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【発明の名称】 照明制御装置
【発明者】 【氏名】前原 恒男

【要約】 【課題】照射対象の位置を認識して、照明器具の照射方向を照射対象の移動に自動的に追尾させるように制御する照明制御装置において、照射対象の位置に応じて追尾する照明器具の照射方向以外の状態、例えば、明かりレベル、色、パターン径などを制御する。

【解決手段】照射対象が移動する範囲を複数の認識領域に分割し、照射対象の位置から認識した照射対象が含まれる認識領域に応じて照明器具を制御する。また、照射対象の移動により照射対象が含まれる認識領域が変化したときに、照明器具の一部又は全ての状態が一定時間を経過した後に切り替わるように、あるいは、一定時間をかけて徐々に切り替わるように制御する。また、隣接する認識領域は重複領域を持つように設定しても良い。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 照射対象の位置を認識して、照明器具の照射方向を照射対象の移動に自動的に追尾させるように制御する照明制御装置において、照射対象が移動する範囲を複数の認識領域に分割し、照射対象の位置から認識した照射対象が含まれる認識領域に応じて照明器具を制御することを特徴とする照明制御装置。
【請求項2】 請求項1において、照明器具の明かりレベル又は色又はパターン径のうち、少なくとも1つを制御することを特徴とする照明制御装置。
【請求項3】 請求項1又は2において、予め認識領域に対応する照明器具の制御情報を設定しておき、照射対象が含まれる認識領域が変化するごとに制御情報を取得し、該制御情報に基づいて照明器具を制御することを特徴とする照明制御装置。
【請求項4】 請求項3において、予め設定しておく制御情報を複数パターン保持し、制御情報を切り替えて使用可能としたことを特徴とする照明制御装置。
【請求項5】 請求項3又は4において、照射対象の移動により照射対象が含まれる認識領域が変化したときに、照明器具の一部又は全ての状態が一定時間を経過した後に切り替わるように制御することを特徴とする照明制御装置。
【請求項6】 請求項3又は4において、隣接する認識領域は重複領域を持つように設定することを特徴とする照明制御装置。
【請求項7】 請求項3又は4において、照射対象の移動により照射対象が含まれる認識領域が変化したときに、照明器具の一部又は全ての状態変化を一定時間をかけて徐々に切り替わるように制御することを特徴とする照明制御装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、1台又は複数台の照明器具の照射方向等を制御する照明制御装置に関するものであり、テレビスタジオ、舞台、ホール、ホテル宴会場、結婚披露宴会場などにおいて用いられるものである。
【0002】
【従来の技術】図9は自動追尾機能を有する照明制御装置の説明図である。この装置は、照射対象Mの位置を認識して、照明器具Aの照射方向を照射対象Mの移動に自動的に追尾させるように制御するものであり、図中のスポットPが照射対象Mの移動に追随して動くように照明器具Aの照射方向を制御する装置である。ここで、図10に示すように、移動している照射対象Mを自動追尾するように2台の照明器具A、Bを制御している場合を考える。例えば、披露宴では追尾される照射対象Mは新郎新婦であるが、図10の状態で新郎新婦を正面から写真又はビデオで撮影すると、照明器具Aの明かりが逆光となってしまう場合がある。これは通常の自動追尾機能を有する照明制御装置では、照明器具A、Bの照射方向のみを制御するだけで、照明器具のその他の状態(明かりレベル、色、パターン径など)は制御しないことが原因となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述のような点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、照射対象の位置を認識して、照明器具の照射方向を照射対象の移動に自動的に追尾させるように制御する照明制御装置において、照射対象の位置に応じて追尾する照明器具の照射方向以外の状態、例えば、明かりレベル、色、パターン径などを制御することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、照射対象Mの位置を認識して、照明器具Li (i=0,1,2,…,m)の照射方向を照射対象Mの移動に自動的に追尾させるように制御する照明制御装置において、照射対象Mが移動する範囲を複数の認識領域Zj (j=0,1,2,…,n)に分割し、照射対象Mの位置から認識した照射対象Mが含まれる認識領域Zj に応じて照明器具Li を制御することを特徴とするものである。
【0005】
【発明の実施の形態】(実施例1)図1は本発明の実施例1の構成を示すブロック図である。この照明制御装置は、照射対象の位置データを取得する照射対象位置取得部1と、照射方向と明かりレベルと色データとパターン径データを指示入力することができるリモコン照明器具L1 ,L2 ,…,Lm と、各照明器具Li (i=0,1,2,…,m)の取付位置データを設定、取得することができる器具取付位置データレジスタ2と、照射対象の移動範囲の各ゾーン(図8参照)の領域データを設定、取得することができるゾーンデータレジスタ3と、各ゾーンに対応した照明器具Liの明かりレベルデータと色データとパターン径データを設定、取得することができるk個の照明器具制御データレジスタRh (h=0,1,2,…,k)と、ゾーン番号を設定、取得することができる前回ゾーンデータレジスタ4と、ゾーン切り替わりから照明器具Li が状態変化するまでの時間を設定、取得することができる切替時間データレジスタ7と、時間を計測するためのタイマ6と、これらに接続された演算装置5とから構成されている。
