| 【発明の名称】 |
照射角制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】川島 寿一
【氏名】吉田 稔
【氏名】福井 栄一
【氏名】萩尾 健一
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| 【要約】 |
【課題】被照射面からスポットライトの据え付け位置までの高さの設定入力せずに、照射方向に合わせて照射スポット径(照射角)を自動制御する。
【解決手段】灯体1a 固定のミラースキャンスポットライト1について、スポットライトの取り付けに関する傾きを検出するための取り付け傾き検出部7と、この取り付け傾き検出部の傾き検出結果と方向駆動結果検出部による照射方向の駆動結果とを基にして照射方向を演算する照射方向演算部9と、照射スポット径の設定値φ0 を照射角検出部での照射角の検出結果と対応させて記憶するための設定記憶部8と、この設定記憶部に記憶した照射スポット径の設定値と照射方向演算部で求めた照射方向の演算結果Pn ’、Tn ’とを基にして照射角を算出し、算出した照射角に従って照射角駆動部を制御する照射角演算制御部10とを設け、照射角を、照射方向の変化に応じて自動制御するようにした。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 スポットライトの照射光の広がりをあらわす照射角と、照射方向を変化させるための照射方向駆動部とを変化させる照射角制御装置であって、スポットライトの取り付けに関する傾きを検出するための取り付け傾き検出部とを備え、移動する照射対象を追尾するようにスポットライトの照射方向を変えたとき、照射方向に応じて照射角を変えることによりスポットライトに被照射面上の照射対象を所望の大きさの照射スポット径で照射させる照射角制御装置において、照射角制御装置の取り付けに関する傾きを検出するための取り付け傾き検出部と、この取り付け傾き検出部の傾き検出結果と照射方向の駆動結果とを基にして照射方向を演算する照射方向演算部と、照射スポット径の設定値を記憶するための設定記憶部と、この設定記憶部に記憶した照射スポット径の設定値と前記照射方向演算部で求めた照射方向の演算結果とを基にして照射角を算出し、算出した照射角に従って照射角を制御する照射角演算制御部とを設け、照射角を、照射方向の変化に応じて自動制御するようにしたことを特徴とする照射角制御装置。 【請求項2】 前記照射角制御装置に制御されるスポットライトは、灯体の向きが固定であり、前記照射方向駆動部は、前記灯体の投光開口前面に回動可能に設けられる回転可動式反射鏡を駆動することを特徴とする請求項1記載の照射角制御装置。 【請求項3】 前記照射角演算制御部は、スポットライトの照射方向に関わらず、床面に位置する照射対象に向けて、所望の範囲に照射光が当たるように、照射角を制御するものであることを特徴とする請求項1乃至2記載の照射角制御装置。 【請求項4】 前記照射角演算制御部は、スポットライトの照射方向に関わらず、第1の所定の高さと、この第1の所定の高さよりも低い第2の所定の高さとの間である高さ範囲に、照射光が当たるように、照射角を制御するものであることを特徴とする請求項3記載の照射角制御装置。 【請求項5】 前記照射角演算制御部は、スポットライトの照射方向に関わらず、照射対象に投射する照射スポット径を略一定に保つように、照射角を制御するものであることを特徴とする請求項1乃至2記載の照射角制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、宴会場やホ−ル、舞台等に施工される照射角制御装置の、照射範囲の制御に関する。 【0002】 【従来の技術】図7を用いて従来の照射角制御装置に制御されるスポットライトを説明する。図7は従来の照射角制御装置の照射角制御の説明図である。 【0003】スポットライト1は、天井への取り付け軸を支軸にしてパン(水平面内回動)、チルト(鉛直面内回動)の2軸回動を行うことにより、照射方向を変化させるものである。スポットライト1は、各種スタジオ、劇場、ホ−ル、宴会場等に設置され、出演者の立ち位置やテ−ブル位置などの照射対象位置と、照射スポット径、色、図柄等を、予め仕込まれる一方で、照明演出の際に再生する。 【0004】演技者など照射対象Mがステージ上を移動する場合には、照射距離(照射角制御装置1から照射対象Mまでの直線距離)Lが変化するため、被照射面(床面)上に形成される照射スポット径φも変化する。