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【発明の名称】 車両用灯具
【発明者】 【氏名】秋山 精宏

【要約】 【課題】見栄えが良い。

【解決手段】第1反射面61の回転放物面は、焦点距離が異なる第1回転放物面611と第2回転放物面612とが光軸Z−Zを中心とする同心円状に交互に設定されてなり、第1反射面61において第1回転放物面611と第2回転放物面612との間の段部により生じる影D1の模様と、第2反射面62において多段回転放物面の段部により生じる影D2の模様とを、ほぼ一致させる。この結果、光源バルブを点灯すると、第1反射面61においては光軸Z−Zを中心とする同心円状の影D1が生じ、第2反射面62においては光軸Z−Zを中心とする同心円状の影D2が生じ、第1反射面61の影D1模様と、第2反射面62の影D2模様とはほぼ一致するので、第1反射面61の影模様の見え方と第2反射面62の影模様の見え方との間には差異がなくなり、均一感が生じ、見栄えが良くなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ランプハウジング及びレンズにより灯室が画成されており、前記灯室内には光源バルブが配設されており、前記ランプハウジングには前記光源バルブからの光を前記レンズ側にほぼ平行に反射させるリフレクタが設けられており、前記リフレクタは第1反射面と第2反射面とから構成されており、前記第1反射面は光軸を中心とする回転放物面から構成されており、前記第2反射面は光軸を中心とする同心円状の多段回転放物面から構成されている車両用灯具において、前記第1反射面の回転放物面は、焦点距離が異なる第1回転放物面と第2回転放物面とが光軸を中心とする同心円状に交互に設定されてなり、前記第1反射面において第1回転放物面と第2回転放物面との間の段部により生じる影の模様と、前記第2反射面において多段回転放物面の段部により生じる影の模様とを、ほぼ一致させた、ことを特徴とする車両用灯具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばリヤーコンビネーションランプ等の車両用灯具に係り、特に、見栄えが良い車両用灯具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】以下、この種の一般の車両用灯具を図4を参照して説明する。この例は、ランプハウジングとリフレクタとが一体型の車両用灯具であって、自動車のリヤーコンビネーションランプについて説明する。図4は一般の車両用灯具の横断面図である。なお、図面中、ハッチングは図面の読解上省略してある。
【0003】図において、1は後述するリフレクタ5と一体のランプハウジングである。このランプハウジング1の前面開口部にはレンズ(アウターレンズ)2がシール剤や接着剤(例えば、ホットメルト)等を介して配設されていて、そのレンズ2及びランプハウジング1により灯室3が画成形成されている。
【0004】前記レンズ2の内面には、後述するリフレクタ5からの反射光L2を拡散光L3として例えば上下左右に拡散させるための一部球形形状のレンズエレメント(所謂魚眼プリズム)20が設けられている。なお、上述のレンズ2において、リフレクタ5からの光L2を上下に拡散させるレンズ、若しくは左右に拡散させるレンズを使用しても良いし、また、上述の拡散系のレンズに素通しのレンズを組合せた2重レンズを使用しても良い。
【0005】上述の灯室3内には光源バルブ4が配設されている。この光源バルブ4は、ガラスバルブ中にフィラメント(図示せず)が封入されており、このフィラメントが発光部を構成する。この光源バルブ4は、ソケット40に着脱可能に取り付けられており、このソケット40を介して前記ランプハウジング1に着脱可能に取り付けられ、かつ前記灯室3内の所定位置(光源バルブ4のフィラメント(図示せず)が後述するリフレクタ5の焦点F近傍に位置する位置)に配設されている。すなわち、この光源バルブ4は規格化されており、この光源バルブ4の発光部(フィラメント)の位置、この発光部からリフレクタ5との取付点までの距離等が規格化されており、この結果、光源バルブ4をリフレクタ5に取り付けると、光源バルブ4の発光部がリフレクタ5の焦点Fに位置することとなる。
【0006】前記ランプハウジング1と一体のリフレクタ5は、前部に非円形(例えば、横長の長方形形状)の開口部50(ランプハウジング1の前面開口部)が設けられており、後部が閉塞された形状をなす。このリフレクタ5(ランプハウジング1)の後部の頂点51の部分には透孔52が設けられており、この透孔52を介して上述の光源バルブ4が灯室3内に配設されている。このリフレクタ5、すなわち前記ランプハウジング1の内面(灯室3と対向する側の面)には、前記光源バルブ4からの光L1を平行光L2として前記レンズ2側にほぼ平行に反射させる反射面53が、例えばアルミ蒸着を施して直接設けられている。この反射面53は、光軸Z−Zを回転軸とする単一の(完全な)回転放物面をなす。なお、このリフレクタ5は、ランプハウジング1と一体型のものの他、ランプハウジング1と別体のものを灯室3内に配設しても良い。
