トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F21 照明




【発明の名称】 車両用レンズ部品
【発明者】 【氏名】花咲 真吾

【要約】 【課題】ハウジングとレンズの全てを容易且つ安価に同一製品用の成形材料として再利用することができる車両用レンズ部品を提供する。

【解決手段】ハウジング3に前面開口3aが形成され、前面開口3aの開口端縁3bに脚部4aを溶着することによって前面開口3aを閉成した状態でレンズ4がハウジング3に保持されると共に、レンズ2はポリカーボネートから成形され、ハウジング4をポリカーボネートをブレンドしたプラスチックアロイから成形されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】前面開口を有するハウジングと、前記前面開口を閉成すると共に前記前面開口の開口端縁に脚部を溶着することによって前記ハウジングに保持されるレンズとを備え、前記レンズをポリカーボネートから成形すると共に、前記ハウジングをポリカーボネートをブレンドしたプラスチックアロイから成形することを特徴とする車両用レンズ部品。
【請求項2】前記レンズの成形材料となるポリカーボネートの分子量と前記ハウジングの成形材料となるポリカーボネートの分子量とを略同じとしたことを特徴とする請求項1に記載の車両用レンズ部品。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用灯具やフィニッシャーなど、レンズをハウジングに溶着した車両用レンズ部品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、車両用灯具やフィニッシャーなどの車両用レンズ部品には、前面開口を有するハウジングと、前面開口を閉成すると共に前面開口の開口端縁に脚部を溶着することによってハウジングに保持されるレンズとを備えたものが知られている。
【0003】この際、レンズにはPMMA等の成形材料が用いられ、ハウジングにはPC/PET等のプラスチックアロイが成形材料に用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年においては、さまざまな分野において資源を有効利用するリサイクル化が叫ばれており、しかも、同じ技術分野でのリサイクル化は、資源のみならず技術的にも作業コストが高騰し難いために好ましいとされている。
【0005】しかしながら、上述した車両用レンズ部品にあっては、ハウジングとレンズとを一緒に粉砕して同じ用途、即ち、同じ車両用レンズ部品としてリサイクル化を実現することは困難であった。
【0006】そこで、上述した車両用レンズ部品にあっては、ハウジングとレンズとの溶着部分を両者に跨って切断し、ハウジング単独部分とレンズ単独部分とはそれぞれ新たなハウジング用成形材料として再利用し、ハウジングとレンズとが混在する溶着部分は廃棄処分するといった具合にリサイクル化を実現している。
【0007】しかしながら、このようなリサイクル化では、ハウジングとレンズとを分離させる作業を余分に必要とするばかりでなく、廃棄処分する部分の資源無駄が発生するという問題が生じていた。
【0008】本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、ハウジングとレンズの全てを容易且つ安価に同一製品用の成形材料として再利用することができる車両用レンズ部品を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】その目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、前面開口を有するハウジングと、前記前面開口を閉成すると共に前記前面開口の開口端縁に脚部を溶着することによって前記ハウジングに保持されるレンズとを備え、前記レンズをポリカーボネートから成形すると共に、前記ハウジングをポリカーボネートをブレンドしたプラスチックアロイから成形することを要旨とする。
【0010】
【発明の実施の形態】次に、本発明の車両用レンズ部品の実施の形態を車両用灯具に適用し、図面に基づいて説明する。
【0011】図1において、車両用レンズ部品としての車両用灯具1は、バルブ2を保持すると共に前面開口3aを有するハウジング3と、この前面開口3aを閉成するレンズ4とを備えている。
【0012】レンズ4はポリカーボネートから成形されており、ハウジング3はポリカーボネートをブレンドしたプラスチックアロイから成形されている。この際、レンズ4の成形材料となるポリカーボネートの分子量とハウジング3の成形材料となるポリカーボネートの分子量とは略同じである。
【0013】上記の構成において、ハウジング3の開口縁部3aを形成する開口端縁3bにレンズ4の脚部4aの先端を当接させ、例えば、両者同時の熱板或いは高周波熱によって溶着することによって前面開口3aを閉成した状態でハウジング3にレンズ4を保持させた後に、バルブ2をハウジング3に装着する。
【0014】一方、車両用灯具1をリサイクルする場合には、バルブ2をハウジング3から取り外した状態でハウジング3とレンズ4とを一緒に粉砕することによってハウジング3を成形した際の材料と同じ(材料混合比は異なる)ポリカーボネートをブレンドしたプラスチックアロイのリサイクル材料ができ、そのリサイクル材料にポリカーボネートをブレンドしたプラスチックアロイのバージン材を混入して再びハウジング3用の成形材料とする。
【0015】この際、初期のハウジング3には、レンズ4の成形材料であるポリカーボネートの分子量と同程度の分子量のポリカーボネートをプラスチックアロイのブレンド材として用いていることから、引っ張り強度、伸び、耐衝撃値、荷重撓み温度などの物性劣化を少なくすることができる。
【0016】この際、ハウジング3に用いられるプラスチックアロイとしては、表1に示すようなものが考えられ、これらのプラスチックアロイによって成形されたハウジング3では、リサイクル材:バージン材で重量比40:60の割合での混入が可能となる。
【0017】
【表1】

この表1において、例えば、PC/ABSを用いた場合、その配合比(PC:ABS)は10:90〜95:5となり、好ましくは、40:60である。
【0018】また、PC/ASAを用いた場合、その配合比(PC:ASA)は10:90〜95:5となり、好ましくは、40:60である。
【0019】さらに、PC/PETを用いた場合、その配合比(PC:PET)は95:5〜40:60となり、好ましくは、60:40である。
【0020】また、PC/PBTを用いた場合、その配合比(PC:PBT)は95:5〜40:60となり、好ましくは、80:20である。
【0021】また、レンズ4にPCを用いたことにより、PMMAに比べてケミカルストレスやクラック性に劣るものの、ハウジング3との熱溶着時にレンズ4の全体に加熱処理(アニール)を施すことから、PMMAと同程度の性能を得ることができるばかりでなく、PMMAに対して耐熱性・耐衝撃性に優れていることから、薄肉化・軽量化・省資源化・低コスト化を実現することができる。
【0022】なお、上記実施の形態では、車両用レンズ部品を車両用灯具1に適用した例を示したが、例えば、車両用リヤフィニッシャーなど、レンズをハウジングに溶着したもの全般に適用することができることは勿論である。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の車両用レンズ部品にあっては、レンズをポリカーボネートから成形すると共に、ハウジングをポリカーボネートをブレンドしたプラスチックアロイから成形することにより、ハウジングとレンズの全てを容易且つ安価に同一製品用の成形材料として再利用することができる。
【出願人】 【識別番号】000000136
【氏名又は名称】市光工業株式会社
【出願日】 平成10年(1998)3月20日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】西脇 民雄
【公開番号】 特開平11−273414
【公開日】 平成11年(1999)10月8日
【出願番号】 特願平10−71719