トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F21 照明




【発明の名称】 照明自動追尾システム
【発明者】 【氏名】松尾 綾子

【氏名】井上 智之

【氏名】山口 泰史

【要約】 【課題】自動追尾の停止や照射目標の画像表示の途切れが生じるのを防止する。

【解決手段】2台の撮像装置(赤外線カメラ2a1…)の画像から位置座標演算装置4により照射目標qの候補点を求める。何れか1台のカラーカメラ2b1又は2b2の画像から複数の候補点の一つを照射目標qの座標として求める。照射目標qの座標に基づいて追尾制御装置5が照明装置(スポットライト)1の駆動制御と2台のカラーカメラ2b1及び2b2の駆動制御を行って照射目標qを常時追尾する。2台のカラーカメラ2b1及び2b2が常時照射目標qを撮像するように駆動制御しているため、切換装置9を切り換えた場合でも直ちにカラーカメラ2b1又は2b2のカラー画像を照射目標qの座標を求めるのに利用でき、表示装置7の画面にも照射目標qを途切れることなく映し出すことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数の赤外線カメラと複数のカメラで撮像した画像を画像処理して照射目標の位置を算出し、この算出された位置に基づいて指向性を有する照明装置の光が常に照射目標に照射されるように前記照明装置の照射方向を可変制御する照明自動追尾システムにおいて、算出された照射目標の位置に基づいて少なくとも前記複数のカメラが常に照射目標を撮像するように全てのカメラの撮像方向を可変制御し、これら複数のカメラのうちの少なくとも1台のカメラの画像を表示装置に切り換えて表示させることを特徴とする照明自動追尾システム。
【請求項2】 少なくとも照射目標が映し出された前記表示装置の画面に、照射目標を示すマークが描画された画面を該マークが照射目標と重なるように表示させる手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の照明自動追尾システム。
【請求項3】 前記複数のカメラの内の少なくとも2台のカメラの画像を表示装置の画面内における異なる領域にそれぞれ映し出す手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の照明自動追尾システム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、宴会場などにおいて照明の対象となる人物などを自動的に追尾する照明自動追尾システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、人物などの移動する照射目標を自動的に追尾してスポットライトのような照明装置の光を常に照射目標に照射して照明するような照明自動追尾システムが提供されている。このシステムでは、複数台の撮像装置で撮像した画像に対して画像処理を行うことにより照射目標の位置を算出し、その位置情報に基づいて指向性を有する照明装置(例えばスポットライトなど)の照射位置を可変制御している。また上記システムでは、照射目標を正確に追尾するための補足手段として、撮像装置で撮像した画像を表示する表示装置と、表示装置に表示される画像に基づいて操作者が照明装置の照射位置を手動で補正可能とする補正制御装置とを備えている。
【0003】具体的には、例えば複数台の赤外線カメラと1乃至複数台のカラーカメラの画像を用いて赤外線発信器を保持した照射対象の位置を算出し、その位置情報に基づいて照明装置をパン及びチルトさせて照射対象を追尾するものである。この時、照射目標の確認のためにカラーカメラで撮像した画像が表示装置に表示されており、何らかの原因で照明装置の照射位置が照射目標からずれてしまった場合には、表示装置に表示されている照射目標を見ながら、操作者が補正制御装置に設けられた操作スイッチ等を操作することで照射位置を手動で補正できるようになっている(なお、本システムの詳しい構成及び動作については本発明の実施形態において説明する。)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来システムにおいて、表示装置に画像を表示させるカラーカメラを別のカラーカメラに切り換える場合、切換後にカラーカメラの向きを照射目標に向けるように制御していたのでは、照射目標を見失って照明装置の追尾が停止してしまう虞があり、また表示装置の画像表示も見た目に不連続になって違和感を与えるという問題がある。