例えば、図4に示すように、照射対象Mが、当初、ステージ上X0 の位置に立ち、水平面をチルトの基準にとって、チルト角度θ0 であり、照射距離がL0 で、照射角がε0 で、照射スポット径がφ0 であるとする。照射対象Mがステージ上を移動してステージ上X1 の位置まで移動し、チルト角度はθ1 となり照射距離がL0 より短いL1 になると、照射角がε0 のままでは、照射スポット径φ1 も、当然にして照射スポット径φ0よりも小さくなる。そこで、照射角制御装置1の操作者においては、手動操作により、移動する照射対象Mにあわせて照射方向と照射スポット径φとの両方を逐次調節するという大変面倒な作業を行っていた。 【0005】そこで、このような煩わしい手動操作による照射スポット径φの調節操作を無くすことによって使い勝手を向上した、特公平7−56761号公報に記載されるような照射角制御装置が提案されている。この特公平7−56761号公報に記載される照射角制御装置は、被照射面から照射角制御装置の据え付け位置までの高さHを予め記憶し、チルト角度θを検出して、高さHとチルト角度θとを基にして、照射距離Lを自動算出し、求めた距離Lに応じて、照射角εを自動的に調節し、照射スポット径φを自動調節するようにしている。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の特公平7−56761号公報に記載されるような照射角制御装置においては、被照射面から取り付け位置までの高さHを入力設定する必要があるため、複雑な構造のホール等で使用する場合には、ホールの設計図を基にするなどして高さHを確定する作業が必要になり、煩わしいという問題点があった。また、上述のような従来の照射角制御装置においては、灯体の向きを変化することによって、照射方向の変更を行っているため、灯体の向きは変えずに投光開口前面の回転可動式反射鏡によって照射方向の変更を行うタイプの照射角制御装置(所謂ミラースキャンタイプに代表される照射角制御装置)については、照射方向の変更に応じて照射径を一定に保つことは難しかった。 【0007】本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、照射角制御装置の据え付け施工時における、被照射面から照射角制御装置の据え付け位置までの高さの設定入力が不用でありながら、照射方向と照射スポット径とを同時に操作するという大変困難な作業が不用となる照射角制御装置を提供することにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明にあっては、スポットライトの照射光の広がりをあらわす照射角と、照射方向を変化させるための照射方向駆動部とを変化させる照射角制御装置であって、スポットライトの取り付けに関する傾きを検出するための取り付け傾き検出部とを備え、移動する照射対象を追尾するようにスポットライトの照射方向を変えたとき、照射方向に応じて照射角を変えることによりスポットライトに被照射面上の照射対象を所望の大きさの照射スポット径で照射させる照射角制御装置において、照射角制御装置の取り付けに関する傾きを検出するための取り付け傾き検出部と、この取り付け傾き検出部の傾き検出結果と照射方向の駆動結果とを基にして照射方向を演算する照射方向演算部と、照射スポット径の設定値を記憶するための設定記憶部と、この設定記憶部に記憶した照射スポット径の設定値と前記照射方向演算部で求めた照射方向の演算結果とを基にして照射角を算出し、算出した照射角に従って照射角を制御する照射角演算制御部とを設け、照射角を、照射方向の変化に応じて自動制御するようにしたことを特徴とする。 【0009】請求項2記載の発明にあっては、請求項1記載の照射角制御装置であって、前記照射角制御装置に制御されるスポットライトは、灯体の向きが固定であり、前記照射方向駆動部は、前記灯体の投光開口前面に回動可能に設けられる回転可動式反射鏡を駆動することを特徴とする。 【0010】請求項3記載の発明にあっては、請求項1乃至2記載の照射角制御装置であって、前記照射角演算制御部は、スポットライトの照射方向に関わらず、床面に位置する照射対象に向けて、所望の範囲に照射光が当たるように、照射角を制御するものであることを特徴とする。 【0011】請求項4記載の発明にあっては、請求項3記載の照射角制御装置であって、前記照射角演算制御部は、スポットライトの照射方向に関わらず、第1の所定の高さと、この第1の所定の高さよりも低い第2の所定の高さとの間である高さ範囲に、照射光が当たるように、照射角を制御するものであることを特徴とする。 