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【発明の名称】 車両用灯具
【発明者】 【氏名】芦沢 和久

【要約】 【課題】リフレクターの背後を通る温まった空気の循環を妨げることで、空気孔を介しての呼吸作用を活発化して、結露の発生防止に有効な車両用灯具の提供。

【解決手段】ランプボディ10と前面レンズ11で密閉灯室Sを画成し、灯室S内に、光源30を挿着したリフレクター22をランプボディ10から離して配置し、ランプボディ10の光源30より上方および下方に、協働して呼吸作用を営む空気孔50を設けた車両用灯具において、上下の空気孔間位置におけるランプボディ10内側又はリフレクター22外側いずれか一方に、リフレクター22背後のランプボディとの隙間における上下方向の空気流れを阻止する水平リブ70Aを設け、灯室S内上部の温まった空気によるリフレクター22背後を通る循環流が水平リブ70Aによって阻止され、空気孔50を介しての吸排気量が増加(呼吸作用が活発化)して、結露の発生防止効果が増す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ランプボディと前面レンズとによって密閉された灯室が画成され、前記灯室内に、光源を挿着したリフレクターがランプボディから離間して配置されるとともに、前記ランプボディの光源より上方の位置および下方の位置に、協働して呼吸作用を営む空気孔が設けられた車両用灯具において、前記上下の空気孔間位置におけるランプボディの内側またはリフレクターの外側のいずれか一方に、リフレクター背後のランプボディとの隙間における上下方向の空気流れを阻止する水平リブが設けられたことを特徴とする車両用灯具。
【請求項2】 前記ランプボディの下空気孔の上方近傍位置には、下空気孔から灯室内に流入した空気を前方に導く第2の水平リブが設けられたことを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項3】 前記水平リブは、リフレクターより前方に延出することを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用灯具。
【請求項4】 前記水平リブは、ランプボディに設けられたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の車両用灯具。
【請求項5】 前記リフレクターにおける前記上空気孔の近傍位置に、リフレクターを貫通する通気孔が設けられたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の車両用灯具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、前面レンズとともに灯室を画成するランプボディの背面壁に呼吸作用を営む空気孔が設けられた車両用灯具に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の灯具の従来技術の一例としては、図9に示すような自動車用ヘッドランプがあり、ランプボディ1と前面レンズ2とによって密閉された灯室が画成され、この灯室内には、光源であるバルブ4を挿着したリフレクター3が、例えば2本のエイミングスクリューと1個の玉継ぎ手から構成されたエイミング機構(図示せず)によって、上下左右方向傾動可能に支持されている。ランプボディ1の背面壁の光源4より上方の位置と下方の位置には、灯室内を外部と連通させて呼吸作用を営ませることで、前面レンズ2に結露を発生させないようにするための空気孔6a,6bが設けられている。
【0003】即ち、バルブ4の点灯に伴う発熱により、バルブ4の回りには矢印Aに示すような対流が発生する。また、バルブ4の回りでは、上昇気流が多く、灯室内上部の圧力は下部の圧力よりも高くなる。このため、圧力の高い灯室内上部では、温まった空気が上空気孔6aから流出するとともに、圧力の低い灯室内下部には、下空気孔6bから外部の空気が流入し、空気孔6a,6bを介しての吸排気作用、いわゆる呼吸作用により、対流Aが活性化されて結露の発生が防止される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、リフレクター3とランプボディ1間には、隙間が形成されており、上空気孔6aから排気されなかった一部の空気(温まった空気)が、リフレクター3とランプボディ1間の隙間を通って、矢印Bのように下方に向かう循環流を形成する。このため、空気孔6a,6bを介しての吸排気量が減少して、対流Aが鈍化し、結露の発生防止効果が低下するという問題があった。