【0006】以下、本実施例の動作について説明する。まず、追尾開始前の動作として、使用する照明器具制御データレジスタRuを選択し、予めゾーン領域データAZj(j=0,1,2,…,n)をゾーンデータレジスタ3に設定し、また、各ゾーンZj に対応した照明器具Li (i=0,1,2,…,m)の明かりレベルDjiと色データCjiとパターン径データPjiを照明器具制御データレジスタに設定し、さらに、ゾーン切り替わりから照明器具Li が状態変化するまでの時間Tc を切替時間データレジスタ7に設定しておく。
【0007】次に、追尾を開始した後の動作を説明する。各リモコン照明器具Li (i=0,1,2,…,m)の照射方向は従来の自動追尾装置と同様にして決定する。照明器具Li の明かりレベルDji、色データCji、パターン径データPjiは、照射対象位置取得部1から得た照射対象位置データSとゾーン領域データAZjを順次比較してS⊂AZjとなるAZj=AZrを取得し、照明器具制御データレジスタRuからゾーン領域データAZrに対応する明かりレベルDri、色データCri、パターン径データPriを取得して各照明器具Li を制御する。前回ゾーンデータレジスタにpを設定する。
【0008】照射対象Mが移動した場合、照明器具Li の照射方向は従来の自動追尾装置と同様にして決定する。照明器具Li の明かりレベル、色データ、パターン径データは以下の手順で求める(図2、図3参照)。
■照射対象位置取得部1から得た照射対象位置データSとゾーン領域データAZjを順次比較してS⊂AZjとなるAZj=AZqを取得する。
■前回ゾーンデータレジスタからゾーン番号pを取得し、p=qの場合は■に戻る。p≠qの場合はゾーンを移動したと判断して、タイマをリセット起動して、■へ移る。
■色データ、パターン径データに関しては照明器具制御データレジスタRu からゾーン領域データAZqに対応する色データCqi、パターン径データPqiを取得して各照明器具Li を制御する。明かりレベルデータに関しては、前回ゾーンデータレジスタ4からゾーン番号pを取得して、ゾーン領域データAZpに対応する明かりレベルDpiと、ゾーン領域データAZqに対応する明かりレベルDqiを比較して、Dpi≧Dqiの場合は、切替時間データレジスタ7に設定されたTc 時間の経過をタイマ6により計時した後に照明器具Li の明かりレベルをDqiにする。Dpi<Dqiの場合はすぐに照明器具Li の明かりレベルをDqiにする。
■前回ゾーンデータレジスタ4にゾーン番号qを設定して■へ戻る。
【0009】本実施例1によれば、ゾーンごとに照射する照明器具の明かりレベルを設定することで、照射対象が新郎新婦の場合など、移動経路がある程度決まっているときに、カメラ、ビデオ等の撮影に対して器具の明かりが逆光とならないように自動的に簡単に制御できるという効果がある。
【0010】また、ゾーンごとに照射する器具の色を設定することで、照射対象が新郎新婦の場合など、移動経路がある程度決まっているときに、照射対象を正面から照射する明かりの色と背後から照射する明かりの色を変えることができるので、照射対象を浮き上がらせるように見せるなど、カメラ、ビデオ等の撮影に対して演出性を高めることができるという効果がある。
【0011】さらに、ゾーンごとに照射する器具のパターン径を設定することで、照射対象が新郎新婦の場合など、移動経路がある程度決まっているときに、照射対象を正面から照射する明かりのパターン径と背後から照射する明かりのパターン径を変えることができるので、同じ明かりレベルでも背後からの明かりのパターン径を大きくすれば照射対象上での背後からの明かりの照度は小さくなる(同じ明かりレベルであればパターン径と照射面における照度は反比例する)から、カメラ、ビデオ等の撮影に対して器具の明かりが逆光となってもその影響を小さくすることができるという効果がある。
【0012】また、複数の照明器具制御データレジスタを切り替えて使用できるようにすることで、照射対象が新郎新婦の場合の通常の入場とキャンドルサービスの入場を異なる制御にするなど、複数の演出パターンにも対応できるという効果がある。さらに、照射対象のゾーン移動の際、照明器具の明かりレベルが小さくなる場合には一定時間の経過後に切り替わるようにすることで、ゾーン境界では、移動前のゾーンの明かりに移動後のゾーンの明かりが加えられ、一定時間後に移動前のゾーンの明かりが消えるので、明かりレベルの急激な変化による違和感を軽減できるという効果がある。
【0013】(実施例2)図4は本発明の実施例2の構成を示すブロック図である。本実施例2では、図1に示した実施例1の構成において、タイマ6と切替時間データレジスタ7とを削除した構成を有する。また、ゾーン領域データを設定する際に、隣接するゾーンには重複領域を設定しておく。照射対象Mが移動した場合、照明器具Li の照射方向は従来の自動追尾装置と同様にして決定する。照明器具Li の明かりレベル、色データ、パターン径データは以下の手順で求める(図5、図6参照)。