【0012】請求項5記載の発明にあっては、請求項1乃至2記載の照射角制御装置であって、前記照射角演算制御部は、スポットライトの照射方向に関わらず、照射対象に投射する照射スポット径を略一定に保つように、照射角を制御するものであることを特徴とする。 【0013】 【発明の実施の形態】以下、本発明に係る照射角制御装置の第1の実施の形態を図1乃至図5に基づいて、第2の実施の形態を図6に基づいてそれぞれ詳細に説明する。 【0014】[第1の実施の形態]図1は照射角制御装置を説明するブロック図である。図2はミラースキャンタイプの照射角制御装置を説明するための模式図で、(a) は正面図、(b) は側面図をあらわす。図3は照射角制御装置の灯体内のアイリスシャッターの開閉による、照射角の調節の模様をあらわす説明図である。図4は照射角制御装置の取り付け状態での傾きをあらわす模式図で、(a) は平面図、(b) は側面図、(c) は正面図をそれぞれ表す。図5は被照射面上に形成する照射スポット径の説明図である。 【0015】照射角制御装置1は、灯体1a の向きが動かないように天井面に取り付けられて固定される、ミラースキャンタイプの照射角制御装置であり、図1に示すように、照射方向駆動部2と、方向駆動結果検出部3と、光学系部品4と、照射角駆動部5と、照射角検出部6と、取り付け傾き検出部7と、設定記憶部8と、照射方向演算部9と、照射角演算制御部10とを備えて構成される。 【0016】照射方向駆動部2は、図2に示すように、回転可動式反射鏡2a と、モータ2b1、2b2とを備えて構成される。回転可動式反射鏡2a は、スポットライト1の灯体1a の投光開口前面に、パン方向とチルト方向との2軸方向に回動可能に設けられる。モータ2b1は回転可動式反射鏡2a をパン方向に回動させるための駆動手段であり、モータ2b2は回転可動式反射鏡2a をチルト方向に回動させるための駆動手段である。回転可動式反射鏡2a は、歯車を介してモータ2b1、2b2から回動力を伝達されて、パン方向とチルト方向との2軸方向にそれぞれ独立に回動する。つまり、照射方向駆動部2は、灯体1a 内にある光源1b から発せられる光を、回転可動式反射鏡2a で反射することによって、灯体1a 固定であっても照射光の向き(照射方向)をパン方向とチルト方向との2軸方向にそれぞれ独立に変化させるのである。なお、照射方向駆動部2は、本実施例では、スポットライト1とは別に設置された調光装置11から、モータ2b1およびモータ2b2の、駆動角度の大きさと回動向きとを含む制御信号を受けて駆動動作する。すなわち、調光装置11の操作者は、制御ルームに設置された調光装置11の設定入力手段12を操作入力して、回転可動式反射鏡2a のパン方向とチルト方向との回動を、遠隔操作するのである。 【0017】方向駆動結果検出部3は、ポテンショメータに代表される角度検出センサ3a1、3a2を備えて構成される。角度検出センサ3a1は、モータ2b1の回動角度を検出し、角度検出センサ3a2は、モータ2b2の回動角度を検出する。つまり、方向駆動結果検出部3は、照射方向駆動部2の駆動結果を検出する。 【0018】光学系部品4は、アイリスシャッター4a で例示する。光学系部品4は、開閉することによって、照射光の広がりをあらわす照射角εを、調節する。照射角εは、灯体1a の投光開口に設けられたレンズ1c で集光された光(照射光)の、照射角度である。 【0019】照射角駆動部5は、モータ5a を備えて構成され、モータ5a は歯車を介するなどしてアイリスシャッター4a に噛み合い、アイリスシャッター4a の開口孔の絞りの程度を調節する。つまり、照射角駆動部5は、照射光の広がりをあらわす照射角εを、光学系部品4を駆動して変化させるのである。照射角駆動部5は、本実施例では、調光装置11から制御されて設定入力手段12を操作入力に応じてアイリスシャッター4a の開閉制御を行うことも可能なように構成されるものとする。 【0020】照射角検出部6は、ポテンショメータに代表される角度検出センサ6a を備えて構成される。角度検出センサ6a は、モータ5a の回動角度を検出する。つまり、照射角検出部6は、照射角駆動部5の駆動結果すなわち照射角εを検出する。 【0021】取り付け傾き検出部7は、基準面からの傾斜を感知する傾きセンサを、複数備えて構成される。図4に示すように、鉛直上向きをZ軸の正の向きとする、XYZ直交座標系を考える。第1の傾きセンサは、図4(a) に示すようにYZ平面を基準にしてZ軸まわりについて、灯体1a の取り付けに関する傾き角度を検出する。第2の傾きセンサは、図4(b) に示すようにXY平面を基準にしてX軸まわりについて、灯体1a の取り付けに関する傾き角度を検出する。