【0005】本発明は上記問題点の解決を目的とするものであり、自動追尾の停止や照射目標の画像表示の途切れが生じるのを防止した照明自動追尾システムを提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明では、上記目的を達成するために、複数の赤外線カメラと複数のカメラで撮像した画像を画像処理して照射目標の位置を算出し、この算出された位置に基づいて指向性を有する照明装置の光が常に照射目標に照射されるように前記照明装置の照射方向を可変制御する照明自動追尾システムにおいて、算出された照射目標の位置に基づいて少なくとも前記複数のカメラが常に照射目標を撮像するように全てのカメラの撮像方向を可変制御し、これら複数のカメラのうちの少なくとも1台のカメラの画像を表示装置に切り換えて表示させることを特徴とし、複数のカメラが全て常に照射目標を追尾して撮像しているため、表示装置に表示する画像を切り換えた場合に常に画面内に照射目標が映し出されることとなり、自動追尾の停止や照射目標の画像表示の途切れが生じるのを防止することができる。
【0007】請求項2の発明は、請求項1の発明において、少なくとも照射目標が映し出された前記表示装置の画面に、照射目標を示すマークが描画された画面を該マークが照射目標と重なるように表示させる手段を備えたことを特徴とし、表示装置に表示される画像を切り換えた場合でも照射目標に重ねて表示されるマークによって照射目標を容易に認識することができる。
【0008】請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記複数のカメラの内の少なくとも2台のカメラの画像を表示装置の画面内における異なる領域にそれぞれ映し出す手段を備えたことを特徴とし、1台の表示装置において多くの情報を一度に表示させることができて使い勝手の向上が図れる。
【0009】
【発明の実施の形態】(実施形態1)図1に示すように本実施形態の照明自動追尾システムは、指向性を有するとともに照射方向が可変である照明装置1と、照明装置1による照明空間(宴会場など)Wを各々異なる方向から撮像する複数の撮像装置2と、複数の撮像装置2の各映像から照射目標qを識別するとともに照射目標qを撮像している各撮像装置2における画素座標を特定する画像認識装置3と、画像認識装置3で特定された複数の画素座標から照明空間W内の照射目標qの位置を演算する位置座標演算装置4と、照明空間Wに対する照明装置1の位置及び位置座標演算装置4の演算結果に基づいて照明装置1の照射方向を照射目標qに向けるように制御するための制御値を演算し、その制御値に応じて照明装置1の照射方向を可変制御する追尾制御装置5と、照射目標qの位置を演算するために各撮像装置2の取付位置に関するパラメータ情報を記憶する取付位置記憶装置6と、照射目標qを撮像した撮像装置2の画像を表示する表示装置7と、設定/操作スイッチ8aを具備し、この設定/操作スイッチ8aを操作することで作成された制御値を追尾制御装置5に送って位置補正を行う補正制御装置8とを備えている。
【0010】照明装置1は、図2に示すように照明空間W内の天井面等に取り付けられたブラケット1aによって水平方向並びに垂直方向に回動自在に支持され、図示しない駆動機構により水平方向の回動(パン)と垂直方向の回動(チルト)が可能なスポットライト1から成り、追尾制御装置5により上記駆動機構が駆動制御されて照射方向が可変されるものである。
【0011】また、撮像装置2は、図2及び図3に示すように照明空間Wの四隅に配置されたCCDカメラから成る4台の赤外線カメラ2a1〜2a4と、互いに異なる方向から照明空間Wを撮像するように可動自在に配置されたCCDカメラから成る2台のカラーカメラ2b1,2b2である。ここで赤外線カメラ2a1〜2a4は、例えば赤外光のみを透過するフィルタをCCD撮像素子の前面に配設することで赤外線に対する感度を高めたものであり、その画像(以下、「IR画像」という。)が画像認識装置3に送られる。またカラーカメラ2b1,2b2は、スポットライト1と同様に天井面等に取り付けられて図示しない駆動機構により水平方向並びに垂直方向に回動自在に支持され、追尾制御装置5により上記駆動機構が駆動制御されて水平方向の回動(パン)と垂直方向の回動(チルト)が制御されるものである。なお、図3に示すように切換装置9によって2台のカラーカメラ2b1,2b2の画像の一方のみが選択されて画像認識装置3並びに表示装置7に入力される。
