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【発明の名称】 ランプ
【発明者】 【氏名】渡辺 浩史

【氏名】寺岡 春夫

【氏名】三沢 登

【要約】 【課題】奥行き感や輝き感(キラキラ感)等の見栄えを損なうことなしに太陽光に起因する疑似点灯の問題を解消した視認性の高いランプを提供する。

【解決手段】所定の指向特性をなす主反射面を形成する第1の反射領域と、上記主反射面とは異なる指向特性を持つ補助反射面を形成する第2の反射領域とを交互に配置した構造のリフレクタと、このリフレクタの上記第1の反射領域の焦点位置近傍に配置される光源バルブと、リフレクタの前面を覆う前面レンズ体とを備える。特に第2の反射領域がなす補助反射面を、前記第1の反射領域がなす指向特性の主ビーム方向に対して垂直な平面として形成することでランプ内に進入する太陽光を上記主ビーム方向とは異なる方向に反射するようにする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車両に組み込まれるランプであって、所定の指向特性をなす主反射面を形成する第1の反射領域、および上記主反射面とは異なる指向特性を持つ補助反射面を形成する第2の反射領域を交互に配置したリフレクタと、このリフレクタの前記主反射面がなす焦点位置近傍に設けられた光源バルブと、前記リフレクタの前面を覆って設けられる前面レンズ体とを具備したことを特徴とするランプ。
【請求項2】 前記第2の反射領域は、前記第1の反射領域がなす指向特性の主ビーム方向に対して垂直な平面を前記補助反射面として形成するものであって、前記第1の反射領域は、前記第2の反射領域を介して階段状に形成されることを特徴とする請求項1に記載のランプ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば車両後部に組み込まれるブレーキランプの点灯を誤認識することのない構造のランプに関する。
【0002】
【関連する背景技術】車両の後部には、制動操作時に点灯駆動されるブレーキランプ(ストップランプ)や、更にはターンシグナルランプ等を一体に組み込んだコンビネーションランプ等の、所謂リアランプが設けられる。この種のリアランプは、自車両の運転操作状態や運転意図を後続車両に伝達する上で重要な役割を担う。またリアランプは、車体デザインの観点から車両後部に一体的に組み込まれる傾向にあり、所謂ワゴンタイプの車両にあっては、リアフェンダーの後側のコーナー部に沿って組み込まれた縦長形状のものも多くなっている。特にリアランプは車両の外観的特徴を左右する大きな要因であることから、例えばデザイン的要求やユーザ嗜好に合わせて、リアランプ自体に奥行き感や輝き感(キラキラ感)を持たせて、車両イメージを高めることも種々試みられている。
【0003】さて上記リアランプ、特にブレーキランプは、概略的には図1に示すように所定の指向特性を有する反射面を形成したリフレクタ1と、このリフレクタ1の焦点位置近傍に設けられた光源バルブ2と、前記リフレクタ1の前面を覆って設けられて上記光源バルブ2をランプ内部に封じ込める前面レンズ体3とからなる。尚、図において5はリアランプが取り付けられる車両本体部を示している。
【0004】しかして前記前面レンズ体3の内側面には、例えば断面蒲鉾状をなす複数のプリズムレンズが一体形成されており、そのプリズムレンズは前述した輝き感や透明感、更には奥行き感を増すべく大型化される傾向にある。またリフレクタ1についても、従来の銀色塗装のものに代えてアルミニウム等の金属膜を蒸着形成した高反射率のものとし、これによってリアランプの輝き感を高めることが行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが上述した如くプリズムレンズを大型化した前面レンズ体3、およびアルミニウムを蒸着形成したリフレクタ1を備えたリアランプ、特に縦長構造のリアランプにあっては、その内部に外光が入り込み易くなることが否めない。特に日中において太陽光がランプ内部に入り込むと、例えば図1に示すように反射率の高いリフレクタ1により太陽光が効率的に反射されるので、その反射光によってリアランプが明るく輝く虞がある。このような輝きに起因するリアランプの疑似点灯は、制動操作に伴って点灯駆動される光源バルブ2の点灯と区別し難いと言う問題が生じる。