第3の傾きセンサは、図4(c) に示すようにXY平面を基準にしてY軸まわりについて、灯体1a の取り付けに関する傾き角度を検出する。つまり、取り付け傾き検出部7は、スポットライト1の灯体1a について、取付面(天井)への取り付けに関する傾きを検出する。 【0022】設定記憶部8は、メモリを備えて構成され、調光装置11の設定入力手段12からの制御指令を受けて、照射スポット径の初期設定値をはじめとする設定値を、照射角検出部6で読み取った照射角εの検出結果と対応させて、記憶する。 【0023】照射方向演算部9は、MPUを有して構成され、取り付け傾き検出部7から、スポットライト1の灯体1a に関する取り付け傾きの検出結果を受信する。方向駆動結果検出部3は、照射方向駆動部2の駆動結果を、パン、チルトの各方向に関する角度値で検出すると、その角度値検出結果を、照射方向演算部9へ送信する。照射方向演算部9は、取り付け傾き検出部7の傾き検出結果と方向駆動結果検出部3による照射方向の角度値検出結果とを基にして、照射方向を、以下の(1)式を用いて算出する。なお、(1)式では、当初、スポットライト1の照射方向が、回転可動式反射鏡2a によって(X,Y,Z)=(0,0,−1)の方向に向いているものとする。引き続き、(1)式の導出過程を説明する。また、以下では、各記号の添え字n(小文字のn)は、スポットライト1の照射方向の制御結果の順番を示し、同一の添え字nが附された各記号は、そのnにおいて照射方向の制御結果をあらわす。 【0024】 【数1】
【0025】[(1)式の導出]まず、上述したように、鉛直上向きをZ軸の正の向きとする、XYZ直交座標系を考える。照射方向演算部9は、方向駆動結果検出部3から得られた、照射方向駆動部2の駆動結果を、パン方向駆動結果[Pn ]およびチルト方向駆動結果[Tn ]としてあらわす。 【0026】パン方向駆動結果[Pn ]は、XYZ直交座標系における物体を、Z軸まわりに角度Pn だけ回転させる作用をあらわす行列であり、(2)式であらわすことができる。 【0027】 【数2】
【0028】また、チルト方向駆動結果[Tn ]は、XYZ直交座標系における物体を、X軸まわりに角度Tn だけ回転させる作用をあらわす行列であり、(3)式であらわすことができる。 【0029】 【数3】
【0030】一方、照射方向演算部9は、取り付け傾き検出部7から得られた、灯体1a の取り付けに関する傾き角度を、第1の傾き[a]と、第2の傾き[b]と、第3の傾き[c]とであらわす。 【0031】第1の傾き[a]は、第1の傾きセンサで検出された傾き角度をあらわし、XYZ直交座標系における物体を、Z軸まわりに、X軸からY軸へまわす向きが正の回転の向きになるように、角度aだけ回転させる作用をあらわす行列であり、(4)式であらわすことができる。 【0032】 【数4】
【0033】第2の傾き[b]は、第2の傾きセンサで検出された傾き角度をあらわし、XYZ直交座標系における物体を、X軸まわりに、Y軸からZ軸へまわす向きが正の回転の向きになるように、角度bだけ回転させる作用をあらわす行列であり、(5)式であらわすことができる。 【0034】 【数5】
【0035】第3の傾き[c]は、第3の傾きセンサで検出された傾き角度をあらわし、XYZ直交座標系における物体を、Y軸まわりに、Z軸からX軸へまわす向きが正の回転の向きになるように、角度cだけ回転させる作用をあらわす行列であり、(6)式であらわすことができる。 【0036】 【数6】
【0037】スポットライト1の当初の照射方向(0,0,−1)は、スポットライト1が何の取り付け傾きもなく、天井面に取り付けられているならば、パン方向駆動結果[Pn ]によってあらわされる駆動角度Pn およびチルト方向駆動結果[Tn]によってあらわされる駆動角度Tn に従って回転させれば、回転後の正確な照射方向を算出できる。しかし、実際には、スポットライト1が何の取り付け傾きもなく、天井面に取り付けられていることはありえないので、さらに第1の傾き[a]と、第2の傾き[b]と、第3の傾き[c]とを加味した演算を行うのである。つまり、回転後の正確な照射方向(X,Y,Z)=(ln ,mn ,nn )は、(2)式から(6)式までを用いて、(7)式のようにあらわされる。 【0038】 【数7】
