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【発明の名称】 ホタル保護灯
【発明者】 【氏名】小林 和久

【氏名】中川 七三郎

【氏名】岡地 真作

【氏名】嶋 悌司

【氏名】松井 進一

【氏名】今井 靖之

【要約】 【課題】生活光としての人工照明を十分確保でき、しかもホタルに悪影響を与えることのない照明装置を提供するものである。

【解決手段】照明灯1に照明度を調節できる制御機構を備えたナトリウム灯1を使用してホタルの発光を妨げないようにしたものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 照明灯に照明度を調節できる制御機構を備えたナトリウム灯を使用してホタルの発光を妨げないようにしたことを特徴とするホタル保護灯【請求項2】 照明灯を照明度を調節できる制御機構を備えたオレンジ系統色の照明灯にしてホタルの発光を妨げないようにしたことを特徴とするホタル保護灯。
【請求項3】 照明灯に照明度を調節できる制御機構を備えたオレンジ系統色のナトリウム灯を使用してホタルの発光を妨げないようにしたことを特徴とするホタル保護灯。
【請求項4】 照明灯に照明灯を覆い所定位置に所定方向に照明することのできる開口部を設けた照明カバーを設け、この照明カバーに照度を明暗調節できる照度調節機構を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のホタル保護灯。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ホタルに悪影響を与えることのないホタル保護灯に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、町おこし村おこしの一つの方策として「ホタル」の保護運動が自治体の協力のもとに各地で行われている。特にゲンジボタルやヘイケボタルは清流にしか生息しないといわれるため、保護運動は町村のイメージアップのみならず環境保全に大きく貢献する側面を持っている。しかしながら、この取り組みは環境保全と生活基盤の確保の中でいろいろな問題を内包している。その一つとして人工照明(主に防犯灯など)がホタルの生息に影響を与えているという事例が報告されている。ホタルの発光はホタル同士のコミュニケーションに不可欠なものであり、その発光を妨害,錯乱する強力な外光はホタルの生存に直接的に影響を与える。一方、人工照明は人間にとって安全で快適な生活環境を提供するものである。ホタル生息地に防犯灯が設置されてからその周辺にホタルがいなくなるという事例が生じている。そこで我々は照明光の強さや光色とホタルの飛翔発光との関係を実験的に調査し、生活光としての人工照明光とホタルの共生を考える上で一つのデータを得た。そして、この調査結果に基づいて、モデル灯を製作した。
【0003】本発明は、前記従来の課題を解決するためになされたものであり、生活光としての人工照明を十分確保でき、しかもホタルに悪影響を与えることのない照明装置を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0005】照明灯1に照明度を調節できる制御機構を備えたナトリウム灯1を使用してホタルの発光を妨げないようにしたことを特徴とするホタル保護灯に係るものである。
【0006】また、照明灯1を照明度を調節できる制御機構を備えたオレンジ系統色の照明灯1にしてホタルの発光を妨げないようにしたことを特徴とするホタル保護灯に係るものである。
【0007】また、照明灯1に照明度を調節できる制御機構を備えたオレンジ系統色のナトリウム灯1を使用してホタルの発光を妨げないようにしたことを特徴とするホタル保護灯に係るものである。
【0008】また、照明灯1に照明灯1を覆い所定位置に所定方向に照明することのできる開口部3を設けた照明カバー2を設け、この照明カバー2に照度を明暗調節できる照度調節機構4を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のホタル保護灯に係るものである。
【0009】
【発明の実施の形態】好適と考える本発明の実施の形態(発明をどのように実施するか)を、図面に基づいてその作用効果を示して簡単に説明する。
【0010】請求項1の発明は、照明灯1に照明度を調節できる制御機構を備えたナトリウム灯1を使用したから、ホタルの発生を妨げないように制御機構により照明度を調節することができ、その結果、ホタルは照明のない自然環境下における場合と同様に、何の妨げもなく発光することができ、ホタル同士のコミュニケーションが自由に行われ、ホタルは自由に飛行することができ、交尾も自由に行われ、ホタルの繁殖が活発に行われて、ホタルの生息が確実に保証されることとなる。
【0011】請求項2の発明は、照明灯1を照明度を調節できる制御機構を備えたオレンジ系統色の照明灯1にしたから、ホタルの発光を妨げることの少ないオレンジ系統色の発光でホタルの発生を妨げないように制御機構により照明度を調節することができ、その結果、ホタルは照明のない自然環境下における場合と同様に、何の妨げもなく発光することができ、ホタル同士のコミュニケーションが自由に行われ、ホタルは自由に飛行することができ、交尾も自由に行われ、ホタルの繁殖が活発に行われて、ホタルの生息が確実に保証されることとなる。