【0006】即ち、制動操作していないにも拘わらず、ブレーキランプが点灯しているように見えたり、制動操作に伴って光源バルブ2が点灯駆動されたにも拘わらず、リアランプ自体が明るく輝いているので、その点灯を認識することができない等の不具合が生じる虞がある。ちなみにこのような疑似点灯の問題を回避するには、例えばリフレクタ1を従来一般的な銀色塗装のものとしたり、また前面レンズ体3のプリズムレンズを微小化(魚眼カット)して太陽光の進入を防止するようにすれば良いが、前述した奥行き感や輝き感(キラキラ感)が失われる。
【0007】本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、その目的は、非点灯時における奥行き感や輝き感(キラキラ感)等の見栄えを損なうことなしに前述した疑似点灯の問題を解消した視認性の高いランプを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成するべく本発明に係るランプは、前面レンズ体により前面が覆われると共に、その焦点位置近傍に光源バルブが配置されるリフレクタの反射面を、所定の指向特性をなす主反射面を形成する第1の反射領域と、上記主反射面とは異なる指向特性を持つ補助反射面を形成する第2の反射領域とを交互に配置した構造としたことを特徴としている。
【0009】特に請求項2に記載するように、前記第2の反射領域がなす補助反射面を、例えば前記第1の反射領域がなす指向特性の主ビーム方向に対して垂直な平面として形成することでランプ内に進入する太陽光を上記主ビーム方向とは異なる方向に反射するようにし、また前記主反射面をなす第1の反射領域を、上記垂直平面をなす第2の反射領域を介して階段状に形成することを特徴としている。
【0010】即ち、本発明は所定の反射面をなすリフレクタ自体の構造に着目し、光源バルブからの光を所定の指向特性をなす主ビーム方向に反射する第1の反射領域(主反射面)と、ランプ内に進入する太陽光を上記主ビーム方向とは別の方向に反射する第2の反射領域(補助反射面)とを交互に配置した構造のリフレクタを実現し、これによってリアランプとしての奥行き感や輝き感(キラキラ感)を損なうことなしに太陽光に起因する疑似点灯を抑え、光源バルブの点灯と明確に区別し得るようにしたことを特徴としている。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の一実施形態に係るランプについて例えば車両後部にコンビネーションランプ(リアランプ)の一部として組み込まれるブレーキランプを例に説明する。図2はブレーキランプの概略構成を示す断面図で、図1に示す従来構造のリアランプと同一部分には同一符号を付して示してある。この実施形態に係るブレーキランプ(リアランプ)が特徴とするところは、特にリフレクタ10の構造であり、所定の指向特性を持つ主反射面を形成する第1の反射領域Aと、上記主反射面とは異なる指向特性を持つ補助反射面を形成する第2の反射領域Bとを交互に配列した構造とした点にある。
【0012】即ち、リフレクタ10は、光源バルブ2を焦点位置として前面レンズ体3側に向かう所定の指向特性を形成した湾曲面からなる第1の反射領域Aと、この第1の反射領域がなす指向特性の主ビーム方向と直行する平面をなす第2の反射領域Bとを備え、図3にその部分拡大断面を示すように、これらの第1および第2の反射領域A,Bを、例えば縦方向に交互に配列した構造を有する。特に第1および第2の反射領域A,Bは、光源バルブ2の取り付け位置を焦点位置として湾曲面をなし、その外側縁部を前方にせり出して設けられる第1の反射領域Aの両縁部に、平面をなす第2の反射領域Bをそれぞれ連結させることで、前記第1および第2の反射領域A,Bを交互に階段状に連ねた反射面を形成している。
【0013】このような第1および第2の反射領域A,Bからなる反射面を有するリフレクタは、例えばプラスチックス等の射出成形部品からなり、その表面にアルミニウムを蒸着することで高反射率の反射膜を形成したものとなっている。尚、このアルミニウムの蒸着は、リフレクタ10の機能面である上記反射面にだけ施せば十分である。