【0014】■照射対象位置取得部1から得た照射対象位置データSとゾーン領域データAZjを順次比較してS⊂AZjとなるゾーンを取得する。
■上記■の条件を満たすゾーンを2つ(=q1 ,q2 )取得した場合はゾーンを移動中と判断して■へ移る。条件を満たすゾーンが1つの場合は■へ戻る。
■2つのゾーンq1 ,q2 のうち、前回ゾーンデータレジスタ4から取得したゾーン番号と等しい方をp、もう一方をqとして、色データ、パターン径データに関しては、照明器具制御データレジスタRu からAZqに対応する色データCqi、パターン径データPqiを取得して各々照明器具Li を制御する。明かりレベルデータに関しては、AZpに対応する明かりレベルDpiとAZqに対応する明かりレベルDqiを比較して、Dpi<Dqiの場合はすぐに照明器具Li の明かりレベルをDqiにする。Dpi≧Dqiの場合は■と同様の処理を繰り返し行い、S⊂AZpでない又はS⊂AZqでないとなった時点で照明器具Li明かりレベルをDqiにする。
■前回ゾーンデータレジスタ4にゾーン番号qを設定して■へ戻る。この実施例2によれば、実施例1のタイマ6と切替時間データレジスタ7を用いずに、実施例1と同じ効果を出すことができる。
【0015】(実施例3)図7は本発明の実施例3の動作を示すフローチャートである。本実施例3では、図1に示した実施例1と同じ構成を有しており、切替時間データレジスタ7に、ゾーン切り替わりからの照明器具Li の状態変化時間Tf を予め設定しておく。また、実施例1の■の動作を以下のように変更する。
【0016】■色データ、パターン径データに関しては、照明器具制御データレジスタRuからAZqに対応する色データCqi、パターン径データPqiを取得して各照明器具Li を制御する。明かりレベルのデータに関しては、タイマ6をリセット起動し、前回ゾーンデータレジスタ4からゾーン番号pを取得してAZpに対応する明かりレベルDpiとAZqに対応する明かりレベルDqiとタイマ6から取得した経過時間Tp から、Di =Dpi+(Dqi−Dpi)×Tp /Tfで得られる明かりレベルDi で各照明器具Li を制御する。
【0017】この実施例3によれば、明かりレベルをゾーン変化からの経過時間Tp に応じて変化させることで、器具の点灯/消灯に伴う急激な明かりの変化による違和感を軽減できるという効果がある。
【0018】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、照射対象の位置を認識して、照明器具の照射方向を照射対象の移動に自動的に追尾させるように制御する照明制御装置において、照射対象が移動する範囲を複数の認識領域に分割し、照射対象の位置から認識した照射対象が含まれる認識領域に応じて照明器具を制御するようにしたので、照射対象の移動経路がある程度決まっているときに、認識領域ごとに照射する照明器具の明かりレベルを設定することで、器具の明かりが逆光とならないように自動的に簡単に制御できるという効果がある。
【0019】請求項2の発明によれば、照明器具の明かりレベル又は色又はパターン径のうち、少なくとも1つを制御するようにしたから、照射対象の移動経路がある程度決まっているときに、照射対象を正面から照射する明かりの色と背後から照射する明かりの色を変えることができるので、照射対象を浮き上がらせるように見せるなど、演出性を高めることができるという効果がある。
【0020】請求項3の発明によれば、予め認識領域に対応する照明器具の制御情報を設定しておき、照射対象が含まれる認識領域が変化するごとに制御情報を取得し、該制御情報に基づいて照明器具を制御するようにしたので、簡単な構成で複雑な制御を実現できるという効果がある。請求項4の発明によれば、予め設定しておく制御情報を複数パターン保持し、制御情報を切り替えて使用可能としたので、例えば、照射対象が新郎新婦の場合の通常の入場とキャンドルサービスの入場を異なる制御にするなど、複数の演出パターンにも対応できるという効果がある。
【0021】請求項5の発明によれば、照射対象の移動により照射対象が含まれる認識領域が変化したときに、照明器具の一部又は全ての状態が一定時間を経過した後に切り替わるように制御するようにしたので、認識領域の境界付近で制御状態の急激な変化が生じることを防止して違和感を軽減できるという効果がある。請求項6の発明によれば、隣接する認識領域は重複領域を持つように設定したことにより、タイマ等を用いずに請求項5の発明と同様の効果が得られる。
【0022】請求項7の発明によれば、照射対象の移動により照射対象が含まれる認識領域が変化したときに、照明器具の一部又は全ての状態変化を一定時間をかけて徐々に切り替わるように制御するようにしたので、認識領域の境界付近で制御状態の急激な変化が生じることを防止して違和感を軽減できるという効果がある。
【出願人】 【識別番号】000005832
【氏名又は名称】松下電工株式会社
【出願日】 平成9年(1997)12月15日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】倉田 政彦
【公開番号】 特開平11−176209
【公開日】 平成11年(1999)7月2日
【出願番号】 特願平9−345566