【0012】請求項3の発明は、照明灯1に照明度を調節できる制御機構を備えたオレンジ系統色のナトリウム灯1を使用したから、ホタルの発光を妨げることの少ないオレンジ系統色の光色を発光するナトリウム灯1で、ホタルの発生を妨げないように制御機構により照明度を調節することができ、その結果、ホタルは照明のない自然環境下における場合と同様に、何の妨げもなく発光することができ、ホタル同士のコミュニケーションが自由に行われ、ホタルは自由に飛行することができ、交尾も自由に行われ、ホタルの繁殖が活発に行われて、ホタルの生息が確実に保証されることとなる。
【0013】請求項4の発明は、照明灯1に、照明灯1を覆い所定位置に所望方向に照明することのできる開口部3を設けた照明カバー2を設け、この照明カバー2に照度を明暗調節できる照度調節機構4を設けたから、照明灯1から照射される光は道路などに必要とされる照度で照明カバー2の開口部3から照明が必要な場所に確実に照射され、JIS道路照明基準を十分満足する照明を行うことができると共に、ホタルの生息場所に対しては、照明カバー2により照明の光が直接照射しないようにでき、更に、照度を明暗調節できる照度調節機構4を設けたから、JIS道路照明基準を満足する照度で、且つホタルの発光を妨げることのないオレンジ系統色の照明となるように照度調節機構4で照度を明暗調節することができる。
【0014】したがって、ホタルの発光を妨げないように、ホタルの生息地に照射光が照射されないように照明灯1に照明カバー2を設け、この照明カバー2に照度調節機構4を設けたから、ホタルの発生を妨げないように照度調節機構4により照明度を調節することができ、その結果、ホタルは照明のない自然環境下における場合と同様に、何の妨げもなく発光することができ、ホタル同士のコミュニケーションが自由に行われ、ホタルは自由に飛行することができ、交尾も自由に行われ、ホタルの繁殖が活発に行われて、ホタルの生息が確実に保証されることとなる【0015】
【実施例】本発明の一実施例に係るホタル保護灯に関して以下図面に基づいて説明する【0016】本実施例は、図1,図2に図示したように、市街地に設ける防犯灯や公園内に設置する一般照明灯などの照明灯1として、下端部を地面に埋設した支柱5の上方部にオレンジ系統色を発光する高圧ナトリウムランプ(例えば、高力率形40W)のナトリウム灯1を設け、このナトリウム灯1の上方及び外周部を包囲して所望方向に照明することのできる開口部3を設けた照明カバー2を支柱5の上方部に設け、この照明カバー2内のナトリウム灯1の下方部に照度を明暗調整できると共に光色を調整できる照度調節機構4を設けている。
【0017】照度調節機構4としては、所望の色(ホタルに対してはオレンジ系統色が悪影響を与えないことが後述の実験結果により確認されている)、この場合には、オレンジ系統色の反透明のアクリル板を照明カバー2内に適宜取付固定している【0018】照度調節機構4には、照明灯1の照度や光色により外部に所望の照度で所望の光色で照射するように照度の調整及び光色の調整のために、反透明のアクリル板の板厚や材質あるいは色を選定するが、場合によっては、板厚や色の異なる複数のアクリル板を組み合わせて用いる場合もある。
【0019】光源にナトリウム灯を用いた理由は、光色がオレンジ系であることの他、高効率で高寿命であることもある。
【0020】照度調節機構4の役割は、光色及び照度調整の他、光源面に拡散性を持たせることで、光源を直接見つめた場合でもグレア(眩しさ)の知覚を与えないようにする役割を持っている。
【0021】次に、本実施例のホタル保護灯を開発するに当たり、種々の実験検討を行った結果について説明する。
【0022】照射光源の輝度(或いは被照面の水平面照度)や光色がホタル飛翔発光に与える影響を実験的に調査するため、ホタル生息地の一角に実験用ブースを設置した。そして、自然環境に近い状況の下でヘイケボタルを少なくとも50匹以上をブース内に放し、照射光の輝度(或いは照度)および色を変えたときのブース内ホタルの飛翔発光状況を調査した。実験ブースは立方体形でブース上部は光源を設置するため板で覆われている。その上部中央に17cm×30cm平方の大きさの拡散ガラスの入射窓がある。下部は自然の草木に接し、周囲は細かい黒の網目シートで覆い外からホタルの発光状況が観察できるようになっている。ブース内への照射光源の輝度値(或いは被照面照度値)は光源ブース内の三波長蛍光ランプ(昼光色用)二本を調光器を用いて可変設定される。照射光の光色は入射窓に半透明な着色アクリル板又は半透明クラフトシートを重ねて作り出した。
【0023】実験結果を図3に示す。図3は光源直下のブース底面の水平面照度とホタル発光数の関係を整理したもので、被照面照度が増加するとホタル発光数は指数関数的に減少する。減少の程度は光色がオレンジ系(赤色,オレンジ色)とそれ以外(白色,緑色,青色)の二つのグループに大きく分けられる。被照面照度がおよそ1ルクスではオレンジ系が無点灯時より約25%減少するのに対し、それ以外の色系では70%以上も急激に減少した。