【0005】本発明は前記従来技術の問題点に鑑みなされたもので、その目的は、リフレクターの背後における空気の循環を妨げることで、ランプボディに設けた空気孔を介しての呼吸作用を活発化して、結露の発生防止に有効な車両用灯具を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するために、請求項1に係る車両用灯具においては、ランプボディと前面レンズとによって密閉された灯室が画成され、前記灯室内に、光源を挿着したリフレクターがランプボディから離間して配置されるとともに、前記ランプボディの光源より上方の位置および下方の位置に、協働して呼吸作用を営む空気孔が設けられた車両用灯具において、前記上下の空気孔間位置におけるランプボディの内側またはリフレクターの外側のいずれか一方に、リフレクター背後のランプボディとの隙間における上下方向の空気流れを阻止する水平リブを設けるようにしたものである。灯室内では、光源の点灯発熱により対流が発生し、圧力が高くなった灯室内上部における温まった空気は、リフレクターの上方から上空気孔を介し灯室外に流出するとともに、灯室内下部には、下空気孔から外部の空気が流入するという、空気孔を介しての呼吸気作用により、灯室内における対流が活性化されて結露の発生が防止される。灯室内上部の温まった空気は、リフレクターの上方からリフレクターの背後を通って下方に循環しようとするが、水平リブによってこの温まった空気の循環流が阻止されて、空気孔を介しての吸排気量が増加(呼吸作用が活発化)し、灯室内における対流が鈍化することなく確実に活性化されて、結露の発生防止効果が増す。請求項2では、請求項1に記載の車両用灯具において、前記ランプボディの下空気孔の上方近傍位置に、下空気孔から灯室内に流入した空気を前方に導く第2の水平リブを設けるようにしたものである。下空気孔から流入した外部の空気は、第2の水平リブに沿って前方に導かれてリフレクターの前方に至ることで、灯室内における対流の活性化に貢献する。請求項3では、請求項1又は2に記載の車両用灯具において、前記水平リブを、リフレクターより前方に延出するように構成したものである。灯室内上部の温まった空気のランプボディ内側に沿った循環が阻止されて、呼吸作用が活発化し、灯室内における対流が一層確実に活性化される。また、下空気孔から流入した外部の空気は、第2の水平リブに沿ってリフレクターの前方に確実に導かれ、灯室内における対流の活性化に一層貢献する。請求項4では、請求項1〜3のいずれかに記載の車両用灯具において、前記水平リブをランプボディに設けるようにしたものである。水平リブ周辺領域では、水平リブの成形に伴うヒケが発生するおそれがあることから、配光の形成に大きく寄与するリフレクターに水平リブを形成しにくいが、配光の形成に全く無縁のランプボディは、ヒケの発生によりその形状が多少変形しても問題がないことから、水平リブを形成し易い。請求項5では、請求項1〜4のいずれかに記載の車両用灯具において、前記リフレクターにおける前記上空気孔の近傍位置に、リフレクターを貫通する通気孔を設けるようにしたものである。光源回りの温かい空気の一部は、リフレクターの上方を回ってリフレクター後方に至ることなく、この通気孔を通ってリフレクター後方に至り、上空気孔から灯室外に流出するので、空気の流出経路が短縮され、それだけ、空気孔を介しての吸排気量が増加(呼吸作用が活発化)する。
【0007】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて説明する。
【0008】図1〜図8は本発明の一実施例を示すもので、図1は本発明の一実施例であるヘッドランプの正面図、図2は同ヘッドランプの水平断面図(図1に示す線II−IIに沿う断面図)、図3は同ヘッドランプの縦断面図(図1に示す線III−IIIに沿う断面図)、図4は同ヘッドランプの背面図、図5はランプボディの正面図、図6は同ランプボディの斜視図、図7は同ランプボディの背面斜視図、図8は空気孔の呼吸作用を説明する断面図(図1,4に示す線VIII−VIIIに沿う断面図)である。
【0009】これらの図において、符号10は、前方から斜め側方に開口する横長矩形状の合成樹脂製ランプボディで、ランプボディ10の前面開口部には、湾曲する透明な前面レンズ11が組付けられて、横長矩形状の密閉された灯室Sが画成されている。
【0010】灯室S内には、走行ビームおよびすれ違いビーム形成用の反射式ランプユニット20が、2本のエイミングスクリュー12,13と1個の玉継手14から構成されたエイミング機構によって傾動可能に支持されている。
【0011】ランプユニット20は、アルミ蒸着処理(鏡面処理)が施された放物面形状の合成樹脂製リフレクター22と、このリフレクター22の後頂部に形成されたバルブ挿着孔23に挿着固定された光源であるバルブ30と、バルブ挿着孔23にねじ固定されてバルブ30の前方を覆う配光制御用のシェード40とから構成されている。