【0012】4台の赤外線カメラ2a1〜2a4は同一のものであって、CCD撮像素子の寸法が2SW(横)×2SH(縦)〔mm〕、レンズの焦点距離がf〔mm〕、画像認識における有効画素数が2DW(横)×2DH(縦)とする。
【0013】ここで、照明空間Wの任意点(例えば、床面の中央)を原点とする3次元直交座標系を想定する。このとき、4台の赤外線カメラ2a1〜2a4の取付位置の座標を各々CPn(Xcn,Ycn,Zcn)、n=1,2,3,4とし、取付方向(赤外線カメラ2a1〜2a4の光軸方向)を各々CDn(Pcn,Tcn)、n=1,2,3,4とする。但し、Pcnはそれぞれ赤外線カメラ2a1〜2a4の光軸とY軸とのなす角、Tcnはそれぞれ赤外線カメラ2a1〜2a4の光軸と水平面(XY平面)とのなす角と定義する。これらCPn,CDnの値は、上記原点に配置した赤外線発信器10を赤外線カメラ2a1〜2a4で撮像して得たIR画像を画像処理するなどして特定し、予め赤外線カメラ2a1〜2a4に関するパラメータ情報として取付位置記憶装置6に記憶させておく。
【0014】画像認識装置3、位置座標演算装置4並びに追尾制御装置5は、例えばCPUを主構成要素とするコンピュータ装置で構成可能である。但し、本実施形態では、説明を簡単にするために上記コンピュータ装置における上記機能(あるいはソフトウェア)を画像認識装置3、位置座標演算装置4並びに追尾制御装置5と呼ぶことにする。なお、画像認識装置3、位置座標演算装置4並びに追尾制御装置5を個々にハードウェアで構成してもよいことはいうまでもない。
【0015】ところで、赤外線カメラ2a1〜2a4 が具備するCCD撮像素子上に素子の中心を原点(0,0)とする2次元直交座標系(Xd,Yd )を想定し、画像認識装置3が、従来周知の画像処理技術を用いて、赤外線カメラ2a1〜2a4 の映像を画像処理して、照射目標qの上記2次元直交座標系における座標(以下、この座標を「画素座標」と呼ぶ。)を求める。このように照射目標qの画素座標を求める手法としては、例えば、人物のような照射目標qに赤外線発信器10を取り付けておき、赤外線カメラ2a1〜2a4のIR画像中から赤外線の強度が所定値以上の点を抽出してその画素座標を求めるというような従来周知の手法が適用可能である。
【0016】上述のようにして4台の内の2台の赤外線カメラ(例えば2a1,2a2)の映像から画像認識装置3で得られた照射目標qの画素座標を、各々(Xd1,Yd1),(Xd2,Yd2)とする。また、赤外線カメラ2a1〜2a4 の座標系における基準ベクトル(方向余弦)を(X,Y,Z)=(0,1,0)とすると、上記基準ベクトルに対してCCD撮像素子の中心(原点)から照射目標qまでの方向ベクトル(Xe1,Ye1,Ze1)は以下の式で求められる(但し、赤外線カメラ2a1の映像についてのみ記す。)。
Xe1=Xd1×SW/(f×DW)
Ye1=1Ze1=Yd1×SH/(f×DH)
また,ここでの基準ベクトルは実際の照明空間Wにおける座標系では赤外線カメラ2a1の取付状態の分(パン,チルト)だけ回転していることになる。従って、実際の照明空間Wにおける赤外線カメラ2a1から照射目標qまでの方向ベクトル(l1 ,m1 ,n1 )は次のように求めることができる。
【0017】
【式1】

一方、赤外線カメラ2a1から照射目標qまでの方向と赤外線カメラ2a1の取付座標が予め特定されているので、これらの値から赤外線カメラ2a1と照射目標qとを結ぶ直線L1 を求めることができる(但し、直線の媒介変数をt1 とする。) 。
【0018】x=l1×t1+Xc1y=m1×t1+Yc1 ……(1)
z=n1×t1+Zc1また、赤外線カメラ2a2と照射目標qとの間にも同様の関係が成り立つので、赤外線カメラ2a1のパラメータを赤外線カメラ2a2のパラメータに置き換えると、赤外線カメラ2a2と照射目標qとを結ぶ直線L2 は、方向ベクトル(l2 ,m2 ,n2 )と直線の媒介変数t2 を用いて下式のように表すことができる。
【0019】x=l2×t2+Xc2y=m2×t2+Yc2 ……(2)
z=n2×t2+Zc2ここで、照射目標qは2つの直線L1 ,L2 上に存在しているはずであり、これらの直線L1 ,L2 の交点が照射目標qの座標と一致するはずであるから、この交点を求める。上記式(1),式(2)の照射目標qの座標(x,y,z)は同一であるので、次の式が成り立つ。
【0020】
l1×t1+Xc1=l2×t2+Xc2 ……(3)