【0014】かくしてこのような指向特性の異なる第1の反射領域A(主反射面をなす湾曲面)と第2の反射領域B(補助反射面をなす平面)とを交互に配列したリフレクタ10によれば、その反射面に平面からなる第2の反射領域B(補助反射面)が存在する分、光源バルブ2からの光が前面レンズ体3に効率的に反射されずに、主ビーム方向とは異なる方向に反射されることになる。また同時に前面レンズ体3を介してランプ内に進入した太陽光も、前記第2の反射領域Bが存在する分、主ビーム方向とは異なる方向に反射されるので、前面レンズ体3に向けて反射される光量が低く抑えられる。
【0015】この結果、前面レンズ体3のプリズムレンズを微小化することなく、またリフレクタ10の反射効率を或る程度確保しながら、太陽光に起因するリアランプの疑似点灯のレベルを低く抑えることが可能となる。換言すれば素通し性の高い前面レンズ体3を通してリフレクタ10の輝きが視認できるようにし、これによってリアランプの奥行き感や透明感、更には輝き感(キラキラ感)を維持した上で、太陽光に起因するリアランプの疑似点灯を抑えることができる。
【0016】これに対して光源バルブ2の発光によるブレーキランプ(リアランプ)の点灯は、上記光源バルブ2から発せられた光の前記リフレクタ10による反射光による前面レンズ体3の照明のみならず、光源バルブ2からの直接光による前面レンズ体3の照明が大きく作用する。従って前述した如くリフレクタ10の前面レンズ体3に対して有効に機能する主反射面(第1の反射領域A)を少なくしても、光源バルブ2の発光に伴う点灯レベルはさほど低下することがない。これ故、光源バルブ2の発光によるブレーキランプ(リアランプ)の点灯レベル(輝度)を十分に確保した上で、太陽光に起因する疑似点灯のレベルを低く抑え、その違いを顕著化することが可能となる。従って太陽光に起因する疑似点灯状態であっても、制動操作に伴って光源バルブ2を発光駆動すれば、これによってブレーキランプ(前面レンズ体3)がより一層明るく輝くことになるので、ブレーキ状態を確実に認識することが可能となる。つまり太陽光に起因する疑似点灯の影響を受けて、ブレーキランプ(リアランプ)の作動状態を誤認識する虞がなくなる。
【0017】尚、リフレクタ10における第1の反射領域Aと第2の反射領域Bとの面積比率については、リフレクタ10の輝き感を損なうことなしにどの程度疑似点灯のレベルを抑えるかの仕様に応じて定めれば良い。また第1の反射領域Aと第2の反射領域Bとの配列構造についてもリフレクタ10の位置に応じて配列ピッチを異ならせたり、その面積割合を異ならせる等しても良い。
【0018】また上述した構造のリフレクタ10は、その反射面と前面レンズ体3との距離を長くしてランプの奥行き感を確保するべく、図3に示すように第1の反射領域(湾曲面)Aの外側縁部よりも少しずつ後方に変位させながら第2の反射領域(平面)Bを形成しているが、第1の反射領域(湾曲面)Aの外側縁部を第2の反射領域(平面)Bから突出させることなく、これらの面を連続させて形成することも勿論可能である。またブレーキランプのみならず、ターンシグナルランプ等についても同様に適用することができ、ランプ自体の大きさ等についても特に限定されない。要は本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、所定の指向特性を形成する湾曲面からなる第1の反射領域と、上記指向特性とは異なる面をなす第2の反射領域と交互に形成したリフレクタ構造としているので、ランプの奥行き感や透明感、更には輝き感(キラキラ感)等の見栄えを維持しながら太陽光に起因する疑似点灯を抑えることができ、本来の点灯状態と疑似点灯の状態とを差別化することのできる簡易な構造のランプを実現することができる。特に第2の反射領域を平面として実現することで、ランプ内に進入した太陽光の多くをを前面レンズ体から反らすことができるので、効率的に疑似点灯を抑制することができる。
【出願人】 【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
【出願日】 平成9年(1997)10月7日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】長門 侃二
【公開番号】 特開平11−111014
【公開日】 平成11年(1999)4月23日
【出願番号】 特願平9−274810