【0012】バルブ30は、走行ビーム用のフィラメント31aとすれ違いビーム用のフィラメント31bとがガラス球内に一体に収容された構造で、バルブ30がバルブ挿着孔23に固定された状態では、フィラメント31a,31b間の略中間位置にリフレクター22の焦点が位置する形態となって、走行ビーム用のフィラメント31aの発光により走行ビームが形成され、すれ違いビーム用のフィラメント31bの発光によりすれ違いビームが形成されるようになっている。
【0013】ランプボディ10は、略水平に延在し、車体取付固定用ブラケット15が突出形成された上側面壁10aと、この上側面壁10aと平行に延在する下側面壁10bと、これらの上下の側面壁10a,10b間にあって、後方に膨出する湾曲した背面壁10cとから構成されている。そして、ランプボディ10の背面壁10cには、バルブ交換用の開口部10dが設けられ、この開口部10dからはバルブ30のバルブソケット32が後方に突出しているが、この開口部10dを構成する円筒部10eとバルブソケット32間には、伸縮可能なゴム製フード34が介装されて、ランプボディ10の後方開口部(バルブ交換用の開口部)10dが閉塞されている。
【0014】そして、ランプユニット20は、ランプボディ10の背面壁10cのスクリュー挿通孔10f,10gに回転可能に支承されて前方に延出する2本のエイミングスクリュー12,13と、1個の玉継手14とによって、ランプボディ10に対し傾動可能に支持されている。即ち、リフレクター22の背面に突設されたブラケット22a,22aには、エイミングスクリュー12,13に螺合するナット12a,13aが嵌着されており、エイミングスクリュー12,13の回動操作によって、ナット12a,13aがエイミングスクリュー12,13に沿って進退し、これによってランプユニット20が水平軸Lx,垂直軸Ly回りに傾動して、ランプユニット20の光軸Lを上下左右方向に傾動調整できるようになっている。
【0015】なお、エイミングスクリュー12,13の後端部には、冠状歯車12b,13bが一体化されており、ドライバーでこの冠状歯車12b,13bを回すことで、エイミングスクリュー12,13を回動操作できる。符号18は、ランプボディ10の前面開口部から前面レンズ11の内側に沿って設けられたエクステンションリフレクターで、このエクステンションリフレクター18には、ランプユニット20のリフレクター22に対応する開口部18aが形成されている。また、エクステンションリフレクター18の表側には、リフレクター22と同様のアルミ蒸着処理(鏡面処理)が施されており、ランプユニット20の周辺領域を隠すとともに、灯室S内全体を単一の鏡面色に見せてヘッドランプの見栄えを良好ならしめるという働きがある。
【0016】符号50(50A,50B,50C)は、ランプボディ10の背面壁10cに設けられた空気孔、符号H(H1 ,H2 ,H3 )は、空気孔50(50A,50B,50C)を覆うように設けられた空気通路ハウジングで、ハウジングH(H1 ,H2 ,H3 )内には、空気孔50(50A,50B,50C)にそれぞれ連通し、かつ外部に連通する迷路状の空気通路h(h1 ,h2 ,h3 )が形成されている。そして、灯室S内は、これらの空気孔50および空気通路hを介して外部と連通することで通気が確保され、いわゆる呼吸作用が営まれて、前面レンズ11に結露が発生しないようになっている。
【0017】ランプボディの背面壁10cには、バルブ交換用開口部10dが形成され、リフレクター22に略倣った湾曲形状の左右方向中央部領域10c1 の左右に、エイミング機構や車体取付固定用ブラケット16の配設された平坦なエイミング機構配設用段差部10c2 ,10c3 が形成され、エイミング機構配設用段差部10c2 の左側(背面から見た左側)には、車体取付固定用ブラケット17の突設された平坦なブラケット形成用段差部10c4 が形成された構造となっている。そして、ランプボディ背面壁10cの湾曲した中央部領域10c1 には、上空気孔50Aと空気通路ハウジングH1 が形成され、右側の平坦なエイミング機構配設用段差部10c3 と左側の平坦なブラケット形成用段差部10c4 の下部領域には、下空気孔50B,50Cと空気通路ハウジングH2 ,H3 が形成されている。
【0018】上空気孔50Aは横長の長孔で、ハウジングH1 は、空気孔50Aを拡大したような横長矩形状に形成されて、ランプボディ背面壁中央部領域10c1 の左右巾に比べて上下巾が狭いバルブ交換用開口部10d上方近傍領域に設けられている。一方、下空気孔50B,50Cは、縦長の長孔で、ハウジングH2 ,H3 は空気孔50B,50Cを拡大したような縦長矩形状に形成されて、ランプボディ背面壁の上下巾に比べて左右巾が狭い段差部10c3 ,10c4 におけるバルブ交換用開口部10dより下方位置に設けられている。