m1×t1+Yc1=m2×t2+Yc2 ……(4)
n1×t1+Zc1=n2×t2+Zc2 ……(5)
式(3)及び式(5)を用いて以下のように媒介変数t1 ,t2 を求めることができる。
【0021】t1={n2×(Xc1-Xc2)-l2×(Zc1-Zc2)}/(n1×l2-l1×n2)t2={l1×(Zc1-Zc2)-n1×(Xc1-Xc2)}/(l1×n2-n1×l2)また式(3)及び式(4)を用いても以下のように媒介変数t1 ,t2 を求めることができる。
【0022】t1={l2×(Yc1-Yc2)-m2×(Xc1-Xc2)}/(l1×m2-m1×l2)t2={m1×(Xc1-Xc2)-l1×(Yc1-Yc2)}/(m1×l2-l1×m2)さらに式(4)及び式(5)を用いても以下のように媒介変数t1 ,t2 を求めることができる。
【0023】t1={m2×(Zc1-Zc2)-n2×(Yc1-Yc2)}/(m1×n2-n1×m2)t2={n1×(Yc1-Yc2)-m1×(Zc1-Zc2)}/(n1×m2-m1×n2)直線L1 ,L2 が交点を持つならば、上記の3種類のt1 ,t2 は同一の値となる。従って、式(1)及び式(2)にそれぞれt1 ,t2 を代入すると直線L1 ,L2 の交点、すなわち照射目標qの座標(Xq1,Yq1,Zq1)を求めることができる。なお、上述の照射目標qの座標を求める演算は位置座標演算装置4で行われる。
【0024】同様にして4台の赤外線カメラ2a1〜2a4のうちの任意の2台の組み合わせ(42=6)で合計6個の照射目標(これを候補点とよぶ)q1〜q6が求められる(図4参照)。
【0025】次に上記6個の候補点q1〜q6の中から照射目標qに一致する候補点若しくは最も近い候補点を選び出し、その座標を照射目標qの座標とする処理について説明する。
【0026】例えば、照射空間Wが結婚式の披露宴会場であり、照射目標qが白色のウエディングドレスを着た新婦であるとする。まず、図5に示すように一方のカラーカメラ(例えば2b1)で赤外線発信器10を付けた照射目標qを撮像し、画像認識装置3においてその画像信号をRGBの3原色成分に分離するとともにA/D変換などの処理を経てカラー画像データに変換する。そしてこのカラー画像データは画像認識装置3が具備するメモリに格納される。次に画像認識装置3は、メモリに格納されたカラー画像データを処理して照射目標qの特徴を示す特徴領域(例えば、白色の領域)Kを抽出するとともに(図6参照)、抽出した特徴領域Kと上記6個の候補点q1〜q6とを比較し、特徴領域Kに重なる候補点あるいは特徴領域Kの中心点に最も近い候補点(図7に示すような場合には候補点q4を)を照射目標qとして選び、候補点q4の座標(Xq,Yq,Zq)を照射目標qの座標とする。
【0027】次に、追尾制御装置5が上記照射目標qの座標(Xq,Yq,Zq)から制御値(パン及びチルトの角度)を求める手順について説明する。ここで、スポットライト1のパンの回動軸がZ軸に平行であり、チルトの回動軸がXY平面に平行であるとする。また、スポットライト1の取付座標を(Xs,Ys,Zs)、照明空間Wにおける基準の方向、この場合は(0,1,0)の方向とスポットライト1本体の基準の方向の角度をPs0とすると、スポットライト1から照射目標qまでの方向余弦Α(lsq,msq,nsq)は下式のように表される(但し、Aはベクトルを示す。)。
lsq=(Xq−Xs)/|B|msq=(Yq−Ys)/|B|nsq=(Zq−Zs)/|B|ここで、|B|はベクトルB(Xq−Xs,Yq−Ys,Zq−Zs)の大きさ(絶対値)とする。
【0028】次に回転に関するマトリクス(行列)を考える。スポットライト1のパンの回動角(Ps)、チルトの回動角(Ts)、基準の方向からの取付のずれ(Ps0)を下式のように表す。
【0029】
【式2】

これらをまとめると、下式のように表される。
【0030】
【式3】

上式をまとめると次のような方程式が得られる。
【0031】
【式4】

ここで、([PsO]-1)は[PsO]の逆行列を表す。