【0039】(7)式によって得られる演算結果は、第1の傾き[a]と、第2の傾き[b]と、第3の傾き[c]との各回転作用を含み、パン方向駆動結果[Pn ]およびチルト方向駆動結果[Tn ]の回転作用だけでは得られない。そこで、第1の傾き[a]と、第2の傾き[b]と、第3の傾き[c]との各回転作用を含んだ上で、取り付け傾きを含めたパン方向の換算駆動角度Pn ’だけの回転作用をあらわす行列[Pn ’]と、取り付け傾きを含めたチルト方向の換算駆動角度Tn’だけの回転作用をあらわす行列[Tn ’]との演算結果が、(7)式によって得られる演算結果と、等価であるとして、(8)式を得ることができる。なお、取り付け傾きを含めたパン方向の駆動をあらわす行列[Pn ’]は、XYZ直交座標系における物体を、Z軸まわりに換算駆動角度Pn ’だけ回転させる作用をあらわす行列であり、(9)式によってあらわされる。また、取り付け傾きを含めたチルト方向の駆動をあらわす行列[Tn ’]は、XYZ直交座標系における物体を、X軸まわりに換算駆動角度Tn ’だけ回転させる作用をあらわす行列であり、(10)式によってあらわされる。 【0040】 【数8】
【0041】 【数9】
【0042】 【数10】
【0043】(8)式の2行目に注目し、換算駆動角度Tn ’を求めることができる。このようにして(1)式が導出される。また、換算駆動角度Tn ’を求めることができたとともに、(8)式の1行目または3行目を基にして、換算駆動角度Pn ’も求めることができる。 【0044】[(1)式の導出は以上まで]照射角演算制御部10は、MPUを有して構成され、設定記憶部8から、設定記憶部8に記憶した照射スポット径の初期設定値φ0 を受信する。照射方向演算部9は、照射方向の演算結果Pn ’、Tn ’を、照射角演算制御部10へ送信する。照射角演算制御部10は、照射スポット径の初期設定値φ0 と、照射方向の演算結果Pn ’、Tn ’とを基にして、照射角εn を決定するアイリス制御値In を、以下の(11)式を用いて算出する。 【0045】 【数11】
【0046】関数ηは、照射スポット径の初期設定値φ0 すなわち所望の照射スポット径と、照射方向の演算結果Pn ’、Tn ’とを基にして、アイリスシャッター4a の開口孔の適切な絞りの程度をあらわすアイリス制御値In を与える関数である。なお、モータ5a の駆動角度とアイリス制御値In との関係は、予めデータテーブル化されており、照射角演算制御部10に保持されている。 【0047】換言すれば、照射角演算制御部10は、照射方向の演算結果Pn ’、Tn ’に応じて、データテーブルから、モータ5a の駆動角度とアイリス制御値In との関係を読み出し、さらに、照射スポット径φが初期設定値φ0 の大きさを保持するように、アイリス制御値In を決定するのである。つまり、照射角演算制御部10は、照射スポット径φが初期設定値φ0 の大きさを保持するように、照射角駆動部5を制御して、照射角εn の調節を行う。なお、照射角εn を求める式は、以下の(12)式である。引き続き、(12)式の導出過程を説明する。 【0048】 【数12】
【0049】[(12)式の導出]図5より、照射スポット径φn は、(13)式であらわされる。ここで、hは、床面から天井までの高さをあらわす。 【0050】 【数13】
【0051】照射スポット径φの初期設定値φ0 は定数であり、初期設定値φ0 を(13)式に代入して、(14)式を得る。ここで、計算過程を簡単にするため、(15)式を定義する。A0は定数である。 【0052】 【数14】
【0053】 【数15】
【0054】照射スポット径φn を、初期設定値φ0 のまま変更したくないのだから、(13)式と(14)式とが等しいとして、式を整理し、(15)式を代入すると、(16)式が得られる。 【0055】 【数16】
【0056】さらに、(16)式をみやすくするために、(16)式を(17)式のように置き換える。a3、b3、c3は、それぞれ、係数(定数)をあらわす。 【0057】 【数17】
【0058】(17)式をtan(εn )について解き、0<εn なる条件を加味すると、(12)式が得られる。 【0059】[(12)式の導出は以上まで]以上のようにして、スポットライト1は、移動する照射対象を追尾するように照射方向を変えたとき、照射方向に応じて照射角εn を変えることにより被照射面上の照射対象を所望の大きさの照射スポット径φ0 で照射する。 