【0007】そして、前記光源バルブ4のフィラメントを点灯すると、その光源バルブ4のフィラメント(F)からの光L1はリフレクタ5の反射面53で反射され、この反射光L2がレンズ2を経て例えば上下左右に拡散されて拡散光L3として外部に所定の配光パターンで照射される。
【0008】上述の一般の車両用灯具は、リフレクタ5の反射面53が単一の完全な回転放物面からなるので、ランプハウジング1及びレンズ2の外形が図5中の実線に示す形状となるものである。しかしながら、一般の車両用灯具においては、実際上、車体のデザインや造形上から、ランプハウジング1及びレンズ2の外形が図5中の破線に示す外形となるものが多い。ランプハウジング1及びレンズ2の外形が図5中の破線に示す外形となった場合には、その破線にて示す部分のリフレクタ5に単一の完全な回転放物面からなる反射面53を構成することが不可能となる。その結果、光源バルブ4からの光L1を有効に利用できない問題が生じる。
【0009】そこで、一般の車両用灯具は、図6及び図7に示すように、リフレクタ5の反射面を第1反射面54(図5中の実線にて示す部分に対応する反射面)と第2反射面55(図5中の破線にて示す部分に対応する反射面)とから構成し、その第1反射面54を単一の完全な回転放物面となし、一方、第2反射面55を光軸Z−Zを中心とする同心円状の多段回転放物面(焦点Fを共通とし、かつ焦点距離がそれぞれ異なった複数の回転放物面を段部を介して連続させたもの)となしたものである。この単一完全回転放物面の第1反射面54と多段回転放物面の第2反射面55とから構成されているリフレクタ5を使用する車両用灯具は、多段回転放物面の第2反射面55により、車体のデザインや造形上を満足し、かつ、光源バルブ4からの光L1を有効利用できることとなる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述の従来の車両用灯具は、単一の完全な回転放物面の第1反射面54と多段の回転放物面の第2反射面55とから構成されているリフレクタ5を使用するものであるから、光源バルブ4の点灯時において、図7及び図8に示すように、単一完全回転放物面の第1反射面54においては影が生じないが、多段回転放物面の第2反射面55においては段部による影Dが光軸Z−Zを中心とするほぼ同心円状に生じる。このために、図8に示すように、影がない第1反射面54における見え方と、半円形状の同心円状の影Dが生じる第2反射面55における見え方との間には、差異があり均一感がなく、見栄え上課題がある。なお、図8中において、半円形状の同心円状の影Dは実際のものよりも間隔を大きく開けて本数が少なく図示してある。
【0011】本発明の目的は、見栄えが良い車両用灯具を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を達成するために、第1反射面の回転放物面が、焦点距離が異なる第1回転放物面と第2回転放物面とが光軸を中心とする同心円状に交互に設定されてなり、その第1反射面において第1回転放物面と第2回転放物面との間の段部により生じる影の模様と、第2反射面において多段回転放物面の段部により生じる影の模様とを、ほぼ一致させた、ことを特徴とする。
【0013】この結果、本発明の車両用灯具は、光源バルブを点灯すると、第1反射面において、第1回転放物面と第2回転放物面との間の段部により光軸を中心とする同心円状の影が生じ、一方、第2反射面において、多段回転放物面の段部により光軸を中心とする同心円状の影が生じる。そして、第1反射面において生じる影の模様と、第2反射面において生じる影の模様とはほぼ一致するものであるから、第1反射面における影模様の見え方と第2反射面における影模様の見え方との間には差異がなくなり、均一感が生じるので、見栄えが良くなる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の車両用灯具の一実施の形態を図1乃至図3を参照して説明する。この例は、リヤーコンビネーションランプに使用した例について説明する。図中、図4乃至図8と同符号は同一のものを示す。なお、図面中、ハッチングは図面の読解上省略してある。
【0015】図1において、6はランプハウジング1と一体構造のリフレクタである。このリフレクタ6は、正面(レンズ2側)から見て横長の長方形形状をなす前部開口部60と、右半分の第1反射面61と、左半分の第2反射面62と、から構成されている。