【0032】上記式(6)は右辺が定数で左辺が未知数に分離されて容易に解くことができ、照射目標qまでのスポットライト1のパンの回動角(Ps)、チルトの回動角(Ts)を得ることができる。そして、これらパンの回動角(Ps)、チルトの回動角(Ts)を実際の制御値に変換した値に基づいて追尾制御装置5が駆動機構を駆動制御してスポットライト1の照射方向を照射目標qの座標に一致させるのである。このとき、パン及びチルト用の各駆動機構が具備するモータを、ポテンショメータ等のセンサからの検出値を追尾制御装置5にフィードバックしてサーボ駆動するような構成とすることも可能である。そして、上述した一連の処理を画像認識から連続的に繰り返すことで自動的に照射目標qにスポットライト1の光を照射することができる。また、照射目標qの位置が急激に変化するなどして上記処理で追尾できないような場合には、操作者が表示装置7に表示された照明空間Wの画像を見ながら補正制御装置8の設定/操作スイッチ8aを操作して手動でスポットライト1の駆動機構を駆動することにより、スポットライト1の光を照射目標qに照射することができるようになっている。
【0033】また上記システムにおいては、追尾制御装置5が照射目標qの座標に基づいてカラーカメラ2b1,2b2の駆動機構を駆動制御するための制御値を上記手順と同様にして求め、例えば照射目標qが撮像範囲外にある場合に上記駆動機構を駆動制御してカラーカメラ2b1,2b2にて照射目標qが撮像されるようにしている。
【0034】ところが従来の制御フローにおいては、図13に示すように切換装置9にて選択されて照射目標qの座標を求めるのに利用されるカラーカメラ(上記説明では2b1)に対してのみ駆動制御が行われ、照射目標qの座標を求めるのに利用されていない他方のカラーカメラ(上記説明では2b2)については制御値の演算も駆動制御も行われていなかった。したがって、切換装置9により表示装置7に画像を表示させるカラーカメラを2b1から2b2に切り換えた場合に、それまでの間カラーカメラ2b2に照射目標qを追尾させいなかったためにカラーカメラ2b2が照射目標qを撮像しておらず、切換後直ちには照射目標qの座標を求めるのに利用することができず、一旦カラーカメラ2b2が照射目標qを撮像できるように駆動制御しなければならず、その間は表示装置7の画面に照射目標qが映し出されない虞があった。
【0035】そこで本実施形態においては、図8の制御フローに示すように切換装置9にて選択されて照射目標qの座標を求めるのに利用されているか否かにかかわらず、2台のカラーカメラ2b1,2b2で常時照射目標qを撮像できるように、追尾制御装置5が照射目標qの座標から演算した制御値でカラーカメラ2b1,2b2の駆動機構を駆動制御している。したがって、切換装置9により表示装置7に画像を表示させるカラーカメラ2b1又は2b2を切り換えた場合でも、切換後直ちにカラーカメラ2b1又は2b2のカラー画像を照射目標qの座標を求めるのに利用することができるとともに、表示装置7の画面にも切換前後で照射目標qが途切れることなく映し出される。
【0036】上述のように本実施形態によれば、追尾制御装置5が照射目標qの座標から演算した制御値で2台のカラーカメラ2b1,2b2の駆動機構を駆動制御しているので、切換装置9により表示装置7に画像を表示させるカラーカメラ2b1又は2b2を切り換えた場合でも、切換後直ちにカラーカメラ2b1又は2b2のカラー画像を照射目標qの座標を求めるのに利用することができるとともに、表示装置7の画面にも切換前後で照射目標qが途切れることなく映し出され、見た目に照射目標qが表示装置7の画面から消えている時間をなくすことができる。
【0037】(実施形態2)本実施形態は、実施形態1の構成に対して表示装置7の画面上で照射目標qに重ねて任意の形状(例えばリング形状)のマークMを描画するマーク描画装置11を備えた点に特徴があり、その他の構成並びに基本的な動作は実施形態1と共通であるから、共通する部分については同一の符号を付して図示並びに説明を省略する。
【0038】図9は本実施形態の要部を示すブロック図である。マーク描画装置11では、位置座標演算装置4で得られた照射目標qの3次元座標と切換装置9から入力される何れか一方のカラーカメラ2b1又は2b2の画像の2次元座標との関係を計算し、カラーカメラ2b1又は2b2の画像上の照射目標qを中心としてマークMを描画した画面Nを作成するとともに、図10に示すようにカラーカメラ2b1又は2b2の画像に上記画面Nを重ねて表示装置7の画面7aに表示させる。したがって、表示装置7の画面7aには照射目標qにマークMが重ねて表示されるため、操作者が照射目標qを認識し易いものである。なお、上記マーク描画装置11は画像認識装置3や位置座標演算装置4などと同じコンピュータ装置により構成しても良いし、別途ハードウェアで構成しても良い。