【0060】従って、照射角制御装置の取り付けに関する傾きを検出するための取り付け傾き検出部7と、この取り付け傾き検出部7の傾き検出結果と方向駆動結果検出部3による照射方向の駆動結果とを基にして照射方向を演算する照射方向演算部9と、照射スポット径の設定値(初期設定値φ0 )を照射角検出部6での照射角εn の検出結果と対応させて記憶するための設定記憶部8と、この設定記憶部8に記憶した照射スポット径の設定値(初期設定値φ0 )と照射方向演算部9で求めた照射方向の演算結果とを基にして照射角εn を算出し、算出した照射角εn に従って照射角駆動部5を制御する照射角演算制御部10とを設けたため、照射角εn を、照射方向の変化に応じて、取り付け傾きを考慮した上で精度よく、自動制御することができる。すなわち、スポットライト1の操作者においては、スポットライト1の据え付け施工時における、被照射面からスポットライト1の据え付け位置までの高さhの設定入力が不用でありながら、照射方向と照射スポット径φn とを同時に操作するという大変困難な作業が、不用となる。なお、本実施例では、照射角演算制御部10は、スポットライト1の照射方向に関わらず、照射対象に投射する照射スポット径φn を略一定(初期設定値φ0 )に保つように、照射角駆動部5に照射角εn を制御させるものである。 【0061】また、スポットライト1は灯体1a の向きが固定であり、照射方向駆動部2は、灯体1a の投光開口前面に回動可能に設けられる回転可動式反射鏡2a を備える、所謂ミラースキャンタイプであっても、照射角εn を、照射方向の変化に応じて自動制御することができる。 【0062】なお、上記実施の形態においては、スポットライト1は所謂ミラースキャンタイプのものを例示したが、本発明はこれに限らず、照射角制御装置は、灯体の向きを変化することによって照射方向の変更を行うタイプのものをはじめ、照射角制御装置自身の座標系をXYZ直交座標系、すなわちホールなど施工を行う照明空間における絶対座標、によってあらわすことができるならば、どのような照射角制御装置であってもかまわない。また、XYZ直交座標系など、座標系のとりかたは、適宜変更してかまわない。 【0063】また、上記実施の形態においては、方向駆動結果検出部3および照射角検出部6は、ポテンショメータによって角度検出を行うものを例示したが、本発明はこれに限らず、ポテンショメータのかわりにエンコーダを用いてもよい。 【0064】[第2の実施の形態]図6は被照射面からの高さ方向に関して照射光が当たる範囲を説明する説明図である。なお、前述の第1の実施の形態と同一の箇所には同じ符号を付し、同一の箇所の詳細な説明は省略する。 【0065】この第2の実施の形態の照射角制御装置が前述の第1の実施の照射角制御装置と異なり特徴となる構成は、照射スポット径φn を略一定(初期設定値φ0 )に保つようにするのではなく、照射範囲の高さを制限するようにした点である。舞台照明の分野においては、演出効果の都合上、演技者などの照射対象に、過不足無い高さの光を照射することが要求される。本実施例は、そのような要望に対処するためのものである。 【0066】照射角演算制御部10は、(11)式を用いてアイリス制御値In を算出した後、照射スポット径に関してではなく、照射高さをあらわす第1の所定の高さBn に関して、初期設定値B0 を保持するように、アイリス制御値In を決定する。第1の所定の高さBn が初期設定値B0 を保持するようにして照射角εn を求める式は、以下の(18)式である。引き続き、(18)式の導出過程を説明する。 【0067】 【数18】
【0068】[(18)式の導出]図6より、第1の所定の高さBn は、(19)式であらわされる。ここで、hは、床面から天井までの高さをあらわし、h’は、第1の所定の高さBn よりも低い第2の所定の高さBlnをあらわす。第2の所定の高さBlnは、照射方向(光軸中心)の向きと、照射対象とが交わる点についての、床面からの高さをあらわす。また、dn は、照射角制御装置鉛直下方の床面上の点から、照射スポット径端部に至るまでの距離をあらわす。 【0069】 【数19】
【0070】第1の所定の高さBn についての初期設定値B0 は定数であり、初期設定値B0 を(19)式に代入して、(20)式を得る。ここで、計算過程を簡単にするため、(21)式を定義する。A1は定数である。 【0071】 【数20】
【0072】 【数21】
【0073】第1の所定の高さBn を、初期設定値B0 のまま変更したくないのだから、(19)式と(20)式とが等しいとして、式を整理し、(21)式を代入すると、(22)式が得られる。 【0074】 【数22】
【0075】さらに、(22)式をみやすくするために、(22)式を(23)式のように置き換える。a5、b5、c5は、それぞれ、係数(定数)をあらわす。 【0076】 【数23】
