易にでき、また、断熱効果を向上することもできる。
【0025】また、採光装置12についても、カバー体22で採光装置12全体を気密および液密に覆うことにより、内部の汚れや結露を低減でき、光を効率よく採光できるとともに、保守管理を容易にできる。
【0026】なお、採光装置12の内部と光ダクト33の入光部36とを気密および液密に接続することにより、採光装置12と光ダクト33との内部を全体として密閉することもでき、この場合には、入光部カバー41を省略することもできる。
【0027】さらに、採光装置12を覆うカバー体22の表面には、二酸化チタン(TiO2 )を主成分とする膜28を形成したため、紫外域光を吸収できる。
【0028】また、カバー体22に紫外域光を吸収する膜28を形成するとともに、光学系21の集光用光学素子24の正面開口部24a の前方には、赤外域光を反射する光干渉多層膜30を備えた光学フィルタ29を設けたため、集光用光学素子24には可視域光の光のみが選択的に当って集光され、可視域光のみの光、特に、赤外域光をカットした光が導光装置14に出射される。そこで、採光装置12の光学系21や構造体、および導光装置14の温度上昇を抑制できるとともに、伝送される光自体の熱量も削減でき、部屋3の室内の空調負荷を低減することができる。
【0029】なお、採光装置12、導光装置14、あるいは部屋3の室内の温度上昇の抑制のためには、できるだけ可視域光あるいは可視域光以下を集光して伝送させれば良く、例えば、採光装置12は、赤外域光および紫外域光の少なくとも一方について、反射および吸収の少なくとも一方を行う光学フィルタ(波長選択反射層)を光学系21の光路上のいずれか1か所以上に設け、あるいは、導光装置14は、入光部36を覆う入光部カバー41に、赤外線カットフィルタを備えることもできる。そして、光学フィルタとしては、ガラスまたは透光性樹脂の少なくとも片面に光干渉多層膜を形成したもののほか、ITOまたはSnO2 といった透明電極を形成したもの、あるいは、これら光干渉多層膜と透明電極とを組み合わせたものを用いることができる。また、光学フィルタの位置も、光学系21の集光用光学素子24の正面開口部24a の前方に備える光学フィルタ29に限られず、採光装置12を覆うカバー体22に一体的に赤外線反射膜を設けることもできる。あるいは、集光用光学素子24と平行光変換素子25との中間、平行光変換素子25と入光部36との中間に赤外線反射膜を備えた光学フィルタを設けることなどもできる。さらに、図4に示すように、集光用光学素子24の反射面に光学フィルタを構成する光干渉多層膜51を形成することもできる。そして、この光干渉多層膜51は、波長選択反射層として機能し、可視域光のみを反射し、集光することにより、集光用光学素子24には、可視域光の光のみが当たり、可視域光の光のみが導光装置14に出射されるようになっている。なお、これらの構成において、光学フィルタの大きさ(径寸法)は、この光学フィルタを設けた位置の光路を通過する光線の大きさと同等以上であることが望ましいが、光線の一部が光学フィルタを通過する構成とすることもできる。
【0030】また、上記の実施の形態では、光源として、太陽光などの自然光を用いたが、無電極HIDランプ、メタルハライドランプなどの人工光源を光源とし、あるいは自然光と人工光源とを組み合わせて用いることもできる。
【0031】
【発明の効果】請求項1記載の導光装置によれば、筒状の導光体により、光を入光部から出光部へ伝送し、照明を行うことができる。導光体の開口した入光部は入光部カバーで密閉して覆われ、開口した出光部は出光部カバーで密閉して覆われるとともに、光ダクトは断熱材で包囲されるため、導光体の内側の中空部の汚れや結露を防止でき、光を効率よく伝送できるとともに、保守管理も容易にできる。
【0032】請求項2記載の照明システムによれば、採光装置により採光された光は、入光部から光ダクトに入光され、筒状の導光体により伝送され、出光部から出光されて照明を行うことができる。そして、光学系から出射される光について、可視域光以外の光を低減できるため、この採光装置が備えられる照明システムの導光装置あるいは照明される部分の温度上昇を容易に抑制でき、コストの低減が可能になる。さらに、導光体の開口した入光部を採光装置で覆い、開口した出光部は出光部カバーで密閉して覆うとともに、光ダクトを断熱材で包囲することにより、導光体の内側の中空部の汚れや結露を防止でき、光を効率よく伝送できるとともに、保守管理を容易にできる。
【0033】請求項3記載の照明システムによれば、請求項2記載の効果に加え、光学系の全体をカバー体で覆ったため、光学系の汚れを抑制し、保守管理を容易にできる。また、カバー体に光学フィルタを一体的に設けたため、構成を簡略化でき、コストを低減できる。
【出願人】 【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
【出願日】 平成9年(1997)6月30日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 襄 (外2名)
【公開番号】 特開平11−25726
【公開日】 平成11年(1999)1月29日
【出願番号】 特願平9−174956