【0019】そして、バルブ30の点灯発熱により、バルブ30の回りには、図8矢印Cに示すような対流が生じるとともに、灯室S内上部の圧力が下部の圧力より高くなる。このため、バルブ30周辺において温められた空気は、リフレクター22の前方から上方そして後方に回り、上空気孔50Aから灯室S外に流出するとともに、下空気孔50B,50Cから灯室S外の空気が灯室S内に流入する呼吸作用により、対流Cが活性化されて、灯室内に結露が発生することがない。
【0020】また、図8に示されるように、リフレクター22の背面壁における上空気孔50Aと略正対する位置には、通気孔60が設けられており、リフレクター22内側の温まった空気は、リフレクター22の上方を通って空気孔50Aに向かう他、通気孔60を通って空気孔50Aに向かう。この通気孔60を通る空気流れの流路は、リフレクター22の上方を通る空気流れの流路よりも短いため、それだけ流路抵抗も少なく、空気孔50による吸排気量が増加して、呼吸作用が活発化されている。
【0021】また、空気孔50(50A,50B,50C)は大きな開口面積をもつ長孔で形成されていることから、灯室S内には充分な通気が確保されている。さらに、灯室S内には、灯室の左右方向側端部寄り下方位置の下空気孔50B,50Cから侵入した空気が灯室の左右方向中央部上方位置の上空気孔50Aから排出されるという空気の流れが生成されていることから、灯室S内全体に対流Cが生じ、従来では対流が不充分なため結露が生じ易かった前面レンズ11の隅部での結露の発生もない。
【0022】また、ランプボディ10の背面壁の内側には、温まった空気がリフレクター22の背面壁に沿って循環することを阻止する水平リブ70Aが延出形成されている。即ち、ランプボディ背面壁内側における上空気孔50Aと下空気孔50B間の位置には、図2,5,6に示されるように、ランプボディ10の前面開口部を越えてエクステンションリフレクター18に接近する位置まで水平に延出する水平リブ70Aが形成されている。リフレクター22の背面壁に倣った形状に形成された水平リブ70Aの内側縁部は、傾動可能なリフレクター22と干渉しない位置まで延びて、リフレクター22とランプボディ背面10c壁間の隙間が狭められている。このため、灯室S内において温められた空気は、リフレクター22上方からリフレクター背面壁に沿って下方に流れようとするが、この水平リブ70Aによってその流れが妨げられるため、リフレクター22上方の温まった空気はリフレクター22の背面壁を回って循環することなく、上空気孔50Aから排出され、それだけ空気孔50A,50B,50Cを介しての吸排気量が増えて、活発な呼吸作用が営まれるようになっている。
【0023】また、ランプボディ10の背面壁内側の下空気孔50B,50Cの真上には、空気孔50B,50Cから流入した空気を前方に導く第2の水平リブ70B,70Cが延出形成されている。即ち、水平リブ70B,70Cは、その延出端がリフレクター22と干渉しないように、リフレクター22の背面壁に倣った形状に形成されて、ランプボディ10の前面開口部を越えてエクステンションリフレクター18に接近する位置まで延びている。このため、下空気孔50B,50Cからそれぞれ灯室S内に流入した外部の空気は、リフレクター22とランプボディ10間の隙間に沿って上方に向かうことなく、水平リブ70B,70Cによって前方に導かれて、リフレクター22の内側に流入する。この結果、灯室S内における対流Cが活性化されて、結露防止効果が増すようになっている。
【0024】特に、水平リブ70B,70Cは、リフレクター22を越えて前面レンズ11の近傍にまで延びているため、下空気孔50B,50Cから流入した外部の空気が前面レンズの裏側まで確実に導かれることになって、従来のランプにおいて結露の発生し易かった前面レンズ下部領域での結露の発生を確実に防止できるようになっている。
【0025】また、空気孔50は、防塵,防水を図るために、ランプボディ背面壁10cを貫通する筒状の立壁51によって構成されている。即ち、ランプボディ背面壁10cから後方に突出する筒状の立壁51の存在によって、立壁51内の空気孔50には、水や塵埃が侵入しにくい。また、この立壁51内には、スポンジ状の防塵フィルター53が収容されて、空気孔50におけるさらなる防塵,防水が図られている。
【0026】また、立壁51の前端部には、孔50を横切るように延びる防塵フィルター脱落防止リブ52が設けられて、立壁51内の防塵フィルター53が灯室S側に脱落しないようになっている。なお、脱落防止リブ52は、空気孔(長孔)50の長手方向に延びており、長孔の短径巾がさらに狭められて、防塵フィルター53の脱落が確実に阻止される構造となっている。
【0027】また、空気孔50を構成する立壁51の前端部51aは、灯室S内に突出して、ランプボディ後方への立壁51の突出量が少なく、これによって、立壁51を覆うように設けられた、空気通路ハウジングHの後方突出量もそれだけ小さくてすむようになっている。