【0077】(23)式をtan(εn )について解き、0<εn なる条件を加味すると、(18)式が得られる。 【0078】[(18)式の導出は以上まで]以上のようにして、スポットライト1は、移動する照射対象を追尾するように照射方向を変えたとき、照射方向に応じて照射角εn を変えることにより被照射面上の照射対象を所望の第1の所定の高さBn の範囲だけ照射する。 【0079】また、演技者などの照射対象の、顔の部分だけを照射して、演出効果を狙う場合も考えられ、顔の部分に相当する高さだけに光を照射することが要求される。すなわち、床面から第2の所定の高さBlnまでは照らさず、第2の所定の高さBlnよりも上であって第1の所定の高さBn の範囲である上部照射範囲Bunに限って照らすようにする必要がある。上部照射範囲Bunは、演技者の顔に相当する高さ範囲をあらわすものとする。 【0080】この場合、(19)式における第1の所定の高さBn に、上部照射範囲Bunを代入すればよい。つまり、(19)式は、(24)式のようにあらわされる。ここで、上記第1の所定の高さBn のみを制限する場合と同様に計算過程を簡単にするため、(25)式を定義する。A2は定数である。 【0081】 【数24】
【0082】 【数25】
【0083】上記第1の所定の高さBn のみを制限する場合と同様に、上部照射範囲Bunを、初期設定値Bu0のまま変更したくないのだから、(24)式と、(24)式にてn=0としたときの式とが等しいとして、式を整理し、(25)式を代入すると、(26)式が得られる。a7、b7、c7は、それぞれ、係数(定数)をあらわす。 【0084】 【数26】
【0085】(26)式をtan(εn )について解き、0<εn なる条件を加味すると、(27)式が得られる。 【0086】 【数27】
【0087】照射角演算制御部10は、(27)式で演算を行い、上部照射範囲Bunを初期設定値Bu0の大きさに略一致させたままの状態を維持するように、すなわち、演技者などの照射対象の顔の部分だけを照射したままの状態を維持するように、照射角εn の調節の制御を行う。 【0088】従って、照射角演算制御部10は、スポットライト1の照射方向に関わらず被照射面(床面)から第1の所定の高さBn 以下の高さの範囲に照射光が当たるように、照射角駆動部5に照射角εn を制御させるものであるため、第1の所定の高さBn を維持しながら照射対象を追尾照射する作業を、自動で行え、演出効果の高いスポットライト1を提供できる。 【0089】また、照射角演算制御部10は、スポットライト1の照射方向に関わらず、第1の所定の高さBn よりも低い第2の所定の高さBlnと、第1の所定の高さBnとの間の高さ範囲に、照射光が当たるように、照射角駆動部5に照射角εn を制御させるものであるため、第1の所定の高さBn と、第2の所定の高さBlnとの高さ方向の幅にのみ照射するようにして照射対象を追尾照射する作業を、自動で行え、さらに演出効果の高いスポットライト1を提供できる。 【0090】なお、上記実施の形態においては、スポットライト1は所謂ミラースキャンタイプのものを例示したが、本発明はこれに限らず、照射角制御装置は、灯体の向きを変化することによって照射方向の変更を行うタイプのものをはじめ、照射角制御装置自身の座標系をXYZ直交座標系、すなわちホールなど施工を行う照明空間における絶対座標、によってあらわすことができるならば、どのような照射角制御装置であってもかまわない。また、XYZ直交座標系など、座標系のとりかたは、適宜変更してかまわない。 【0091】また、上記実施の形態においては、方向駆動結果検出部3および照射角検出部6は、ポテンショメータによって角度検出を行うものを例示したが、本発明はこれに限らず、ポテンショメータのかわりにエンコーダを用いてもよい。 【0092】また、上記各実施の形態においては、照射角制御装置は、スポットライトに搭載されるハードウェアおよびソフトウェアで構成されるようなものを例示したが、本発明はこれに限らず、照射角制御装置は、スポットライトと別に設置される調光操作卓に、搭載可能なものを搭載して構成されるものであってもよい。 【0093】また、方向駆動結果検出部3および照射角検出部6は、ポテンショメータによって角度検出を行うものを例示したが、本発明はこれに限らず、ポテンショメータのかわりにエンコーダを用いてもよい。 