【0024】ホタルは比較的人家の少ない市街周辺部にも生息している。この地域での照明灯は主に夜間における公衆の安全を図る目的を持つ防犯灯が設置されている。防犯灯は主に光源として蛍光灯,水銀灯が用いられている。JIS道路照明基準によると、運転者の視点から、交通量の少なく、道路周辺の照明環境が暗い場合、道路の平均路面輝度の推奨値は0.5[cd/m2]となっている。歩行者の視点から、路面の状況が容易に認識され歩行の安全の確保、更に犯罪の予防に資する目的で、路面上の水平面照度は0.3〜3[lx]が推奨されている。
【0025】ホタル生息地に近い防犯灯設置箇所で実際の水平面照度を測定したところ防犯灯真下でおよそ1.5[lx],半径2[m]の半円周に沿った点で、およそ1.0[lx]で推奨照度を充分満たしていた。また、アスファルトの路面輝度は1[cd/m2]以下であった。
【0026】満月の夜(照度約0.2ルクス)でもホタルの飛翔発光は減少するという経験的事実、そして今回実施した輝度(或いは水平面照度)、光色とホタル飛翔発光数の関係調査結果及び道路照明基準に従って、ホタル生息地における防犯灯を含む街路灯を光色,明るさの面から考えると次のようになる。
【0027】路面上の水平面照度はおよそ0.3〜1ルクスとし、光源の光色はオレンジ系が望ましい。
【0028】わずかな明るさでもホタル飛翔発光に影響を与えるので、できるだけ照明の目的とする道路以外に光が漏れないよう配光を考慮した照明器具が望まれる。
【0029】
【発明の効果】請求項1の発明は、照明灯に照明度を調節できる制御機構を備えたナトリウム灯を使用したから、ホタルの発生を妨げないように制御機構により照明度を調節することができ、その結果、ホタルは照明のない自然環境下における場合と同様に、何の妨げもなく発光することができ、ホタル同士のコミュニケーションが自由に行われ、ホタルは自由に飛行することができ、交尾も自由に行われ、ホタルの繁殖が活発に行われて、ホタルの生息が確実に保証されることとなる。
【0030】請求項2の発明は、照明灯を照明度を調節できる制御機構を備えたオレンジ系統色の照明灯にしたから、ホタルの発光を妨げることの少ないオレンジ系統色の発光でホタルの発生を妨げないように制御機構により照明度を調節することができ、その結果、ホタルは照明のない自然環境下における場合と同様に、何の妨げもなく発光することができ、ホタル同士のコミュニケーションが自由に行われ、ホタルは自由に飛行することができ、交尾も自由に行われ、ホタルの繁殖が活発に行われて、ホタルの生息が確実に保証されることとなる。
【0031】請求項3の発明は、照明灯に照明度を調節できる制御機構を備えたオレンジ系統色のナトリウム灯を使用したから、ホタルの発光を妨げることの少ないオレンジ系統色の光色を発光するナトリウム灯で、ホタルの発生を妨げないように制御機構により照明度を調節することができ、その結果、ホタルは照明のない自然環境下における場合と同様に、何の妨げもなく発光することができ、ホタル同士のコミュニケーションが自由に行われ、ホタルは自由に飛行することができ、交尾も自由に行われ、ホタルの繁殖が活発に行われて、ホタルの生息が確実に保証されることとなる。
【0032】請求項4の発明は、照明灯に、照明灯を覆い所定位置に所望方向に照明することのできる開口部を設けた照明カバーを設け、この照明カバーに照度を明暗調節できる照度調節機構を設けたから、照明灯から照射される光は道路などに必要とされる照度で照明カバーの開口部から照明が必要な場所に確実に照射され、JIS道路照明基準を十分満足する照明を行うことができると共に、ホタルの生息場所に対しては、照明カバーにより照明の光が直接照射しないようにでき、更に、照度を明暗調節できる照度調節機構を設けたから、JIS道路照明基準を満足する照度で、且つホタルの発光を妨げることのないオレンジ系統色の照明となるように照度調節機構で照度を明暗調節することができる。
【0033】したがって、ホタルの発光を妨げないように、ホタルの生息地に照射光が照射されないように照明灯に照明カバーを設け、この照明カバーに照度調節機構を設けたから、ホタルの発生を妨げないように照度調節機構により照明度を調節することができ、その結果、ホタルは照明のない自然環境下における場合と同様に、何の妨げもなく発光することができ、ホタル同士のコミュニケーションが自由に行われ、ホタルは自由に飛行することができ、交尾も自由に行われ、ホタルの繁殖が活発に行われて、ホタルの生息が確実に保証されることとなる。
【出願人】 【識別番号】397012484
【氏名又は名称】朝日酒造 株式会社
【出願日】 平成9年(1997)7月7日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】吉井 剛 (外1名)
【公開番号】 特開平11−25722
【公開日】 平成11年(1999)1月29日
【出願番号】 特願平9−180202