【0028】ランプボディ背面壁10cの立壁51の回りには、下側壁が一部切り欠かれ、立壁51より一回り大きい口径で、立壁51より背の高い第2の立壁54が形成され、さらに、第2の立壁54の回りには、下側壁が一部切り欠かれ、第2の立壁54より背の高い矩形状の第3の立壁56が形成されている。
【0029】立壁54,56の切り欠き55,57はいずれも下側壁に設けられて、切り欠き55,57から立壁54,56内にたとえ水が侵入したとしても、切り欠き55,57から自然に排水されて、立壁54,56内に水が溜まらないようになっている。
【0030】また、第3の立壁56の切り欠き57は、第2の立壁54の切り欠き55と上下方向に重ならない位置に設けられて、第3の立壁56の切り欠き57から侵入した水が第2の立壁54の切り欠き55内に侵入しにくいようになっている。
【0031】第3の立壁56の上側壁には、第3の立壁56の開口端部を塞ぐ揺動蓋59が薄肉ヒンジ58を介して連成され、揺動蓋59の揺動先端部には、第3の立壁56の下側壁に設けられた係合孔56aと係合可能な係止突起59aが形成されている。
【0032】そして、揺動蓋59を薄肉ヒンジ58位置で折り曲げて、係止突起59aを係合孔56aに係合(凹凸ランス係合)させると、第3の立壁56の開口端部が揺動蓋59で閉塞された形態となって、空気孔50を介し灯室Sに連通するとともに、切り欠き57を介し外部に連通する迷路状の空気通路h(h1 ,h2 ,h3)が形成される。また、揺動蓋59を閉じた状態では、防塵フィルタ53は蓋59に押圧されて立壁51内に保持されるので、防塵フィルタ53は立壁51内でガタつくことなく保持される。
【0033】このように、空気通路ハウジングHを構成する第2の立壁54,第3の立壁56,揺動蓋59により、空気孔50(50A,50B,50C)をそれぞれ外部と連通させる迷路状の空気通路h(h1 ,h2 ,h3 )が形成されている。
【0034】また、揺動蓋59の揺動先端部寄りには、横方向に延びる凸状リブ59bが設けられて、揺動蓋59をスムーズに閉めることができるようになっている。即ち、揺動蓋59を閉める際には、図8の仮想線で示すように、作業者の指の腹がこの凸状リブ59bに当たって滑り止めされるので、指の押圧力が揺動蓋59の折り曲げ力として効率よく伝達され、係止突起59aを係合孔56aにスムーズに係合させることができる。
【0035】なお、前記実施例では、リフレクター可動型の自動車用ヘッドランプについて本発明を説明したが、ヘッドランプに限定されるものではなく、リフレクターがランプボディから離間して設けられているその他の車両用灯具にも広く適用できる。
【0036】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項1に係わる車両用灯具によれば、空気孔を介しての呼吸作用の際に、リフレクターの上方からリフレクターの背後を回って下方に循環しようとする温まった空気の循環流が水平リブによって阻止されるため、空気孔を介しての呼吸作用が活発となり、灯室内における対流が鈍化することなく確実に活性化されて、灯室内における結露の発生を確実に防止できる。請求項2によれば、下空気孔から流入した外部の空気が、第2の水平リブによって灯室に導かれるので、灯室内の対流が活性化されて、結露を確実に防止できる。請求項3によれば、温まった空気のランプボディ内側に沿った循環流が水平リブにより確実に阻止されるとともに、外部の空気が確実にリフレクターの前方まで導かれるので、灯室内の対流がより活性化されて、結露を確実に防止できる。また、前面レンズの下方領域には、結露による曇りが発生し易いが、請求項2,3によれば、下空気孔から流入した外部の空気が、第2の水平リブによって前面レンズ下部領域に導かれるので、前面レンズ下方領域に従来発生し易かった曇りを確実に防止できる。請求項4によれば、配光の形成に全く無縁なランプボディに水平リブを設けたので、リフレクターに生じたヒケによる変形が原因で配光が狂うおそれもない。請求項5によれば、光源回りの温かい空気の流出経路が短縮され、それだけ、空気孔を介しての吸排気量が増加(呼吸作用が活発化)するので、灯室内における対流がより活性化されて、灯室内における結露の発生を一層確実に防止できる。
【出願人】 【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
【出願日】 平成9年(1997)9月4日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】八木 秀人
【公開番号】 特開平11−86614
【公開日】 平成11年(1999)3月30日
【出願番号】 特願平9−239370