【0016】上述の第1反射面61は、焦点距離が異なる第1回転放物面611(焦点距離が小)と第2回転放物面612(焦点距離が大)とを、光軸Z−Zを中心とした同心円状に交互に設定してなるものであり、光源バルブ点灯時には第1回転放物面611と第2回転放物面612との間の段部により影D1が生じるものである。この影D1の模様は、図3中の右側に示すように、光軸Z−Zを中心とするほぼ同心円状の影模様であって、半円形状の影模様をなす。
【0017】上述の第2反射面62は、光軸Z−Zを中心とした同心円状の多段回転放物面(焦点Fを共通とし、かつ焦点距離がそれぞれ異なった複数の回転放物面を段部を介して連続させたもの)からなり、光源バルブ点灯時には段部により影D2が生じるものである。この影D2の模様は、図3中の左側に示すように、光軸Z−Zを中心とするほぼ同心円状の影模様であって、半円形状の影模様をなす。
【0018】そして、上述の第1反射面61において発生する影D1模様と、上述の第2反射面62において発生する影D2模様とをほぼ一致させる。すなわち、半円形状の第1反射面61の影D1模様と、同じく半円形状の第2反射面62の影D2模様とにより、図3に示すように、光軸Z−Zを中心とした同心円状の影模様をなすものである。
【0019】この実施の形態における本発明の車両用灯具は、以上の如き構成からなるので、光源バルブの発光部(フィラメント)Fを点灯すると、光源バルブの発光部Fからの光L1が、第1反射面61の第1回転放物面611及び第2回転放物面612と、第2反射面62とにおいて、ほぼ平行に反射され、その平行な反射光L2がレンズを介して上下左右若しくは上下若しくは左右に拡散されて外部に所定の配光パターンで照射される。
【0020】このとき、第1反射面61においては、第1回転放物面611と第2回転放物面612との間の段部により影D1が生じ、この影D1の模様は、図3中の右側に示すように、光軸Z−Zを中心とするほぼ同心円状の影模様であって、半円形状の影模様をなす。一方、第2反射面62においては、段部により影D2が生じ、この影D2の模様は、図3中の左側に示すように、光軸Z−Zを中心とするほぼ同心円状の影模様であって、半円形状の影模様をなす。この結果、半円形状の第1反射面61における影D1模様と、同じく半円形状の第2反射面62における影D2模様とにより、図3に示すように、光軸Z−Zを中心とするほぼ同心円状の影模様をなすものである。すなわち、第1反射面61において発生する影D1模様と、第2反射面62において発生する影D2模様とがほぼ一致することとなる。なお、図3中において、同心円状の影D1及びD2は、実際のものよりも間隔を大きく開けて本数が少なく図示してある。
【0021】このように、本発明の車両用灯具は、第1反射面61における影D1模様の見え方と第2反射面62における影D2模様の見え方との間には差異がなく均一感があるので、見栄えが良くなる。
【0022】なお、上述の実施の形態においては、リヤーコンビネーションランプに使用した例について説明したが、本発明はその他の車両用灯具にも適用できる。また、上述の実施の形態において、リフレクタ6の前部開口部60の正面から見た形状が横長の長方形をなすが、その他の非円形の形状であっても良い。
【0023】
【発明の効果】以上から明らかなように、本発明の車両用灯具は、第1反射面の回転放物面が、焦点距離が異なる第1回転放物面と第2回転放物面とが光軸を中心とする同心円状に交互に設定されてなり、その第1反射面において第1回転放物面と第2回転放物面との間の段部により生じる影の模様と、第2反射面において多段回転放物面の段部により生じる影の模様とを、ほぼ一致させたものであるから、光源バルブを点灯すると、第1反射面において、第1回転放物面と第2回転放物面との間の段部により光軸を中心とする同心円状の影が生じ、一方、第2反射面において、多段回転放物面の段部により光軸を中心とする同心円状の影が生じる。そして、第1反射面において生じる影の模様と、第2反射面において生じる影の模様とはほぼ一致するものであるから、第1反射面における影模様の見え方と第2反射面における影模様の見え方との間には差異がなくなり、均一感が生じるので、見栄えが良くなる。
【出願人】 【識別番号】000000136
【氏名又は名称】市光工業株式会社
【出願日】 平成10年(1998)3月24日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】秋本 正実
【公開番号】 特開平11−273415
【公開日】 平成11年(1999)10月8日
【出願番号】 特願平10−75784