【0039】ここでマーク描画装置11は、マークMを常時表示するモードと、切換装置9によってカラーカメラ2b1又は2b2の切り換えられた後の所定時間だけマークMを表示するモードとを有しており、補正制御装置8が具備する設定/操作スイッチ8aによって上記2つのモードが切り換えて設定できるようになっている。
【0040】(実施形態3)本実施形態は、実施形態1の構成に対して表示装置7の画面の所定領域に切換装置9で選択されていない方のカラーカメラの画像等を表示させる子画面描画装置12を備えた点に特徴があり、その他の構成並びに基本的な動作は実施形態1と共通であるから、共通する部分については同一の符号を付して図示並びに説明を省略する。
【0041】図11は本実施形態の要部を示すブロック図である。子画面描画装置12は、切換装置9で選択されていない方のカラーカメラ2b1又は2b2の画像を子画面として表示装置7に出力するカメラ画像描画部12aと、画像認識装置3から与えられるカラーカメラ2b1又は2b2の取付位置情報から照明空間W内のカラーカメラ2b1,2b2の配置図を作成するとともに位置座標演算装置4から与えられる照射目標qの座標に基づいて上記配置図に照射目標qの位置を重ねた画面を描画する配置図描画部12bと、スイッチ12dの操作によりカメラ画像描画部12aの描画画像と配置図描画部12bの描画画像とを切り換えて表示装置7に出力する切換部12cとを備えている。
【0042】而して、図12に示すように表示装置7の画面の所定領域(子画面)Bに上記切換部12cで切り換えられた描画画像が表示されるとともに、上記子画面Bを除く画面(親画面)Aに切換装置7で選択された方のカラーカメラ2b1又は2b2の画像が表示される。なお、補正制御装置8の設定/操作スイッチ8aを操作することにより、親画面Aと子画面Bの表示内容を入れ替えたり、子画面Bの表示を中止して親画面Aのみを表示するようにすることも可能である。
【0043】ところで、表示装置7の画面前面に透明電極を有する所謂タッチパネルを設け、設定/操作スイッチ8aや上記スイッチ12dをこのタッチパネルで構成するようにしても良い。すなわち、表示装置7の画面上に表示されるスイッチを操作することで切換装置9による切り換えを行ったり、あるいは表示装置7の画面上に表示された配置図描画部12bの配置図でカラーカメラ2b1又は2b2を示すアイコンなどに触れて選択することで切換装置9による切り換えを行うようにすることも可能であり、このような構成を採用すれば照明自動追尾システムにおける所謂マン・マシン・インタフェースの向上が図れる。なお、上述の一連の処理及び制御はコンピュータ装置によって実現可能である。
【0044】
【発明の効果】請求項1の発明は、複数の赤外線カメラと複数のカメラで撮像した画像を画像処理して照射目標の位置を算出し、この算出された位置に基づいて指向性を有する照明装置の光が常に照射目標に照射されるように前記照明装置の照射方向を可変制御する照明自動追尾システムにおいて、算出された照射目標の位置に基づいて少なくとも前記複数のカメラが常に照射目標を撮像するように全てのカメラの撮像方向を可変制御し、これら複数のカメラのうちの少なくとも1台のカメラの画像を表示装置に切り換えて表示させるので、複数のカメラが全て常に照射目標を追尾して撮像しているため、表示装置に表示する画像を切り換えた場合に常に画面内に照射目標が映し出されることとなり、自動追尾の停止や照射目標の画像表示の途切れが生じるのを防止することができるという効果がある。
【0045】請求項2の発明は、少なくとも照射目標が映し出された前記表示装置の画面に、照射目標を示すマークが描画された画面を該マークが照射目標と重なるように表示させる手段を備えたので、表示装置に表示される画像を切り換えた場合でも照射目標に重ねて表示されるマークによって照射目標を容易に認識することができるという効果がある。
【0046】請求項3の発明は、前記複数のカメラの内の少なくとも2台のカメラの画像を表示装置の画面内における異なる領域にそれぞれ映し出す手段を備えたので、1台の表示装置において多くの情報を一度に表示させることができて使い勝手の向上が図れるという効果がある。
【出願人】 【識別番号】000005832
【氏名又は名称】松下電工株式会社
【出願日】 平成10年(1998)5月26日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】西川 惠清 (外1名)
【公開番号】 特開平11−339507
【公開日】 平成11年(1999)12月10日
【出願番号】 特願平10−144618