【0094】 【発明の効果】請求項1記載の発明にあっては、スポットライトの照射光の広がりをあらわす照射角と、照射方向を変化させるための照射方向駆動部とを変化させる照射角制御装置であって、スポットライトの取り付けに関する傾きを検出するための取り付け傾き検出部とを備え、移動する照射対象を追尾するようにスポットライトの照射方向を変えたとき、照射方向に応じて照射角を変えることによりスポットライトに被照射面上の照射対象を所望の大きさの照射スポット径で照射させる照射角制御装置において、照射角制御装置の取り付けに関する傾きを検出するための取り付け傾き検出部と、この取り付け傾き検出部の傾き検出結果と照射方向の駆動結果とを基にして照射方向を演算する照射方向演算部と、照射スポット径の設定値を記憶するための設定記憶部と、この設定記憶部に記憶した照射スポット径の設定値と前記照射方向演算部で求めた照射方向の演算結果とを基にして照射角を算出し、算出した照射角に従って照射角を制御する照射角演算制御部とを設け、照射角を、照射方向の変化に応じて自動制御するようにしたため、照射角を、照射方向の変化に応じて、取り付け傾きを考慮した上で精度よく、自動制御することができる。すなわち、照射角制御装置の操作者においては、スポットライトの据え付け施工時における、被照射面からスポットライトの据え付け位置までの高さの設定入力が不用でありながら、照射方向と照射スポット径とを同時に操作するという大変困難な作業が、不用となる。 【0095】請求項2記載の発明にあっては、請求項1記載の発明の効果に加えて、前記照射角制御装置に制御されるスポットライトは、灯体の向きが固定であり、前記照射方向駆動部は、前記灯体の投光開口前面に回動可能に設けられる回転可動式反射鏡を駆動するため、灯体が固定であるスポットライトに関しても、照射角を、照射方向の変化に応じて、取り付け傾きを考慮した上で精度よく、自動制御することができる。すなわち、照射角制御装置の操作者においては、照射角制御装置の据え付け施工時における、被照射面からスポットライトの据え付け位置までの高さの設定入力が不用でありながら、照射方向と照射スポット径とを同時に操作するという大変困難な作業が、不用となる。 【0096】請求項3記載の発明にあっては、請求項1乃至2記載の発明の効果に加えて、前記照射角演算制御部は、スポットライトの照射方向に関わらず、床面に位置する照射対象に向けて、所望の範囲に照射光が当たるように、照射角を制御するものであるため、所望の範囲の所定を維持しながら照射対象を追尾照射する作業を、自動で行え、演出効果の高いスポットライトを動作できる。 【0097】請求項4記載の発明にあっては、請求項3記載の発明の効果に加えて、前記照射角演算制御部は、スポットライトの照射方向に関わらず、第1の所定の高さと、この第1の所定の高さよりも低い第2の所定の高さとの間である高さ範囲に、照射光が当たるように、照射角を制御するものであるため、第1の所定の高さと、第2の所定の高さとの高さ方向の幅にのみ照射するようにして照射対象を追尾照射する作業を、自動で行え、さらに演出効果の高い照射角制御装置を提供できる。 【0098】請求項5記載の発明にあっては、請求項1乃至2記載の発明の効果に加えて、前記照射角演算制御部は、スポットライトの照射方向に関わらず、照射対象に投射する照射スポット径を略一定に保つように、照射角を制御するものであるため、スポットライトの照射角を、照射方向の変化に応じて、スポットライトの取り付け傾きを考慮した上で精度よく、照射スポット径を略一定に保つように自動制御することができる。すなわち、照射角制御装置の操作者においては、スポットライトの据え付け施工時における、被照射面からスポットライトの据え付け位置までの高さの設定入力が不用でありながら、照射方向と照射スポット径とを、照射スポット径を略一定に保つように同時に操作するという大変困難な作業が、不用となる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005832 【氏名又は名称】松下電工株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)5月26日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】安藤 淳二 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−339509 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)12月10日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−144917 |
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